ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律
この法律において「会員契約」とは、当事者の一方が相手方に対してゴルフ場 その他スポーツ施設 又は保養のための施設であって政令で定めるものを継続的に利用させる役務(以下「指定役務」という。)を提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額以上の額の金銭を支払うことを約する契約をいう。
この法律において「会員制事業者」とは、会員契約に基づき指定役務を提供する事業(以下「会員制事業」という。)を行う者(会員制事業を行おうとする者を含む。)をいう。
この法律において「会員」とは、会員制事業者から会員契約に基づき指定役務の提供を受ける者をいう。
この法律において「募集」とは、広告 その他これに類似する方法により会員契約の締結について、勧誘をし、若しくは勧誘をさせること 又は会員契約の締結をすること 若しくは会員契約の締結の代理 若しくは媒介を行わせることをいう。
この法律において「会員契約代行者」とは、会員契約の締結の代理 又は媒介を行う者をいう。
この法律において「預託金」とは、会員が会員契約に基づき会員制事業者に支払う金銭(以下「拠出金」という。)のうち会員制事業者が会員に対して将来返還することを約したものをいう。
会員制事業者は、募集をしようとするときは、あらかじめ、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を主務大臣に届け出なければならない。
指定役務に係る施設を所有権以外の権原に基づいて占有する場合にあっては、当該権原の内容
損害賠償額の予定(違約金を含む。)に関する定めがあるときは、その内容
前項の規定は、同項の規定による届出があった施設に係る募集をしようとするときには、適用しない。
ただし、会員制事業者が、同項の規定により届け出た同項第一号に掲げる事項の変更(経済産業省令で定める軽微な変更を除く。)をした後に、又は同項の規定により届け出た同項第二号に掲げる事項の変更をして、募集をしようとするときは、この限りでない。
会員制事業者 又は会員契約代行者は、会員契約に係る施設が開設された後でなければ、当該施設に係る会員契約の締結をしてはならない。
ただし、会員制事業者が政令で定める者との間において、政令で定めるところにより、当該施設が開設されないこととなった場合において会員制事業者が会員に対して行うべき拠出金の返還につき、その額の二分の一以上の額に相当する額の金銭の会員に対する支払を担保する契約(以下「保証委託契約」という。)を締結した後(当該施設の開設に係る工事に関し、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十九条第一項 又は第二項の許可 その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものが必要である場合にあっては、当該処分があった後に限る。)に、経済産業省令で定めるところにより、主務大臣にその旨を届け出た場合において、当該保証委託契約に係る会員契約の締結をするときは、この限りでない。
会員制事業者 又は会員契約代行者は、会員契約の締結(会員契約の締結の媒介を含む。)をしようとするときは、顧客に対し、当該会員契約が成立するまでの間に、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
会員制事業者 又は会員契約代行者は、会員契約の締結をしたときは、会員に対し、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
指定役務に係る施設を所有権以外の権原に基づいて占有する場合にあっては、当該権原の内容
会員制事業者が会員の数についての計画を変更する場合において会員が会員契約を解除することができる旨の定めがあるときはその内容 その他会員契約の解除に関する事項(第十二条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
損害賠償額の予定(違約金を含む。)に関する定めがあるときは、その内容
前各号に掲げるもののほか、会員契約の内容 及びその履行に関する事項であって経済産業省令で定めるもの
第三条第一項の規定による届出をした会員制事業者は、会員の数についての計画 その他の会員契約に関する事項であって経済産業省令で定めるものを変更しようとするときは、あらかじめ、経済産業省令で定めるところにより、会員に対し、当該変更の内容を記載した書面を交付しなければならない。
会員制事業者 又は会員契約代行者は、前条各項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該顧客 又は会員の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって経済産業省令で定めるものにより提供することができる。
この場合において、当該会員制事業者 又は会員契約代行者は、当該書面を交付したものとみなす。
前項前段に規定する方法(経済産業省令で定める方法を除く。)により前条第二項の規定による書面の交付に代えて行われた当該書面に記載すべき事項の提供は、会員の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該会員に到達したものとみなす。
会員制事業者 又は会員契約代行者は、会員契約に関する事項について広告をするときは、指定役務の内容、指定役務に係る施設の概要、会員の数についての計画 その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
前二号に掲げるもののほか、会員契約に関する行為であって、顧客 又は会員の保護に欠けるものとして経済産業省令で定めるもの
第三条第一項の規定による届出をした会員制事業者は、経済産業省令で定めるところにより、当該会員制事業者の業務 及び財産の状況を記載した書類を、会員契約に関する業務を行う事業所に備え置き、会員の求めに応じ、閲覧させなければならない。
