探偵業の業務の適正化に関する法律

平成十八年法律第六十号
略称 : 探偵業務適正化法  探偵業法 
分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月06日 20時16分

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1項

この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。

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1項

この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在 又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込み その他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。

2項

この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。


ただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社 その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見 又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く

3項

この法律において「探偵業者」とは、第四条第一項の規定による届出をして探偵業を営む者をいう。

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、探偵業を営んではならない。

一 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

二 号

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

三 号

最近五年間第十五条の規定による処分に違反した者

四 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者

五 号

心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの

六 号

営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号 又は次号いずれかに該当するもの

七 号

法人でその役員のうちに第一号から第五号までいずれかに該当する者があるもの

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1項

探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。


この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

一 号
商号、名称 又は氏名 及び住所
二 号

営業所の名称 及び所在地 並びに当該営業所が主たる営業所である場合にあっては、その旨

三 号

第一号に掲げる商号、名称 若しくは氏名 又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告 又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該名称

四 号
法人にあっては、その役員の氏名 及び住所
2項

前項の規定による届出をした者は、当該探偵業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。


この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

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1項

前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。

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1項

探偵業者 及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止 又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等 個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

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1項

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱い その他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。

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1項

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。

一 号

探偵業者の商号、名称 又は氏名 及び住所 並びに法人にあっては、その代表者の氏名

二 号

第四条第一項の規定による届出をした公安委員会の名称

三 号

探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。

四 号

第十条に規定する事項

五 号
提供することができる探偵業務の内容
六 号
探偵業務の委託に関する事項
七 号

探偵業務の対価 その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額 及び支払時期

八 号
契約の解除に関する事項
九 号

探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項

2項

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。

一 号

探偵業者の商号、名称 又は氏名 及び住所 並びに法人にあっては、その代表者の氏名

二 号

探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名 及び契約年月日

三 号

探偵業務に係る調査の内容、期間 及び方法

四 号

探偵業務に係る調査の結果の報告の方法 及び期限

五 号

探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容

六 号

探偵業務の対価 その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額 並びにその支払の時期 及び方法

七 号

契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

八 号

探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

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1項

探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱い その他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。

2項

探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。

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1項

探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。


探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。

2項

探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写真 その他の資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正 又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。

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1項

探偵業者は、その使用人 その他の従業者に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。

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1項

探偵業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、使用人 その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。

2項

探偵業者は、第四条第一項の規定による届出をしたことを示す内閣府令で定める様式の標識について、営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合 その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。

3項

探偵業者以外の者は、前項の標識 又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。

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1項

公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、探偵業者に対し、その業務の状況に関し報告 若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に探偵業者の営業所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項

前項の規定により警察職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと 解釈してはならない。

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1項

公安委員会は、探偵業者等がこの法律 又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められるときは、当該探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。

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1項

公安委員会は、探偵業者等がこの法律 若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、当該営業所における探偵業について、六月以内の期間を定めて、その全部 又は一部の停止を命ずることができる。

2項

公安委員会は、第三条各号いずれかに該当する者が探偵業を営んでいるときは、その者に対し、営業の廃止を命ずることができる。

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1項

この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。

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1項

第十五条の規定による処分に違反した者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、六月以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第四条第一項の規定による届出をしないで探偵業を営んだ者

二 号

第五条の規定に違反して他人に探偵業を営ませた者

三 号

第十四条の規定による指示に違反した者

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第四条第一項の届出書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者

二 号

第四条第二項の規定に違反して届出書 若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書 若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

三 号

第八条第一項 若しくは第二項の規定に違反して書面を交付せず、又は これらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者

四 号

第十二条第一項に規定する名簿を備え付けず、又はこれに必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者

五 号

第十三条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告 若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

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1項

第十二条第三項の規定に違反したときは、当該違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

2項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、第十七条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

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