国税通則法

# 昭和三十七年法律第六十六号 #

第十一章 犯則事件の調査及び処分

分類 法律
カテゴリ   国税
@ 施行日 : 令和六年六月十四日 ( 2024年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第五十二号
最終編集日 : 2024年 09月11日 08時59分


第一節 犯則事件の調査

1項

国税庁等の当該職員(以下第百五十二条調書の作成)まで及び第百五十五条間接国税以外の国税に関する犯則事件等についての告発)において「当該職員」という。)は、国税に関する犯則事件(第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)及び第百五十三条第二項調査の管轄 及び引継ぎ)を除き、以下この節において「犯則事件」という。)を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者 若しくは参考人(以下この項 及び次条第一項において「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め、犯則嫌疑者等に対して質問し、犯則嫌疑者等が所持し、若しくは置き去つた物件を検査し、又は犯則嫌疑者等が任意に提出し、若しくは置き去つた物件を領置することができる。

2項

当該職員は、犯則事件の調査について、官公署 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、犯則嫌疑者等の身体、物件 若しくは住居 その他の場所の捜索、証拠物 若しくは没収すべき物件と思料するものの差押え 又は記録命令付差押え(電磁的記録を保管する者 その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下同じ。)をすることができる。


ただし、参考人の身体、物件 又は住居 その他の場所については、差し押さえるべき物件の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。

2項

差し押さえるべき物件が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成 若しくは変更をした電磁的記録 又は当該電子計算機で変更 若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機 又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機 又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項

前二項の場合において、急速を要するときは、当該職員は、臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は電磁的記録を記録させ、若しくは印刷させるべき者の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、前二項の処分をすることができる。

4項

当該職員は、第一項 又は前項の許可状(第百四十七条鑑定等の嘱託)を除き、以下「許可状」という。)を請求する場合においては、犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならない。

5項

前項の規定による請求があつた場合においては、地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官は、犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)、罪名 並びに臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は記録させ、若しくは印刷させるべき電磁的記録 及びこれを記録させ、若しくは印刷させるべき者 並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を当該職員に交付しなければならない。

6項

第二項の場合においては、許可状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

7項

当該職員は、許可状を他の当該職員に交付して、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをさせることができる。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、許可状の交付を受けて、犯則嫌疑者から発し、又は犯則嫌疑者に対して発した郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押さえることができる。

2項

当該職員は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、犯則事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押さえることができる。

3項

当該職員は、前二項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人 又は受信人に通知しなければならない。


ただし、通知によつて犯則事件の調査が妨げられるおそれがある場合は、この限りでない。

1項

当該職員は、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者 又は自己の業務のために不特定 若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時 その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。


この場合において、当該電磁的記録について差押え 又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

2項

前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。


ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない

3項

第一項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりに当該求めに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

1項

当該職員は、間接国税(消費税法第四十七条第二項引取りに係る課税貨物についての課税標準額 及び税額の申告等)に規定する課税貨物に課される消費税 その他の政令で定める国税をいう。以下同じ。)に関する犯則事件について、現に犯則を行い、又は現に犯則を行い終わつた者がある場合において、その証拠となると認められるものを集取するため必要であつて、かつ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その犯則の現場において第百三十二条第一項臨検、捜索 又は差押え等)の臨検、捜索 又は差押えをすることができる。

2項

当該職員は、間接国税に関する犯則事件について、現に犯則に供した物件 若しくは犯則により得た物件を所持し、又は顕著な犯則の跡があつて犯則を行つてから間がないと明らかに認められる者がある場合において、その証拠となると認められるものを集取するため必要であつて、かつ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その者の所持する物件に対して第百三十二条第一項の臨検、捜索 又は差押えをすることができる。

1項

差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、当該職員は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。

一 号

差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

二 号

差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

1項

当該職員は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。

2項

前項の処分は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件についても、することができる。

1項

臨検すべき物件 又は差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、当該職員は、臨検 又は捜索 若しくは差押えを受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの許可状は、これらの処分を受ける者に提示しなければならない。

1項

当該職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

1項

当該職員は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするに際し必要があるときは、警察官の援助を求めることができる。

1項

当該職員は、人の住居 又は人の看守する邸宅 若しくは建造物 その他の場所で臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするときは、その所有者 若しくは管理者(これらの者の代表者、代理人 その他これらの者に代わるべき者を含む。)又はこれらの者の使用人 若しくは同居の親族で成年に達した者を立ち会わせなければならない。

2項

前項の場合において、同項に規定する者を立ち会わせることができないときは、その隣人で成年に達した者 又はその地の警察官 若しくは地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。

