この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付 及び還付の手続、源泉徴収に関する事項 並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
所得税法
第一編 総則
第一章 通則
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
国内
この法律の施行地をいう。
国外
この法律の施行地外の地域をいう。
居住者
国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。
非永住者
居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去十年以内において国内に住所 又は居所を有していた期間の合計が五年以下である個人をいう。
非居住者
居住者以外の個人をいう。
内国法人
国内に本店 又は主たる事務所を有する法人をいう。
外国法人
内国法人以外の法人をいう。
人格のない社団等
法人でない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定めがあるものをいう。
株主等
株主 又は合名会社、合資会社 若しくは合同会社の社員 その他法人の出資者をいう。
法人課税信託
法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第二十九号の二(定義)に規定する法人課税信託をいう。
恒久的施設
次に掲げるものをいう。ただし、我が国が締結した所得に対する租税に関する二重課税の回避 又は脱税の防止のための条約において次に掲げるものと異なる定めがある場合には、その条約の適用を受ける非居住者 又は外国法人については、その条約において恒久的施設と定められたもの(国内にあるものに限る。)とする。
非居住者 又は外国法人の国内にある支店、工場 その他事業を行う一定の場所で政令で定めるもの
非居住者 又は外国法人の国内にある建設 若しくは据付けの工事 又は これらの指揮監督の役務の提供を行う場所 その他これに準ずるものとして政令で定めるもの
非居住者 又は外国法人が国内に置く自己のために契約を締結する権限のある者 その他これに準ずる者で政令で定めるもの
公社債
公債 及び社債(会社以外の法人が特別の法律により発行する債券を含む。)をいう。
預貯金
預金 及び貯金(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)をいう。
合同運用信託
信託会社(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。)が引き受けた金銭信託で、 共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するもの(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第二項(定義)に規定する委託者非指図型投資信託 及びこれに類する外国投資信託(同条第二十四項に規定する外国投資信託をいう。第十二号の二 及び第十三号において同じ。)並びに委託者が実質的に多数でないものとして政令で定める信託を除く。)をいう。
貸付信託
貸付信託法(昭和二十七年法律第百九十五号)第二条第一項(定義)に規定する貸付信託をいう。
投資信託
投資信託及び投資法人に関する法律第二条第三項に規定する投資信託 及び外国投資信託をいう。
証券投資信託
投資信託及び投資法人に関する法律第二条第四項に規定する証券投資信託 及びこれに類する外国投資信託をいう。
オープン型の証券投資信託
証券投資信託のうち、元本の追加信託をすることができるものをいう。
公社債投資信託
証券投資信託のうち、その信託財産を公社債に対する投資として運用することを目的とするもので、株式(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口を含む。第二十四条(配当所得)、第二十五条(配当等とみなす金額)、第五十七条の四第三項(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)、第百七十六条第一項 及び第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)、第二百二十四条の三第二項第一号(株式等の譲渡の対価の受領者の告知)並びに第二百二十五条第一項第二号(支払調書 及び支払通知書)において同じ。)又は出資に対する投資として運用しないものをいう。
公社債等運用投資信託
証券投資信託以外の投資信託のうち、信託財産として受け入れた金銭を公社債等(公社債、手形 その他の政令で定める資産をいう。)に対して運用するものとして政令で定めるものをいう。
公募公社債等運用投資信託
その設定に係る受益権の募集が公募(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項(定義)に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われた公社債等運用投資信託(法人税法第二条第二十九号ロ(2)に掲げる投資信託に該当するものに限る。)をいう。
特定目的信託
資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第十三項(定義)に規定する特定目的信託をいう。
特定受益証券発行信託
法人税法第二条第二十九号ハに規定する特定受益証券発行信託をいう。
棚卸資産
事業所得を生ずべき事業に係る商品、製品、半製品、仕掛品、原材料 その他の資産(有価証券、第四十八条の二第一項(暗号資産の譲渡原価等の計算 及び その評価の方法)に規定する暗号資産 及び山林を除く。)で棚卸しをすべきものとして政令で定めるものをいう。
有価証券
金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券 その他これに準ずるもので政令で定めるものをいう。
固定資産
土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権 その他の資産(山林を除く。)で政令で定めるものをいう。
減価償却資産
不動産所得 若しくは雑所得の基因となり、又は不動産所得、事業所得、山林所得 若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供される建物、構築物、機械 及び装置、船舶、車両 及び運搬具、工具、器具 及び備品、鉱業権 その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。
繰延資産
不動産所得、事業所得、山林所得 又は雑所得を生ずべき業務に関し個人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもので政令で定めるものをいう。
各種所得
第二編第二章第二節第一款(所得の種類及び各種所得の金額)に規定する利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得 及び雑所得をいう。
各種所得の金額
