大深度地下の公共的使用に関する特別措置法

# 平成十二年法律第八十七号 #
略称 : 大深度地下使用法  大深度法 

第三章 使用の認可

分類 法律
カテゴリ   土地
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 09月10日 09時55分


1項

事業者は、対象地域において、この章の定めるところに従い、使用の認可を受けて、当該事業者が施行する事業のために大深度地下を使用することができる。

1項

事業が次の各号いずれかに該当するものであるときは、国土交通大臣が使用の認可に関する処分を行う。

一 号
国 又は都道府県が事業者である事業
二 号

事業区域が二以上の都道府県の区域にわたる事業

三 号

の都道府県の区域を越え、又は道の区域の全部にわたり利害の影響を及ぼす事業 その他の事業で次に掲げるもの

鉄道事業者がその鉄道事業(当該事業に係る路線 又はその路線 及び当該鉄道事業者 若しくは当該鉄道事業者がその路線に係る鉄道線路を譲渡し、若しくは使用させる鉄道事業者が運送を行う上でその路線と密接に関連する他の路線が一の都府県の区域内にとどまるものを除く)の用に供する施設に関する事業

認定電気通信事業者が認定電気通信事業(その業務区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く)の用に供する施設に関する事業

電気事業法による一般送配電事業(供給区域がの都府県の区域内にとどまるものを除く)、送電事業(供給の相手方たる一般送配電事業者 又は配電事業者の供給区域がの都府県の区域内にとどまるものを除く)、配電事業(供給区域がの都府県の区域内にとどまるものを除く)、特定送配電事業(供給地点がの都府県の区域内にとどまるものを除く)又は発電事業(当該事業の用に供する電気工作物と電気的に接続する電線路がの都府県の区域内にとどまるものを除く)の用に供する電気工作物に関する事業

イからハまでに掲げる事業のために欠くことができない通路、鉄道、軌道、電線路、水路 その他の施設に関する事業

四 号

前三号に掲げる事業と共同して施行する事業

2項

事業が前項各号に掲げるもの以外のものであるときは、事業区域を管轄する都道府県知事が使用の認可に関する処分を行う。

1項

事業者は、使用の認可を受けようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した事業概要書を作成し、前条第一項の事業にあっては当該事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)に、同条第二項の事業にあっては都道府県知事にこれを送付しなければならない。

一 号
事業者の名称
二 号
事業の種類
三 号
事業区域の概要
四 号
使用の開始の予定時期 及び期間
五 号
その他国土交通省令で定める事項
2項

事業者は、前項の規定により事業概要書を送付したときは、国土交通省令で定めるところにより、事業概要書を作成した旨 その他国土交通省令で定める事項を公告するとともに、事業区域が所在する市町村において、当該事業概要書を当該公告の日から起算しておおむね三十日間の期間を定めて、縦覧に供しなければならない。

3項

第一項の規定により事業概要書を送付された事業所管大臣 又は都道府県知事は、速やかに、事業区域が所在する対象地域に組織されている協議会の構成員にその写しを送付しなければならない。

4項

前項の規定により事業概要書の写しを送付された協議会の構成員(第四条各号に掲げる事業を所管する行政機関に限る。以下この項において同じ。)は、同条各号に掲げる事業を施行する者のうち当該協議会の構成員が所管するものに対し、当該事業概要書の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。

5項

第二項の規定による公告をした事業者は、同項の縦覧期間内に、事業区域 又はこれに近接する地下において第四条各号に掲げる事業を施行し、又は施行しようとする者から事業の共同化、事業区域の調整 その他事業の施行に関し必要な調整の申出があったときは、当該調整に努めなければならない。

6項

前項の規定による調整の結果、第二項の規定による公告をした事業者と共同して事業を施行することとなった事業者については、前各項の規定は、適用しない

1項

事業者は、使用の認可を受けようとするときは、あらかじめ、事業区域に井戸 その他の物件があるかどうかを調査し、当該物件があるときは、次に掲げる事項を記載した調書を作成しなければならない。

