指定行政機関の長等は、それぞれその国民の保護に関する計画 又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、武力攻撃災害の復旧を行わなければならない。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律
第六章 復旧、備蓄その他の措置
指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長 並びに地方公共団体の長等は、それぞれその国民の保護に関する計画で定めるところにより、住民の避難 及び避難住民等の救援に必要な物資 及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は住民の避難 及び避難住民等の救援に必要なその管理に属する施設 及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
都道府県知事 及び市町村長は、他の都道府県 及び市町村から避難住民等を受け入れたときは、避難住民等の救援のため、その備蓄する物資 又は資材を、必要に応じ供給しなければならない。
都道府県知事 又は市町村長は、住民の避難 及び避難住民等の救援に当たって、その備蓄する物資 又は資材が不足し、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することが困難であると認めるときは、都道府県知事にあっては指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長に対し、市町村長にあっては都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資 又は資材の供給について必要な措置を講ずるよう要請することができる。
指定行政機関の長等は、第百四十二条に規定するもののほか、それぞれその国民の保護に関する計画 又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その所掌事務 又は業務に係る国民の保護のための措置の実施に必要な物資 及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は当該国民の保護のための措置の実施に必要なその管理に属する施設 及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
第百四十二条 及び前条の規定による物資 及び資材の備蓄と、災害対策基本法第四十九条の規定による物資 及び資材の備蓄とは、相互に兼ねることができる。
指定行政機関の長等は、武力攻撃事態等において、その備蓄する物資 及び資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
都道府県知事は、住民を避難させ、又は避難住民等の救援を行うため、あらかじめ、政令で定める基準を満たす施設を避難施設として指定しなければならない。
都道府県知事は、前項の規定により避難施設を指定しようとするときは、当該施設の管理者の同意を得なければならない。
前条第一項の避難施設として指定を受けた施設の管理者は、当該施設を廃止し、又は用途の変更、改築 その他の事由により当該施設の現状に政令で定める重要な変更を加えようとするときは、同項の規定による指定をした都道府県知事に届け出なければならない。
政府は、武力攻撃災害から人の生命 及び身体を保護するために必要な機能を備えた避難施設に関する調査 及び研究を行うとともに、その整備の促進に努めなければならない。
地方公共団体の長等は、国民の保護のための措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は特定指定公共機関(指定公共機関である行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項の行政執行法人をいう。)をいう。以下この項 及び第百五十三条において同じ。)に対し、当該指定行政機関 若しくは指定地方行政機関 又は特定指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。
地方公共団体の委員会 及び委員は、前項の規定により職員の派遣を要請しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の長に協議しなければならない。
市町村長等が第一項の規定による職員の派遣を要請するときは、都道府県知事等を経由してするものとする。
ただし、人命の救助等のために特に緊急を要する場合については、この限りでない。
都道府県知事等 又は市町村長等は、政令で定めるところにより、総務大臣 又は都道府県知事に対し、前条第一項の職員の派遣について、あっせんを求めることができる。
都道府県知事等 又は市町村長等は、国民の保護のための措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、総務大臣 又は都道府県知事に対し、都道府県知事等にあっては地方自治法第二百五十二条の十七第一項の職員の派遣について、市町村長等にあっては同項の職員 又は地方独立行政法人法第百二十四条第一項の職員(指定地方公共機関である同法第二条第二項の特定地方独立行政法人(次条において「特定指定地方公共機関」という。)の職員に限る。)の派遣について、あっせんを求めることができる。
前条第二項 及び第三項の規定は、前二項の規定によりあっせんを求める場合について準用する。
指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等 並びに特定指定公共機関 及び特定指定地方公共機関は、前二条の規定による要請 又はあっせんがあったときは、その所掌事務 又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。
災害対策基本法第三十二条の規定は、前条 又は他の法律の規定により国民の保護のための措置の実施のため派遣された職員の身分取扱いについて準用する。
この場合において、
同法第三十二条第一項中
「災害派遣手当」とあるのは、
「武力攻撃災害等派遣手当」と
読み替えるものとする。
都道府県公安委員会は、住民の避難、緊急物資の運送 その他の国民の保護のための措置が的確かつ迅速に実施されるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、区域 又は道路の区間を指定して、緊急通行車両(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十九条第一項の緊急自動車 その他の車両で国民の保護のための措置の的確かつ迅速な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。)以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
