少年院法

# 平成二十六年法律第五十八号 #

第九章 金品の取扱い

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年十二月一日 ( 2023年 12月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十七号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項
少年院の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。
一 号
在院者が入院の際に所持する現金 及び物品
二 号

在院者が在院中に取得した現金 及び物品(信書を除く次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金 及び物品以外のもの(少年院の長から支給された物品を除く

三 号

在院者に交付するため当該在院者以外の者が少年院に持参し、又は送付した現金 及び物品

1項

少年院の長は、前条第一号 又は第二号に掲げる物品が次の各号いずれかに該当するときは、在院者に対し、その物品について、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。

一 号
保管に不便なものであるとき。
二 号
腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。
三 号
危険を生ずるおそれがあるものであるとき。
2項

前項の規定により物品の処分を求めた場合において、在院者が相当の期間内にその処分をしないときは、少年院の長は、これを売却してその代金を領置する。


ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。

1項

少年院の長は、第六十四条第三号に掲げる現金 又は物品が次の各号いずれにも該当しないときは、その現金 又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。

一 号
在院者の保護者等が持参し、又は送付したものであるとき。
二 号
婚姻関係の調整、訴訟の遂行、修学 又は就業の準備 その他の在院者の身分上、法律上、教育上又は職業上の重大な利害に係る用務の処理のため在院者が交付を受けることが必要なものであるとき。
三 号
在院者が交付を受けることが、その改善更生に資すると認められるものであるとき。
2項

前項の規定にかかわらず、少年院の長は、第六十四条第三号に掲げる現金 又は物品であって、同項各号いずれにも該当しないものについて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他在院者がその交付を受けることを必要とする事情があり、かつ、その交付により、少年院の規律 及び秩序を害し、又は在院者の矯正教育の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項の規定による引取りを求めないことができる。

3項

第一項の規定による引取りを求めることとした現金 又は物品について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、少年院の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。

4項

前項に規定する現金 又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金 又は物品の引取りをしないときは、その現金 又は物品は、国庫に帰属する。

5項

第三項に規定する物品であって、前条第一項各号いずれかに該当するものについては、少年院の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。


ただし、売却できないものは、廃棄することができる。

1項

少年院の長は、第六十四条第三号に掲げる物品(前条第一項の規定による引取りを求めることとした物品を除く)が次の各号いずれかに該当するときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。

一 号

自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品 又は出院の際に必要と認められる物品(第七十一条 及び第七十三条において「自弁物品等」という。以外の物品であるとき。

二 号

第六十五条第一項各号いずれかに該当する物品であるとき。

2項

前項の規定による引取りを求めることとした物品について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、少年院の長は、在院者に対し、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。

3項

第六十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。

1項

少年院の長は、第六十四条第三号に掲げる現金 又は物品について、第六十六条第一項 又は前条第一項の規定による引取りを求めないこととした場合において、在院者がその交付を受けることを拒んだときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。


この場合においては、第六十六条第三項 及び第四項の規定を準用する。

1項
次に掲げる金品は、少年院の長が領置する。
一 号

第六十四条第一号 又は第二号に掲げる物品であって、第六十五条第一項各号いずれにも該当しないもの

二 号

第六十四条第三号に掲げる物品であって、第六十六条第一項 又は第六十七条第一項の規定による引取りを求めないこととしたもの(在院者が交付を受けることを拒んだ物品を除く

三 号

第六十四条各号に掲げる現金であって、第六十六条第一項の規定による引取りを求めないこととしたもの

2項

少年院の長は、在院者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く)の総量(第七十一条において「領置総量」という。)が領置限度量(在院者一人当たりについて領置することができる物品の量として少年院の長が定める量をいう。同条において同じ。)を超えるときは、当該在院者に対し、その超過量に相当する量の物品について、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。

3項

第六十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。

1項

少年院の長は、在院者について領置している物品のうち、この法律の規定により在院者が使用し、又は摂取することができるものについて、在院者がその引渡しを求めた場合には、法務省令で定めるところにより、これを引き渡すものとする。


ただし、その者が所持する物品の総量が次項の規定により所持することができる物品の量を超えることとなる場合は、この限りでない。

2項

少年院の長は、法務省令で定めるところにより、前項本文の規定により在院者が引渡しを受けて所持する物品 及び在院者が受けた信書でその保管するものに関し、これらを所持し、又は保管する方法 並びに所持することができる物品の量 及び保管することができる信書の通数について、少年院の管理運営上必要な制限をすることができる。

3項

少年院の長は、第一項本文の規定により在院者が引渡しを受けて所持する物品 又は在院者が受けた信書でその保管するものについて、その者が、少年院の長においてその物品の引渡しを受け、又はその信書を領置することを求めた場合には、その引渡しを受け、又は領置するものとする。

4項

少年院の長は、第一項本文の規定により在院者が引渡しを受けて所持する物品 又は在院者が受けた信書でその保管するものについて、在院者が第二項の規定による制限に違反したときは、その物品を取り上げること 又はその信書を取り上げて領置することができる。

1項

少年院の長は、在院者が、自弁物品等を購入し、又は少年院における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。


ただし、自弁物品等の購入により領置総量が領置限度量を超えることとなるときは、この限りでない。

1項

少年院の長は、在院者が、領置されている金品(第百五条に規定する文書図画に該当するものを除く次項において同じ。)について、他の者(当該少年院に収容されている者を除く同項において同じ。)への交付(信書の発信に該当するものを除く同項において同じ。)を申請した場合において、次の各号いずれかに該当するときは、これを許すものとする。

一 号
在院者の保護者等に交付するとき。
二 号
婚姻関係の調整、訴訟の遂行、修学 又は就業の準備 その他の在院者の身分上、法律上、教育上又は職業上の重大な利害に係る用務の処理のため在院者が交付することが必要であるとき。
三 号
在院者が交付することが、その改善更生に資すると認められるとき。
2項

少年院の長は、在院者が、領置されている金品について、他の者への交付を申請した場合であって、前項各号いずれにも該当しないときにおいて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他在院者がその金品を交付することを必要とする事情があり、かつ、その交付により、少年院の規律 及び秩序を害し、又は在院者の矯正教育の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。

1項

少年院の長は、この章に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による在院者に対する金品の交付 及び在院者による自弁物品等の購入について、少年院の管理運営上必要な制限をすることができる。

1項
少年院の長は、在院者の出院の際、領置している金品をその者 又はその親権を行う者等に引き渡すものとする。
1項

出院した在院者の遺留物(少年院に遺留した金品をいう。以下同じ。)は、その出院の日から起算して六月を経過する日までに、その者 又はその親権を行う者等からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。

2項

前項の期間内でも、少年院の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。

1項

在院者が次の各号いずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者 又はその親権を行う者等から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。

一 号

逃走したとき

逃走した日

二 号

院外委嘱指導 又は第四十五条第一項の規定による外出 若しくは外泊の場合において、少年院の長が指定した日時までに少年院に帰着しなかったとき

その日

三 号

第九十条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき

避難を必要とする状況がなくなった日

2項

前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。

1項
死亡した在院者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
2項

死亡した在院者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百四十四条の規定による通知をすることができないときは、少年院の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。

3項

第一項の遺留物は、第百四十四条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。

4項

第七十五条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。