一 号
物件がある土地の所在 及び地番
二 号
物件の種類 及び数量 並びにその所有者の氏名 及び住所
三 号
物件に関して権利を有する者の氏名 及び住所 並びにその権利の種類 及び内容
四 号
調書を作成した年月日
五 号
その他国土交通省令で定める事項
2項

前項の調書の様式は、国土交通省令で定める。

1項

事業者は、使用の認可を受けようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した使用認可申請書を、第十一条第一項の事業にあっては事業所管大臣を経由して国土交通大臣に、同条第二項の事業にあっては都道府県知事に提出しなければならない。

一 号
事業者の名称
二 号
事業の種類
三 号
事業区域
四 号
事業により設置する施設 又は工作物の耐力
五 号
使用の開始の予定時期 及び期間
2項

前項の使用認可申請書には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 号
使用の認可を申請する理由を記載した書類
二 号
事業計画書
三 号
事業区域 及び事業計画を表示する図面
四 号
事業区域が大深度地下にあることを証する書類
五 号
前条の規定により作成した調書
六 号

前項第四号の耐力の計算方法を明らかにした書類

七 号
事業の施行に伴う安全の確保 及び環境の保全のための措置を記載した書類
八 号
事業区域の全部 又は一部が、この法律 又は他の法律によって土地を使用し、又は収用することができる事業の用に供されているときは、当該事業の用に供する者の意見書
九 号
事業区域の利用について法令の規定による制限があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の意見書
十 号
事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があったことを証する書類 又は当該行政機関の意見書
十一 号

第十二条第五項の規定により調整の申出があったときは、当該調整の経過の要領 及びその結果を記載した書類

十二 号
その他国土交通省令で定める事項
3項

第一項の規定により使用認可申請書を提出された事業所管大臣は、遅滞なく、当該使用認可申請書 及びその添付書類を検討し、意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。

4項

第一項第三号 及び第二項第三号に規定する事業区域の表示は、事業区域に係る土地 又はこれに定着する物件に関して所有権 その他の権利を有する者が、自己の権利に係る土地の地下が事業区域に含まれ、又は自己の権利に係る物件が事業区域にあることを容易に判断できるものでなければならない。

5項

第二項第八号から第十号までに掲げる意見書は、事業者が意見を求めた日から三週間を経過してもこれを得ることができなかったときは、添付することを要しない。


この場合においては、意見書を得ることができなかった事情を疎明する書類を添付しなければならない。

1項

前条の規定による使用認可申請書 及びその添付書類が同条 又は同条に基づく国土交通省令の規定に違反するときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、相当の期間を定めて、その補正を求めなければならない。


使用の認可の申請に際し、第三十九条の規定による手数料を納めないとき 又は地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百二十七条の規定により手数料を徴収する場合において当該手数料を納めないときも、同様とする。

2項

事業者が前項の規定により補正を求められたにかかわらず、その定められた期間内に補正をしないときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用認可申請書を却下しなければならない。

1項
国土交通大臣 又は都道府県知事は、申請に係る事業が次に掲げる要件のすべてに該当するときは、使用の認可をすることができる。
一 号

事業が第四条各号に掲げるものであること。

二 号
事業が対象地域における大深度地下で施行されるものであること。
三 号
事業の円滑な遂行のため大深度地下を使用する公益上の必要があるものであること。
四 号
事業者が当該事業を遂行する十分な意思と能力を有する者であること。
五 号
事業計画が基本方針に適合するものであること。
六 号
事業により設置する施設 又は工作物が、事業区域に係る土地に通常の建築物が建築されても その構造に支障がないものとして政令で定める耐力以上の耐力を有するものであること。
七 号
事業の施行に伴い、事業区域にある井戸 その他の物件の移転 又は除却が必要となるときは、その移転 又は除却が困難 又は不適当でないと認められること。
1項
使用の認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2項

前項の条件は、使用の認可の趣旨に照らして、又は使用の認可に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。

