一般地方独立行政法人で第二十一条第二号に掲げる業務を行うもの(以下「公立大学法人」という。)は、第四条第一項の規定にかかわらず、その名称中に、地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。
地方独立行政法人法
第七章 公立大学法人に関する特例
設立団体は、公立大学法人に係るこの法律の規定に基づく事務を行うに当たっては、公立大学法人が設置する大学における教育研究の特性に常に配慮しなければならない。
公立大学法人は、第二十一条第二号に掲げる業務 及びこれに附帯する業務以外の業務を行ってはならない。
公立大学法人の理事長は、当該公立大学法人が設置する大学の学長となるものとする。
ただし、定款で定めるところにより、当該公立大学法人が設置する大学の全部 又は一部について、学長を理事長と別に任命するものとすることができる。
前項の規定により大学の学長となる公立大学法人の理事長(以下この章において「学長となる理事長」という。)の任命は、第十四条第一項 及び第三項の規定にかかわらず、当該公立大学法人の申出に基づいて、設立団体の長が行う。
前項の申出は、学長となる理事長が学長となる大学に係る選考機関(学長となる理事長 又は第五項に規定する学長を別に任命する大学の学長をこの項 又は第五項の規定により選考するために、定款で定めるところにより公立大学法人に当該公立大学法人が設置する大学ごとに設置される機関をいう。以下この章において同じ。)の選考に基づき行う。
この場合において、学長となる理事長で二以上の大学の学長となるものの任命に係るこれらの大学に係る選考機関の選考の結果が一致しないときは、前項の申出は、定款で定めるところにより、これらの選考機関の代表者で構成する会議の選考に基づき行う。
選考機関は、公立大学法人が設置する大学ごとに、第七十七条第一項に規定する経営審議機関を構成する者の中から当該経営審議機関において選出された者 及び同条第三項に規定する教育研究審議機関を構成する者の中から当該教育研究審議機関において選出された者により構成するものとする。
第一項ただし書の規定により学長を理事長と別に任命するものとされた大学(以下この章において「学長を別に任命する大学」という。)の学長の任命は、当該学長を別に任命する大学に係る選考機関の選考に基づき、理事長が行う。
第三項に規定する学長となる理事長の選考 及び前項に規定する学長を別に任命する大学の学長の選考は、人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから行わなければならない。
第五項の規定により任命された学長を別に任命する大学の学長は、第十四条第四項の規定にかかわらず、当該公立大学法人の副理事長となるものとする。
公立大学法人(第一項ただし書の規定により、当該公立大学法人が設置する大学の全部について、学長を理事長と別に任命するものとされているものに限る。)の理事長は、第十四条第一項 及び第三項の規定にかかわらず、第六項に規定する者のうちから、設立団体の長が任命する。
公立大学法人の監事の任命については、第十四条第三項の規定は、適用しない。
公立大学法人の副理事長(第七項の規定により副理事長となるものを除く。)及び理事は、第十四条第四項の規定にかかわらず、第六項に規定する者のうちから、理事長が任命する。
この場合においては、同条第五項の規定を準用する。
学長となる理事長の公立大学法人の成立後最初の任命については、前条第二項 及び第三項の規定にかかわらず、当該公立大学法人の申出に基づくことを要しないものとし、定款で定めるところにより、設立団体の長が任命するものとする。
学長を別に任命する大学の学長の当該学長を別に任命する大学の設置後最初の任命については、前条第五項の規定にかかわらず、当該学長を別に任命する大学に係る選考機関の選考に基づくことを要しないものとし、定款で定めるところにより、理事長が任命するものとする。
前条第六項の規定は、前二項の規定による任命について準用する。
この場合において、
同条第六項中
「第三項に規定する学長となる理事長の選考 及び前項に規定する学長を別に任命する大学の学長の選考」とあるのは、
「次条第一項に規定する学長となる理事長の任命 及び同条第二項に規定する学長を別に任命する大学の学長の任命」と
読み替えるものとする。
学長を別に任命する大学においては、理事長が当該大学の副学長、学部長 その他政令で指定する部局の長 及び教員(教授、准教授、助教、講師 及び助手をいう。)並びに第七十七条の二第一項の規定により当該大学に附属して設置される同項に規定する学校の校長 又は園長 及び教員(教頭、教諭 その他の政令で定める者をいう。)を第二十条の規定により任命し、免職し、又は降任するときは、学長の申出に基づき行うものとする。
公立大学法人が設置する大学の学長の任期は、二年以上六年を超えない範囲内において、当該大学に係る選考機関の議を経て、当該公立大学法人の規程で定めるものとする。
この場合において、当該公立大学法人の理事長が二以上の大学の学長となるときは、これらの学長の任期は、同一の期間となるように定めるものとする。
前項の規定にかかわらず、公立大学法人が設置する大学の設置後最初の当該大学の学長の任期は、六年を超えない範囲内において、定款で定めるものとする。
学長となる理事長 及び副理事長(第七十一条第七項の規定により副理事長となるものに限る。)の任期は、第十五条第一項の規定にかかわらず、前二項の規定により定められる学長の任期によるものとし、第八条第一項第六号の規定にかかわらず、これを定款に規定することを要しないものとする。
