聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律

# 令和二年法律第五十三号 #

第二章 指定法人

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 03月29日 12時13分


第一節 電話リレーサービス提供機関

1項

総務大臣は、一般社団法人 又は一般財団法人であって、電話リレーサービス提供業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、電話リレーサービス提供機関として指定することができる。

2項

総務大臣は、前項の申請をした者が次の各号いずれかに該当するときは、同項の規定による指定(以下 この節において単に「指定」という。)をしてはならない。

一 号

第十九条第一項 又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者

二 号

その役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

第十四条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から五年を経過しない者

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者次号において「暴力団員等」という。

三 号

暴力団員等がその事業活動を支配する者

3項

総務大臣は、指定をしたときは、当該指定を受けた電話リレーサービス提供機関の名称 及び住所、電話リレーサービス提供業務を行う事務所の所在地 並びに電話リレーサービス提供業務の開始の日を公示しなければならない。

4項

電話リレーサービス提供機関は、その名称 若しくは住所 又は電話リレーサービス提供業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

5項

総務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。

1項

電話リレーサービス提供機関は、基本方針に従って、次に掲げる業務を行うものとする。

一 号
電話リレーサービスを提供すること。
二 号

前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

1項

電話リレーサービス提供機関は、電話リレーサービス提供業務を行うときは、その開始前に、電話リレーサービス提供業務の実施方法 及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項 その他の総務省令で定める事項に関する規程(以下 この節において「電話リレーサービス提供業務規程」という。)を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号いずれにも 適合していると認めるときは、当該認可をしなければならない。

一 号

基本方針に適合し、かつ、電話リレーサービス提供業務の実施方法及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項が適正かつ明確に定められていること。

二 号

特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

三 号

電話リレーサービスの利用者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。

3項

総務大臣は、第一項の認可をした電話リレーサービス提供業務規程が電話リレーサービス提供業務の適正かつ確実な実施上 不適当となったと認めるときは、電話リレーサービス提供機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

4項

電話リレーサービス提供機関は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程を公表しなければならない。

1項

電話リレーサービス提供機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供業務に関し事業計画書 及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

電話リレーサービス提供機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた事業計画書 及び収支予算書を公表しなければならない。

3項

電話リレーサービス提供機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供業務に関し事業報告書 及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。

1項

電話リレーサービス提供機関は、総務大臣の許可を受けなければ、電話リレーサービス提供業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

1項

電話リレーサービス提供機関は、電話リレーサービス提供業務以外の 業務を行っている場合には、当該業務に係る経理 と電話リレーサービス提供業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。

1項

電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員の選任 及び解任は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2項

総務大臣は、電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員が、この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、第十条第一項の認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程に違反する行為をしたとき、又は電話リレーサービス提供業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、電話リレーサービス提供機関に対し、当該役員を解任すべきことを命ずることができる。

1項

電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員 若しくは職員 又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、電話リレーサービス提供業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

1項

電話リレーサービス提供機関は、総務省令で定めるところにより、帳簿(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次条第一項 及び第三十三条第二号において同じ。)を備え付け、電話リレーサービス提供業務に関する事項で総務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及びこれを保存しなければならない。

1項

総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電話リレーサービス提供機関に対し、電話リレーサービス提供業務に関し報告をさせ、又はその職員に、電話リレーサービス提供機関の事務所に立ち入り、電話リレーサービス提供業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

総務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、電話リレーサービス提供機関に対し、電話リレーサービス提供業務に関し監督上 必要な命令をすることができる。

1項

総務大臣は、電話リレーサービス提供機関が第八条第二項第二号 又は第三号に該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。

2項

総務大臣は、電話リレーサービス提供機関が次の各号いずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて電話リレーサービス提供業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

電話リレーサービス提供業務を適正かつ確実に行うことができないと認められるとき。

二 号

指定に関し不正の行為があったとき。

三 号

この法律 若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又は第十条第一項の認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程によらないで電話リレーサービス提供業務を行ったとき。

3項

総務大臣は、第一項 若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により電話リレーサービス提供業務の全部 若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

4項

第一項 又は第二項の規定による指定の取消しが行われた場合において、電話リレーサービス支援機関が当該指定の取消しに係る法人に交付した交付金(第二十一条第一号に規定する交付金をいう。以下この条において同じ。)がなお存するときは、当該法人は、電話リレーサービス支援機関に当該交付金を速やかに返還しなければならない。

5項

前項に定めるもののほか、総務大臣が、第一項 又は第二項の規定により指定を取り消した場合における交付金の取扱いその他の必要な事項は、総務省令で定める。

第二節 電話リレーサービス支援機関

1項

総務大臣は、一般社団法人 又は一般財団法人であって、電話リレーサービス支援業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、電話リレーサービス支援機関として指定することができる。

1項

電話リレーサービス支援機関は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 号

電話リレーサービス提供業務に要する費用に充てるための交付金を交付すること。

二 号

電話リレーサービス支援業務に要する費用に充てるための負担金を徴収すること。

三 号

前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

1項

電話リレーサービス支援機関は、電話リレーサービス支援業務を行うときは、その開始前に、電話リレーサービス支援業務の実施方法 その他の総務省令で定める事項に関する規程(第三項 及び第四項において「電話リレーサービス支援業務規程」という。)を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号いずれにも 適合していると認めるときは、当該認可をしなければならない。

