海難審判法

# 昭和二十二年法律第百三十五号 #

第二章 海難審判所の組織及び管轄

分類 法律
カテゴリ   海運
@ 施行日 : 平成二十八年四月一日
@ 最終更新 : 平成二十六年法律第六十九号
最終編集日 : 2024年 10月16日 21時34分


第一節 組織

1項

国土交通省に、特別の機関として、海難審判所を置く。

1項

海難審判所は、海技士 若しくは小型船舶操縦士 又は水先人に対する懲戒を行うための海難の調査 及び審判を行うことを任務とする。

1項

海難審判所は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号
審判の請求に係る海難の調査を行うこと。
二 号
審判を行うこと。
三 号
裁決を執行すること。
四 号
海事補佐人の監督に関すること。
五 号

前各号に掲げるもののほか、海難の審判に関すること。

1項

海難審判所の長は、海難審判所長とし、審判官をもつて充てる。

1項

海難審判所の事務の一部を取り扱わせるため、所要の地に、地方海難審判所を置く。

2項
地方海難審判所の名称、位置、管轄区域 及び内部組織は、国土交通省令で定める。
1項
海難審判所に審判官 及び理事官を置く。
2項

理事官は、審判の請求 及びこれに係る海難の調査 並びに裁決の執行に関することをつかさどる。

3項
審判官 及び理事官は、海難の調査 及び審判を行うについて必要な法律 及び海事に関する知識経験を有する者として政令で定める者の中から、国土交通大臣がこれを任命する。
4項
審判官 及び理事官の定数は、政令でこれを定める。
1項

審判官は、独立してその職権を行う。

1項

海難審判所は、三名の審判官で構成する合議体で審判を行う。


ただし、地方海難審判所においては、一名の審判官で審判を行う。

2項

地方海難審判所において、審判官は、事件が一名の審判官で審判を行うことが不適当であると認めるときは、前項の規定にかかわらず三名の審判官で構成する合議体で審判を行う旨の決定をすることができる。

3項

合議体で審判を行う場合においては、審判官のうち一人を審判長とする。

1項

この節に定めるもののほか、海難審判所の位置 及び内部組織は、国土交通省令で定める。

第二節 管轄

1項

審判に付すべき事件のうち、旅客の死亡を伴う海難 その他の国土交通省令で定める重大な海難以外の海難に係るものは、当該海難の発生した地点を管轄する地方海難審判所(海難の発生した地点が明らかでない場合には、その海難に係る船舶の船籍港を管轄する地方海難審判所)が管轄する。

2項

同一事件が二以上の地方海難審判所に係属するときは、最初に審判開始の申立てを受けた地方海難審判所においてこれを審判する。

3項

国外で発生する事件の管轄については、国土交通省令の定めるところによる。

1項

地方海難審判所は、事件がその管轄に属しないと認めるときは、決定をもつてこれを当該事件を管轄する地方海難審判所に移送しなければならない。

2項

前項の規定により移送を受けた地方海難審判所は、更に事件を他の地方海難審判所に移送することはできない。

3項

第一項の場合には、事件は、初めから移送を受けた地方海難審判所に係属したものとみなす。

1項

理事官 又は受審人は、国土交通省令の定めるところにより、海難審判所長に管轄の移転を請求することができる。

2項

海難審判所長は、前項の規定による請求があつた場合において、審判上便益があると認めるときは、管轄を移転することができる。