婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。
法の適用に関する通則法
第五節 親族
婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。
前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。
ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。
婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。
前条の規定は、夫婦財産制について準用する。
前項の規定にかかわらず、夫婦が、その署名した書面で日付を記載したものにより、次に掲げる法のうちいずれの法によるべきかを定めたときは、夫婦財産制は、その法による。
この場合において、その定めは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
夫婦の一方が国籍を有する国の法
不動産に関する夫婦財産制については、その不動産の所在地法
前二項の規定により外国法を適用すべき夫婦財産制は、日本においてされた法律行為 及び日本に在る財産については、善意の第三者に対抗することができない。
この場合において、その第三者との間の関係については、夫婦財産制は、日本法による。
前項の規定にかかわらず、第一項 又は第二項の規定により適用すべき外国法に基づいてされた夫婦財産契約は、日本においてこれを登記したときは、第三者に対抗することができる。
第二十五条の規定は、離婚について準用する。
ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。
夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。
夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。
嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生の当時における父の本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の本国法による。
この場合において、子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によれば その子 又は第三者の承諾 又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者 又は子の本国法による。
この場合において、認知する者の本国法によるときは、同項後段の規定を準用する。
父が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における父の本国法を第一項の父の本国法とみなす。
前項に規定する者が認知前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
子は、準正の要件である事実が完成した当時における父 若しくは母 又は子の本国法により準正が成立するときは、嫡出子の身分を取得する。
前項に規定する者が準正の要件である事実の完成前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。
この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者 若しくは第三者の承諾 若しくは同意 又は公的機関の許可 その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
養子とその実方の血族との親族関係の終了 及び離縁は、前項前段の規定により適用すべき法による。
親子間の法律関係は、子の本国法が父 又は母の本国法(父母の一方が死亡し、又は知れない場合にあっては、他の一方の本国法)と同一である場合には子の本国法により、その他の場合には子の常居所地法による。
第二十四条から前条までに規定するもののほか、親族関係 及びこれによって生ずる権利義務は、当事者の本国法によって定める。
第二十五条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。
前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。
後見、保佐 又は補助(以下「後見等」と総称する。)は、被後見人、被保佐人 又は被補助人(次項において「被後見人等」と総称する。)の本国法による。
前項の規定にかかわらず、外国人が被後見人等である場合であって、次に掲げるときは、後見人、保佐人 又は補助人の選任の審判 その他の後見等に関する審判については、日本法による。
当該外国人の本国法によればその者について後見等が開始する原因がある場合であって、日本における後見等の事務を行う者がないとき。
日本において当該外国人について後見開始の審判等があったとき。