第二編第二章第二節第一款に規定する利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、退職所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額 及び雑所得の金額をいう。
変動所得
漁獲から生ずる所得、著作権の使用料に係る所得 その他の所得で年々の変動の著しいもののうち政令で定めるものをいう。
臨時所得
役務の提供を約することにより一時に取得する契約金に係る所得 その他の所得で臨時に発生するもののうち政令で定めるものをいう。
純損失の金額
第六十九条第一項(損益通算)に規定する損失の金額のうち同条の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額をいう。
雑損失の金額
第七十二条第一項(雑損控除)に規定する損失の金額の合計額が同項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。
災害
震災、風水害、火災 その他政令で定める災害をいう。
障害者
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、失明者 その他の精神 又は身体に障害がある者で政令で定めるものをいう。
特別障害者
障害者のうち、精神 又は身体に重度の障害がある者で政令で定めるものをいう。
寡婦
次に掲げる者でひとり親に該当しないものをいう。
夫と離婚した後 婚姻をしていない者のうち、次に掲げる要件を満たすもの
第七十条(純損失の繰越控除)及び第七十一条(雑損失の繰越控除)の規定を適用しないで計算した場合における第二十二条(課税標準)に規定する総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額(以下この条において「合計所得金額」という。)が五百万円以下であること。
その者と事実上 婚姻関係と同様の事情にあると認められる者として財務省令で定めるものがいないこと。
夫と死別した後婚姻をしていない者 又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、イ(2)及び(3)に掲げる要件を満たすもの
ひとり親
現に婚姻をしていない者 又は配偶者の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、次に掲げる要件を満たすものをいう。
合計所得金額が五百万円以下であること。
その者と事実上 婚姻関係と同様の事情にあると認められる者として財務省令で定めるものがいないこと。
勤労学生
次に掲げる者で、自己の勤労に基づいて得た事業所得、給与所得、退職所得 又は雑所得(以下 この号において「給与所得等」という。)を有するもののうち、合計所得金額が七十五万円以下であり、かつ、合計所得金額のうち給与所得等以外の所得に係る部分の金額が十万円以下であるものをいう。
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条(学校の範囲)に規定する学校の学生、生徒 又は児童
国、地方公共団体 又は私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条(定義)に規定する学校法人、同法第六十四条第四項(私立専修学校 及び私立各種学校)の規定により設立された法人 若しくはこれらに準ずるものとして政令で定める者の設置した学校教育法第百二十四条(専修学校)に規定する専修学校 又は同法第百三十四条第一項(各種学校)に規定する各種学校の生徒で政令で定める課程を履修するもの
職業訓練法人の行う職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第三項(職業訓練の認定)に規定する認定職業訓練を受ける者で政令で定める課程を履修するもの
同一生計配偶者
居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(第五十七条第一項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第三項に規定する事業専従者に該当するもの(第三十三号の四において「青色事業専従者等」という。)を除く。)のうち、合計所得金額が四十八万円以下である者をいう。
控除対象配偶者
同一生計配偶者のうち、合計所得金額が千万円以下である居住者の配偶者をいう。
老人控除対象配偶者
控除対象配偶者のうち、年齢七十歳以上の者をいう。
源泉控除対象配偶者
居住者(合計所得金額が九百万円以下であるものに限る。)の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く。)のうち、合計所得金額が九十五万円以下である者をいう。
扶養親族
居住者の親族(その居住者の配偶者を除く。)並びに児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号(都道府県の採るべき措置)の規定により同法第六条の四(定義)に規定する里親に委託された児童 及び老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十一条第一項第三号(市町村の採るべき措置)の規定により同号に規定する養護受託者に委託された老人でその居住者と生計を一にするもの(第五十七条第一項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第三項に規定する事業専従者に該当するものを除く。)のうち、合計所得金額が四十八万円以下である者をいう。
控除対象扶養親族
扶養親族のうち、年齢十六歳以上の者をいう。
特定扶養親族
控除対象扶養親族のうち、年齢十九歳以上 二十三歳未満の者をいう。
老人扶養親族
控除対象扶養親族のうち、年齢七十歳以上の者をいう。
特別農業所得者
その年において農業所得(米、麦、たばこ、果実、野菜 若しくは花の生産 若しくは栽培 又は養蚕に係る事業 その他これに類するものとして政令で定める事業から生ずる所得をいう。以下 この号において同じ。)の金額が総所得金額の十分の七に相当する金額を超え、 かつ、その年九月一日以後に生ずる農業所得の金額がその年中の農業所得の金額の十分の七を超える者をいう。
予定納税額
第百四条第一項(予定納税額の納付)又は第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)(これらの規定を第百六十六条(申告、納付 及び還付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税の額をいう。
確定申告書
第二編第五章第二節第一款 及び第二款(確定申告)(第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
期限後申告書
国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項(期限後申告)に規定する期限後申告書をいう。
修正申告書
国税通則法第十九条第三項(修正申告)に規定する修正申告書をいう。
青色申告書
第百四十三条(青色申告)(第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定により青色の申告書によつて提出する確定申告書 及び確定申告書に係る修正申告書をいう。
更正請求書
国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書をいう。
