保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。
ただし、保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。
ただし、保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならない。
保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができる。
第三十二条第二項(第三十八条第三項 及び第四十一条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により担保を立てることを保全執行の続行の条件とする旨の裁判があったときは、債権者は、第三十二条第二項の規定により定められた期間内に担保を立てたことを証する書面をその期間の末日から一週間以内に保全執行裁判所 又は執行官に提出しなければならない。
債権者が前項の規定による書面の提出をしない場合において、債務者が同項の裁判の正本を提出したときは、保全執行裁判所 又は執行官は、既にした執行処分を取り消さなければならない。
民事執行法第四十条第二項の規定は、前項の規定により執行処分を取り消す場合について準用する。
高等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、仮に差し押さえるべき物 又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
この章に特別の定めがある場合を除き、民事執行法第五条から第十四条まで、第十六条、第十八条、第二十三条第一項、第二十六条、第二十七条第二項、第二十八条、第三十条第二項、第三十二条から第三十四条まで、第三十六条から第三十八条まで、第三十九条第一項第一号から第四号まで、第六号 及び第七号、第四十条並びに第四十一条の規定は、保全執行について準用する。
民事執行法第四十三条第一項に規定する不動産(同条第二項の規定により不動産とみなされるものを含む。)に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法 又は強制管理の方法により行う。
これらの方法は、併用することができる。
仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行については、仮差押命令を発した裁判所が、保全執行裁判所として管轄する。
仮差押えの登記は、裁判所書記官が嘱託する。
強制管理の方法による仮差押えの執行においては、管理人は、次項において準用する民事執行法第百七条第一項の規定により計算した配当等に充てるべき金銭を供託し、その事情を保全執行裁判所に届け出なければならない。
民事執行法第四十六条第二項、第四十七条第一項、第四十八条第二項、第五十三条及び第五十四条の規定は仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行について、同法第四十四条、第四十六条第一項、第四十七条第二項、第六項本文 及び第七項、第四十八条、第五十三条、第五十四条、第九十三条から第九十三条の三まで、第九十四条から第百四条まで、第百六条並びに第百七条第一項の規定は強制管理の方法による仮差押えの執行について準用する。
船舶に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法 又は執行官に対し船舶の国籍を証する文書 その他の船舶の航行のために必要な文書(以下この条において「船舶国籍証書等」という。)を取り上げて
保全執行裁判所に提出すべきことを命ずる方法により行う。
これらの方法は、併用することができる。
仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行は仮差押命令を発した裁判所が、船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行は船舶の所在地を管轄する地方裁判所が、保全執行裁判所として管轄する。
前条第三項 並びに民事執行法第四十六条第二項、第四十七条第一項、第四十八条第二項、第五十三条及び第五十四条の規定は仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行について、同法第四十五条第三項、第四十七条第一項、第五十三条、第百十六条及び第百十八条の規定は船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行について準用する。
動産に対する仮差押えの執行は、執行官が目的物を占有する方法により行う。
執行官は、仮差押えの執行に係る金銭を供託しなければならない。
仮差押えの執行に係る手形、小切手 その他の金銭の支払を目的とする有価証券でその権利の行使のため定められた期間内に引受け 若しくは支払のための提示 又は支払の請求を要するものについて執行官が支払を受けた金銭についても、同様とする。
仮差押えの執行に係る動産について著しい価額の減少を生ずるおそれがあるとき、又はその保管のために不相応な費用を要するときは、執行官は、民事執行法の規定による動産執行の売却の手続によりこれを売却し、その売得金を供託しなければならない。
民事執行法第百二十三条から第百二十九条まで、第百三十一条、第百三十二条及び第百三十六条の規定は、動産に対する仮差押えの執行について準用する。
民事執行法第百四十三条に規定する債権に対する仮差押えの執行は、保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行う。
前項の仮差押えの執行については、仮差押命令を発した裁判所が、保全執行裁判所として管轄する。
第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭の支払を目的とする債権の額に相当する金銭を供託した場合には、債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したものとみなす。
ただし、その金銭の額を超える部分については、この限りでない。
第一項 及び第二項の規定は、その他の財産権に対する仮差押えの執行について準用する。
民事執行法第百四十五条第二項から第六項まで、第百四十六条から第百五十三条まで、第百五十六条(第三項を除く。)、第百六十四条第五項 及び第六項 並びに第百六十七条の規定は、第一項の債権 及びその他の財産権に対する仮差押えの執行について準用する。
債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮差押えの執行を取り消さなければならない。
前項の規定による決定は、第四十六条において準用する民事執行法第十二条第二項の規定にかかわらず、即時にその効力を生ずる。
仮処分の執行については、この節に定めるもののほか、仮差押えの執行 又は強制執行の例による。
物の給付 その他の作為 又は不作為を命ずる仮処分の執行については、仮処分命令を債務名義とみなす。
不動産に関する権利についての登記(仮登記を除く。)を請求する権利(以下「登記請求権」という。)を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
不動産に関する所有権以外の権利の保存、設定 又は変更についての登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、前項の処分禁止の登記とともに、仮処分による仮登記(以下「保全仮登記」という。)をする方法により行う。
第四十七条第二項 及び第三項 並びに民事執行法第四十八条第二項、第五十三条 及び第五十四条の規定は、前二項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
前条の規定は、不動産に関する権利以外の権利で、その処分の制限につき登記 又は登録を対抗要件 又は効力発生要件とするものについての登記(仮登記を除く。)又は登録(仮登録を除く。)を請求する権利を保全するための処分禁止の仮処分の執行について準用する。
第二十五条の二第一項の規定による占有移転禁止の仮処分命令の執行は、係争物である不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができない場合は、することができない。
建物の収去 及びその敷地の明渡しの請求権を保全するため、その建物の処分禁止の仮処分命令が発せられたときは、その仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
第四十七条第二項 及び第三項 並びに民事執行法第四十八条第二項、第五十三条 及び第五十四条の規定は、前項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
法人を代表する者 その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令 又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた場合には、裁判所書記官は、法人の本店 又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
ただし、これらの事項が登記すべきものでないときは、この限りでない。
債務者が第二十五条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮処分の執行を取り消さなければならない。
第五十一条第二項の規定は、前項の規定による決定について準用する。