1項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用の認可に関する処分を行おうとする場合において、第十四条第五項の規定により意見書の添付がなかったとき その他必要があると認めるときは、同条第二項第八号の事業の用に供する者 又は申請に係る事業の施行について関係のある行政機関の意見を求めなければならない。


ただし同号の事業の用に供する者については、その者を確知することができないとき その他その意見を求めることができないときは、この限りでない。

2項
申請に係る事業の施行について関係のある行政機関は、使用の認可に関する処分について、国土交通大臣 又は都道府県知事に対して意見を述べることができる。
1項
国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用の認可に関する処分を行おうとする場合において必要があると認めるときは、申請に係る事業者に対し、事業区域に係る土地 及びその付近地の住民に、説明会の開催等使用認可申請書 及びその添付書類の内容を周知させるため必要な措置を講ずるよう求めることができる。
1項

国土交通大臣 又は都道府県知事が使用の認可に関する処分を行おうとする場合の手続については、前二条に規定するもののほか土地収用法第二十二条から第二十五条までの規定を準用する。


この場合において、

同法第二十二条第二十三条第一項第二十四条第一項 及び第二十五条第一項
事業の認定」とあり、
並びに同条第二項
認定」とあるのは
「使用の認可」と、

同法第二十三条第一項
場合において、当該事業の認定について利害関係を有する者から次条第二項の縦覧期間内に国土交通省令で定めるところにより公聴会を開催すべき旨の請求があつたとき その他」とあるのは
「場合において」と、

同条第二項 並びに同法第二十四条第二項 及び第四項
起業者」とあるのは
「事業者」と、

同法第二十三条第二項 及び第二十四条第一項から第四項までの規定中
起業地」とあるのは
「事業区域」と、

同条第一項
第二十条」とあるのは
大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第十六条」と、

同項 及び同条第三項
事業認定申請書」とあるのは
「使用認可申請書」と

読み替えるものとする。

1項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、第十六条の規定によって使用の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を当該使用の認可を受けた事業者(以下「認可事業者」という。)に文書で通知するとともに、次に掲げる事項をそれぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。

一 号
認可事業者の名称
二 号
事業の種類
三 号
事業区域
四 号
事業により設置する施設 又は工作物の耐力
五 号
使用の期間
2項

国土交通大臣は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、関係都道府県知事にその旨を通知するとともに、事業区域を表示する図面の写しを送付しなければならない。

3項

都道府県知事は、第一項の規定による告示をしたときは、直ちに、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。

4項

使用の認可は、第一項の規定による告示があった日から、その効力を生ずる。

1項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、第十六条の規定によって使用の認可をしたときは、直ちに、事業区域が所在する市町村の長にその旨を通知しなければならない。

2項

市町村長は、前項の通知を受けたときは、直ちに、第二十条において準用する土地収用法第二十四条第一項の規定により送付を受けた事業区域を表示する図面を、第二十九条第四項において準用する第二十八条第六項 又は第三十条第三項 若しくは第四項事業区域の全部の使用が廃止された場合に限る)の規定による通知を受ける日まで公衆の縦覧に供しなければならない。

3項

土地収用法第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第一項の通知を受けた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行わない場合に準用する。


この場合において、

同条第四項
起業地」とあるのは
「事業区域」と、

起業者」とあるのは
「事業者」と

読み替えるものとする。

1項

都道府県知事は、その管轄区域における大深度地下の使用の認可に関する登録簿(次項において単に「登録簿」という。)を調製し、公衆の閲覧に供するとともに、請求があったときはその写しを交付しなければならない。

2項
登録簿の調製、閲覧 その他登録簿に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
1項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用の認可を拒否したときは、遅滞なく、その旨を申請に係る事業者に文書で通知しなければならない。

1項

第二十一条第一項の規定による告示があったときは、当該告示の日において、認可事業者は、当該告示に係る使用の期間中事業区域を使用する権利を取得し、当該事業区域に係る土地に関するその他の権利は、認可事業者による事業区域の使用を妨げ、又は当該告示に係る施設 若しくは工作物の耐力 及び事業区域の位置からみて認可事業者による事業区域の使用に支障を及ぼす限度においてその行使を制限される。

