外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律

# 昭和六十一年法律第六十六号 #
略称 : 外国弁護士法  外弁法 

第八章 懲戒

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和四年十一月一日 ( 2022年 11月1日 )
@ 最終更新 : 令和二年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 20時11分


第一節 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人に対する懲戒の処分

1項

外国法事務弁護士 及び外国法事務弁護士法人は、この法律(弁護士法人の使用人である外国法事務弁護士にあつては、この法律 又は弁護士法)又は所属弁護士会 若しくは日本弁護士連合会の会則中外国法事務弁護士 若しくは外国法事務弁護士法人に関する規定に違反し、所属弁護士会 又は日本弁護士連合会の秩序 又は信用を害し、その他職務の内外を問わず その品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。

2項
懲戒は、日本弁護士連合会が外国法事務弁護士懲戒委員会の議決に基づいて行う。
1項

外国法事務弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。

一 号
戒告
二 号

二年以内の業務の停止

三 号
退会命令
四 号
除名
2項

外国法事務弁護士法人に対する懲戒は、次の三種とする。

一 号
戒告
二 号

二年以内の外国法事務弁護士法人の業務の停止 又はその事務所の業務の停止

三 号
除名
1項
何人も、外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、当該外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人の所属弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に懲戒の請求をすることができる。
2項

弁護士会は、所属の外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき、又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、弁護士法第七十条第一項の規定によりその弁護士会に置かれた綱紀委員会に調査をさせることができる。


この場合において、その綱紀委員会が当該外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人を懲戒することを相当と認めたときは、その綱紀委員会の調査結果 及び意見を添えて日本弁護士連合会に懲戒の請求をしなければならない。

3項

日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき、又は第一項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、外国法事務弁護士綱紀委員会にその調査をさせなければならない。


ただし、同一の事由について前項の調査が行われているときは、この限りでない。

4項

日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士綱紀委員会が前項の調査により外国法事務弁護士 若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒することを相当と認めたとき、又は第二項の請求があつたときは、外国法事務弁護士懲戒委員会にその審査を求めなければならない。

5項

弁護士会の綱紀委員会 及び外国法事務弁護士綱紀委員会は、調査に関し必要があるときは、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人、第一項の請求をした者、関係人 及び官公署 その他に対して陳述、説明 又は資料の提出を求めることができる。

6項

日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人を懲戒するときは、当該外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人に懲戒の処分の内容 及びその理由を書面により通知しなければならない。

7項

日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人を懲戒したときは、遅滞なく、懲戒の処分の内容を官報をもつて公告しなければならない。

8項

日本弁護士連合会は、第一項 若しくは第二項の請求に係る外国法事務弁護士 若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒したとき、又はその外国法事務弁護士 若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒しないこととしたときは、その旨を第一項の請求をした者 又は第二項の請求をした弁護士会に通知しなければならない。

1項

弁護士法第五十七条の二第一項の規定は懲戒を受けた外国法事務弁護士法人について、同法第六十二条の規定は懲戒の手続に付された外国法事務弁護士 及び外国法事務弁護士法人について、同法第六十三条の規定は外国法事務弁護士 及び外国法事務弁護士法人の懲戒の手続について、それぞれ準用する。


この場合において、

同法第五十七条の二第一項 並びに第六十二条第二項 及び第四項
法律事務所」とあるのは
「事務所」と、

同項 及び同条第五項
この章の規定の適用については」とあるのは
「当該懲戒の手続との関係においては」と

読み替えるものとする。

1項

懲戒の手続に付された外国法事務弁護士法人は、第八十一条第一項第二号に係る部分に限る)の規定により弁護士・外国法事務弁護士共同法人に種類を変更した場合においても、この節 及び次節の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお種類を変更していないものとみなす。

第二節 外国法事務弁護士懲戒委員会及び外国法事務弁護士綱紀委員会

1項
日本弁護士連合会に外国法事務弁護士懲戒委員会を置く。
2項
外国法事務弁護士懲戒委員会は、日本弁護士連合会の請求により、外国法事務弁護士 及び外国法事務弁護士法人の懲戒に関して必要な審査を行うものとする。
1項