公立大学法人の監事の任期は、第十五条第二項の規定にかかわらず、その任命後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものについての財務諸表承認日までとする。
ただし、補欠の監事の任期は、前任者の残任期間とする。
公立大学法人(第七十一条第一項ただし書の規定により、当該公立大学法人が設置する大学の全部について、学長を理事長と別に任命するものとされているものを除く。)の副理事長(同条第七項の規定により副理事長となるものを除く。以下この項 及び次項において同じ。)及び理事の任期は、第十五条第一項の規定にかかわらず、六年を超えない範囲内において理事長が定める。
ただし、副理事長 及び理事の任期の末日は、当該副理事長 及び理事を任命する理事長の任期の末日以前でなければならない。
前項に規定する副理事長 及び理事の任期は、第八条第一項第六号の規定にかかわらず、これを定款に規定することを要しないものとする。
第十七条第一項(次条において準用する場合を含む。)に規定する場合を除き、第十七条第二項 及び第三項(これらの規定を次条において準用する場合を含む。)の規定により、学長となる理事長を解任する場合 又は学長を別に任命する大学の学長を解任する場合には、当該学長となる理事長が学長である大学 又は当該学長を別に任命する大学に係る選考機関の申出により行うものとする。
この場合において、公立大学法人の理事長が二以上の大学の学長であるときは、これらの大学に係るすべての選考機関の申出により行うものとする。
第十四条第五項、第十五条第三項、第十六条第一項 及び第十七条の規定は、学長を別に任命する大学の学長の任命 及び解任について準用する。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第十四条第五項 | 前項 | 第七十一条第五項 |
副理事長 及び理事 | 学長を別に任命する大学(同項に規定する学長を別に任命する大学をいう。以下この章において同じ。)の学長 | |
第十五条第三項 及び第十六条第一項 | 役員 | 学長を別に任命する大学の学長 |
第十七条第一項 及び第二項 | 設立団体の長 又は理事長は、それぞれ | 理事長は、 |
役員 | 学長を別に任命する大学の学長 | |
第十七条第三項 | 設立団体の長 又は理事長は、それぞれ | 理事長は、 |
役員(監事を除く。) | 学長を別に任命する大学の学長 | |
その役員 | その学長を別に任命する大学の学長 | |
第十七条第四項 | 前二項 | 前二項 及び第七十五条 |
副理事長 又は理事 | 学長を別に任命する大学の学長 |
公立大学法人は、定款で定めるところにより、当該公立大学法人の経営に関する重要事項を審議する機関(次項において「経営審議機関」という。)を置くものとする。
公立大学法人は、定款で定めるところにより、当該公立大学法人が設置する大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関(次項において「教育研究審議機関」という。)を置くものとする。
公立大学法人が設置する大学に、当該大学の教育研究上の目的を達成するため、定款で定めるところにより、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼保連携型認定こども園 又は専修学校(次項において「学校」という。)を附属させて設置することができる。
設立団体の長は、前項の規定により公立大学法人が設置する学校に係るこの法律、他の法令 又は設立団体の条例 若しくは規則の規定に基づく事務を行うに当たり、必要と認めるときは、当該設立団体の教育委員会に対し、当該学校における学校教育に関する専門的事項について助言 又は援助を求めることができる。
公立大学法人は、第二十一条第二号に掲げる業務のうち出資に関するものを行おうとするときは、設立団体の長の認可を受けなければならない。
公立大学法人に関する第二十五条第一項 及び第二項の規定の適用については、
同条第一項中
「三年以上五年以下の期間」とあるのは
「六年間」と、
同条第二項第一号中
「前項の期間の範囲内で設立団体の長が定める」とあるのは
「前項の」と
する。
公立大学法人に係る中期目標においては、前項の規定により読み替えられた第二十五条第二項各号に掲げる事項のほか、教育 及び研究 並びに組織 及び運営の状況について自ら行う点検 及び評価 並びに当該状況に係る情報の提供に関する事項について定めるものとする。
設立団体の長は、公立大学法人に係る中期目標を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該公立大学法人の意見を聴き、当該意見に配慮しなければならない。
設立団体の長は、公立大学法人に係る中期計画について、第二十六条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない。
公立大学法人に係る中期計画においては、第二十六条第二項各号に掲げる事項のほか、同項第一号 及び第二号に掲げる措置の実施状況に関する指標を定めるものとする。
公立大学法人に関する第二十六条第三項の規定の適用については、
同項中
「事項」とあるのは、
「事項 及び第七十八条第二項に定める事項」と
する。
第二十七条の規定は、公立大学法人には、適用しない。
公立大学法人は、次の各号に掲げる事業年度の区分に応じ当該各号に定める事項について、評価委員会の評価を受けなければならない。