3項

第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)の規定により臨検、捜索 又は差押えをする場合において、急速を要するときは、前二項の規定によることを要しない。

4項

女子の身体について捜索をするときは、成年の女子を立ち会わせなければならない。


ただし、急速を要する場合は、この限りでない。

1項

当該職員は、領置、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、その目録を作成し、領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件の所有者、所持者 若しくは保管者(第百三十六条電磁的記録に係る記録媒体の差押えに代わる処分)の規定による処分を受けた者を含む。)又はこれらの者に代わるべき者にその謄本を交付しなければならない。

1項

運搬 又は保管に不便な領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件は、その所有者 又は所持者 その他当該職員が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができる。

2項

国税庁長官、国税局長 又は税務署長は、領置物件 又は差押物件が腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗 若しくは変質のおそれがあるときは、政令で定めるところにより、公告した後これを公売に付し、その代金を供託することができる。

1項

当該職員は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について留置の必要がなくなつたときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない。

2項

国税庁長官、国税局長 又は税務署長は、前項の領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について、その返還を受けるべき者の住所 若しくは居所がわからないため、又はその他の事由によりこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならない。

3項

前項の公告に係る領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件について公告の日から六月を経過しても 還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。

1項

当該職員は、第百三十六条電磁的記録に係る記録媒体の差押えに代わる処分)の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体について留置の必要がなくなつた場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者 又は保管者とが異なるときは、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。

2項

前条第二項の規定は、前項の規定による交付 又は複写について準用する。

3項

前項において準用する前条第二項の規定による公告の日から六月を経過しても前項の交付 又は複写の請求がないときは、その交付をし、又は複写をさせることを要しない。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳 若しくは翻訳を嘱託することができる。

2項

前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第四項 及び第五項において「鑑定人」という。)は、前項の当該職員の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。

3項

前項の許可の請求は、当該職員からこれをしなければならない。

4項

前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)、罪名、破壊すべき物件 及び鑑定人の氏名 並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を当該職員に交付しなければならない。

5項

鑑定人は、第二項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えは、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、日没から日出までの間には、してはならない。


ただし第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)の規定により処分をする場合 及び消費税法第二条第一項第十一号定義)に規定する課税貨物に課される消費税 その他の政令で定める国税について旅館、飲食店 その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所でその公開した時間内にこれらの処分をする場合は、この限りでない。

2項

日没前に開始した臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えは、必要があると認めるときは、日没後まで継続することができる。

1項

当該職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをする間は、何人に対しても、許可を受けないでその場所に出入りすることを禁止することができる。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの許可状の執行を中止する場合において、必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。

1項

捜索をした場合において、証拠物 又は没収すべき物件がないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。

1項

当該職員は、この節の規定により質問をしたときは、その調書を作成し、質問を受けた者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤りがないかどうかを問い、質問を受けた者が増減変更の申立てをしたときは、その陳述を調書に記載し、質問を受けた者とともにこれに署名押印しなければならない。


ただし、質問を受けた者が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を付記すれば足りる。

2項

当該職員は、この節の規定により検査 又は領置をしたときは、その調書を作成し、これに署名押印しなければならない。

3項

当該職員は、この節の規定により臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、その調書を作成し、立会人に示し、立会人とともにこれに署名押印しなければならない。


ただし、立会人が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を付記すれば足りる。

1項

犯則事件の調査は、国税庁の当該職員又は事件発見地を所轄する国税局 若しくは税務署の当該職員が行う。

2項

国税庁の当該職員が集取した第百五十六条第一項間接国税に関する犯則事件についての報告等)に規定する間接国税に関する犯則事件の証拠で、重要な犯則事件に関するものは所轄国税局の当該職員に、その他のものは所轄税務署の当該職員に、それぞれ引き継がなければならない。

3項

国税局の当該職員が集取した犯則事件の証拠は、所轄税務署の当該職員に引き継がなければならない。


ただし、重要な犯則事件の証拠については、この限りでない。

4項

税務署の当該職員が集取した重要な犯則事件の証拠は、所轄国税局の当該職員に引き継がなければならない。

5項

同一の犯則事件が二以上の場所において発見されたときは、各発見地において集取された証拠は、最初の発見地を所轄する税務署の当該職員に引き継がなければならない。


ただし、その証拠が重要な犯則事件の証拠であるときは、最初の発見地を所轄する国税局の当該職員に引き継がなければならない。

1項

国税局 又は税務署の当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属する国税局 又は税務署の管轄区域外においてその職務を執行することができる。

