学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物 その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水 及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難 その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。
消防法
第四章 消防の設備等
市町村は、その地方の気候 又は風土の特殊性により、前項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 又はこれに基づく命令の規定のみによつては防火の目的を充分に達し難いと認めるときは、条例で、同項の消防用設備等の技術上の基準に関して、当該政令 又はこれに基づく命令の規定と異なる規定を設けることができる。
第一項の防火対象物の関係者が、同項の政令 若しくはこれに基づく命令 又は前項の規定に基づく条例で定める技術上の基準に従つて設置し、及び維持しなければならない消防用設備等に代えて、特殊の消防用設備等 その他の設備等(以下「特殊消防用設備等」という。)であつて、当該消防用設備等と同等以上の性能を有し、かつ、当該関係者が総務省令で定めるところにより作成する特殊消防用設備等の設置 及び維持に関する計画(以下「設備等設置維持計画」という。)に従つて設置し、及び維持するものとして、総務大臣の認定を受けたものを用いる場合には、当該消防用設備等(それに代えて当該認定を受けた特殊消防用設備等が用いられるものに限る。)については、前二項の規定は、適用しない。
前条第三項の認定を受けようとする者は、あらかじめ、日本消防検定協会(以下この章において「協会」という。)又は法人であつて総務大臣の登録を受けたものが行う性能評価(設備等設置維持計画に従つて設置し、及び維持する場合における特殊消防用設備等の性能に関する評価をいう。以下この条 及び第十七条の二の四において同じ。)を受けなければならない。
性能評価を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、申請書に設備等設置維持計画 その他総務省令で定める書類を添えて、協会 又は前項の規定による登録を受けた法人に申請しなければならない。
協会 又は第一項の規定による登録を受けた法人は、前項の申請があつたときは、総務省令で定めるところにより、当該申請に係る性能評価を行い、その性能評価の結果(次条第一項 及び第二項において「評価結果」という。)を前項の申請をした者に通知しなければならない。
前条第三項(第十七条の二の四第三項において準用する場合を含む。)の評価結果の通知を受けた者が第十七条第三項の認定を受けようとするときは、総務省令で定めるところにより、申請書に設備等設置維持計画 及び当該評価結果を記載した書面を添えて、総務大臣に申請しなければならない。
総務大臣は、前項の申請があつたときは、同項の設備等設置維持計画 及び評価結果を記載した書面により、当該申請に係る設備等設置維持計画に従つて設置し、及び維持する場合における特殊消防用設備等が第十七条第一項の政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準に従つて設置し、及び維持しなければならない消防用設備等と同等以上の性能を有しているかどうかを審査し、当該性能を有していると認められるときは、同条第三項の規定による認定をしなければならない。
総務大臣は、前項の規定により認定をしようとするときは、その旨を関係消防長 又は関係消防署長に通知しなければならない。
この場合において、関係消防長 又は関係消防署長は、当該認定に関し、総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
総務大臣は、第十七条第三項の規定による認定を受けた特殊消防用設備等について、次の各号のいずれかに該当するときは、当該認定の効力を失わせることができる。
偽りその他不正な手段により当該認定 又は次項の承認を受けたことが判明したとき。
設備等設置維持計画に従つて設置され、又は維持されていないと認めるとき。
第十七条第三項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る特殊消防用設備等 又は設備等設置維持計画を変更しようとするときは、総務大臣の承認を受けなければならない。
ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
前二条の規定は、前項の規定により総務大臣が承認する場合について準用する。
第十七条第三項の規定による認定を受けた者は、第二項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長 又は消防署長に届け出なければならない。
総務大臣は、協会 又は第十七条の二第一項の規定による登録を受けた法人が、性能評価を行う機能の全部 又は一部を喪失したことにより、当該性能評価に関する業務を行うことが困難となつた場合において、特別の必要があると認めるときは、第十七条第三項の認定を受けようとする者の申請に基づき当該性能評価を行うことができる。
総務大臣は、前項の規定により性能評価の全部 又は一部を自ら行う場合は、あらかじめ、当該性能評価を行う期間を公示しなければならない。
第十七条の二第二項 及び第三項の規定は、第一項の規定により総務大臣が性能評価を行う場合について準用する。
第一項の規定により総務大臣の行う性能評価を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行 又は適用の際、現に存する同条第一項の防火対象物における消防用設備等(消火器、避難器具 その他政令で定めるものを除く。以下この条 及び次条において同じ。)又は現に新築、増築、改築、移転、修繕 若しくは模様替えの工事中の同条同項の防火対象物に係る消防用設備等がこれらの規定に適合しないときは、当該消防用設備等については、当該規定は、適用しない。
この場合においては、当該消防用設備等の技術上の基準に関する従前の規定を適用する。
