労働委員会は、使用者が第七条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。
この場合において、審問の手続においては、当該使用者 及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
労働委員会は、使用者が第七条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。
この場合において、審問の手続においては、当該使用者 及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。
公益委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審査に係る職務の執行から除斥される。
公益委員 又はその配偶者 若しくは配偶者であつた者が事件の当事者 又は法人である当事者の代表者であり、又はあつたとき。
公益委員が事件の当事者の四親等以内の血族、三親等以内の姻族 又は同居の親族であり、又はあつたとき。
公益委員が事件の当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人 又は補助監督人であるとき。
公益委員が事件について証人となつたとき。
公益委員が事件について当事者の代理人であり、又はあつたとき。
前項に規定する除斥の原因があるときは、当事者は、除斥の申立てをすることができる。
公益委員について審査の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、これを忌避することができる。
当事者は、事件について労働委員会に対し書面 又は口頭をもつて陳述した後は、公益委員を忌避することができない。
ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
除斥 又は忌避の申立てについては、労働委員会が決定する。
除斥 又は忌避の申立てに係る公益委員は、前項の規定による決定に関与することができない。
ただし、意見を述べることができる。
第一項の規定による決定は、書面によるものとし、かつ、理由を付さなければならない。
労働委員会は、除斥 又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。
ただし、急速を要する行為についてはこの限りでない。
労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない。
前項の審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
調査を行う手続において整理された争点 及び証拠(その後 の審査の手続における取調べが必要な証拠として整理されたものを含む。)
審問を行う期間 及び回数 並びに尋問する証人の数
第二十七条の十二第一項の命令の交付の予定時期
労働委員会は、審査の現状 その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を変更することができる。
労働委員会 及び当事者は、適正かつ迅速な審査の実現のため、審査の計画に基づいて審査が行われるよう努めなければならない。
労働委員会は、当事者の申立てにより 又は職権で、調査を行う手続においては第二号に掲げる方法により、審問を行う手続においては次の各号に掲げる方法により証拠調べをすることができる。
事実の認定に必要な限度において、当事者 又は証人に出頭を命じて陳述させること。
事件に関係のある帳簿書類 その他の物件であつて、当該物件によらなければ当該物件により認定すべき事実を認定することが困難となるおそれがあると認めるもの(以下「物件」という。)の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出された物件を留め置くこと。
労働委員会は、前項第二号の規定により物件の提出を命ずる処分(以下「物件提出命令」という。)をするかどうかを決定するに当たつては、個人の秘密 及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない。
労働委員会は、物件提出命令をする場合において、物件に提出を命ずる必要がないと認める部分 又は前項の規定により配慮した結果提出を命ずることが適当でないと認める部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
調査 又は審問を行う手続に参与する使用者委員 及び労働者委員は、労働委員会が第一項第一号の規定により当事者 若しくは証人に出頭を命ずる処分(以下「証人等出頭命令」という。)又は物件提出命令をしようとする場合には、意見を述べることができる。
労働委員会は、職権で証拠調べをしたときは、その結果について、当事者の意見を聴かなければならない。
物件提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
労働委員会は、物件提出命令をしようとする場合には、物件の所持者を審尋しなければならない。
労働委員会は、物件提出命令をする場合には、第六項各号(第三号を除く。)に掲げる事項を明らかにしなければならない。
労働委員会が証人に陳述させるときは、その証人に宣誓をさせなければならない。
労働委員会が当事者に陳述させるときは、その当事者に宣誓をさせることができる。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百九十六条、第百九十七条 及び第二百一条第二項から第四項までの規定は、労働委員会が証人に陳述させる手続に、同法第二百十条の規定において準用する同法第二百一条第二項の規定は、労働委員会が当事者に陳述させる手続について準用する。
都道府県労働委員会の証人等出頭命令 又は物件提出命令(以下この条において「証人等出頭命令等」という。)を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から一週間以内(天災 その他この期間内に審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に審査を申し立てることができる。
中央労働委員会は、前項の規定による審査の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部 又は一部を取り消す。
中央労働委員会の証人等出頭命令等を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から一週間以内(天災 その他この期間内に異議の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に異議を申し立てることができる。
中央労働委員会は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
審査の申立て又は異議の申立ての審理は、書面による。
中央労働委員会は、職権で審査申立人 又は異議申立人を審尋することができる。
労働委員会は、審問を妨げる者に対し退廷を命じ、その他審問廷の秩序を維持するために必要な措置を執ることができる。
労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部 若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等」という。)を発しなければならない。
調査 又は審問を行う手続に参与する使用者委員 及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる。
第一項の事実の認定 及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者 及び申立人に交付しなければならない。
救済命令等は、交付の日から効力を生ずる。
使用者が救済命令等について第二十七条の十九第一項の期間内に同項の取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する。
使用者が確定した救済命令等に従わないときは、労働委員会は、使用者の住所地の地方裁判所にその旨を通知しなければならない。
この通知は、労働組合 及び労働者もすることができる。
労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。
救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあつた場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する。
前項に規定する場合において、和解(前項の規定により労働委員会が適当と認めたものに限る。次項において同じ。)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う。
労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払 又はその他の代替物 若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる。
前項の和解調書は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。
前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、
労働委員会の会長が行う。
民事執行法第二十九条後段の執行文 及び文書の謄本の送達も、同様とする。
前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。
第四項の和解調書 並びに第六項後段の執行文 及び文書の謄本の送達に関して必要な事項は、政令で定める。
使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、十五日以内(天災 その他この期間内に再審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。
ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が第二十五条第二項の規定による再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う。
前項の規定は、労働組合 又は労働者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する。
中央労働委員会は、第二十七条の十九第一項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部 又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。
第二十七条第一項、第二十七条の二から第二十七条の九まで、第二十七条の十第三項から第六項まで 及び第二十七条の十一から第二十七条の十四までの規定は、中央労働委員会の再審査の手続について準用する。
この場合において、
第二十七条の二第一項第四号中
「とき」とあるのは
「とき 又は事件について既に発せられている都道府県労働委員会の救済命令等に関与したとき」と
読み替えるものとする。
労働委員会は、迅速な審査を行うため、審査の期間の目標を定めるとともに、目標の達成状況 その他の審査の実施状況を公表するものとする。