交通安全対策基本法

# 昭和四十五年法律第百十号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和三年九月一日 ( 2021年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 06月04日 08時20分


1項

この法律は、交通の安全に関し、国 及び地方公共団体、車両、船舶 及び航空機の使用者、車両の運転者、船員 及び航空機乗組員等の責務を明らかにするとともに、 国 及び地方公共団体を通じて必要な体制を確立し、並びに交通安全計画の策定 その他 国 及び地方公共団体の施策の基本を定めることにより、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図り、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 号

道路

道路交通法昭和三十五年法律第百五号第二条第一項第一号に規定する道路をいう。

二 号

車両

道路交通法第二条第一項第八号に規定する車両 及び鉄道 又は軌道による交通の用に供する車両をいう。

三 号

船舶

水上 又は水中の航行の用に供する船舟類をいう。

四 号

航空機

航空法昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第一項に規定する航空機をいう。

五 号

陸上交通

道路 又は一般交通の用に供する鉄道 若しくは軌道による交通をいう。

六 号

海上交通

船舶による交通をいう。

七 号

航空交通

航空機による交通をいう。

八 号

船員

船舶に乗り組んで その運航に従事する者をいい、水先法(昭和二十四年法律第百二十一号)第二条第二項に規定する水先人を含むものとする。

九 号

航空機乗組員

航空法第六十九条に規定する航空機乗組員をいう。

十 号

指定行政機関

次に掲げる機関で内閣総理大臣が指定するものをいう。

内閣府 並びに内閣府設置法平成十一年法律第八十九号第四十九条第一項 及び第二項に規定する機関、デジタル庁 並びに国家行政組織法昭和二十三年法律第百二十号第三条第二項に規定する機関

内閣府設置法第三十七条 及び第五十四条 並びに国家行政組織法第八条に規定する機関

内閣府設置法第三十九条 及び第五十五条 並びに国家行政組織法第八条の二に規定する機関

内閣府設置法第四十条 及び第五十六条 並びに国家行政組織法第八条の三に規定する機関

十一 号

指定地方行政機関 指定行政機関の地方支分部局(内閣府設置法第四十三条 及び第五十七条 並びに国家行政組織法第九条に規定する地方支分部局をいう。) その他の国の地方行政機関で、内閣総理大臣が指定するものをいう。

1項

国は、国民の生命、身体 及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、陸上交通、海上交通及び航空交通の安全(以下「交通の安全」という。)に関する総合的な施策を策定し、及び これを実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、住民の生命、身体 及び財産を保護するため、その区域における交通の安全に関し、国の施策に準じて施策を講ずるとともに、 当該区域の実情に応じた施策を策定し、及び これを実施する責務を有する。

1項

道路、鉄道、軌道、港湾施設、漁港施設、飛行場 又は航空保安施設を設置し、又は管理する者は、法令の定めるところにより、その設置し、又は管理するこれらの施設に関し、交通の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。

1項

車両、船舶 又は航空機(以下「車両等」という。)の製造の事業を営む者は、その製造する車両等の構造、設備 及び装置の安全性の向上に努めなければならない。

1項

車両等を使用する者は、法令の定めるところにより、 その使用する車両等の安全な運転 又は運航を確保するため必要な措置を講じなければならない。

1項

車両を運転する者(以下「車両の運転者」という。)は、法令の定めるところにより仕業点検等を行なうとともに、歩行者に危害を及ぼさないようにする等車両の安全な運転に努めなければならない。

2項

船員は、法令の定めるところにより発航前の検査、異常な気象、海象等の通報、航路標識の事故の通報、遭難船舶の救助等を行なうとともに、船舶の安全な運航に努めなければならない。

3項

航空機乗組員は、法令の定めるところにより出発前の確認、航空保安施設の機能の障害の報告等を行なうとともに、 航空機の安全な運航に努めなければならない。

1項

歩行者は、道路を通行するに当たつては、 法令を励行するとともに、陸上交通に危険を生じさせないように努めなければならない。

1項

住民は、国 及び地方公共団体が実施する交通の安全に関する施策に協力する等交通の安全に寄与するように努めなければならない。

1項

国 及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、 一体として交通の安全に寄与することとなるように配慮しなければならない。

1項

政府は、交通の安全に関する施策の実施に必要な財政上 又は金融上の措置 その他の措置を講じなければならない。

1項

政府は、毎年、国会に、交通事故の状況、交通の安全に関する施策に係る計画 及び交通の安全に関して講じた施策の概況に関する報告を提出しなければならない。