この場合において、第二十八条から第三十条までの規定は、公立大学法人には、適用しない。
中期目標の期間の最後の事業年度の前々事業年度
中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績
中期目標の期間の最後の事業年度
中期目標の期間における業務の実績
公立大学法人は、前項の評価を受けようとするときは、設立団体の規則で定めるところにより、同項各号に掲げる事業年度の終了後三月以内に、当該各号に定める事項 及び当該事項について自ら評価を行った結果を明らかにした報告書を評価委員会に提出するとともに、公表しなければならない。
第一項の評価は、同項各号に定める事項について総合的な評定を付して、行わなければならない。
評価委員会は、第一項の評価を行ったときは、遅滞なく、当該公立大学法人に対して、その評価の結果を通知しなければならない。
この場合において、評価委員会は、必要があると認めるときは、当該公立大学法人に対し、業務運営の改善 その他の勧告をすることができる。
評価委員会は、前項の規定による通知を行ったときは、遅滞なく、その通知に係る事項(同項後段の規定による勧告をした場合には、その通知に係る事項 及びその勧告の内容)を設立団体の長に報告するとともに、公表しなければならない。
設立団体の長は、前項の規定による報告を受けたときは、その旨を議会に報告しなければならない。
第二十九条の規定は、第一項の評価を受けた公立大学法人について準用する。
この場合において、
同条中
「及び年度計画 並びに」とあるのは
「及び」と、
「毎年度、当該」とあるのは
「当該」と
読み替えるものとする。
評価委員会が公立大学法人について前条第一項第一号に規定する中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績 又は同項第二号に規定する中期目標の期間における業務の実績に関する評価を行うに当たっては、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百九条第二項に規定する認証評価機関の教育 及び研究の状況についての評価を踏まえることとする。
設立団体の長は、評価委員会が公立大学法人について第七十八条の二第一項第一号に規定する中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績に関する評価を行ったときは、当該公立大学法人に係る中期目標の期間の終了時までに、当該公立大学法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方 その他その組織 及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるものとする。
設立団体の長は、前項の規定による検討を行うに当たっては、評価委員会の意見を聴かなければならない。
設立団体の長は、第一項の検討の結果 及び同項の規定により講ずる措置の内容を公表しなければならない。
公立大学法人は、第四十一条第四項本文の規定にかかわらず、政令で定める土地の取得、施設の設置 若しくは整備 又は設備の設置に必要な費用に充てるため、設立団体の長の認可を受けて、設立団体以外の者から長期借入金をし、又は当該公立大学法人の名称を冠する債券(以下この章において「債券」という。)を発行することができる。
前項に規定するもののほか、公立大学法人は、第四十一条第四項本文の規定にかかわらず、前項の規定による設立団体以外の者からの長期借入金 又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、設立団体の長の認可を受けて、設立団体以外の者から長期借入金をし、又は債券を発行することができる。
ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
前二項の規定による債券の債権者は、当該債券を発行した公立大学法人の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項 及び第二項 並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行 又は信託会社について準用する。
前各項に定めるもののほか、第一項 又は第二項の規定による設立団体以外の者からの長期借入金 又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。
前条第一項 又は第二項の規定により、設立団体以外の者から長期借入金をし、又は債券を発行する公立大学法人は、毎事業年度、設立団体以外の者からの長期借入金 及び債券の償還計画を立てて、設立団体の長の認可を受けなければならない。
公立大学法人は、第二十一条第二号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)の遂行に支障のない範囲内で、その対価を当該公立大学法人の教育研究水準の一層の向上を図るために必要な費用に充てるため、設立団体の長の認可を受けて、当該公立大学法人の所有に属する土地、建物 その他の土地の定着物 及びその建物に附属する工作物であって、当該業務のために、現に使用されておらず、かつ、当面使用されることが予定されていないものを貸し付けることができる。
公立大学法人に関するこの法律の規定の適用については、
この法律中
「総務大臣」とあるのは、
「総務大臣 及び文部科学大臣」と
する。