前項の規定は、消防用設備等で次の各号のいずれかに該当するものについては、適用しない。
第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例を改正する法令による改正(当該政令 若しくは命令 又は条例を廃止すると同時に新たにこれに相当する政令 若しくは命令 又は条例を制定することを含む。)後の当該政令 若しくは命令 又は条例の規定の適用の際、当該規定に相当する従前の規定に適合していないことにより同条第一項の規定に違反している同条同項の防火対象物における消防用設備等
工事の着手が第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行 又は適用の後である政令で定める増築、改築 又は大規模の修繕 若しくは模様替えに係る同条第一項の防火対象物における消防用設備等
第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定に適合するに至つた同条第一項の防火対象物における消防用設備等
前三号に掲げるもののほか、第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行 又は適用の際、現に存する百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるものに限る。)その他同条第一項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(以下「特定防火対象物」という。)における消防用設備等 又は現に新築、増築、改築、移転、修繕 若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等
前条に規定する場合のほか、第十七条第一項の防火対象物の用途が変更されたことにより、当該用途が変更された後の当該防火対象物における消防用設備等がこれに係る同条同項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定に適合しないこととなるときは、当該消防用設備等については、当該規定は、適用しない。
この場合においては、当該用途が変更される前の当該防火対象物における消防用設備等の技術上の基準に関する規定を適用する。
前項の規定は、消防用設備等で次の各号の一に該当するものについては、適用しない。
第十七条第一項の防火対象物の用途が変更された際、当該用途が変更される前の当該防火対象物における消防用設備等に係る同条同項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定に適合していないことにより同条第一項の規定に違反している当該防火対象物における消防用設備等
工事の着手が第十七条第一項の防火対象物の用途の変更の後である政令で定める増築、改築 又は大規模の修繕 若しくは模様替えに係る当該防火対象物における消防用設備等
第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令 若しくはこれに基づく命令 又は同条第二項の規定に基づく条例の規定に適合するに至つた同条第一項の防火対象物における消防用設備等
前三号に掲げるもののほか、第十七条第一項の防火対象物の用途が変更され、その変更後の用途が特定防火対象物の用途である場合における当該特定防火対象物における消防用設備等
第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物 その他の政令で定めるものの関係者は、同項の政令 若しくはこれに基づく命令 若しくは同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二の五第一項前段 又は前条第一項前段に規定する場合には、それぞれ第十七条の二の五第一項後段 又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。以下「設備等技術基準」という。)又は設備等設置維持計画に従つて設置しなければならない消防用設備等 又は特殊消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長 又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。
第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等 又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等 又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者 又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長 又は消防署長に報告しなければならない。
消防長 又は消防署長は、第十七条第一項の防火対象物における消防用設備等が設備等技術基準に従つて設置され、又は維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で権原を有するものに対し、当該設備等技術基準に従つてこれを設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができる。
消防長 又は消防署長は、第十七条第一項の防火対象物における同条第三項の規定による認定を受けた特殊消防用設備等が設備等設置維持計画に従つて設置され、又は維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で権原を有するものに対し、当該設備等設置維持計画に従つてこれを設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができる。
第五条第三項 及び第四項の規定は、前二項の規定による命令について準用する。
消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等 又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。
第十条第四項の技術上の基準 又は設備等技術基準に従つて設置しなければならない消防用設備等