確定申告期限
第百二十条第一項(確定所得申告)(第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書の提出期限をいい、 年の中途において死亡し、又は出国をした場合には、第百二十五条第一項(年の中途で死亡した場合の確定申告)又は第百二十七条第一項(年の中途で出国をする場合の確定申告)(これらの規定を第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書の提出期限をいう。
出国
居住者については、国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないで国内に住所 及び居所を有しないこととなることをいい、 非居住者については、同項の規定による納税管理人の届出をしないで国内に居所を有しないこととなること(国内に居所を有しない非居住者で恒久的施設を有するものについては、恒久的施設を有しないこととなることとし、国内に居所を有しない非居住者で恒久的施設を有しないものについては、国内において行う第百六十一条第一項第六号(国内源泉所得)に規定する事業を廃止することとする。)をいう。
更正
国税通則法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)の規定による更正をいう。
決定
第十九条(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)、第四十四条の二(免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の総収入金額不算入)、第五十二条(貸倒引当金)、第五十七条の四(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)、第百五十一条の四(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)、第百五十九条(更正等による源泉徴収税額等の還付)、第百六十条(更正等による予納税額の還付)及び第二百二十八条の二(新株予約権の行使に関する調書)の場合を除き、国税通則法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。
源泉徴収
第四編第一章から 第六章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収し及び納付することをいう。
附帯税
国税通則法第二条第四号(定義)に規定する附帯税をいう。
充当
第百九十条(年末調整)及び第百九十一条(過納額の還付)の場合を除き、国税通則法第五十七条第一項(充当)の規定による充当をいう。
還付加算金
国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金をいう。
この法律において、「相続人」には、包括受遺者を含むものとし、「被相続人」には、包括遺贈者を含むものとする。
国家公務員 又は地方公務員(これらのうち日本の国籍を有しない者 その他政令で定める者を除く。)は、国内に住所を有しない期間についても国内に住所を有するものとみなして、この法律(第十条(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税)、第十五条(納税地)及び第十六条(納税地の特例)を除く。)の規定を適用する。
前項に定めるもののほか、居住者 及び非居住者の区分に関し、個人が国内に住所を有するかどうかの判定について必要な事項は、政令で定める。
人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第一を除く。)の規定を適用する。
第二章 納税義務
居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。
非居住者は、次に掲げる場合には、この法律により、所得税を納める義務がある。
第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(次号において「国内源泉所得」という。)を有するとき(同号に掲げる場合を除く。)。
その引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる内国法人課税所得(第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配 又は賞金をいう。以下この条において同じ。)の支払を国内において受けるとき
又は当該信託財産に帰せられる外国法人課税所得(国内源泉所得のうち第百六十一条第一項第四号から 第十一号まで 又は第十三号から 第十六号までに掲げるものをいう。以下この条において同じ。)の支払を受けるとき。
内国法人は、国内において内国法人課税所得の支払を受けるとき 又は その引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる外国法人課税所得の支払を受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
外国法人は、外国法人課税所得の支払を受けるとき又は その引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる内国法人課税所得の支払を国内において受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者 その他第四編第一章から 第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者は、この法律により、その支払に係る金額につき源泉徴収をする義務がある。
第二章の二 法人課税信託の受託者等に関する通則
法人課税信託の受託者は、各法人課税信託の信託資産等(信託財産に属する資産 及び負債 並びに当該信託財産に帰せられる収益 及び費用をいう。以下この章において同じ。) 及び固有資産等(法人課税信託の信託資産等以外の資産 及び負債 並びに収益 及び費用をいう。次項において同じ。)ごとに、それぞれ別の者とみなして、 この法律(前章(納税義務)及び第五章(納税地)並びに第六編(罰則)を除く。次条において同じ。)の規定を適用する。
前項の場合において、 各法人課税信託の信託資産等 及び固有資産等は、同項の規定によりみなされた各別の者にそれぞれ帰属するものとする。
受託法人(法人課税信託の受託者である法人(その受託者が個人である場合にあつては、当該受託者である個人)について、前条の規定により、当該法人課税信託に係る信託資産等が帰属する者としてこの法律の規定を適用する場合における当該受託者である法人をいう。以下この条において同じ。) 又は 法人課税信託の委託者 若しくは受益者についてこの法律の規定を適用する場合には、次に定めるところによる。
法人課税信託の信託された営業所、事務所 その他 これらに準ずるもの(次号において「営業所」という。)が国内にある場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、内国法人とする。
法人課税信託の信託された営業所が国内にない場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、外国法人とする。
