国土交通大臣は、航空機の航行に適する空中の通路を航空路として指定する。
航空法
第五章 航空路、空港等及び航空保安施設
前項の航空路の指定は、当該空域の位置 及び範囲を告示することによつて行う。
国土交通大臣以外の者は、空港等 又は政令で定める航空保安施設を設置しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
前項の許可の申請をしようとする者は、当該施設について、位置、構造等の設置の計画、管理の計画、工事完成の予定期日 その他国土交通省令で定める事項 及び空港等にあつては公共の用に供するかどうかの別を記載した申請書を提出しなければならない。
国土交通大臣は、空港等の設置の許可の申請があつたときは、空港等の位置 及び範囲、公共の用に供するかどうかの別、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面、供用開始の予定期日 その他国土交通省令で定める事項について、告示し、かつ、国土交通省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く。以下同じ。)により公衆の閲覧に供する措置を講ずるとともに、現地において掲示しなければならない。
第一項の許可には、条件 又は期限を付し、及びこれを変更することができる。
国土交通大臣は、前条第一項の許可の申請があつたときは、その申請が次の各号のいずれにも適合しているかどうかを審査しなければならない。
当該空港等 又は航空保安施設の位置、構造等の設置の計画が国土交通省令で定める基準(空港にあつては、当該基準 及び空港法第三条第一項に規定する基本方針(第三号において単に「基本方針」という。))に適合するものであること。
当該空港等 又は航空保安施設の設置によつて、他人の利益を著しく害することとならないものであること。
当該空港等 又は航空保安施設の管理の計画が第四十七条第二項に規定する機能確保基準(空港にあつては、当該機能確保基準 及び基本方針)に適合するものであること。
申請者が当該空港等 又は航空保安施設を設置し、及びこれを管理するに足りる能力を有すること。
空港等にあつては、申請者が、その敷地について所有権 その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。
国土交通大臣は、空港等の設置の許可に係る前項の審査を行う場合には、公聴会を開き、当該空港等の設置に関し利害関係を有する者に当該空港等の設置に関する意見を述べる機会を与えなければならない。
国土交通大臣は、空港について設置の許可をしたときは、当該空港の位置 及び範囲、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面 並びに供用開始の予定期日について、告示し、かつ、国土交通省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する措置を講ずるとともに、現地において掲示しなければならない。
供用開始後において、告示し 及び閲覧に供し 並びに掲示した事項について変更がある場合(第四十三条第一項に規定する事由による場合を除く。)も、同様とする。
第三十八条第一項の規定による空港等の設置の許可を受けた者(以下「空港等の設置者」という。)は、許可の申請書に記載した工事完成の予定期日までに工事を完成しなければならない。
前項の規定にかかわらず、空港等の設置者は、天災 その他やむを得ない事由により許可の申請書に記載した工事完成の予定期日までに工事を完成することができない場合においては、国土交通大臣の許可を受けて、同項の規定により工事を完成しなければならない期日を変更することができる。
ただし、空港以外の飛行場(以下「非公共用飛行場」という。)にあつては、同項の工事完成の予定期日から起算して国土交通省令で定める期間内の期日に変更するときは、許可を受けることを要しない。
前項ただし書の場合においては、当該非公共用飛行場の設置者は、その変更した期日を国土交通大臣に届け出なければならない。
空港等の設置者 又は第三十八条第一項の規定による航空保安施設の設置の許可を受けた者(以下「航空保安施設の設置者」という。)は、当該許可に係る施設の工事が完成したときは、遅滞なく、国土交通大臣の検査を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の検査の結果当該施設が申請書に記載した設置の計画に適合していると認めるときは、これを合格としなければならない。
空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者は、第一項の検査の合格があつたときは、遅滞なく、供用開始の期日を定めて、これを国土交通大臣に届け出なければならない。
空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者は、前項の規定により届け出た供用開始の期日以後でなければ、当該施設を供用してはならない。