2項

税務署長は、その管轄区域外において犯則事件の調査を必要とするときは、これをその地の税務署長に嘱託することができる。

3項

国税局長は、その管轄区域外において犯則事件の調査を必要とするときは、これをその地の国税局長 又は税務署長に嘱託することができる。

第二節 犯則事件の処分

1項

当該職員は、次に掲げる犯則事件の調査により犯則があると思料するときは、検察官に告発しなければならない。

一 号

間接国税以外の 国税に関する犯則事件

二 号

申告納税方式による間接国税に関する犯則事件(酒税法第五十五条第一項 又は第三項(罰則)の罪 その他の政令で定める罪に係る事件に限る

1項

国税局 又は税務署の当該職員は、間接国税に関する犯則事件(前条第二号に掲げる犯則事件を除く。以下同じ。)の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長 又は所轄税務署長に報告しなければならない。


ただし次の各号いずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。

一 号

犯則嫌疑者の居所が明らかでないとき。

二 号

犯則嫌疑者が逃走するおそれがあるとき。

三 号

証拠となると認められるものを隠滅するおそれがあるとき。

2項

国税庁の当該職員は、間接国税に関する犯則事件の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長 又は所轄税務署長に通報しなければならない。


ただし前項各号いずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。

1項

国税局長 又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件の調査により犯則の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額、没収に該当する物件、追徴金に相当する金額 並びに書類の送達 並びに差押物件 又は記録命令付差押物件の運搬 及び保管に要した費用を指定の場所に納付すべき旨を書面により通告しなければならない。


この場合において、没収に該当する物件については、納付の申出のみをすべき旨を通告することができる。

2項

前項の場合において、次の各号いずれかに 該当すると認めるときは、同項の規定にかかわらず、国税局長 又は税務署長は、直ちに検察官に告発しなければならない。

一 号

情状が懲役の刑に処すべきものであるとき。

二 号

犯則者が通告の旨を履行する資力がないとき。

3項

第一項の規定による通告に計算違い、誤記 その他これらに類する明白な誤りがあるときは、国税局長 又は税務署長は、犯則者が当該通告の旨を履行し、又は前項 若しくは次条の規定により告発するまでの間、職権で、当該通告を更正することができる。

4項

第一項の規定により通告があつたときは、公訴の時効は、その進行を停止し、犯則者が当該通告を受けた日の翌日から起算して二十日を経過した時からその進行を始める。

5項

犯則者は、第一項の通告の旨(第三項の規定による更正があつた場合には、当該更正後の通告の旨。次項 及び次条第一項において同じ。)を履行した場合においては、同一事件について公訴を提起されない。

6項

犯則者は、第一項後段の通告の旨を履行した場合において、没収に該当する物件を所持するときは、公売 その他の必要な処分がされるまで、これを保管する義務を負う。


ただし、その保管に要する費用は、請求することができない

1項

犯則者が前条第一項の通告(同条第三項の規定による更正があつた場合には、当該更正。以下この条において「通告等」という。)を受けた場合において、当該通告等を受けた日の翌日から起算して二十日以内に当該通告の旨を履行しないときは、国税局長 又は税務署長は、検察官に告発しなければならない。


ただし、当該期間を経過しても告発前に履行した場合は、この限りでない。

2項

犯則者の居所が明らかでないため、若しくは犯則者が通告等に係る書類の受領を拒んだため、又はその他の事由により通告等をすることができないときも、前項と同様とする。

1項

間接国税に関する犯則事件は、第百五十六条第一項ただし書(間接国税に関する犯則事件についての報告等)の規定による国税局 若しくは税務署の当該職員の告発、同条第二項ただし書の規定による国税庁の当該職員の告発 又は第百五十七条第二項間接国税に関する犯則事件についての通告処分等)若しくは前条の規定による国税局長 若しくは税務署長の告発を待つて論ずる。

2項

第百五十五条間接国税以外の国税に関する犯則事件等についての告発)の規定による告発 又は前項の告発は、書面をもつて行い、第百五十二条各項調書の作成)に規定する調書を添付し、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件があるときは、これを領置目録、差押目録 又は記録命令付差押目録とともに検察官に引き継がなければならない。

3項

前項の領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件が第百四十四条第一項領置物件等の処置)の規定による保管に係るものである場合においては、同項の保管証をもつて引き継ぐとともに、その旨を同項の規定により当該物件を保管させた者に通知しなければならない。

4項

前二項の規定により領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件が引き継がれたときは、当該物件は、刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により検察官によつて押収されたものとみなす。

5項

第一項の告発は、取り消すことができない。

1項

国税局長 又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件を調査し、犯則の心証を得ない場合においては、その旨を犯則嫌疑者に通知しなければならない。


この場合において、物件の領置、差押え 又は記録命令付差押えがあるときは、その解除を命じなければならない。