一 号

電話リレーサービス支援業務の実施方法が適正かつ明確に定められていること。

二 号

特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

三 号

聴覚障害者等 及び電話提供事業者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。

3項

総務大臣は、第一項の認可をした電話リレーサービス支援業務規程が電話リレーサービス支援業務の適正かつ確実な実施上 不適当となったと認めるときは、電話リレーサービス支援機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

4項

電話リレーサービス支援機関は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた電話リレーサービス支援業務規程を公表しなければならない。

1項

電話リレーサービス支援機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援業務に関し事業計画書 及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた事業計画書 及び収支予算書を公表しなければならない。

3項

電話リレーサービス支援機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援業務に関し事業報告書 及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。

1項

電話リレーサービス支援機関は、毎年度毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下 この条 及び次条において同じ。)、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供機関に対して、第二十一条第一号に規定する交付金(以下 この条 及び第二十八条第二項において単に「交付金」という。)を交付しなければならない。

2項

電話リレーサービス支援機関は、毎年度、総務省令で定める方法により交付金の額を算定し、電話リレーサービス支援業務諮問委員会の議を経て、当該年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務省令で定めるところにより、交付金の額 及び交付方法について総務大臣の認可を受けなければならない。

3項

電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、総務省令で定めるところにより、当該認可を受けた交付金の額を公表しなければならない。

4項

電話リレーサービス提供機関は、毎年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援機関が交付金の額の算定をするための資料として、当該算定に係る年度における電話リレーサービス提供業務に要する費用の額の予想額 及び電話リレーサービス提供業務により生ずる収益の額の予想額 その他総務省令で定める事項を電話リレーサービス支援機関に届け出なければならない。

1項

電話リレーサービス支援機関は、毎年度、電話提供事業者であって、その事業の規模が総務省令で定める基準を超えるもの(以下 この条 及び次条において「特定電話提供事業者」という。)から、第二十一条第二号に規定する負担金(以下 この節において単に「負担金」という。)を徴収しなければならない。

2項

電話リレーサービス支援機関は、毎年度、総務省令で定める方法により負担金の額を算定し、電話リレーサービス支援業務諮問委員会の議を経て、当該年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務省令で定めるところにより、負担金の額 及び徴収方法について総務大臣の認可を受けなければならない。

3項

電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、納付すべき負担金の額、納付期限 及び納付方法を特定電話提供事業者に通知しなければならない。

4項

特定電話提供事業者は、前項の規定による通知に従い、電話リレーサービス支援機関に対し、負担金を納付する義務を負う。

1項

電話リレーサービス支援機関は、前条第三項の規定による通知を受けた特定電話提供事業者がその納付期限までに当該通知に係る負担金を納付しないときは、督促状により期限を指定してその納付を督促しなければならない。

2項

電話リレーサービス支援機関は、前項の規定による督促をしたときは、当該督促に係る負担金の額に納付期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した金額の延滞金を徴収することができる。

3項

電話リレーサービス支援機関は、第一項の規定による督促を受けた特定電話提供事業者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、直ちに、その旨を総務大臣に報告しなければならない。

4項

総務大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、直ちに、当該報告に係る特定電話提供事業者の氏名 又は名称及び当該特定電話提供事業者が第一項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付していない旨を公表しなければならない。

1項

電話リレーサービス支援機関は、電話リレーサービス支援業務を行うために必要があるときは、電話提供事業者に対し、資料の提出を求めることができる。

2項

前項の規定により資料の提出を求められた電話提供事業者は、遅滞なく、当該資料を電話リレーサービス支援機関に提出しなければならない。

3項

総務大臣は、電話リレーサービス支援機関から要請があった場合において、電話リレーサービス支援業務を行うために特に必要があると認めるときは、電話リレーサービス支援機関に対し、必要な資料を交付し、又は閲覧させることができる。

1項

電話リレーサービス支援機関には、電話リレーサービス支援業務諮問委員会を置かなければならない。

2項

電話リレーサービス支援業務諮問委員会は、電話リレーサービス支援機関の代表者の諮問に応じ、交付金の額 及び交付方法、負担金の額 及び徴収方法 その他電話リレーサービス支援業務の実施に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める意見を電話リレーサービス支援機関の代表者に述べることができる。

3項

電話リレーサービス支援業務諮問委員会の委員は、電話提供事業者 及び聴覚障害者等の福祉に関して高い識見を有する者 その他の学識経験のある者のうちから、総務大臣の認可を受けて、電話リレーサービス支援機関の代表者が任命する。

1項

第八条第二項から第五項まで 及び第十二条から第十九条までの規定は、電話リレーサービス支援機関 及び電話リレーサービス支援業務について準用する。


この場合において、

第八条第二項
前項」とあるのは
第二十条」と、

同項」とあるのは
同条」と、

第十四条第二項 及び第十九条第二項第三号
第十条第一項」とあるのは
第二十二条第一項」と、

電話リレーサービス提供業務規程」とあるのは
同項に規定する電話リレーサービス支援業務規程」と、

同条第四項
電話リレーサービス支援機関が」とあるのは
第二十五条第一項に規定する特定電話提供事業者が」と、

交付した」とあるのは
「納付した」と、

交付金」とあるのは
「負担金」と、

第二十一条第一号」とあるのは
第二十一条第二号」と、

法人は、」とあるのは
「法人は、総務大臣が次条の規定により新たに指定する」と、

返還しなければ」とあるのは
「引き渡さなければ」と、

同条第五項
交付金の取扱い」とあるのは
「電話リレーサービス支援業務の引継ぎ」と

読み替えるものとする。