空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者は、当該施設について国土交通省令で定める航空の安全のため特に重要な変更を加えようとするとき(空港等の標点の位置を変更しようとするときを含む。)は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
第三十八条第二項から第四項まで、第三十九条、第四十条 及び前条の規定は、前項の場合に準用する。
ただし、第三十八条第三項、第三十九条第二項 及び第四十条の規定については、空港等の範囲、進入表面、転移表面 又は水平表面に変更を生ずる場合に限り準用する。
空港について第三十八条第一項の規定による空港等の設置の許可を受けた者(以下「空港の設置者」という。)は、当該空港の供用を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の許可の申請があつたときは、当該空港の供用の休止 又は廃止によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除くほか、これを許可しなければならない。
第一項の供用の休止の許可には、期限を付すことができる。
第一項の規定による供用の休止の許可に係る空港の設置者は、当該空港の供用を再開しようとするときは、国土交通大臣の検査を受けなければならない。
第四十二条第二項から第四項までの規定は、前項の供用の再開の場合に準用する。
非公共用飛行場について第三十八条第一項の規定による空港等の設置の許可を受けた者 又は航空保安施設の設置者は、当該施設の供用を休止し、又は廃止しようとするときは、その七日前までに、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。
前条第四項 及び第五項の規定は、供用を休止した非公共用飛行場 又は航空保安施設の供用の再開の場合に準用する。
空港の設置者 又は航空保安施設(国土交通省令で定めるものを除く。)の設置者が第四十二条第三項の届出をした場合は、国土交通大臣は、当該施設の名称、位置、設備の概要 その他国土交通省令で定める事項を告示しなければならない。
告示した事項に変更があつたとき、又は当該施設の供用の休止、再開 若しくは廃止があつたときも、同様とする。
空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者は、国土交通省令で定める空港等 及び航空保安施設の機能の確保に関する基準に従つて当該施設を管理しなければならない。
前項の基準(以下「機能確保基準」という。)は、次に掲げる事項について定めるものとする。
第三十九条第一項第一号の規定への適合の確保に関する事項
施設の点検 その他の維持管理 及び改修に関する事項
施設の周辺における無人航空機の異常な飛行 その他の航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為の防止に関する事項
自然災害、航空事故、上空への無人航空機の侵入 その他の空港等の機能を損なうおそれのある事象が生じた場合における措置に関する事項
重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成二十八年法律第九号)第十一条第四項に規定する措置 並びに同条第五項において準用する同条第一項 及び第二項に規定する措置に関する事項
前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣が施設の機能の確保のために必要と認める事項
国土交通大臣は、第一項の空港等 又は航空保安施設が機能確保基準に従つて管理されることを確保するため、政令で定めるところにより当該施設について定期に検査をしなければならない。
空港の設置者は、空港機能管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
空港機能管理規程は、機能確保基準に従つて空港(空港における航空機の離陸 又は着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通省令で定める航空保安施設であつて、空港の設置者が設置するものを含む。以下この条、第五十五条の二第二項 及び第百四十八条第四号において同じ。)の機能を確保するために空港の設置者が遵守すべき次に掲げる事項に関し、国土交通省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
空港の機能を確保するための管理の方針に関する事項
国土交通大臣は、空港機能管理規程が前項の規定に適合していないと認めるときは、空港の設置者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
空港機能管理規程を定めた空港の設置者を構成員に含む空港法第十四条に規定する協議会(次項において単に「協議会」という。)は、同条に規定する事項のほか、空港における安全の確保に関し必要な事項について協議することができる。
前項の規定により協議会が同項に規定する事項について協議する場合には、
空港法第十四条第二項第二号中
「見込まれる者」とあるのは、
「見込まれる者 及び当該空港の安全を確保するために必要な者」と
する。
国土交通大臣は、次に掲げる場合には、空港等 若しくは航空保安施設の設置の許可を取り消し、又は期間を定めて、空港等の全部 若しくは一部の供用の停止を命ずることができる。
ただし、第二号から第五号までの場合について設置の許可を取り消すことができる場合は、国土交通大臣が空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者に対し、相当の期間を定めて、当該施設を申請書に記載した計画 若しくは第三十九条第一項第一号の基準に適合させるための措置をとるべきこと 又は当該施設を機能確保基準に従つて管理すべきことを命じ、その期間内に空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者が、その命令に従わなかつた場合に限る。
正当な理由がないのに第四十一条第一項の規定により工事を完成しなければならない期日(同条第二項の規定により期日を変更したときは、その期日)までに工事を完成しないとき。
第四十二条第一項(第四十三条第二項において準用する場合を含む。)の検査の結果、当該施設が申請書に記載した設置 又は変更の計画に適合していないと認めるとき。
第四十四条第五項 又は第四十五条第二項において準用する第四十二条第一項の検査の結果、当該施設がこれらの申請に係る申請書に記載した計画に適合していないと認めるとき。
空港等 又は航空保安施設の管理が機能確保基準に従つて行われていないと認めるとき。
空港等の位置、構造等が第三十九条第一項第一号の基準に適合しなくなつたとき。
許可に付した条件に違反したとき。
何人も、空港について第四十条(第四十三条第二項において準用する場合を含む。)の告示があつた後においては、その告示で示された進入表面、転移表面 又は水平表面(これらの投影面が一致する部分については、これらのうち最も低い表面とする。)の上に出る高さの建造物(その告示の際 現に建造中である建造物の当該建造工事に係る部分を除く。)、植物 その他の物件を設置し、植栽し、又は留置してはならない。
ただし、仮設物 その他の国土交通省令で定める物件(進入表面 又は転移表面に係るものを除く。)で空港の設置者の承認を受けて設置し 又は留置するもの及び供用開始の予定期日前に除去される物件については、この限りでない。
空港の設置者は、前項の規定に違反して、設置し、植栽し、又は留置した物件(成長して進入表面、転移表面 又は水平表面の上に出るに至つた植物を含む。)の所有者 その他の権原を有する者に対し、当該物件を除去すべきことを求めることができる。
空港の設置者は、第一項の告示の際 現に存する物件で進入表面、転移表面 又は水平表面の上に出るもの(同項の告示の際現に存する植物で成長して進入表面、転移表面 又は水平表面の上に出るに至つたもの 及び同項の告示の際 現に建造中であつた建造物で当該建造工事によりこれらの表面の上に出るに至つたものを含む。)の所有者 その他の権原を有する者に対し、政令で定めるところにより通常生ずべき損失を補償して、当該物件の進入表面、転移表面 又は水平表面の上に出る部分を除去すべきことを求めることができる。
前項の物件 又はこれが存する土地の所有者は、同項の物件の除去によつて、その物件 又は土地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、政令で定めるところにより空港の設置者に対し、その物件 又は土地の買収を求めることができる。
第三項の補償すべき損失の額 並びに前項の買収 及びその価格等の条件は、当事者間の協議により定める。協議が調わないとき、又は協議することができないときは、国土交通大臣が裁定する。
前項の裁定中補償すべき損失の額 及び買収の価格について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から六箇月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
前項の訴えにおいては、空港の設置者 又は物件 若しくは土地の所有者 その他の権原を有する者を被告とする。
第五項の裁定についての審査請求においては、買収の価格についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
