この法律は、プログラムの著作物に係る登録に関し、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の特例を定めることを目的とする。
プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律
第一章 総則
第二章 登録手続等に関する特例
プログラムの著作物に係る著作権法第七十五条第一項、第七十六条第一項、第七十六条の二第一項 又は第七十七条の登録(以下「プログラム登録」という。)の申請をしようとする者は、政令で定めるところにより、申請に係るプログラムの著作物の内容を明らかにする資料として、当該著作物の複製物を文化庁長官に提出しなければならない。
ただし、当該著作物につき、既に、申請に係るプログラム登録以外のプログラム登録がされている場合は、この限りでない。
文化庁長官は、プログラムの著作物に係る著作権法第七十六条第一項 又は第七十六条の二第一項の登録をした場合においては、文部科学省令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
プログラム登録がされた著作物の著作権者 その他の当該プログラム登録に関し利害関係を有する者は、文化庁長官に対し、政令で定めるところにより、自らが保有する記録媒体に記録されたプログラムの著作物が当該プログラム登録がされた著作物であることの証明を請求することができる。
前項の規定による請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。
第三章 登録機関に関する特例
文化庁長官は、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、プログラム登録 並びにプログラム登録につき前条第一項 及び著作権法第七十八条第四項の規定による請求に基づき行われる事務 並びに第三条の規定による公示(以下「登録事務」と総称する。)の全部 又は一部を行わせることができる。
前項の指定は、文部科学省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
文化庁長官は、指定登録機関に登録事務を行わせるときは、当該指定登録機関が行う登録事務を行わないものとする。
指定登録機関が登録事務を行う場合においては、
第二条中
「文化庁長官」とあるのは
「第五条第一項に規定する指定登録機関(次条 及び第四条第一項において単に「指定登録機関」という。)」と、
第三条 及び前条第一項中
「文化庁長官」とあるのは
「指定登録機関」と、
著作権法第七十八条第一項中
「文化庁長官」とあるのは
「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律(昭和六十一年法律第六十五号)第五条第一項に規定する指定登録機関(第三項 及び第四項において単に「指定登録機関」という。)」と、
同条第三項中
「第七十五条第一項の登録を行つたときは」とあるのは
「指定登録機関が第七十五条第一項の登録を行つたときは」と、
同条第四項中
「文化庁長官」とあるのは
「指定登録機関」と
する。
次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の指定を受けることができない。
この法律 又は著作権法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
第二十条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある場合
第一号に該当する者
第十五条の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者
文化庁長官は、第五条第一項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
文部科学省令で定める条件に適合する知識経験を有する者がプログラム登録を実施し、その数が文部科学省令で定める数以上であること。
登録事務を的確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎 及び技術的能力を有するものであること。
一般社団法人 又は一般財団法人であつて、その役員 又は職員の構成が登録事務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。
登録事務以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて登録事務が不公正になるおそれがないものであること。
その指定をすることによつて登録事務の的確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
指定登録機関は、プログラム登録をすべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、プログラム登録を行わなければならない。
指定登録機関は、プログラム登録を行うときは、前条第一号に規定する者(以下「登録実施者」という。)に実施させなければならない。
指定登録機関は、著作権法第七十五条第一項の登録を行つた場合には、速やかに、文化庁長官に対し、同法第七十八条第三項規定による公表のために必要な事項を報告しなければならない。
指定登録機関は、登録事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、文化庁長官に届け出なければならない。
指定登録機関は、登録事務に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
登録事務規程で定めるべき事項は、文部科学省令で定める。
文化庁長官は、第一項の認可をした登録事務規程が登録事務の公正な遂行上 不適当となつたと認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
指定登録機関は、文化庁長官の許可を受けなければ、登録事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
指定登録機関は、第五条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつてはその指定を受けた後 遅滞なく、その他の事業年度にあつてはその開始前に、その事業年度の事業計画 及び収支予算を作成し、文化庁長官の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
指定登録機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書 及び収支決算書を作成し、文化庁長官に提出しなければならない。
指定登録機関の役員 又は登録実施者の選任 又は解任は、文化庁長官の認可を受けなければ、その効力を生じない。
文化庁長官は、指定登録機関の役員 又は登録実施者が、この法律(この法律に基づく命令 又は処分を含む。)若しくは登録事務規程に違反したとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、その役員 又は登録実施者を解任すべきことを命ずることができる。
指定登録機関の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
登録事務に従事する指定登録機関の役員 又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
文化庁長官は、指定登録機関が第七条第一号から第四号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定登録機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
文化庁長官は、前項に定めるもののほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
指定登録機関は、帳簿を備え、登録事務に関し文部科学省令で定める事項を記載しなければならない。
前項の帳簿は、文部科学省令で定めるところにより、保存しなければならない。
文化庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、指定登録機関に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
文化庁長官は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
第八条から第十条まで、第十一条第一項、第十二条、第十三条、第十六条第一項 又は第十八条の規定に違反したとき。
第六条第一号 又は第三号に該当するに至つたとき。
第十一条第一項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行つたとき。
第十一条第三項、第十五条 又は第十七条の規定による命令に違反したとき。
不正の手段により指定を受けたとき。
第十五条の規定による解任の命令 又は前条の規定による指定の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
前項の聴聞の主宰者は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
文化庁長官は、指定登録機関が第十二条の許可を受けて登録事務の全部 若しくは一部を休止したとき、第二十条の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災 その他の事由により登録事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該登録事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。
文化庁長官が前項の規定により登録事務の全部 若しくは一部を自ら行う場合、指定登録機関が第十二条の許可を受けて登録事務の全部 若しくは一部を廃止する場合 又は第二十条の規定により文化庁長官が指定登録機関の指定を取り消した場合における登録事務の引継ぎ その他の必要な事項については、文部科学省令で定める。
指定登録機関が行う登録事務に係る処分 又はその不作為について不服がある者は、文化庁長官に対し、審査請求をすることができる。
この場合において、文化庁長官は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項 及び第三項、第四十六条第一項 及び第二項、第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定登録機関の上級行政庁とみなす。
文化庁長官は、次の場合には、文部科学省令で定めるところにより、その旨を官報で告示しなければならない。
第五条第一項の指定をしたとき。
第十条の規定による届出があつたとき。
第十二条の許可をしたとき。
第二十条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。
第二十二条第一項の規定により文化庁長官が登録事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた登録事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。
指定登録機関がプログラム登録を行う場合において、その登録の申請をしようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
指定登録機関がプログラム登録につき第四条第一項 又は著作権法第七十八条第四項の規定による請求に基づき行われる事務を行う場合には、第四条第三項 又は同法第七十八条第六項の規定は、適用しない。
第四条第二項 若しくは第二十五条 又は著作権法第七十八条第五項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
この章に規定するもののほか、指定登録機関の行う登録事務に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 罰則
第十六条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。
第二十条の規定による登録事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関の役員 又は職員は、一年以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関の役員 又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十二条の許可を受けないで登録事務の全部を廃止したとき。
第十八条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかつたとき。
第十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。