この法律は、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)の基本理念にのっとり、小規模企業の振興について、その基本原則、基本方針 その他の基本となる事項を定めるとともに、国 及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、小規模企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民経済の健全な発展 及び国民生活の向上を図ることを目的とする。
小規模企業振興基本法
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平成二十六年法律第九十四号
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略称 : 小規模基本法
第一章 総則
最終編集日 :
2024年 05月01日 12時30分
この法律において「小規模企業者」とは、中小企業基本法第二条第五項に規定する小規模企業者をいう。
この法律において「小企業者」とは、おおむね常時使用する従業員の数が五人以下の事業者をいう。
小規模企業の振興は、人口構造の変化、国際化 及び情報化の進展等の経済社会情勢の変化に伴い、国内の需要が多様化し、若しくは減少し、雇用や就業の形態が多様化し、又は地域の産業構造が変化する中で、顧客との信頼関係に基づく国内外の需要の開拓、創業等を通じた個人の能力の発揮 又は自立的で個性豊かな地域社会の形成において小規模企業の活力が最大限に発揮されることの必要性が増大していることに鑑み、個人事業者をはじめ自己の知識 及び技能を活用して多様な事業を創出する小企業者が多数を占める我が国の小規模企業について、多様な主体との連携 及び協働を推進することによりその事業の持続的な発展が図られることを旨として、行われなければならない。
小規模企業の振興に当たっては、小企業者がその経営資源を有効に活用し、その活力の向上が図られ、その円滑かつ着実な事業の運営が確保されるよう考慮されなければならない。
国は、前二条の小規模企業の振興についての基本原則(以下「基本原則」という。)にのっとり、小規模企業の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
国の関係行政機関は、小規模企業の振興 及びこれに関連する施策の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
国は、小規模企業に関する情報の提供等を通じて、基本原則に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない。
政府は、次に掲げる基本方針に基づき、小規模企業の振興に関する施策を講ずるものとする。
一
号
二
号
国内外の多様な需要に応じた商品の販売 又は役務の提供の促進 及び新たな事業の展開の促進を図ること。
小規模企業の経営資源の有効な活用 並びに小規模企業に必要な人材の育成 及び確保を図ること。
三
号
地域経済の活性化 並びに地域住民の生活の向上 及び交流の促進に資する小規模企業の事業活動の推進を図ること。
四
号
小規模企業への適切な支援を実施するための支援体制の整備 その他必要な措置を図ること。
地方公共団体は、基本原則にのっとり、小規模企業の振興に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
地方公共団体は、小規模企業が地域経済の活性化 並びに地域住民の生活の向上 及び交流の促進に資する事業活動を通じ自立的で個性豊かな地域社会の形成に貢献していることについて、地域住民の理解を深めるよう努めなければならない。
小規模企業者は、経済社会情勢の変化に即応してその事業の持続的な発展を図るため、自主的にその円滑かつ着実な事業の運営を図るよう努めるとともに、相互に連携を図りながら協力することにより、自ら小規模企業の振興に取り組むよう努めるものとする。
中小企業に関する団体は、小規模企業者に対してその事業活動を行うに当たっては、基本原則にのっとり、小規模企業者とともに、小規模企業の振興に主体的に取り組むよう努めるものとする。
小規模企業者以外の者であって、その事業に関し小規模企業と関係があるものは、国 及び地方公共団体が行う小規模企業の振興に関する施策の実施について協力するようにしなければならない。
国、地方公共団体、独立行政法人中小企業基盤整備機構、中小企業に関する団体 その他の関係者は、基本原則にのっとり、小規模企業の振興に関する施策があまねく全国において効果的かつ効率的に実施されるよう、適切な役割分担を行うとともに、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。
政府は、小規模企業の振興に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上 及び金融上の措置を講じなければならない。
政府は、中小企業政策審議会の意見を聴いて、定期的に、小規模企業の実態を明らかにするため必要な調査を行い、その結果を公表しなければならない。
政府は、毎年、国会に、小規模企業の動向 及び政府が小規模企業の振興に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
政府は、毎年、中小企業政策審議会の意見を聴いて、前項の報告に係る小規模企業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。