普通地方公共団体に選挙管理委員会を置く。
地方自治法
第四款 選挙管理委員会
選挙管理委員会は、四人の選挙管理委員を以てこれを組織する。
選挙管理委員は、選挙権を有する者で、人格が高潔で、政治 及び選挙に関し公正な識見を有するもののうちから、普通地方公共団体の議会においてこれを選挙する。
議会は、前項の規定による選挙を行う場合においては、同時に、同項に規定する者のうちから委員と同数の補充員を選挙しなければならない。
補充員がすべてなくなつたときも、また、同様とする。
委員中に欠員があるときは、選挙管理委員会の委員長は、補充員の中からこれを補欠する。
その順序は、選挙の時が異なるときは選挙の前後により、選挙の時が同時であるときは得票数により、得票数が同じであるときはくじにより、これを定める。
法律の定めるところにより行なわれる選挙、投票 又は国民審査に関する罪を犯し刑に処せられた者は、委員 又は補充員となることができない。
委員 又は補充員は、それぞれ その中の二人が同時に同一の政党 その他の政治団体に属する者となることとなつてはならない。
第一項 又は第二項の規定による選挙において、同一の政党 その他の政治団体に属する者が前項の制限を超えて選挙された場合 及び第三項の規定により委員の補欠を行えば同一の政党 その他の政治団体に属する委員の数が前項の制限を超える場合等に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
委員は、地方公共団体の議会の議員 及び長と兼ねることができない。
委員 又は補充員の選挙を行うべき事由が生じたときは、選挙管理委員会の委員長は、直ちにその旨を当該普通地方公共団体の議会 及び長に通知しなければならない。
選挙管理委員の任期は、四年とする。
但し、後任者が就任する時まで在任する。
補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
補充員の任期は、委員の任期による。
委員 及び補充員は、その選挙に関し第百十八条第五項の規定による裁決 又は判決が確定するまでは、その職を失わない。
選挙管理委員は、選挙権を有しなくなつたとき、第百八十条の五第六項の規定に該当するとき又は第百八十二条第四項に規定する者に該当するときは、その職を失う。
その選挙権の有無 又は第百八十条の五第六項の規定に該当するかどうかは、選挙管理委員が公職選挙法第十一条 若しくは同法第二百五十二条 又は政治資金規正法第二十八条の規定に該当するため選挙権を有しない場合を除くほか、選挙管理委員会がこれを決定する。
第百四十三条第二項から第四項までの規定は、前項の場合にこれを準用する。
普通地方公共団体の議会は、選挙管理委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は選挙管理委員に職務上の義務違反 その他選挙管理委員たるに適しない非行があると認めるときは、議決によりこれを罷免することができる。
この場合においては、議会の常任委員会 又は特別委員会において公聴会を開かなければならない。
委員は、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して罷免されることがない。
選挙管理委員会の委員長が退職しようとするときは、当該選挙管理委員会の承認を得なければならない。
委員が退職しようとするときは、委員長の承認を得なければならない。
選挙管理委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も、同様とする。
選挙管理委員会は、法律 又はこれに基づく政令の定めるところにより、当該普通地方公共団体が処理する選挙に関する事務 及びこれに関係のある事務を管理する。
選挙管理委員会は、委員の中から委員長を選挙しなければならない。
委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。
委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長の指定する委員がその職務を代理する。
選挙管理委員会は、委員長がこれを招集する。
委員から委員会の招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
選挙管理委員会は、三人以上の委員が出席しなければ、会議を開くことができない。
委員長 及び委員は、自己 若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫 若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件 又は自己 若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。
但し、委員会の同意を得たときは、会議に出席し、発言することができる。
前項の規定により委員の数が減少して第一項の数に達しないときは、委員長は、補充員でその事件に関係のないものを以て第百八十二条第三項の順序により、臨時にこれに充てなければならない。
委員の事故に因り委員の数が第一項の数に達しないときも、また、同様とする。
選挙管理委員会の議事は、出席委員の過半数を以てこれを決する。
可否同数のときは、委員長の決するところによる。
都道府県 及び市の選挙管理委員会に書記長、書記 その他の職員を置き、町村の選挙管理委員会に書記 その他の職員を置く。
書記長、書記 その他の常勤の職員の定数は、条例でこれを定める。
但し、臨時の職については、この限りでない。
書記長は委員長の命を受け、書記 その他の職員 又は第百八十条の三の規定による職員は上司の指揮を受け、それぞれ委員会に関する事務に従事する。
選挙管理委員会の処分 又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟については、選挙管理委員会が当該普通地方公共団体を代表する。
第百四十一条第一項 及び第百六十六条第一項の規定は選挙管理委員について、第百五十三条第一項、第百五十四条 及び第百五十九条の規定は選挙管理委員会の委員長について、第百七十二条第二項 及び第四項の規定は選挙管理委員会の書記長、書記 その他の職員について、それぞれ準用する。
この法律 及びこれに基く政令に規定するものを除く外、選挙管理委員会に関し必要な事項は、委員会がこれを定める。