受託法人(会社でないものに限る。)は、会社とみなす。
法人課税信託の受益権(公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益権 及び社債的受益権(資産の流動化に関する法律第二百三十条第一項第二号(特定目的信託契約)に規定する社債的受益権をいう。第二十四条第一項(配当所得)、第百七十六条第一項 及び第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)、第二百二十四条の三(株式等の譲渡の対価の受領者等の告知)並びに第二百二十五条第一項(支払調書)において同じ。)を除く。)は株式 又は出資とみなし、法人課税信託の受益者は株主等に含まれるものとする。
この場合において、その法人課税信託の受託者である法人の株式 又は出資は当該法人課税信託に係る受託法人の株式 又は出資でないものとみなし、当該受託者である法人の株主等は当該受託法人の株主等でないものとする。
法人課税信託について信託の終了があつた場合 又は法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二ロ(定義)に掲げる信託に限る。)に第十三条第一項(信託財産に属する資産 及び負債 並びに信託財産に帰せられる収益 及び費用の帰属)に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。次号 及び第七号において「受益者等」という。)が存することとなつた場合(同法第二条第二十九号の二イ 又はハに掲げる信託に該当する場合を除く。)には、これらの法人課税信託に係る受託法人の解散があつたものとする。
法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二ロに掲げる信託を除く。以下 この号において同じ。)の委託者がその有する資産の信託をした場合 又は第十三条第一項の規定により受益者等がその信託財産に属する資産 及び負債を有するものとみなされる信託が法人課税信託に該当することとなつた場合には、これらの法人課税信託に係る受託法人に対する出資があつたものとみなす。
法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二ロに掲げる信託に限る。以下 この号において同じ。)の委託者がその有する資産の信託をした場合又は第十三条第一項の規定により受益者等がその信託財産に属する資産 及び負債を有するものとみなされる信託が法人課税信託に該当することとなつた場合には、これらの法人課税信託に係る受託法人に対する贈与により当該資産の移転があつたものとみなす。
法人課税信託の収益の分配は資本剰余金の減少に伴わない剰余金の配当と、
法人課税信託の元本の払戻しは資本剰余金の減少に伴う剰余金の配当とみなす。
前各号に定めるもののほか、受託法人 又は法人課税信託の委託者 若しくは受益者についてのこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 課税所得の範囲
所得税は、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める所得について課する。
非永住者以外の居住者
全ての所得
非永住者
第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する国外源泉所得(国外にある有価証券の譲渡により生ずる所得として政令で定めるものを含む。以下 この号において「国外源泉所得」という。)以外の所得 及び国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から 送金されたもの
非居住者
第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分に応じ それぞれ同項各号 及び同条第二項各号に定める国内源泉所得
内国法人
国内において支払われる第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、 配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配 及び賞金
外国法人
第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得のうち同項第四号から 第十一号まで 及び第十三号から 第十六号までに掲げるもの
前項第二号に掲げる所得の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
その年において、個人が非永住者以外の居住者、非永住者 又は第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分のうち二以上のものに該当した場合には、その者がその年において非永住者以外の居住者、非永住者 又は当該各号に掲げる非居住者であつた期間に応じ、それぞれの期間内に生じた前条第一項第一号から 第三号までに掲げる所得に対し、所得税を課する。
次に掲げる所得については、所得税を課さない。
当座預金の利子(政令で定めるものを除く。)
学校教育法第一条(学校の範囲)に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校 若しくは中等教育学校 又は同法第七十六条(特別支援学校の部別)に規定する特別支援学校の小学部、中学部 若しくは高等部の児童 又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入し又は信託した預貯金(前号に規定するものを除く。)又は合同運用信託で政令で定めるものの利子 又は収益の分配
恩給、年金 その他 これらに準ずる給付で次に掲げるもの
恩給法(大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上 又は業務上の事由による負傷 又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
遺族の受ける恩給 及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)
条例の規定により地方公共団体が精神 又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて受ける給付
給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合 又は就職 若しくは退職をした者 若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
給与所得を有する者で通勤するもの(以下 この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用 又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む。)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるもの
国外で勤務する居住者の受ける給与のうち、その勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して受ける在勤手当(これに類する特別の手当を含む。)で政令で定めるもの
