宗教法人法

# 昭和二十六年法律第百二十六号 #

第六章 解散

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 08月15日 08時17分


1項

宗教法人は、任意に解散することができる。

2項

宗教法人は、前項の場合のほか、次に掲げる事由によつて解散する。

一 号
規則で定める解散事由の発生
二 号

合併(合併後存続する宗教法人における当該合併を除く

三 号
破産手続開始の決定
四 号

第八十条第一項の規定による所轄庁の認証の取消し

五 号

第八十一条第一項の規定による裁判所の解散命令

六 号

宗教団体を包括する宗教法人にあつては、その包括する宗教団体の欠亡

3項

宗教法人は、前項第三号に掲げる事由に因つて解散したときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。

1項

宗教法人は、前条第一項の規定による解散をしようとするときは、第二項 及び第三項の規定による手続をした後、その解散について所轄庁の認証を受けなければならない。

2項

宗教法人は、前条第一項の規定による解散をしようとするときは、規則で定めるところ(規則に別段の定がないときは、第十九条の規定)による外、信者 その他の利害関係人に対し、解散に意見があればその公告の日から二月を下らない一定の期間内にこれを申し述べるべき旨を公告しなければならない。

3項

宗教法人は、信者 その他の利害関係人が前項の期間内にその意見を申し述べたときは、その意見を十分に考慮して、その解散の手続を進めるかどうかについて再検討しなければならない。

1項

宗教法人は、前条第一項の規定による認証を受けようとするときは、認証申請書に左に掲げる書類を添えて、これを所轄庁に提出し、その認証を申請しなければならない。

一 号

解散の決定について規則で定める手続(規則に別段の定がないときは、第十九条の規定による手続)を経たことを証する書類

二 号

前条第二項の規定による公告をしたことを証する書類

1項

所轄庁は、前条の規定による認証の申請を受理した場合においては、その受理の日を附記した書面でその旨を当該宗教法人に通知した後、当該申請に係る解散の手続が第四十四条の規定に従つてなされているかどうかを審査し、第十四条第一項の規定に準じ当該解散の認証に関する決定をしなければならない。

2項

第十四条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による認証に関する決定の場合に準用する。


この場合において、

同条第四項
認証書 及び認証した旨を附記した規則」とあるのは、
「認証書」と

読み替えるものとする。

1項

宗教法人の第四十三条第一項の規定による解散は、当該解散に関する認証書の交付によつてその効力を生ずる。

1項

宗教法人がその債務につきその財産をもつて完済することができなくなつた場合には、裁判所は、代表役員 若しくはその代務者 若しくは債権者の申立てにより 又は職権で、破産手続開始の決定をする。

2項

前項に規定する場合には、代表役員 又はその代務者は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

1項

解散した宗教法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

1項

宗教法人が解散(合併 及び破産手続開始の決定による解散を除く)したときは規則に別段の定めがある場合 及び解散に際し代表役員 又はその代務者以外の者を清算人に選任した場合を除くほか、代表役員 又はその代務者が清算人となる。

2項

前項の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を選任することができる。

3項

宗教法人が第四十三条第二項第四号 又は第五号に掲げる事由によつて解散したときは、裁判所は、前二項の規定にかかわらず、所轄庁、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を選任する。

4項

第二十二条の規定は、宗教法人の清算人に準用する。

5項

重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を解任することができる。

6項

宗教法人の責任役員 及びその代務者は、規則に別段の定めがなければ、宗教法人の解散によつて退任するものとする。


宗教法人の代表役員 又はその代務者で清算人とならなかつたものについても、また同様とする。

7項

第三項の規定に該当するときは、宗教法人の代表役員、責任役員 及び代務者は、前項の規定にかかわらず、当該解散によつて退任するものとする。

1項
清算人の職務は、次のとおりとする。
一 号
現務の結了
二 号

債権の取立て 及び債務の弁済

三 号
残余財産の引渡し
2項

清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

1項

清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。


この場合において、その期間は、二月を下ることができない。

2項

前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。


ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない

3項

清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4項

第一項の公告は、官報に掲載してする。

1項

前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、宗教法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

1項

清算中に宗教法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。

2項

清算人は、清算中の宗教法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。

3項

前項に規定する場合において、清算中の宗教法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

4項

第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。

1項

裁判所は、第四十九条第二項 又は第三項の規定により清算人を選任した場合には、宗教法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。


この場合においては、裁判所は、当該清算人(当該宗教法人の規則で当該宗教法人の財産の状況 及び役員の職務の執行の状況を監査する機関を置く旨が定められているときは、当該清算人 及び当該監査の機関)の陳述を聴かなければならない。

1項

解散した宗教法人の残余財産の処分は、合併 及び破産手続開始の決定による解散の場合を除くほか、規則で定めるところによる。

2項

前項の場合において、規則にその定がないときは、他の宗教団体 又は公益事業のためにその財産を処分することができる。

3項

前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

1項

宗教法人の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。

2項

裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3項

裁判所は、第一項の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

4項

第四十九条の六の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合に準用する。


この場合において、

同条
清算人(当該宗教法人の規則で当該宗教法人の財産の状況 及び役員の職務の執行の状況を監査する機関を置く旨が定められているときは、当該清算人 及び当該監査の機関)」とあるのは、
「宗教法人 及び検査役」と

読み替えるものとする。

5項

宗教法人の解散 及び清算を監督する裁判所は、所轄庁に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

6項

前項に規定する所轄庁は、同項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

1項

宗教法人の解散 及び清算の監督 並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

1項

清算人 又は検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない