会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第五章 公告

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月13日 07時55分


第一節 総則

1項

会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。

一 号
官報に掲載する方法
二 号

時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

三 号
電子公告
2項

外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。

3項

会社 又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。


この場合においては、事故 その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号 又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。

4項

第一項 又は第二項の規定による定めがない会社 又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。

1項

株式会社 又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。

一 号

この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告

当該特定の日

二 号

第四百四十条第一項の規定による公告

同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日

三 号

公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告

当該期間を経過する日

四 号

前三号に掲げる公告以外の公告

当該公告の開始後一箇月を経過する日

2項

外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。

3項

前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下 この章において「公告期間」という。)中 公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと 又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下 この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。

一 号

公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと 又は会社に正当な事由があること。

二 号

公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。

三 号

会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間 及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。

第二節 電子公告調査機関

1項

この法律 又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下 この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下 この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。

1項

前条の登録(以下 この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下 この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。

2項

登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

1項

次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない

一 号

この節の規定 若しくは農業協同組合法昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項 及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項 及び第三十四条の二十三第四項消費生活協同組合法昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条 並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項 及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法昭和二十四年法律第二百五号第三十条の二十八第六項同法第四十三条第三項 並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律昭和六十一年法律第六十六号第六十七条第二項第八十条第一項 及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法昭和二十五年法律第百九十七号第四十五条の二第六項土地家屋調査士法昭和二十五年法律第二百二十八号第四十条の二第六項商品先物取引法昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法昭和二十六年法律第四号第十三条の二十の二第六項投資信託及び投資法人に関する法律昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法昭和二十七年法律第二百九十九号第十五条第六項同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項 及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項 及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法平成七年法律第百五号)第六十七条の二 及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律平成十年法律第百五号第百九十四条第四項弁理士法平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条資金決済に関する法律平成二十一年法律第五十九号第二十条第四項第六十一条第七項第六十二条の二十五第七項 及び第六十三条の二十第七項 並びに労働者協同組合法令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定 又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

二 号

第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事 若しくは監査役 又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

1項

法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。


この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。

一 号

電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下 この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下 この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。

当該電子計算機 及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。

当該電子計算機 若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報 若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。

当該電子計算機 及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報 及び指令 並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。

二 号

電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。

2項

登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。

一 号
登録年月日 及び登録番号
二 号

登録を受けた者の氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあっては、その代表者の氏名

三 号

登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地

1項

登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

2項

前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

1項

調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。

2項

調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。

3項

調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下 この節において「調査委託者」という。)の商号 その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。

4項

調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。

1項

調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告 又はその者 若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない

一 号
当該調査機関
二 号

当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。

三 号

理事等 又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人

四 号

理事等 又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く) 又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人

1項

調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。

1項

調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金 その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。

1項

調査機関は、電子公告調査の業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。

1項

調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 又は収支計算書 並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。

2項

調査委託者 その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。


ただし第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。

一 号

財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求

二 号

前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求

三 号

財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

四 号

前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求

1項

法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号いずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと 又は電子公告調査の方法 その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第九百四十三条第一号 又は第三号に該当するに至ったとき。

二 号

第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで第九百五十一条第一項 又は次条第一項電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

三 号

正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号 又は次条第二項各号電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。

四 号

第九百五十二条 又は前条電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。

五 号

不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。

1項

調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録 又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下 この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。

2項

調査委託者 その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項 又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る)について、次に掲げる請求をすることができる。


ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。

一 号

調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求

二 号

調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求

1項

調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。

2項

前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。

1項

法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部 又は一部の休止 又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災 その他の事由によって電子公告調査の業務の全部 又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部 又は一部を自ら行うことができる。

2項

法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部 又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎ その他の必要な事項については、法務省令で定める。

3項

第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

1項

法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所 若しくは事業所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。

2項

前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号
登録をしたとき。
二 号

第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。

三 号

第九百四十八条 又は第九百五十条の届出があったとき。

四 号

第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。

五 号

第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部 若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。