外国政府、外国の地方公共団体 又は政令で定める国際機関に勤務する者で政令で定める要件を備えるものがその勤務により受ける俸給、給料、賃金、歳費、賞与 及び これらの性質を有する給与(外国政府 又は外国の地方公共団体に勤務する者が受けるこれらの給与については、その外国がその国において勤務する日本国の国家公務員 又は地方公務員で当該政令で定める要件に準ずる要件を備えるものが受けるこれらの給与について所得税に相当する税を課さない場合に限る。)
自己 又は その配偶者 その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服 その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得
資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号(定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得(第三十三条第二項第一号(譲渡所得)の規定に該当するものを除く。)
オープン型の証券投資信託の収益の分配のうち、信託財産の元本の払戻しに相当する部分として政令で定めるもの
皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第四条第一項(内廷費) 及び第六条第一項(皇族費)の規定により受ける給付
文化功労者年金法(昭和二十六年法律第百二十五号)第三条第一項(年金)の規定による年金
日本学士院から恩賜賞 又は日本学士院賞として交付される金品
日本芸術院から恩賜賞 又は日本芸術院賞として交付される金品
学術 若しくは芸術に関する顕著な貢献を表彰するものとして又は顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして国、地方公共団体 又は財務大臣の指定する団体 若しくは基金から 交付される金品(給与 その他対価の性質を有するものを除く。)で財務大臣の指定するもの
ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品
外国、国際機関、国際団体 又は財務大臣の指定する外国の団体 若しくは基金から交付される金品でイから ホまでに掲げる年金 又は金品に類するもの(給与 その他対価の性質を有するものを除く。)のうち財務大臣の指定するもの
オリンピック競技大会 又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和四十年五月二十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。)その他 これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの
学資に充てるため給付される金品(給与 その他対価の性質を有するもの(給与所得を有する者がその使用者から受けるものにあつては、通常の給与に加算して受けるものであつて、次に掲げる場合に該当するもの以外のものを除く。)を除く。) 及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品
法人である使用者から 当該法人の役員(法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員をいう。ロにおいて同じ。)の学資に充てるため給付する場合
法人である使用者から当該法人の使用人(当該法人の役員を含む。)の配偶者 その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者の学資に充てるため給付する場合
個人である使用者から当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者 その他の親族(当該個人と生計を一にする者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
個人である使用者から当該個人の使用人(当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者 その他の親族を含む。)の配偶者 その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者(当該個人と生計を一にする当該個人の配偶者 その他の親族に該当する者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
国 又は地方公共団体が保育 その他の子育てに対する助成を行う事業 その他これに類する事業で財務省令で定めるものにより、その業務を利用する者の居宅 その他財務省令で定める場所において保育 その他の日常生活を営むのに必要な便宜の供与を行う業務 又は児童福祉法第五十九条の二第一項(認可外保育施設の届出)に規定する施設その他の財務省令で定める施設の利用に要する費用に充てるため支給される金品(前号に規定する学資に充てるため給付される金品を除く。)
相続、遺贈 又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈 又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
保険業法(平成七年法律第百五号) 第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金 及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害 又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙に係る公職の候補者が選挙運動に関し法人からの贈与により取得した金銭、物品 その他の財産上の利益で、同法第百八十九条(選挙運動に関する収入 及び支出の報告書の提出)の規定による報告がされたもの
次に掲げる金額は、この法律の規定の適用については、ないものとみなす。
前項第九号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の第三十三条第三項に規定する取得費 及び その譲渡に要した費用の額の合計額(以下 この項において「取得費等の金額」という。)に満たない場合におけるその不足額
前項第十号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の取得費等の金額 又は第三十二条第三項(山林所得)に規定する必要経費に満たない場合におけるその不足額
