被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、判決で管轄違の言渡をしなければならない。
但し、第二百六十六条第二号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。
被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、判決で管轄違の言渡をしなければならない。
但し、第二百六十六条第二号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。
高等裁判所は、その特別権限に属する事件として公訴の提起があつた場合において、その事件が下級の裁判所の管轄に属するものと認めるときは、前条の規定にかかわらず、決定で管轄裁判所にこれを移送しなければならない。
裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。
管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。
簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。
被告事件について犯罪の証明があつたときは、第三百三十四条の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。
刑の執行猶予は、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しをしなければならない。
猶予の期間中保護観察に付する場合も、同様とする。
被告事件について刑を免除するときは、判決でその旨の言渡をしなければならない。
有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目 及び法令の適用を示さなければならない。
法律上犯罪の成立を妨げる理由 又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。
第三百四十条の規定に違反して公訴が提起されたとき。
公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。
公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。
左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。
第二百七十一条第二項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。
起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。
被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。
第十条 又は第十一条の規定により審判してはならないとき。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。
被告人が陳述をせず、許可を受けないで退廷し、又は秩序維持のため裁判長から退廷を命ぜられたときは、その陳述を聴かないで判決をすることができる。
判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者 又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。
裁判所は、前条の請求があつた場合において、本邦から出国することを許すべき特別の事情があると認めるときは、決定で、国外にいることができる期間を指定して、第三百四十二条の二の許可をすることができる。
ただし、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第四十条(入管法第四十四条の四第四項において準用する場合を含む。)に規定する収容令書 若しくは入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付を受けている者 又は入管法第四十四条の二第七項に規定する被監理者については、この限りでない。
裁判所は、前項本文に規定する特別の事情の有無を判断するに当たつては、第三百四十二条の二の許可がされた場合に拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が同項の規定により指定する期間内に本邦に帰国せず 又は上陸しないこととなるおそれの程度のほか、本邦から出国することができないことによりその者が受ける不利益の程度 その他の事情を考慮するものとする。
裁判所は、前条の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。
裁判所は、必要と認めるときは、第一項本文の期間を延長することができる。
裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者について、国外にいることができる期間として指定された期間(以下「指定期間」という。)の終期まで国外にいる必要がなくなつたと認めるときは、当該指定期間を短縮することができる。
裁判所は、第三百四十二条の二の許可をする場には、帰国等保証金額を定めなければならない。
ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、
この限りでない。
帰国等保証金額は、宣告された判決に係る刑名 及び刑期、当該判決の宣告を受けた者の性格、生活の本拠 及び資産、その者が外国人である場合にあつてはその在留資格(入管法第二条の二第一項に規定する在留資格をいう。)の内容 その他の事情を考慮して、その者が前条第一項の規定により指定される期間内に本邦に帰国し 又は上陸することを保証するに足りる相当な金額でなければならない。
裁判所は、第三百四十二条の二の許可をする場合には、その許可を受ける者の渡航先を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。
第三百四十二条の二の許可は、帰国等保証金額が定められたときは、帰国等保証金の納付があつた時に その効力を生ずる。
第九十四条第二項 及び第三項の規定は、帰国等保証金の納付について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「保釈請求者」とあるのは
「第三百四十二条の三の請求をした者」と、
同条第三項中
「被告人」とあるのは
「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者」と
読み替えるものとする。
裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者が、入管法第四十条に規定する収容令書 若しくは入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付 又は入管法第四十四条の二第七項に規定する監理措置決定を受けたときは、決定で、当該許可を取り消さなければならない。
裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、第三百四十二条の二の許可を取り消すことができる。
第三百四十二条の二の許可を受けた者が、正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず 又は上陸しないと疑うに足りる相当な理由があるとき。
第三百四十二条の二の許可を受けた者が渡航先の制限 その他裁判所の定めた条件に違反したとき。
前項の規定により第三百四十二条の二の許可を取り消す場合には、裁判所は、決定で、帰国等保証金(第九十四条第一項の保証金が納付されている場合にあつては、当該保証金。次項において同じ。)の全部 又は一部を没取することができる。
第三百四十二条の二の許可を受けた者が、正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず 又は上陸しなかつたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、帰国等保証金の全部 又は一部を没取することができる。
裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人が第三百四十二条の二の許可を受けないで本邦から出国し 若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第二項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は第三百四十二条の二の許可を受けた被告人が正当な理由がなく指定期間内に本邦に帰国せず 若しくは上陸しなかつたときは、検察官の請求により、又は職権で、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める決定をすることができる。
当該被告人について勾留状が発せられていない場合
勾留する決定
当該被告人が保釈されている場合
保釈を取り消す決定
当該被告人が勾留の執行停止をされている場合
勾留の執行停止を取り消す決定
前項(第二号に係る部分に限る。)の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部 又は一部を没取することができる。
禁錮以上の刑に処する判決の宣告があつたときは、保釈 又は勾留の執行停止は、その効力を失う。
この場合には、あらたに保釈 又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第九十八条の規定を準用する。
前項の場合には、新たに保釈 又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第九十八条 及び第二百七十一条の八第五項(第三百十二条の二第四項において準用する 場合を含む。以下 この項において同じ。)の規定を準用する。
この場合において、
第二百七十一条の八第五項中
「第一項(」とあるのは、
「第二百七十一条の八第一項(」と
読み替えるものとする。
前条の規定による命令を受けた被告人が、正当な理由がなく、指定された日時 及び場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第六十条第二項ただし書 及び第八十九条の規定は、これを適用しない。
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第九十条の規定による保釈を許すには、同条に規定する不利益 その他の不利益の程度が著しく高い場合でなければならない。
ただし、保釈された場合に被告人が逃亡するおそれの程度が高くないと認めるに足りる相当な理由があるときは、この限りでない。
無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却(第三百三十八条第四号による場合を除く。)、罰金 又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。
裁判所は、罰金の裁判(その刑の執行猶予の言渡しをしないものに限る。以下同じ。)の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は職権で、決定で、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならないことを命ずるものとする。
前項の被告人について、保釈を許し、又は勾留の執行停止をする場合において、罰金の裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときも、同項と同様とする。
第三百四十二条の三から第三百四十二条の八までの規定は、前条の許可について準用する。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第三百四十二条の三、第三百四十二条の四第二項、第三百四十二条の六第二項 及び第三百四十二条の八第一項 | 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告 | 第三百四十五条の二の規定による決定 |
第三百四十二条の五第二項 | 当該判決の宣告 | |
第三百四十二条の五第二項 | 宣告された判決に係る刑名 及び刑期 | 告知された裁判に係る罰金の金額 及び罰金を完納することができない場合における留置の期間 |
第三百四十二条の六第二項 | 第三百四十二条の三 | 第三百四十五条の三において読み替えて準用する第三百四十二条の三 |
第三百四十二条の八第一項 | とき、 | 場合、 |
ときは | 場合において、当該決定に係る罰金の裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは |
裁判所は、第三百四十五条の二の規定による決定の理由がなくなつたと認めるときは、検察官、当該決定を受けた者 若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定で、当該決定を取り消さなければならない。
裁判所は、検察官の請求による場合を除いて、前項の規定による決定をするときは、あらかじめ、検察官の意見を聴かなければならない。
押収した物について、没収の言渡がないときは、押収を解く言渡があつたものとする。
押収した贓物で被害者に還付すべき理由が明らかなものは、これを被害者に還付する言渡をしなければならない。
贓物の対価として得た物について、被害者から交付の請求があつたときは、前項の例による。
仮に還付した物について、別段の言渡がないときは、還付の言渡があつたものとする。
前三項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。
裁判所は、罰金、科料 又は追徴を言い渡す場合において、判決の確定を待つてはその執行をすることができず、又はその執行をするのに著しい困難を生ずる虞があると認めるときは、検察官の請求により 又は職権で、被告人に対し、仮に罰金、科料 又は追徴に相当する金額を納付すべきことを命ずることができる。
仮納付の裁判は、刑の言渡と同時に、判決でその言渡をしなければならない。
仮納付の裁判は、直ちにこれを執行することができる。
刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、検察官は、刑の言渡しを受けた者の現在地 又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所 又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない。
刑法第二十六条の二第二号 又は第二十七条の五第二号の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、前項の請求は、保護観察所の長の申出に基づいてこれをしなければならない。
刑法第二十七条第四項 若しくは第五項 又は第二十七条の七第四項 若しくは第五項の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、第一項の請求は、同法第二十七条第二項前段に規定する刑の全部の執行猶予の期間内 又は同法第二十七条の七第二項前段に規定する刑の一部の執行猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罪であつて当該請求の理由に係るものについて罰金以上の刑に処する裁判が確定した日から二箇月を経過した後は、これをすることができない。
前条の請求があつたときは、裁判所は、猶予の言渡を受けた者 又はその代理人の意見を聴いて決定をしなければならない。
前項の場合において、その請求が刑法第二十六条の二第二号 又は第二十七条の五第二号の規定による猶予の言渡しの取消しを求めるものであつて、猶予の言渡しを受けた者の請求があるときは、口頭弁論を経なければならない。
第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、猶予の言渡を受けた者は、弁護人を選任することができる。
第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、検察官は、裁判所の許可を得て、保護観察官に意見を述べさせることができる。
第一項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
刑法第五十二条の規定により刑を定むべき場合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなければならない。
この場合には、前条第一項 及び第五項の規定を準用する。