外国法事務弁護士懲戒委員会は、委員十五人をもつて組織する。

2項

委員のうち、八人は弁護士の中から、六人は裁判官、検察官 及び政府職員の中からそれぞれ二人ずつ一人は学識経験者の中から日本弁護士連合会の会長が委嘱する。


ただし、裁判官、検察官 又は政府職員である委員は最高裁判所、検事総長 又は法務大臣の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の会則で定める日本弁護士連合会の機関の決議に基づかなければならない。

3項
外国法事務弁護士懲戒委員会に委員長を置き、委員が互選する。
4項

第三十九条第四項の規定は、外国法事務弁護士懲戒委員会の委員の任期について準用する。

5項

外国法事務弁護士懲戒委員会に予備委員十五人を置く。

6項

第二項 及び第三十九条第四項 並びに弁護士法第六十六条の四第二項の規定は、前項の予備委員について準用する。


この場合において、

同条第二項
弁護士会の会長 又は日本弁護士連合会の会長」とあるのは、
「委員長」と

読み替えるものとする。

7項

弁護士法第六十六条の二第四項の規定は外国法事務弁護士懲戒委員会の委員長、委員 及び予備委員について、同法第六十六条の三第二項 及び第三項の規定は外国法事務弁護士懲戒委員会の委員長について、それぞれ準用する。

1項

外国法事務弁護士懲戒委員会は、審査を求められたときは、速やかに、審査の期日を定め、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人にその旨を通知しなければならない。

2項

審査を受ける外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人の社員は、審査期日に出頭し、かつ、陳述することができる。


この場合において、その外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人の社員は、委員長の指揮に従わなければならない。

3項

外国法事務弁護士懲戒委員会は、審査に関し必要があるときは、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人、第八十五条第一項の請求をした者、同条第二項の請求をした弁護士会、関係人 及び官公署 その他に対して陳述、説明 又は資料の提出を求めることができる。

4項

弁護士法第六十七条の二 及び第六十八条の規定は、外国法事務弁護士懲戒委員会の審査手続について準用する。

1項
日本弁護士連合会に外国法事務弁護士綱紀委員会を置く。
2項

外国法事務弁護士綱紀委員会は、第八十五条第三項の調査を行うものとする。

3項
外国法事務弁護士綱紀委員会は、委員若干人をもつて組織する。
4項

委員は、弁護士、裁判官、検察官、政府職員 及び学識経験者の中から日本弁護士連合会の会長が委嘱する。


ただし、裁判官、検察官 又は政府職員である委員は最高裁判所、検事総長 又は法務大臣の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の会則で定める日本弁護士連合会の機関の決議に基づかなければならない。

5項
外国法事務弁護士綱紀委員会に委員長を置き、委員が互選する。
6項

第三十九条第四項の規定は、外国法事務弁護士綱紀委員会の委員の任期について準用する。

7項
外国法事務弁護士綱紀委員会に予備委員若干人を置く。
8項

第四項 及び第三十九条第四項 並びに弁護士法第七十条の五第二項の規定は、前項の予備委員について準用する。


この場合において、

同条第二項
弁護士会の会長 又は日本弁護士連合会の会長」とあるのは、
「委員長」と

読み替えるものとする。

9項

弁護士法第七十条の三第四項の規定は外国法事務弁護士綱紀委員会の委員長、委員 及び予備委員について、同法第七十条の四第二項 及び第三項の規定は外国法事務弁護士綱紀委員会の委員長について、それぞれ準用する。

第三節 弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒

1項

弁護士・外国法事務弁護士共同法人は、この法律 又は所属弁護士会 若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序 又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。

2項
懲戒は、その弁護士・外国法事務弁護士共同法人の所属弁護士会が、これを行う。
3項
弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対して行う懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。
1項

弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒は、次の四種とする。

一 号
戒告
二 号

二年以内の弁護士・外国法事務弁護士共同法人の業務の停止 又はその法律事務所の業務の停止

三 号

退会命令(当該弁護士会の地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対するものに限る

四 号

除名(当該弁護士会の地域内に主たる法律事務所を有する弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対するものに限る