空港の設置者は、当該空港の設置 又は第四十三条第一項の施設の変更によつて、進入表面、転移表面 又は水平表面の投影面と一致する土地(進入表面、転移表面 又は水平表面からの距離が十メートル未満のものに限る。)について前条第一項の規定による用益の制限により通常生ずべき損失を、当該土地の所有者 その他の権原を有する者に対し、政令で定めるところにより補償しなければならない。
前項の土地の所有者は、前条第一項の規定による用益の制限によつて当該土地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、同条第四項の場合を除き、政令で定めるところにより空港の設置者に対し、その土地の買収を求めることができる。
前条第五項から第八項までの規定は、前二項の場合に準用する。
地表 又は水面から六十メートル以上の高さの物件の設置者は、国土交通省令で定めるところにより、当該物件に航空障害灯を設置しなければならない。
但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
空港等の設置者は、国土交通省令で定めるところにより、当該空港等の進入表面、転移表面 又は水平表面の投影面と一致する区域内にある物件(前項の規定により航空障害灯を設置すべき物件を除く。)で国土交通省令で定めるものに航空障害灯を設置しなければならない。
国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、前二項の規定により航空障害灯を設置すべき物件以外の物件で、航空機の航行の安全を著しく害するおそれがあるものに航空障害灯を設置しなければならない。
国土交通大臣 及び第一項 又は第二項の規定により航空障害灯を設置した者は、国土交通省令で定める方法に従い、当該航空障害灯を管理しなければならない。
国土交通大臣は、第一項 又は第二項の規定により航空障害灯を設置した者の当該航空障害灯の管理の方法が前項の国土交通省令に従つていないと認めるときは、その者に対し、設備の改善 その他その是正のため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
昼間において航空機からの視認が困難であると認められる煙突、鉄塔 その他の国土交通省令で定める物件で地表 又は水面から六十メートル以上の高さのものの設置者は、国土交通省令で定めるところにより、当該物件に昼間障害標識を設置しなければならない。
国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、前項の規定により昼間障害標識を設置すべき物件以外の物件で、航空機の航行の安全を著しく害するおそれがあるものに昼間障害標識を設置しなければならない。
前条第四項から第六項までの規定は、昼間障害標識について準用する。
何人も、航空灯火の明りような認識を妨げ、又は航空灯火と誤認されるおそれがある灯火(以下「類似灯火」という。)を設置してはならない。
国土交通大臣は、類似灯火の設置者に対し、期限を定めて当該灯火のしやへいその他航空灯火の認識を妨げず、又は航空灯火と誤認されないようにするための措置をとるべきことを命ずることができる。
前項の場合において、類似灯火が航空灯火の設置の時において設置されている場合には、同項の措置に要する費用は、当該航空灯火の設置者が負担する。
何人も、滑走路、誘導路 その他国土交通省令で定める空港等の重要な設備 又は航空保安施設を損傷し、その他これらの機能を損なうおそれのある行為をしてはならない。
何人も、空港等内で、航空機に向かつて物を投げ、その他航空の危険を生じさせるおそれのある行為で国土交通省令で定めるものを行つてはならない。
何人も、みだりに着陸帯、誘導路、エプロン 又は格納庫に立ち入つてはならない。
航空保安施設の設置者は、航空保安施設について使用料金を定めようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
国土交通大臣は、前項の使用料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該航空保安施設の設置者に対し、期限を定めてその使用料金を変更すべきことを命ずることができる。
特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、利用者が当該航空保安施設を利用することを著しく困難にするおそれがあるものであるとき。
この法律に基づく空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者の地位は、第三項の場合を除き、これを承継しようとする者が国土交通大臣の許可を受けなければ、承継しない。
第三十九条第一項第四号の規定は、前項の許可をする場合に準用する。
空港等の設置者 又は航空保安施設の設置者が死亡した場合においては、その相続人(相続人が二人以上ある場合においては、その協議により定めた設置者の地位を承継すべき一人の相続人)は、被相続人のこの法律の規定による地位を承継する。