国内に住所を有する個人で、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項(身体障害者手帳)の規定により身体障害者手帳の交付を受けている者、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第三十七条の二第一項(遺族の範囲)に規定する遺族基礎年金を受けることができる妻である者、同法第四十九条第一項(支給要件)に規定する寡婦年金を受けることができる同項に規定する妻である者 その他 これらの者に準ずる者として政令で定めるもの(以下この条において「障害者等」という。)が、金融機関 その他の預貯金の受入れ 若しくは信託の引受けをする者、金融商品取引業者 又は登録金融機関で政令で定めるものの営業所、事務所 その他 これらに準ずるもの(以下この条において「金融機関の営業所等」という。)において預貯金(前条第一項第一号 又は第二号の規定に該当するものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)、合同運用信託(同号の規定に該当するものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)、公募公社債等運用投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二項(定義)に規定する委託者非指図型投資信託に限るものとし、政令で定めるものを除く。以下この条において「特定公募公社債等運用投資信託」という。)又は有価証券(公社債 及び投資信託(同項に規定する委託者非指図型投資信託を除く。)又は特定目的信託の受益権のうち、政令で定めるものに限る。以下この条において同じ。)の預入、信託 又は購入(以下この条において「預入等」という。)をする場合において、政令で定めるところにより、その預入等の際 その預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託 又は有価証券につきこの項の規定の適用を受けようとする旨、その者の氏名、生年月日 及び住所 並びに障害者等に該当する旨 その他必要な事項を記載した書類(以下この条において「非課税貯蓄申込書」という。)を提出したときは、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定めるものについては、所得税を課さない。
その預貯金の元本と その金融機関の営業所等において非課税貯蓄申込書を提出して預入した他の預貯金の元本との合計額が、その預貯金の利子の計算期間を通じて、 その個人がその金融機関の営業所等を経由して提出した第三項に規定する非課税貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額(第四項に規定する非課税貯蓄限度額変更申告書の提出があつた場合には、その提出の日以後においては、その変更後の最高限度額。以下 この項において同じ。)を超えない場合
その預貯金の当該計算期間に対応する利子
その合同運用信託 又は特定公募公社債等運用投資信託(以下 この号において「合同運用信託等」という。)の元本と その金融機関の営業所等において非課税貯蓄申込書を提出して信託した他の合同運用信託等の元本との合計額が、その合同運用信託等の収益の分配の計算期間を通じて、その個人がその金融機関の営業所等を経由して提出した第三項に規定する非課税貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合(その合同運用信託等が貸付信託 又は特定公募公社債等運用投資信託である場合には、その収益の分配の計算期間を通じて社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)に規定する振替口座簿への記載 又は記録 その他の政令で定める方法により管理されている場合に限る。)
その合同運用信託等の当該計算期間に対応する収益の分配
その有価証券につき、その利子、収益の分配 又は剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。以下 この号において同じ。)の計算期間を通じて(その有価証券が当該計算期間の中途において購入したものである場合には、その購入の日の属する計算期間については、同日から 当該計算期間の終了の日までの期間を通じて。以下 この号において同じ。)、社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載 又は記録 その他の政令で定める方法により管理されており、かつ、その有価証券の額面金額 又はこれに準ずる金額として政令で定めるもの(以下この条において「額面金額等」という。)と その金融機関の営業所等において非課税貯蓄申込書を提出して購入した他の有価証券の額面金額等との合計額が、当該計算期間を通じて、その個人がその金融機関の営業所等を経由して提出した第三項に規定する非課税貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合
その有価証券の当該計算期間に対応する利子、収益の分配 又は剰余金の配当
非課税貯蓄申込書は、次項に規定する非課税貯蓄申告書の提出の際に経由した金融機関の営業所等に対してのみ提出することができるものとし、その提出に当たつては、当該金融機関の営業所等の長にその者の身体障害者福祉法第十五条第四項の規定により交付を受けた身体障害者手帳、国民年金法第十五条第三号(給付の種類)に掲げる遺族基礎年金の年金証書 その他の政令で定める書類の提示 又は当該書類の提示に代えて政令で定めるところにより行う署名用電子証明書等(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項(署名用電子証明書の発行)に規定する署名用電子証明書(第五項において「署名用電子証明書」という。)その他の電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第五項において同じ。)であつて財務省令で定めるものをいう。)の送信をしなければならないものとする。
第一項の規定は、個人が、最初に同項の規定の適用を受けようとする預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託 又は有価証券の預入等をする日までに、次に掲げる事項を記載した申告書(以下この条において「非課税貯蓄申告書」という。)をその預入等をする金融機関の営業所等を経由し、その者の住所地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
提出者の氏名、生年月日、住所 及び個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項(定義)に規定する個人番号をいう。以下同じ。)、障害者等に該当する旨 並びに当該金融機関の営業所等の名称 及び所在地
第一項の規定の適用を受けようとする預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託 又は有価証券の別
当該金融機関の営業所等において預入等をする預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託 又は有価証券で第一項の規定の適用を受けようとするものの現在高(有価証券にあつては、額面金額等により計算した現在高)に係る最高限度額
既に他の金融機関の営業所等を経由して非課税貯蓄申告書を提出している場合には、当該 他の金融機関の営業所等ごとの名称 及び当該申告書に記載した前号の最高限度額(次項の規定による申告書を提出した場合には、変更後の最高限度額)
非課税貯蓄申告書を提出した個人が、当該申告書に記載した前項第三号に掲げる最高限度額(既にこの項の規定による申告書を提出している場合には、当該申告書に記載した変更後の最高限度額)を変更しようとする場合には、その個人は、政令で定めるところにより、その旨 並びに変更後の前項第三号に掲げる最高限度額 及び同項第四号に掲げる最高限度額の合計額 その他必要な事項を記載した申告書(以下この条において「非課税貯蓄限度額変更申告書」という。)を、当該非課税貯蓄申告書の提出の際に経由した金融機関の営業所等を経由して、その者の住所地の所轄税務署長に提出するものとする。
