まち・ひと・しごと創生法

平成二十六年法律第百三十六号
分類 法律
カテゴリ   国土開発
@ 施行日 : 令和三年九月一日 ( 2021年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2023年 01月28日 09時53分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 まち・ひと・しごと創生総合戦略

  • 第三章 都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略

  • 第四章 まち・ひと・しごと創生本部

第一章 総則

1項

この法律は、我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためには、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成、地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保 及び地域における魅力ある多様な就業の機会の創出を一体的に推進すること(以下「まち・ひと・しごと創生」という。)が重要となっていることに鑑み、まち・ひと・しごと創生について、基本理念、国等の責務、政府が講ずべきまち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための計画(以下「まち・ひと・しごと創生総合戦略」という。)の作成等について定めるとともに、まち・ひと・しごと創生本部を設置することにより、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的とする。

1項

まち・ひと・しごと創生は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

一 号

国民が個性豊かで魅力ある地域社会において潤いのある豊かな生活を営むことができるよう、それぞれの地域の実情に応じて環境の整備を図ること。

二 号

日常生活 及び社会生活を営む基盤となるサービスについて、その需要 及び供給を長期的に見通しつつ、かつ、地域における住民の負担の程度を考慮して、事業者 及び地域住民の理解と協力を得ながら、現在 及び将来におけるその提供の確保を図ること。

三 号

結婚や出産は個人の決定に基づくものであることを基本としつつ、結婚、出産 又は育児についての希望を持つことができる社会が形成されるよう環境の整備を図ること。

四 号

仕事と生活の調和を図ることができるよう 環境の整備を図ること。

五 号

地域の特性を生かした創業の促進や事業活動の活性化により、魅力ある就業の機会の創出を図ること。

六 号

前各号に掲げる事項が行われるに当たっては、地域の実情に応じ、地方公共団体相互の連携協力による効率的かつ効果的な行政運営の確保を図ること。

七 号

前各号に掲げる事項が行われるに当たっては、国、地方公共団体 及び事業者が相互に連携を図りながら協力するよう努めること。

1項

国は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

2項

国の関係行政機関は、まち・ひと・しごと創生に関する施策の効率的かつ効果的な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

3項

国は、地方公共団体 その他の者が行うまち・ひと・しごと創生に関する取組のために必要となる情報の収集 及び提供 その他の支援を行うよう努めなければならない。

4項

国は、教育活動、広報活動 その他の活動を通じて、まち・ひと・しごと創生に関し、国民の関心と理解を深めるよう 努めなければならない。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、まち・ひと・しごと創生に関し、国との適切な役割分担の下、地方公共団体が実施すべき施策として、その地方公共団体の区域の実情に応じた自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

事業者は、基本理念に配意してその事業活動を行うとともに、国 又は地方公共団体が実施するまち・ひと・しごと創生に関する施策に協力するよう努めなければならない。

1項

国民は、まち・ひと・しごと創生についての関心と理解を深めるとともに、国 又は地方公共団体が実施するまち・ひと・しごと創生に関する施策に協力するよう努めるものとする。

1項

国は、まち・ひと・しごと創生に関する施策を実施するため必要な法制上 又は財政上の措置 その他の措置を講ずるものとする。

第二章 まち・ひと・しごと創生総合戦略

1項

政府は、基本理念にのっとり、まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるものとする。

2項

まち・ひと・しごと創生総合戦略は、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 号
まち・ひと・しごと創生に関する目標
二 号

まち・ひと・しごと創生に関する施策に関する基本的方向

三 号

前二号に掲げるもののほか、政府が講ずべきまち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3項

まち・ひと・しごと創生本部は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の案を作成するに当たっては、人口の現状 及び将来の見通しを踏まえ、かつ、第十二条第二号の規定による検証に資するようまち・ひと・しごと創生総合戦略の実施状況に関す る客観的な指標を設定するとともに、地方公共団体の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

4項

内閣総理大臣は、まち・ひと・しごと創生本部の作成したまち・ひと・しごと創生総合戦略の案について閣議の決定を求めるものとする。

5項

内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、まち・ひと・しごと創生総合戦略を公表するものとする。

6項

政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、まち・ひと・しごと創生総合戦略を変更しなければならない。

7項

第三項から 第五項までの規定は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の変更について準用する。

第三章 都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略

1項

都道府県は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案して、当該都道府県の区域の実情に応じたまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略」という。)を定めるよう努めなければならない。

2項

都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。

一 号

都道府県の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関する目標

二 号

都道府県の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関し、都道府県が構ずべき施策に関する基本的方向

三 号

前二号に掲げるもののほか、都道府県の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関し、都道府県が講ずべき施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3項

都道府県は、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。

1項

市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)は、まち・ひと・しごと創生総合戦略(都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略が定められているときは、まち・ひと・しごと創生総合戦略 及び都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略)を勘案して、当該市町村の区域の実情に応じたまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画(次項 及び第三項において「市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」という。)を定めるよう努めなければならない。

2項

市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。

一 号

市町村の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関する目標

二 号

市町村の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関し、市町村が講ずべき施策に関する基本的方向

三 号

前二号に掲げるもののほか、市町村の区域におけるまち・ひと・しごと創生に関し、市町村が講ずべき施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3項

市町村は、市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。

第四章 まち・ひと・しごと創生本部

1項

まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進を図るため、内閣に、まち・ひと・しごと創生本部(以下「本部」という。)を置く。

1項
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 号

まち・ひと・しごと創生総合戦略の案の作成及び実施の推進に関すること。

二 号

まち・ひと・しごと創生総合戦略についてその実施状況の総合的な検証を定期的に行うこと。

三 号

前二号に掲げるもののほか、まち・ひと・しごと創生に関する施策で重要なものの企画 及び立案並びに総合調整に関すること。

1項

本部は、まち・ひと・しごと創生本部長、まち・ひと・しごと創生副本部長 及び まち・ひと・しごと創生本部員をもって組織する。

1項

本部の長は、まち・ひと・しごと創生本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2項

本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

1項

本部に、まち・ひと・しごと創生副本部長(次項 及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2項
副本部長は、本部長の職務を助ける。
1項

本部に、まち・ひと・しごと創生本部員(次項において「本部員」という。)を置く。

2項

本部員は、本部長 及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。

1項

本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)の長 並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人 又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法平成十一年法律第九十一号第四条第一項第八号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明 その他 必要な協力を求めることができる。

2項

本部は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

1項

本部に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。

1項

本部に係る事項については、内閣法昭和二十二年法律第五号)にいう 主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

1項

この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。