あへん法

# 昭和二十九年法律第七十一号 #

第三章 栽培

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月26日 21時14分


1項

厚生労働大臣は、毎年、けし耕作者 又は甲種研究栽培者がけしを栽培することができる区域 及び面積を定めて、公告する。

1項

採取したあへんを国に納付する目的で、又はあへんの採取を伴う学術研究のため、けしを栽培しようとする者は、あらかじめ栽培地 及び栽培面積 並びにあへんの乾そう場 及び保管場を定めて、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

2項

あへんの採取を伴わない学術研究のため、けしを栽培しようとする者は、あらかじめ栽培地 及び栽培面積を定めて、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

3項

前二項の許可を申請するには、栽培地の都道府県知事を経由して、申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

4項

都道府県知事は、前項の申請書を受理したときは、必要な調査を行い、意見があるときはその意見を付して、これを厚生労働大臣に進達するものとする。

1項

次の各号いずれかに該当する者には、前条第一項 又は第二項の許可を与えない。

一 号
未成年者
二 号

麻薬、大麻 又はあへんの中毒者

1項

次の各号いずれかに該当する者には、第十二条第一項 又は第二項の許可を与えないことができる。

一 号

心身の障害によりこの法律の規定に基づき適正にけしの栽培の業務を行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

二 号

第四十二条の規定により許可を取り消され、取消の日から三年を経過していない者

三 号

この法律、麻薬及び向精神薬取締法大麻取締法昭和二十三年法律第百二十四号)、覚醒剤取締法昭和二十六年法律第二百五十二号)若しくは国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律平成三年法律第九十四号)に違反する罪 又は刑法明治四十年法律第四十五号第二編第十四章に定める罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた後、三年を経過していない者

四 号

けしの栽培上 又は取締り上 不適当と認める場所に栽培しようとする者

五 号

学術研究のため栽培しようとする場合を除き、申請に係る栽培面積が著しく狭い

六 号

けし栽培者として必要な経営的 又は技術的能力を有しないと認められる者

七 号

法人 又は団体であつて、その業務を行う役員のうちに前条各号のいずれか 又は第一号から第三号までに該当する者があるもの

1項

厚生労働大臣は、第十二条第一項 又は第二項の許可を与えたときは、その申請者に栽培許可証を交付しなければならない。

2項

栽培許可証には、左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号

けし栽培者の氏名 又は名称

二 号
けし栽培者の住所
三 号
栽培地
四 号
栽培面積
五 号

その他厚生労働省令で定める事項

3項

けし耕作者 又は甲種研究栽培者に交付する栽培許可証には、前項各号に掲げる事項のほか、あへんの乾そう場 及び保管場を記載しなければならない。

4項

栽培許可証は、他人に譲り渡し、又は貸与してはならない。

1項

第十二条第一項 又は第二項の許可の有効期間は、許可の日から一年以内九月三十日までとする。

1項

けし栽培者は、許可を受けた栽培地以外の場所で、又は許可を受けた栽培面積をこえて、けしを栽培してはならない。

2項

けし耕作者 又は甲種研究栽培者は、許可を受けたあへんの乾そう場以外の場所であへんを乾そうし、又は許可を受けたあへんの保管場以外の場所であへんを保管してはならない。

1項

けし栽培者は、厚生労働大臣に対し、栽培地、栽培面積 又はあへんの乾燥場 若しくは保管場について、第十二条第一項 又は第二項の許可の変更を申請することができる。


ただし、都道府県の区域を越えてこれらの事項を変更しようとする場合は、この限りでない。

2項

第十二条第三項 及び第四項の規定は、前項申請について、第十四条第四号から第六号までの規定は、前項の規定による許可の変更について準用する。

3項

第一項の申請をするには、申請書に栽培許可証を添付しなければならない。

4項

厚生労働大臣は、第一項の規定により許可を変更したときは、栽培許可証の記載のうち当該変更に係る部分を訂正して、これを申請者に交付しなければならない。

1項

けし耕作者 又は甲種研究栽培者は、その採取したあへんを国に納付するまで、かぎをかけた堅固な設備内に収めてこれを保管しなければならない。


但し、乾そう中は、かぎをかけた設備内に保管することができる。

2項

前項に定めるもののほか、けし栽培者が、あへん 又はけしがらについて、滅失、盗難、紛失 その他の事故を防止するためにとるべき措置については、厚生労働省令で定める。

1項

けし栽培者は、その所有するあへん 又はけしがらにつき、滅失、盗難、紛失 その他の事故が生じたときは、すみやかに、都道府県知事を経由して、その数量、その他事故の状況を明らかにするために必要な事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。