非課税貯蓄申告書 又は非課税貯蓄限度額変更申告書を提出する個人は、政令で定めるところにより、その提出をしようとする際、第三項 又は前項に規定する金融機関の営業所等の長に、その者の身体障害者福祉法第十五条第四項の規定により交付を受けた身体障害者手帳、国民年金法第十五条第三号に掲げる遺族基礎年金の年金証書 その他の政令で定める書類の提示 又は当該書類の提示に代えて政令で定めるところにより行う署名用電子証明書等(署名用電子証明書 その他の電磁的記録であつて財務省令で定めるものをいう。)の送信をして氏名、生年月日、住所 及び個人番号 並びに障害者等に該当する旨を告知し、当該告知をした事項につき確認を受けなければならない。
第三項 又は第四項の場合において、非課税貯蓄申告書 又は非課税貯蓄限度額変更申告書がこれらの規定に規定する税務署長に提出されたときは、これらの規定に規定する金融機関の営業所等においてその受理がされた日にその提出があつたものとみなす。
第一項に規定する個人は、次に掲げる非課税貯蓄申告書 又は非課税貯蓄限度額変更申告書に該当する申告書については、これを提出することができないものとし、第三項 又は第四項に規定する金融機関の営業所等の長は、当該申告書 又は既に非課税貯蓄申告書を受理した個人から 重ねて提出された非課税貯蓄申告書(政令で定めるものを除く。)については、これを受理することができない。
第三項第三号に掲げる最高限度額(非課税貯蓄限度額変更申告書にあつては、変更後の同号に掲げる最高限度額)が三百万円を超える金額の記載のある非課税貯蓄申告書若しくは非課税貯蓄限度額変更申告書 又は当該最高限度額に同項第四号に掲げる最高限度額の合計額を加算した金額が三百万円を超える金額の記載のある非課税貯蓄申告書若しくは非課税貯蓄限度額変更申告書
第五項の規定による確認を受けていない非課税貯蓄申告書 又は非課税貯蓄限度額変更申告書
第一項、第三項 又は第四項に規定する個人は、これらの規定による申込書 又は申告書の提出に代えて、これらの規定に規定する金融機関の営業所等に対し、これらの申込書 又は申告書に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供することができる。
この場合において、当該個人は、これらの申込書 又は申告書を当該金融機関の営業所等に提出したものとみなす。
前項の規定の適用がある場合における第六項の規定の適用については、
同項中
「又は非課税貯蓄限度額変更申告書」とあるのは
「に記載すべき事項 又は非課税貯蓄限度額変更申告書に記載すべき事項」と、
「受理がされた日」とあるのは
「提供を受けた日」と
する。
第二項から 前項までに定めるもののほか、第一項の元本 及び額面金額等の計算の方法、非課税貯蓄申込書の提出、保存 及び管理に関する事項、非課税貯蓄申告書の提出に関する事項、非課税貯蓄申告書を提出した個人がその提出後当該申告書に記載した事項を変更した場合 又は同項の規定の適用を受けることをやめようとする場合における申告に関する事項 その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
別表第一に掲げる内国法人が支払を受ける第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益 及び利益の分配(貸付信託の受益権の収益の分配にあつては、当該内国法人が当該受益権を引き続き所有していた期間に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する部分に限る。)については、所得税を課さない。
公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条(公益信託)に規定する公益信託 又は社債、株式等の振替に関する法律第二条第十一項(定義)に規定する加入者保護信託の信託財産につき生ずる所得(貸付信託の受益権の収益の分配に係るものにあつては、当該受益権が当該公益信託 又は当該加入者保護信託の信託財産に引き続き属していた期間に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する部分に限る。)については、所得税を課さない。
前二項の規定のうち公社債 又は貸付信託、投資信託 若しくは特定目的信託の受益権で政令で定めるもの(以下 この項において「公社債等」という。)の利子、収益の分配 又は第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当(以下 この項において「利子等」という。)に係る部分は、これらの規定に規定する内国法人 又は公益信託 若しくは加入者保護信託の受託者が、公社債等につき社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載 又は記録 その他の政令で定める方法により管理されており、かつ、政令で定めるところにより、当該公社債等の利子等につきこれらの規定の適用を受けようとする旨 その他財務省令で定める事項を記載した申告書を、当該公社債等の利子等の支払をする者(次項において「支払者」という。)を経由して税務署長に提出した場合に限り、適用する。
前項に規定する内国法人 又は公益信託 若しくは加入者保護信託の受託者は、同項の規定による申告書の提出に代えて、同項の支払者に対し、当該申告書に記載すべき事項を前条第八項に規定する電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該内国法人 又は公益信託 若しくは加入者保護信託の受託者は、当該申告書を当該支払者に提出したものとみなす。
第四章 所得の帰属に関する通則
資産 又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとして、この法律の規定を適用する。
信託の受益者(受益者としての権利を現に有するものに限る。)は当該信託の信託財産に属する資産 及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益 及び費用は当該受益者の収益 及び費用とみなして、この法律の規定を適用する。
ただし、集団投資信託、退職年金等信託 又は 法人課税信託の信託財産に属する資産 及び負債 並びに当該信託財産に帰せられる収益 及び費用については、この限りでない。
信託の変更をする権限(軽微な変更をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)は、前項に規定する受益者とみなして、同項の規定を適用する。
第一項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
集団投資信託
合同運用信託、投資信託(法人税法第二条第二十九号ロ(定義)に掲げる信託に限る。)及び特定受益証券発行信託をいう。
退職年金等信託