主務大臣は、会員制事業者が第三条から第五条まで 若しくは第六条から前条までの規定に違反し、又は会員契約代行者が第四条、第五条第一項 若しくは第二項、第六条、第七条第一項 若しくは第八条の規定に違反した場合において、会員契約の締結 及びその履行の公正 並びに会員の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その会員制事業者 又は会員契約代行者に対し、会員契約の締結、更新 又は解除に係る業務に関し必要な措置をとるべきことを指示することができる。
主務大臣は、会員制事業者が第三条から第五条まで 若しくは第六条から第九条までの規定に違反し、若しくは会員契約代行者が第四条、第五条第一項 若しくは第二項、第六条、第七条第一項 若しくは第八条の規定に違反した場合において、会員契約の締結 及びその履行の公正 並びに会員の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は会員制事業者 若しくは会員契約代行者が前条の規定による指示に従わないときは、その会員制事業者 又は会員契約代行者に対し、一年以内の期間を限り、会員契約の締結、更新 又は解除に係る業務の全部 又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
会員は、第五条第二項の書面を受領した日から起算して八日を経過したときを除き、書面により会員契約の解除を行うことができる。
この場合において、会員制事業者は、当該会員契約の解除に伴う損害賠償 又は違約金の支払を請求することができない。
前項の会員契約の解除は、当該会員契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
会員制事業者は、第一項の会員契約の解除があった場合には、既に当該会員契約に基づき役務が提供されたときにおいても、会員に対し、当該役務の提供により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
前三項の規定に反する特約で会員に不利なものは、無効とする。
主務大臣は、会員契約の締結 及びその履行を公正にし、並びに会員の利益を保護するとともに、会員契約に基づく役務の提供を適正かつ円滑にすることを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、当該業務に係る会員制事業の種類を定めて会員制事業協会として指定することができる。
主務大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該会員制事業協会の名称、住所 及び事務所の所在地 並びに当該指定に係る会員制事業の種類を公示しなければならない。
会員制事業協会は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
会員制事業協会は、その目的を達成するため、前条第一項の規定による指定に係る会員制事業に関し次に掲げる業務を行うものとする。
主務大臣は、会員制事業協会の前条に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、会員制事業協会に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
主務大臣は、会員制事業協会が前条の規定による命令に違反したときは、第十三条第一項の規定による指定を取り消すことができる。
主務大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
主務大臣は、第十四条に規定する業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、会員制事業協会に対しその業務 若しくは財産に関して報告 若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、会員制事業協会の事務所に立ち入り、その業務 若しくは財産の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項 又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
この法律の規定は、この法律以外の法律の規定であってこれにより会員の利益の保護が確保されるものの適用を受ける契約の締結 又はその代理 若しくは媒介の行為として政令で定めるものについては、適用しない。
この法律の規定は、特別の法律に基づいて設立された組合 並びにその連合会 及び中央会 その他の政令で定める者がその直接 又は間接の構成員と締結する会員契約については、適用しない。
この法律の規定は、国 又は地方公共団体が会員制事業者として締結する会員契約については、適用しない。
次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
第七条第一項 又は第二項の規定に違反した者
第十一条第一項の規定による命令に違反した者
次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
第三条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして募集をした者
第四条の規定に違反して、会員契約の締結をした者
第五条第一項から第三項までの規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面 若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
第六条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものより著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をした者
第九条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは会員の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは会員に閲覧させた者
第十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十七条第二項の規定による報告 若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告 若しくは虚偽の資料の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の罰金刑を科する。