設備等設置維持計画に従つて設置しなければならない特殊消防用設備等
消防設備士免状の種類は、甲種消防設備士免状 及び乙種消防設備士免状とする。
甲種消防設備士免状の交付を受けている者(以下「甲種消防設備士」という。)が行うことができる工事 又は整備の種類 及び乙種消防設備士免状の交付を受けている者(以下「乙種消防設備士」という。)が行うことができる整備の種類は、これらの消防設備士免状の種類に応じて総務省令で定める。
消防設備士免状は、消防設備士試験に合格した者に対し、都道府県知事が交付する。
第十三条の二第四項から第七項までの規定は、消防設備士免状について準用する。
消防設備士試験は、消防用設備等 又は特殊消防用設備等(以下この章において「工事整備対象設備等」という。)の設置 及び維持に関して必要な知識 及び技能について行う。
消防設備士試験の種類は、甲種消防設備士試験 及び乙種消防設備士試験とする。
消防設備士試験は、前項に規定する消防設備士試験の種類ごとに、毎年一回以上、都道府県知事が行う。
次の各号のいずれかに該当する者でなければ、甲種消防設備士試験を受けることができない。
学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校 又は中等教育学校において機械、電気、工業化学、土木 又は建築に関する学科 又は課程を修めて卒業した者(当該学科 又は課程を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
乙種消防設備士免状の交付を受けた後二年以上工事整備対象設備等の整備(第十七条の五の規定に基づく政令で定めるものに限る。)の経験を有する者
前二号に掲げる者に準ずるものとして総務省令で定める者
前各項に定めるもののほか、消防設備士試験の試験科目、受験手続 その他試験の実施細目は、総務省令で定める。
都道府県知事は、総務大臣の指定する者に、消防設備士試験の実施に関する事務を行わせることができる。
前項の規定による指定は、消防設備士試験の実施に関する事務を行おうとする者の申請により行う。
都道府県知事は、第一項の規定により総務大臣の指定する者に消防設備士試験の実施に関する事務を行わせるときは、消防設備士試験の実施に関する事務を行わないものとする。
第十三条の六の規定は第一項の規定による指定について、第十三条の七、第十三条の九から第十三条の十八まで 及び第十三条の二十二の規定は同項の規定による指定を受けた者について、第十三条の八、第十三条の十九 及び第十三条の二十の規定は同項の規定により総務大臣の指定する者にその消防設備士試験の実施に関する事務を行わせることとした都道府県知事について、第十三条の二十一の規定は消防設備士試験の実施に関する事務の引継ぎ その他の必要な事項について、準用する。
この場合において、
これらの規定中
「危険物取扱者試験事務」とあるのは
「消防設備士試験の実施に関する事務」と、
第十三条の六中
「前条第二項」とあるのは
「第十七条の九第二項」と、
第十三条の七第一項 及び第二項 並びに第十三条の八第一項中
「第十三条の五第一項」とあるのは
「第十七条の九第一項」と、
第十三条の十 及び第十三条の十一第一項中
「危険物取扱者試験委員」とあるのは
「消防設備士試験委員」と、
第十三条の十三第一項 及び第十三条の十八第二項第五号中
「第十三条の五第一項」とあるのは
「第十七条の九第一項」と、
第十三条の二十第一項中
「第十三条の五第三項」とあるのは
「第十七条の九第三項」と
読み替えるものとする。
消防設備士は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長 その他の機関を含む。)が行う工事整備対象設備等の工事 又は整備に関する講習を受けなければならない。
前条の規定により総務大臣が指定する機関で市町村長以外のもの(以下この条において「指定講習機関」という。)が行う工事整備対象設備等の工事 又は整備に関する講習を受けようとする者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を当該指定講習機関に納めなければならない。
前項の規定により指定講習機関に納められた手数料は、当該指定講習機関の収入とする。
都道府県は、地方自治法第二百二十七条の規定に基づき消防設備士試験に係る手数料を徴収する場合においては、第十七条の九第一項の規定による指定を受けた者(以下この項において「指定試験機関」という。)が行う消防設備士試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
消防設備士は、その業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければならない。
消防設備士は、その業務に従事するときは、消防設備士免状を携帯していなければならない。
甲種消防設備士は、第十七条の五の規定に基づく政令で定める工事をしようとするときは、その工事に着手しようとする日の十日前までに、総務省令で定めるところにより、工事整備対象設備等の種類、工事の場所 その他必要な事項を消防長 又は消防署長に届け出なければならない。
何人も、みだりに火災報知機、消火栓、消防の用に供する貯水施設 又は消防の用に供する望楼 若しくは警鐘台を使用し、損壊し、撤去し、又はその正当な使用を妨げてはならない。
何人も、みだりに総務省令で定める消防信号 又はこれに類似する信号を使用してはならない。
消防に必要な水利の基準は、消防庁がこれを勧告する。
消防に必要な水利施設は、当該市町村がこれを設置し、維持し 及び管理するものとする。
但し、水道については、当該水道の管理者が、これを設置し、維持し 及び管理するものとする。
消防長 又は消防署長は、池、泉水、井戸、水そう その他消防の用に供し得る水利についてその所有者、管理者 又は占有者の承諾を得て、これを消防水利に指定して、常時使用可能の状態に置くことができる。
消防長 又は消防署長は、前項の規定により指定をした消防水利には、総務省令で定めるところにより、標識を掲げなければならない。
第一項の水利を変更し、撤去し、又は使用不能の状態に置こうとする者は、予め所轄消防長 又は消防署長に届け出なければならない。