2項

弁護士法第五十七条第三項 及び第四項の規定は、弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒について準用する。


この場合において、

同条第三項
前項第二号」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十三条第一項第二号」と、

同条第四項
第二項」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十三条第一項」と

読み替えるものとする。

1項

日本弁護士連合会は、第九十二条第一項に規定する事案について自らその弁護士・外国法事務弁護士共同法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項において準用する弁護士法第六十条第二項から第六項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。

2項

弁護士法第六十条第二項から第六項までの規定は、弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒の手続について準用する。


この場合において、

同条第三項から第六項までの規定中
対象弁護士等」とあるのは、
「懲戒の手続に付された弁護士・外国法事務弁護士共同法人」と

読み替えるものとする。

1項

弁護士法第五十七条の二の規定は懲戒を受けた弁護士・外国法事務弁護士共同法人について、同法第五十八条の規定は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒の請求、調査 及び審査について、同法第五十九条の規定は懲戒を受けた弁護士・外国法事務弁護士共同法人の審査請求に対する裁決について、同法第六十二条の規定は懲戒の手続に付された弁護士・外国法事務弁護士共同法人について、同法第六十三条の規定は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の懲戒の手続について、同法第六十四条から第六十四条の五までの規定は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒の請求をした者による異議の申出 及び異議の審査等について、同法第六十四条の六 及び第六十四条の七の規定は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対する懲戒の処分の通知等について、それぞれ準用する。


この場合において、

同法第五十七条の二第二項
前条第二項第三号」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十三条第一項第三号」と、

同法第五十八条第三項
対象弁護士等(懲戒の手続に付された弁護士 又は弁護士法人をいう。以下同じ。)」とあり、
並びに同条第四項から第六項まで 並びに同法第六十四条第一項第六十四条の二第二項 及び第四項第六十四条の五第二項から第四項まで第六十四条の六 並びに第六十四条の七
対象弁護士等」とあるのは
「懲戒の手続に付された弁護士・外国法事務弁護士共同法人」と、

同法第五十九条第一項
第五十六条」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十二条」と、

同条第三項
弁護士法」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律昭和六十一年法律第六十六号第九十五条において準用する弁護士法」と、

同法第六十二条第四項 及び第五項
この章の規定の適用については」とあるのは
「当該懲戒の手続との関係においては」と

読み替えるものとする。

1項

弁護士・外国法事務弁護士共同法人に関する弁護士法第六十五条第二項第六十七条第七十条第二項 及び第三項第七十条の七第七十一条第二項 並びに第七十一条の六の規定の適用については、

同法第六十五条第二項
弁護士 又は弁護士法人」とあるのは
「弁護士・外国法事務弁護士共同法人(外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第二条第六号に規定する弁護士・外国法事務弁護士共同法人をいう。以下同じ。)」と、

同法第六十七条第一項 及び第三項第七十条の七第七十一条第二項 並びに第七十一条の六
対象弁護士等」とあるのは
「懲戒の手続に付された弁護士・外国法事務弁護士共同法人」と、

同法第六十七条第二項
審査を受ける弁護士 又は審査を受ける弁護士法人」とあるのは
「審査を受ける弁護士・外国法事務弁護士共同法人」と、

同項
弁護士 又は弁護士法人」とあり、
並びに同法第七十条第二項 及び第三項
弁護士 及び弁護士法人」とあるのは
「弁護士・外国法事務弁護士共同法人」と、

同条第二項
第五十八条第二項」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十五条において準用する第五十八条第二項」と、

同項 及び同条第三項
第七十一条の六第二項」とあるのは
同法第九十六条の規定により読み替えて適用する第七十一条の六第二項」と、

同項
第六十条第二項」とあるのは
外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律第九十四条第二項において準用する第六十条第二項」と、

第六十四条の二第一項」とあるのは
同法第九十五条において準用する第六十四条の二第一項」と

する。

1項

懲戒の手続に付された弁護士・外国法事務弁護士共同法人は、第八十一条第二項第一号に係る部分に限る)の規定により外国法事務弁護士法人に種類を変更した場合においても、この節の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお種類を変更していないものとみなす。