少年院法

# 平成二十六年法律第五十八号 #

第十五章 救済の申出等

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年十二月一日 ( 2023年 12月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月16日 09時45分


第一節 救済の申出

1項
在院者は、自己に対する少年院の長の措置 その他自己が受けた処遇について苦情があるときは、書面で、法務大臣に対し、救済を求める申出をすることができる。
1項

出院した者は、自己に対する第一号から第四号までに掲げる少年院の長の措置 又は自己に対する第五号から第七号までに掲げる少年院の職員による行為について苦情があるときは、書面で、法務大臣に対し、救済を求める申出をすることができる。

一 号

第七十九条第三項の規定による費用を負担させる処分

二 号

第百四条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る第百二十六条第一項第六号において同じ。

三 号

第百九条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

四 号

第百十六条の規定による物を国庫に帰属させる処分

五 号
身体に対する有形力の行使
六 号
手錠の使用
七 号
保護室への収容
2項

前項の規定による申出は、出院した日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

天災 その他前項の期間内に第一項の規定による申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、前項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、その申出をすることができる。

1項

第百二十条 又は前条第一項の規定による申出(以下「救済の申出」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。

1項

少年院の長の指名を受けた少年院の職員(次項 及び第百三十一条第一項において「相談員」という。)は、在院者に対し、救済の申出に関する相談に応じるものとする。

2項
相談員は、その相談によって知り得た救済の申出の内容をその少年院の他の職員に漏らしてはならない。
1項
法務大臣は、職権で、救済の申出に関して必要な調査をするものとする。
2項

法務大臣は、前項の調査をするため必要があるときは、少年院の長に対し、報告 若しくは資料 その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、救済の申出をした者 その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。

1項
法務大臣は、救済の申出を受けたときは、これを誠実に処理するものとする。
2項

法務大臣は、救済の申出の内容が、その申出をした者に対する第百二十一条第一項第五号から第七号までに掲げる少年院の職員による行為に係るものである場合にあってはできる限り六十日以内に、それら以外のものである場合にあってはできる限り九十日以内にその処理を終えるよう努めるものとする。

1項
法務大臣は、救済の申出の内容がその申出をした者に対する次に掲げる少年院の長の措置に係るものであって、その措置が違法 又は不当であることを確認した場合において、必要があると認めるときは、その措置の全部 又は一部を取り消し、又は変更するものとする。
一 号

第五十五条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分 又は同条第四項の規定による診療の中止

二 号

第七十一条の規定による領置されている現金の使用 又は第七十二条の規定による領置されている金品の交付を許さない処分

三 号

第七十九条第三項の規定による費用を負担させる処分

四 号

第八十一条に規定する宗教上の行為の禁止 又は制限

五 号

第百条第百一条第百二条第一項 又は第百五条の規定による信書の発受 又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限

六 号

第百四条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分

七 号

第百九条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

八 号

第百十三条第一項の規定による懲戒

九 号

第百十六条の規定による物を国庫に帰属させる処分

十 号

第百十七条第四項の規定による措置

2項

法務大臣は、救済の申出の内容がその申出をした者に対する第百二十一条第一項第五号から第七号までに掲げる少年院の職員による行為に係るものであって、同項第五号に掲げる行為にあってはその行為が違法であることを、同項第六号 又は第七号に掲げる行為にあってはその行為が違法 又は不当であることを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置 その他の措置を執るものとする。

1項

法務大臣は、第百二十五条の規定による処理を終えたときは、速やかに、処理の結果(前条第一項の規定による法務大臣の措置を含む。)を救済の申出をした者に通知しなければならない。


ただし、在院者による救済の申出(第百二十一条第一項各号に掲げる少年院の長の措置 又は少年院の職員による行為に係る救済の申出を除く)について、その在院者が出院したときは、この限りでない。

1項

この節に定めるもののほか、救済の申出に関し必要な事項は、法務省令で定める。

第二節 苦情の申出

1項

在院者は、自己に対する少年院の長の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、第六条の規定により実地監査を行う監査官(以下この条 及び第百三十一条第一項において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百二十二条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項
監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、少年院の職員を立ち会わせてはならない。
4項

監査官は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。


ただし、その者が出院したときは、この限りでない。

1項
在院者は、自己に対する少年院の長の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、少年院の長に対し、苦情の申出をすることができる。
2項

第百二十二条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項

在院者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、少年院の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。

4項

前条第四項の規定は、少年院の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。

第三節 雑則

1項

少年院の長は、在院者が、救済の申出をし、又は監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を少年院の職員(当該救済の申出に関する相談に応じた相談員を除く)に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2項

第九十九条の規定にかかわらず、救済の申出 又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

1項
少年院の職員は、在院者が救済の申出 又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。