法人税法第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約 若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金 若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法第百二十八条第三項(基金の業務)若しくは第百三十七条の十五第四項(連合会の業務)に規定する契約 又はこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託をいう。
受益者が二以上ある場合における第一項の規定の適用、第二項に規定する信託財産の給付を受けることとされている者に該当するかどうかの判定その他第一項 及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 納税地
所得税の納税地は、納税義務者が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場所とする。
国内に住所を有する場合
その住所地
国内に住所を有せず、居所を有する場合
その居所地
前二号に掲げる場合を除き、 恒久的施設を有する非居住者である場合
その恒久的施設を通じて行う事業に係る事務所、事業所 その他 これらに準ずるものの所在地(これらが二以上ある場合には、主たるものの所在地)
第一号 又は第二号の規定により納税地を定められていた者が国内に住所 及び居所を有しないこととなつた場合において、その者がその有しないこととなつた時に前号に規定する事業に係る事務所、事業所その他 これらに準ずるものを有せず、かつ、その納税地とされていた場所にその者の親族 その他 その者と特殊の関係を有する者として政令で定める者が引き続き、又は その者に代わつて居住しているとき。
その納税地とされていた場所
前各号に掲げる場合を除き、第百六十一条第一項第七号(国内源泉所得)に掲げる対価(船舶 又は航空機の貸付けによるものを除く。)を受ける場合
当該対価に係る資産の所在地(その資産が二以上ある場合には、主たる資産の所在地)
前各号に掲げる場合以外の場合
政令で定める場所
国内に住所のほか居所を有する納税義務者(第十八条第一項(納税地の指定)の規定により納税地の指定を受けている納税義務者を除く。次項において同じ。)は、前条第一号の規定にかかわらず、 その住所地に代え、その居所地を納税地とすることができる。
国内に住所 又は居所を有し、かつ、その住所地 又は居所地以外の場所にその営む事業に係る事業場 その他これに準ずるもの(以下この条において「事業場等」という。)を有する納税義務者は、前条第一号 又は第二号の規定にかかわらず、その住所地 又は居所地に代え、その事業場等の所在地(その事業場等が二以上ある場合には、これらのうち主たる事業場等の所在地。以下この条において同じ。)を納税地とすることができる。
第一項の規定の適用を受けようとする者は、その住所地の所轄税務署長に対し、その住所地 及び居所地、その居所地を納税地とすることを便宜とする事情 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出しなければならない。
この場合において、当該書類の提出があつたときは、その提出があつた日後における納税地は、その居所地とする。
第二項の規定の適用を受けようとする者は、その納税地とされている住所地 又は居所地の所轄税務署長に対し、その住所地 又は居所地 及び事業場等の所在地、その事業場等の所在地を納税地とすることを便宜とする事情 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出しなければならない。
この場合においては、前項後段の規定を準用する。
第一項 又は第二項の規定により居所地 又は事業場等の所在地を納税地としている者は、これらの規定の適用を受ける必要がなくなつた場合において、その納税地の所轄税務署長に対し、その旨 及び当該納税地 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出したときは、その提出があつた日後における納税地は、その住所地(同項の規定により事業場等の所在地を納税地としている者で住所地を有していない者については、居所地)とする。
納税義務者が死亡した場合には、その死亡した者の所得税の納税地は、その相続人の所得税の納税地によらず、その死亡当時におけるその死亡した者の所得税の納税地とする。
第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者 その他第四編第一章から 第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者(以下この条において「給与等支払者」という。)のその支払につき源泉徴収をすべき所得税の納税地は、当該給与等支払者の事務所、事業所 その他 これらに準ずるものでその支払事務を取り扱うもの(以下この条において「事務所等」という。)のその支払の日における所在地(当該支払の日以後に当該給与等支払者が国内において事務所等を移転した場合には、当該事務所等の移転後の所在地 その他の政令で定める場所)とする。
ただし、公社債の利子、内国法人(第六条の三第一号(受託法人等に関するこの法律の適用)の規定により内国法人とされる同条に規定する受託法人を含む。)が支払う第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当 その他の政令で定めるものについては、その支払をする者の本店 又は主たる事務所の所在地 その他の政令で定める場所とする。
第十五条(納税地)又は第十六条(納税地の特例)の規定による納税地が納税義務者の所得の状況からみて所得税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長(政令で定める場合には、国税庁長官。以下この条において同じ。)は、これらの規定にかかわらず、その所得税の納税地を指定することができる。
前条の規定による納税地が同条に規定する支払をする者の支払事務の形態その他の状況からみて同条の所得税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長は、同条の規定にかかわらず、 その所得税の納税地を指定することができる。
国税局長は、前二項の規定により所得税の納税地を指定したときは、これらの規定に規定する納税義務者 又は支払をする者に対し、書面によりその旨を通知する。
再調査の請求についての決定 若しくは審査請求についての裁決 又は判決により、前条第一項 又は第二項の規定による納税地の指定の処分の取消しがあつた場合においても、その処分の取消しは、その取消しの対象となつた処分のあつた時から その取消しの時までの間に、その取消しの対象となつた納税地をその処分に係る納税地として同条第一項に規定する納税義務者の所得税 又は同条第二項に規定する支払をする者の同項の所得税に関してされた申告、申請、請求、届出 その他書類の提出 及び納付 並びに国税庁長官、国税局長 又は税務署長の処分(その取消しの対象となつた処分を除く。)の効力に影響を及ぼさないものとする。
納税義務者は、その所得税の納税地に異動があつた場合(第十六条第三項から 第五項まで(納税地の特例)に規定する書類の提出 又は第十八条第一項(納税地の指定)の指定によりその納税地に異動があつた場合を除く。)には、政令で定めるところにより、その異動前の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出なければならない。