1項

前条の規定に基づく認可事業者による事業区域の使用については、道路法、河川法 その他の法令中占用の許可 及び占用料の徴収に関する規定は、適用しない

1項

相続人、合併 又は分割により設立される法人 その他認可事業者の一般承継人(分割による承継の場合にあっては、当該認可事業者が施行する事業の全部を承継する法人に限る)は、被承継人が有していた使用の認可に基づく地位を承継する。

1項

使用の認可に基づく権利の全部 又は一部は、第十一条第一項の事業にあっては国土交通大臣、同条第二項の事業にあっては都道府県知事の承認を受けなければ、譲渡することができない

2項

前項の規定による国土交通大臣への承認の申請は、事業所管大臣を経由して行わなければならない。


この場合においては、事業所管大臣は、遅滞なく、申請書を検討し、意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。

3項

第一項の規定による承認の申請書の様式は、国土交通省令で定める。

4項

第十七条の規定は、第一項の規定による承認について準用する。

5項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、第一項の規定による承認をしたときは、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。

6項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、その旨を、事業区域が所在する市町村の長に通知するとともに、国土交通大臣にあっては関係都道府県知事に通知し、都道府県知事にあっては国土交通大臣に報告しなければならない。

7項
使用の認可に基づく権利の全部 又は一部を譲り受けた者は、譲渡人が有していた使用の認可に基づく地位を承継する。
1項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、認可事業者が次の各号いずれかに該当するときは、使用の認可(前条第一項の規定による承認を含む。以下この条において同じ。)を取り消すことができる。

一 号
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反したとき。
二 号

施行する事業が第十六条各号に掲げる要件のいずれかに該当しないこととなったとき。

三 号
正当な理由なく事業計画に従って事業を施行していないと認められるとき。
四 号

第十七条前条第四項において準用する場合を含む。)の規定により使用の認可に付された条件に違反したとき。

2項

国土交通大臣は、前項の規定により使用の認可を取り消そうとするときは、あらかじめ、事業所管大臣の意見を聴かなければならない。

3項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、第一項の規定により使用の認可を取り消したときは、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。

4項

前条第六項の規定は、前項の規定による告示をした場合に準用する。

5項

使用の認可は、第三項の規定による告示があった日から将来に向かって、その効力を失う。

1項

第二十一条第一項の規定による告示があった後、認可事業者が事業の全部 若しくは一部を廃止し、又はこれを変更したために事業区域の全部 又は一部を使用する必要がなくなったときは、認可事業者は、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣 又は都道府県知事にその旨(事業区域の一部を使用する必要がなくなったときにあっては、使用の必要がない事業区域の部分 及びこれを表示する図面を含む。)を届け出なければならない。

2項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による届出を受け取ったときは、事業区域の全部 又は一部の使用が廃止されたこと(事業区域の一部の使用の廃止にあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分を含む。)を、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。

3項

国土交通大臣は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、事業区域が所在する市町村の長 及び関係都道府県知事に対し、その旨を通知するとともに、事業区域の一部の使用の廃止にあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面の写しを送付しなければならない。

4項

都道府県知事は、第二項の規定による告示をしたときは、直ちに、その旨を、事業区域が所在する市町村の長に通知し、国土交通大臣に報告するとともに、事業区域の一部の使用の廃止にあっては、当該市町村長に使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面の写しを送付しなければならない。

5項

第三項 又は前項の通知(事業区域の一部の使用の廃止に係るものに限る次項において同じ。)を受けた市町村長は、直ちに、使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面を第二十二条第二項に規定する日まで公衆の縦覧に供しなければならない。

6項

土地収用法第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第三項 又は第四項の通知を受けた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行わない場合に準用する。


この場合において、

同条第四項
起業地」とあるのは
「事業区域」と、

起業者」とあるのは
「事業者」と

読み替えるものとする。

7項

使用の認可は、第二項の規定による告示があった日から将来に向かって、その効力(事業区域の一部の使用の廃止に係るものにあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分における効力)を失う。