測量法
第一節 計画及び実施
国土地理院の長は、関係行政機関 又はその他の者に対し、基本測量に関する資料 又は報告の提出を求めることができる。
国土地理院の長は、基本測量を実施しようとするときは、あらかじめその地域、期間 その他必要な事項を関係都道府県知事に通知しなければならない。
国土地理院の長は、基本測量の実施を終つたときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。
都道府県知事は、前二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。
国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するために必要があるときは、国有、公有 又は私有の土地に立ち入ることができる。
前項の規定により宅地 又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ろうとする者は、あらかじめその占有者に通知しなければならない。
但し、占有者に対してあらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
第一項に規定する者が、同項の規定により土地に立ち入る場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
前項に規定する証明書の様式は、国土交通省令で定める。
国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するためにやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得て、障害となる植物 又はかき、さく等を伐除することができる。
国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、山林原野 又はこれに類する土地で基本測量を実施する場合において、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得ることが困難であり、且つ、植物 又はかき、さく等の現状を著しく損傷しないときは、前条の規定にかかわらず、承諾を得ないで、これらを伐除することができる。
この場合においては、遅滞なく、その旨を所有者 又は占有者に通知しなければならない。
国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施する場合において、仮設標識を設置するために必要があるときは、あらかじめ占有者に通知して、土地、樹木、又は工作物を一時使用することができる。
但し、占有者に対しあらかじめ通知することが困難であるときは、通知することを要しないものとする。
政府は、基本測量を実施するために、必要があるときは、土地、建物、樹木 若しくは工作物を収用し、又は使用することができる。
前項の規定による収用 又は使用に関しては、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)を適用する。
第十六条から第十八条までの規定による植物、垣 若しくはさく等の伐除 又は土地、樹木 若しくは工作物の一時使用により、損失を受けた者がある場合においては、政府は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
前項の規定により補償を受けることができる者は、その補償金額に不服がある場合においては、政令で定めるところにより、その金額の通知を受けた日から一月以内に、土地収用法第九十四条第二項の規定による収用委員会の裁決を求めることができる。
国土地理院の長は、基本測量において永久標識 又は一時標識を設置したときは、遅滞なく、その種類 及び所在地 その他国土交通省令で定める事項を関係都道府県知事に通知するとともに、これをインターネットの利用 その他適切な方法により公表しなければならない。
都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を関係市町村長(特別区の区長を含む。次項 及び第三十七条第二項において同じ。)に通知しなければならない。
市町村長は、基本測量の永久標識 又は一時標識について、滅失、破損 その他異状があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を国土地理院の長に通知しなければならない。
何人も、国土地理院の長の承諾を得ないで、基本測量の測量標を移転し、汚損し、その他その効用を害する行為をしてはならない。
国土地理院の長は、基本測量の永久標識 又は一時標識を移転し、撤去し、又は廃棄したときは、遅滞なく、その種類 及び旧所在地 その他国土交通省令で定める事項を関係都道府県知事 及びその敷地の所有者 又は占有者に通知するとともに、これをインターネットの利用 その他適切な方法により公表しなければならない。
第二十一条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
基本測量の永久標識 又は一時標識の汚損 その他その効用を害するおそれがある行為を当該永久標識 若しくは一時標識の敷地 又はその付近でしようとする者は、理由を記載した書面をもつて、国土地理院の長に当該永久標識 又は一時標識の移転を請求することができる。
前項の規定による請求(国 又は都道府県が行うものを除く。)は、当該永久標識 又は一時標識の所在地の都道府県知事を経由して行わなければならない。
この場合において、都道府県知事は、当該請求に係る事項に関する意見を付して、国土地理院の長に送付するものとする。
国土地理院の長は、第一項の規定による請求に理由があると認めるときは、当該永久標識 又は一時標識を移転し、理由がないと認めるときは、その旨を移転を請求した者に通知しなければならない。
前項の規定による永久標識 又は一時標識の移転に要した費用は、移転を請求した者が負担しなければならない。
国土地理院の長は、基本測量の仮設標識の移転の請求があつた場合において、その請求に理由があると認めたときは、当該仮設標識を移転しなければならない。
基本測量以外の測量を実施しようとする者は、国土地理院の長の承認を得て、基本測量の測量標を使用することができる。