都道府県知事 又は救助実施市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、救助の万全を期するため、常に、必要な計画の樹立、強力な救助組織の確立 並びに労務、施設、設備、物資 及び資金の整備に努めなければならない。
災害救助法
第二章 救助
第二条第一項の規定による救助の種類は、次のとおりとする。
避難所 及び応急仮設住宅の供与
炊き出し その他による食品の給与 及び飲料水の供給
被服、寝具 その他生活必需品の給与 又は貸与
医療 及び助産
被災者の救出
被災した住宅の応急修理
生業に必要な資金、器具 又は資料の給与 又は貸与
学用品の給与
埋葬
前各号に規定するもののほか、政令で定めるもの
第二条第二項の規定による救助の種類は、避難所の供与とする。
救助は、都道府県知事等が必要があると認めた場合においては、前二項の規定にかかわらず、救助を要する者(埋葬については埋葬を行う者)に対し、金銭を支給してこれを行うことができる。
救助の程度、方法 及び期間に関し必要な事項は、政令で定める。
指定行政機関の長(災害対策基本法第二条第三号に規定する指定行政機関の長をいい、当該指定行政機関が内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項 若しくは第二項 若しくは国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の委員会 若しくは災害対策基本法第二条第三号ロに掲げる機関 又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては、当該指定行政機関とする。次条において同じ。)及び指定地方行政機関の長(同法第二条第四号に規定する指定地方行政機関の長をいう。次条において同じ。)は、防災業務計画(同法第二条第九号に規定する防災業務計画をいう。)の定めるところにより、救助を行うため特に必要があると認めるときは、救助に必要な物資の生産等を業とする者に対して、その取り扱う物資の保管を命じ、又は救助に必要な物資を収用することができる。
前項の場合においては、公用令書を交付しなければならない。
第一項の処分を行う場合においては、その処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
前条第一項の規定により物資の保管を命じ、又は物資を収用するため、必要があるときは、指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、当該職員に物資を保管させる場所 又は物資の所在する場所に立ち入り検査をさせることができる。
指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、前条第一項の規定により物資を保管させた者に対し、必要な報告を求め、又は当該職員に当該物資を保管させてある場所に立ち入り検査をさせることができる。
前二項の規定により立ち入る場合においては、あらかじめその旨をその場所の管理者に通知しなければならない。
当該職員が第一項 又は第二項の規定により立ち入る場合は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。
第一項 及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
都道府県知事等は、救助を行うため、特に必要があると認めるときは、医療、土木建築工事 又は輸送関係者を、第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めるときは、医療 又は土木建築工事関係者を、救助に関する業務に従事させることができる。
地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、都道府県知事等が第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めて要求したときは、輸送関係者を救助に関する業務に従事させることができる。
前二項に規定する医療、土木建築工事 及び輸送関係者の範囲は、政令で定める。
第五条第二項の規定は、第一項 及び第二項の場合に準用する。
第一項 又は第二項の規定により救助に従事させる場合においては、その実費を弁償しなければならない。
都道府県知事等は、救助を要する者 及びその近隣の者を救助に関する業務に協力させることができる。
都道府県知事等は、救助を行うため、特に必要があると認めるとき、又は第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めるときは、病院、診療所、旅館 その他政令で定める施設を管理し、土地、家屋 若しくは物資を使用し、物資の生産等を業とする者に対して、その取り扱う物資の保管を命じ、又は物資を収用することができる。
第五条第二項 及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。
前条第一項の規定により施設を管理し、土地、家屋 若しくは物資を使用し、物資の保管を命じ、又は物資を収用するため必要があるときは、都道府県知事等は、当該職員に施設、土地、家屋、物資の所在する場所 又は物資を保管させる場所に立ち入り検査をさせることができる。
都道府県知事等は、前条第一項の規定により物資を保管させた者に対し、必要な報告を求め、又は当該職員に当該物資を保管させてある場所に立ち入り検査をさせることができる。
第六条第三項から第五項までの規定は、前二項の場合に準用する。
内閣総理大臣、都道府県知事等、第十三条第一項の規定により救助の実施に関する都道府県知事の権限に属する事務の一部を行う災害発生市町村 若しくは本部所管区域市町村(いずれも救助実施市を除く。以下「災害発生市町村等」という。)の長 又はこれらの者の命を受けた者は、非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、現に応急的な救助を行う必要があるときは、その業務に関し緊急を要する通信のため、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備 若しくは無線設備を使用することができる。
第七条 又は第八条の規定により、救助に関する業務に従事し、又は協力する者が、そのために負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合においては、政令の定めるところにより扶助金を支給する。
都道府県知事は、救助を迅速に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その権限に属する救助の実施に関する事務の一部を災害発生市町村等の長が行うこととすることができる。
前項の規定により災害発生市町村等の長が行う事務を除くほか、災害発生市町村等の長は、都道府県知事が行う救助を補助するものとする。
内閣総理大臣は、都道府県知事等が行う救助について、他の都道府県知事等に対し、その応援をすべきことを指示することができる。
日本赤十字社は、その使命に鑑み、救助に協力しなければならない。
政府は、日本赤十字社に、政府の指揮監督の下に、救助に関し地方公共団体以外の団体 又は個人がする協力(第八条の規定による協力を除く。)についての連絡調整を行わせることができる。
都道府県知事等は、救助 又はその応援の実施に関して必要な事項を日本赤十字社に委託することができる。
この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第四条第三項、第七条第一項 及び第二項、同条第四項において準用する第五条第二項、第七条第五項、第八条、第九条第一項、同条第二項において準用する第五条第二項 及び第三項、第十条第一項 及び第二項、同条第三項において準用する第六条第三項、第十一条、第十二条 並びに第十四条の規定により都道府県 又は救助実施市(以下「都道府県等」という。)が処理することとされている事務
第二条 及び第十三条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務
第二条の二第一項 及び第二項の規定により救助実施市が処理することとされている事務
第十三条第二項の規定により災害発生市町村等が処理することとされている事務