災害対策基本法第七十六条第二項、第七十六条の二、第七十六条の三 及び第七十六条の五の規定は、前項の規定による通行の禁止 又は制限について準用する。
この場合において、
同法第七十六条の二第五項中
「前条第一項」とあり、同法第七十六条の三第五項中
「第七十六条第一項」とあるのは
「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第百五十五条第一項」と、
同条第一項、第三項 及び第四項 並びに同法第七十六条の五中
「災害応急対策」とあるのは
「国民の保護のための措置」と、
同法第七十六条の三第三項 及び第六項中
「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」とあるのは
「出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官」と
読み替えるものとする。
指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は地方公共団体の長は、国民の保護のための措置の実施に必要な通信のため緊急かつ特別の必要があるときは、電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備 若しくは無線設備を使用することができる。
何人も、武力攻撃事態等において、特殊信号(第一追加議定書(千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)をいう。以下この項 及び次条第一項において同じ。)第八条(m)の特殊信号をいう。次項 及び第三項において同じ。) 又は身分証明書(第一追加議定書第十八条3の身分証明書をいう。次項 及び第三項において同じ。)をみだりに使用してはならない。
指定行政機関の長 又は都道府県知事は、武力攻撃事態等においては、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号。次項 及び第四項において「赤十字標章法」という。)第一条 及び前項の規定にかかわらず、指定行政機関の長にあっては避難住民等の救援の支援を行う当該指定行政機関の長が所管する医療機関 又は当該指定行政機関の職員(その管轄する指定地方行政機関の職員を含む。次条第二項第一号において同じ。)である医療関係者(第八十五条第一項の政令で定める医療関係者をいう。以下この項 及び次項において同じ。)に対し、都道府県知事にあってはその管理の下に避難住民等の救援を行う医療機関 若しくは医療関係者 又は当該避難住民等の救援に必要な援助について協力をする医療機関 若しくは医療関係者に対し、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所 若しくは車両、船舶、航空機等(次項 及び次条において「場所等」という。)を識別させるため、赤十字標章等(白地に赤十字、赤新月 又は赤のライオン 及び太陽の標章をいう。次項 及び第四項において同じ。)、特殊信号 又は身分証明書を交付し、又は使用させることができる。
前項に規定する医療機関 及び医療関係者以外の医療機関 及び医療関係者は、武力攻撃事態等においては、赤十字標章法第一条 及び第一項の規定にかかわらず、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所等を識別させるため、あらかじめ、医療機関である指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長の、医療機関である指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事の、その他の医療機関 及び医療関係者にあっては当該者が医療を行う地域を管轄する都道府県知事の許可を受けて、赤十字標章等、特殊信号 又は身分証明書を使用することができる。
赤十字標章法第三条の規定は、武力攻撃事態等においては、適用しない。
ただし、対処基本方針が定められる前に同条の許可を受けた者は、武力攻撃事態等においても、同条に規定する傷者 又は病者の無料看護を引き続き行う場合に限り、前項の規定にかかわらず、赤十字標章等を使用することができる。
何人も、武力攻撃事態等において、特殊標章(第一追加議定書第六十六条3の国際的な特殊標章をいう。次項 及び第三項において同じ。)又は身分証明書(同条3の身分証明書をいう。次項 及び第三項において同じ。)をみだりに使用してはならない。
次の各号に掲げる者(以下この項において「指定行政機関長等」という。)は、武力攻撃事態等においては、前項の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める職員で国民の保護のための措置に係る職務を行うもの(指定行政機関長等の委託により国民の保護のための措置に係る業務を行う者を含む。)又は指定行政機関長等が実施する国民の保護のための措置の実施に必要な援助について協力をする者に対し、これらの者 又は当該国民の保護のための措置に係るこれらの者が行う職務、業務 若しくは協力のために使用される場所等を識別させるため、特殊標章 又は身分証明書を交付し、又は使用させることができる。
都道府県知事
当該都道府県の職員(次号 及び第五号に定める職員を除く。)
警視総監 及び道府県警察本部長
当該都道府県警察の職員
市町村長
当該市町村の職員(次号 及び第六号に定める職員を除く。)
消防長
その所轄の消防職員
水防管理者
その所轄の水防団長 及び水防団員
指定公共機関 又は指定地方公共機関は、武力攻撃事態等においては、第一項の規定にかかわらず、当該指定公共機関 若しくは指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置に係る業務を行う者(当該指定公共機関 又は指定地方公共機関の委託により国民の保護のための措置に係る業務を行う者を含む。)若しくは当該指定公共機関 若しくは指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置の実施に必要な援助について協力をする者 又は当該国民の保護のための措置に係るこれらの者が行う業務 若しくは協力のために使用される場所等を識別させるため、あらかじめ、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長の、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事の許可を受けて、特殊標章 又は身分証明書を使用することができる。