民事訴訟法

# 平成八年法律第百九号 #
略称 : 民訴法 

第一節 訴訟費用の負担

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項

訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。

1項

裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張 若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用 又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張 若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部 又は一部を負担させることができる。

1項

当事者が適切な時期に攻撃 若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日 若しくは期間の不遵守 その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部 又は一部を負担させることができる。

1項

一部敗訴の場合における各当事者の訴訟費用の負担は、裁判所が、その裁量で定める。


ただし、事情により、当事者の一方に訴訟費用の全部を負担させることができる。

1項

共同訴訟人は、等しい割合で訴訟費用を負担する。


ただし、裁判所は、事情により、共同訴訟人に連帯して訴訟費用を負担させ、又は他の方法により負担させることができる。

2項

裁判所は、前項の規定にかかわらず、権利の伸張 又は防御に必要でない行為をした当事者に、その行為によって生じた訴訟費用を負担させることができる。

1項

第六十一条から前条までの規定は、補助参加についての異議によって生じた訴訟費用の補助参加人とその異議を述べた当事者との間における負担の関係 及び補助参加によって生じた訴訟費用の補助参加人と相手方との間における負担の関係について準用する。

1項

裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない。


ただし、事情により、事件の一部 又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。

2項

上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、訴訟の総費用について、その負担の裁判をしなければならない。


事件の差戻し 又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。

1項

当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用 又は訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

1項

法定代理人、訴訟代理人、裁判所書記官 又は執行官が故意 又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより 又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。

2項

前項の規定は、法定代理人 又は訴訟代理人として訴訟行為をした者が、その代理権 又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用する。

3項

第一項前項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

前条第二項に規定する場合において、裁判所が訴えを却下したときは、訴訟費用は、代理人として訴訟行為をした者の負担とする。

1項

訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める。

2項

前項の場合において、当事者双方が訴訟費用を負担するときは、最高裁判所規則で定める場合を除き、各当事者の負担すべき費用は、その対当額について相殺があったものとみなす。

3項

第一項の申立てに関する処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

4項

前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間不変期間内にしなければならない。

5項

前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。

6項

裁判所は、第一項の規定による額を定める処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、訴訟費用の負担の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。

7項

第四項の異議の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用 又は訴訟費用の負担を定め、その額を定めなかったときは、その額は、申立てにより、第一審裁判所(第二百七十五条の和解にあっては、和解が成立した裁判所)の裁判所書記官が定める。


この場合においては、前条第二項から第七項までの規定を準用する。

1項

訴訟が裁判 及び和解によらないで完結したときは、申立てにより、第一審裁判所は決定で訴訟費用の負担を命じ、その裁判所の裁判所書記官はその決定が執行力を生じた後にその負担の額を定めなければならない。


補助参加の申出の取下げ 又は補助参加についての異議の取下げがあった場合も、同様とする。

2項

第六十一条から第六十六条まで 及び第七十一条第七項の規定は前項の申立てについての決定について、同条第二項 及び第三項の規定は前項の申立てに関する裁判所書記官の処分について、同条第四項から第七項までの規定はその処分に対する異議の申立てについて準用する。

1項

第七十一条第一項第七十二条 又は前条第一項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記 その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより 又は職権で、いつでもその処分を更正することができる。

2項

第七十一条第三項から第五項まで 及び第七項の規定は、前項の規定による更正の処分 及びこれに対する異議の申立てについて準用する。

3項

第一項に規定する額を定める処分に対し適法な異議の申立てがあったときは、前項の異議の申立ては、することができない。