1項

けし栽培者は、麻薬製造業者 若しくは麻薬研究施設の設置者 又は他のけし栽培者にけしがらを譲り渡し、又はこれらの者からけしがらを譲り受けたときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2項

けし栽培者は、けしがらを廃棄しようとするときは、あらかじめ廃棄の日時、場所 及び方法を都道府県知事に届け出なければならない。

3項

けし栽培者は、けしがらを廃棄するには、前項の規定によつて届け出た方法によらなければならない。


但し、あへん監視員から廃棄の方法につき指示を受けたときは、これに従わなければならない。

1項

けし栽培者は、第十五条第二項第一号第二号 又は第五号に掲げる事項に変更を生じたときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2項

前項の届出をするには、届出書に届出の事由を証する書面 及び栽培許可証を添附しなければならない。

3項

第十八条第四項の規定は、第一項の届出があつた場合に準用する。

1項

けし栽培者は、栽培許可証をき損し、又亡失したときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、厚生労働大臣に栽培許可証の再交付を申請しなければならない。

2項

前項の申請をするには、申請書に、その事由を記載し、且つ、栽培許可証をき損した場合にあつては、その栽培許可証をこれに添附しなければならない。

3項

けし栽培者は、第一項の規定により栽培許可証の再交付を受けた後、亡失した栽培許可証を発見したときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、厚生労働大臣にその栽培許可証を返納しなければならない。

1項

けし栽培者が死亡し、又は法人たるけし栽培者が解散したときは、その相続人 若しくは相続人に代つて相続財産を管理する者 又は清算人、破産管財人 若しくは合併後存続し、若しくは合併により設立された法人の代表者は、十五日以内に、都道府県知事を経由して、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2項

前項の届出をするには、届出書に栽培許可証を添附しなければならない。

1項

けし栽培者は、けしの栽培 又は研究を廃止したときは、すみやかに、都道府県知事を経由して、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2項

前項の届出をしたときは、第十二条第一項 又は第二項の許可は、その効力を失う。

1項

けし耕作者は、正当な理由がなければ、けしの栽培を廃止し、又は栽培面積を縮少してはならない。

1項

けし栽培者は、その許可が効力を失つたときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、厚生労働大臣に栽培許可証を返納しなければならない。

1項

けし栽培者は、第二十五条第二項の規定によりその許可が効力を失い、又は第四十二条の規定によりその許可を取り消されたときは、十五日以内に、都道府県知事を経由して、現に所有するあへん 及びけしがらの数量を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2項

前項の者であつてあへんを所有するものについては、そのあへんに関する限り、届出事由が生じた日から起算して五十日間は、第八条第一項の規定を適用しない

3項

第一項の者であつてけしがらを所有するものについては、その者が届出事由が生じた日から起算して五十日以内にそのけしがらけし栽培者、麻薬製造業者 又は麻薬研究施設の設置者に譲り渡す場合に限り、その譲渡については、第七条第二項の規定を適用せず、また、その者のそのけしがらの所持については、同期間内に限り、第八条第五項の規定を適用しない

4項

第二十一条の規定は、前項の者が同項の期間内に同項けしがらを譲り渡し、又は廃棄する場合について準用する。

5項

前各項の規定は、けし栽培者が死亡し、又は法人たるけし栽培者が解散した場合に、その相続人 若しくは相続人に代つて相続財産を管理する者 又は清算人、破産管財人 若しくは合併後存続し、若しくは合併により設立された法人の代表者について準用する。