前項の相続人は、被相続人のこの法律の規定による地位を承継したときは、遅滞なく その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、空港等 又は航空保安施設を設置し、又はその施設に変更を加える場合には、第三十九条第一項第一号、第二号 及び第五号の基準に従つてこれをしなければならない。
国土交通大臣は、その設置する空港について、第四十七条の二第一項の空港機能管理規程を定めなければならない。
この場合において、
同条第二項中
「空港の設置者」とあるのは、
「空港の設置者 又は国土交通大臣」と
する。
第三十八条第三項、第三十九条第二項、第四十条、第四十六条、第四十七条第一項、第四十七条の三、第四十九条、第五十条、第五十一条第二項、第四項 及び第五項 並びに第百三十一条の二の五の規定は、国土交通大臣が空港等 又は航空保安施設を設置し、又はその施設に変更を加える場合に準用する。
ただし、第三十九条第二項については、国土交通大臣が空港等を設置する場合において、当該空港等の敷地が従前、適法に航空機の離陸 又は着陸の用に供せられており、かつ、当該空港等の進入表面、転移表面 又は水平表面の上に出る高さの建造物、植物 その他の物件がないときは、準用しない。
国土交通大臣は、空港法第四条第一項第一号から第五号までに掲げる空港 並びに同項第六号に掲げる空港 及び同法第五条第一項に規定する地方管理空港のうち政令で定める空港について、延長進入表面、円錐表面 又は外側水平表面を指定することができる。
延長進入表面は、進入表面を含む平面のうち、進入表面の外側底辺、進入表面の斜辺の外側上方への延長線 及び当該底辺に平行な直線でその進入表面の内側底辺からの水平距離が一万五千メートルであるものにより囲まれる部分とする。
円錐表面は、水平表面の外縁に接続し、且つ、空港の標点を含む鉛直面との交線が水平面に対し外側上方へ五十分の一以上で国土交通省令で定める勾配を有する円錐面であつて、その投影面が当該標点を中心として一万六千五百メートル以下で国土交通省令で定める長さの半径で水平に描いた円周で囲まれるもののうち、航空機の離陸 及び着陸の安全を確保するために必要な部分とする。
外側水平表面は、前項の円錐面の上縁を含む水平面であつて、その投影面が空港の標点を中心として二万四千メートル以下で国土交通省令で定める長さの半径で水平に描いた円周で囲まれるもの(投影面が水平表面 又は円錐表面の投影面と一致する部分を除く。)のうち、航空機の離陸 及び着陸の安全を確保するために必要な部分とする。
国土交通大臣は、前条第一項の指定をし 又は指定をした事項に変更を加える場合には、空港の附近の土地の所有者 その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮しなければならない。
第三十八条第三項、第三十九条第二項 及び第四十条の規定は、前条第一項の指定をし 又は指定をした事項に変更を加える場合に準用する。
何人も、第五十六条第一項に規定する空港について前条第二項において準用する第四十条の告示があつた後においては、その告示で示された延長進入表面、円錐表面 又は外側水平表面(これらの投影面が一致する部分については、これらのうち最も低い表面とする。)の上に出る高さの建造物(その告示の際 現に建造中である建造物の当該建造工事に係る部分を除く。)、植物 その他の物件を設置し、植栽し、又は留置してはならない。
第四十九条第一項ただし書の規定は、円錐表面 及び外側水平表面について準用する。
第四十九条第二項の規定は第一項の規定に違反する物件について、同条第三項から第八項までの規定は第一項の告示の際現に存する物件で延長進入表面、円錐表面 又は外側水平表面の上に出るものについて準用する。
国土交通大臣は、公衆の利便を増進するため必要があると認めるときは、自衛隊の設置する飛行場について、その着陸帯 その他の施設を公共の用に供すべき施設として指定することができる。
前項の指定は、当該施設の名称、位置、設備の概要 その他国土交通省令で定める事項を告示することによつて行う。
国土交通大臣は、第一項の指定に係る施設について前項の告示をした事項に変更があつたときは、遅滞なく、変更に係る事項を告示しなければならない。
国土交通大臣は、第一項の指定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。
国土交通大臣は、第一項の指定をしようとするとき、又は前項の指定の取消しをしようとするときは、防衛大臣と協議しなければならない。
防衛大臣は、第一項の指定があつたときは、当該施設を公共の用に供しなければならない。
ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
防衛大臣は、第一項の指定に係る施設の使用の条件について、特定の使用者に対し、不当な差別的取扱いをしてはならない。
空港に関しては、この章に定めるもののほか、空港法の定めるところによる。