機構は、第四十九条第一項第一号の調整金 及び同項第二号から第七号の二までの助成金の支給に要する費用、同項第八号 及び第九号の業務の実施に要する費用 並びに同項各号に掲げる業務に係る事務の処理に要する費用に充てるため、この款に定めるところにより、事業主から、毎年度、障害者雇用納付金(以下「納付金」という。)を徴収する。
障害者の雇用の促進等に関する法律
第二款 障害者雇用納付金の徴収
事業主が納付すべき納付金の額は、各年度につき、調整基礎額に、当該年度に属する各月ごとにその初日におけるその雇用する労働者の数に基準雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の合計数を乗じて得た額とする。
前項の調整基礎額は、事業主がその雇用する労働者の数に基準雇用率を乗じて得た数に達するまでの数の対象障害者である者を雇用するものとした場合に当該対象障害者である者一人につき通常必要とされる一月当たりの特別費用(対象障害者である者を雇用する場合に必要な施設 又は設備の設置 又は整備 その他の対象障害者である者の適正な雇用管理に必要な措置に通常要する費用 その他対象障害者である者を雇用するために特別に必要とされる費用をいう。)の額の平均額を基準として、政令で定める金額とする。
前二項の基準雇用率は、労働者の総数に対する対象障害者である労働者の総数の割合を基準として設定するものとし、少なくとも五年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。
第四十三条第八項の規定は、第一項 及び第二項の雇用する労働者の数 並びに前項の労働者の総数の算定について準用する。
第四十五条の二第四項から第六項までの規定は第三項の対象障害者である労働者の総数の算定について、第四十八条第八項の規定は親事業主、関係親事業主 又は特定組合等に係る第一項の規定の適用について準用する。
前条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において対象障害者である労働者を雇用しており、かつ、同条第二項に規定する調整基礎額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する対象障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額が同条第一項の規定により算定した額に達しないときは、当該事業主が納付すべき納付金の額は、同項の規定にかかわらず、その差額(第七十四条の二第四項 及び第五項において「算定額」という。)に相当する金額とする。
前条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において対象障害者である労働者を雇用しており、かつ、同条第二項に規定する調整基礎額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する対象障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額が同条第一項の規定により算定した額以上であるときは、当該事業主については、同項の規定にかかわらず、納付金は、徴収しない。
第四十五条の二第四項から第六項までの規定は前二項の対象障害者である労働者の数の算定について、第四十八条第八項の規定は親事業主、関係親事業主 又は特定組合等に係る前二項の規定の適用について準用する。
事業主は、各年度ごとに、当該年度に係る納付金の額 その他の厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を翌年度の初日(当該年度の中途に事業を廃止した事業主にあつては、当該事業を廃止した日)から四十五日以内に機構に提出しなければならない。
事業主は、前項の申告に係る額の納付金を、同項の申告書の提出期限までに納付しなければならない。
第一項の申告書には、当該年度に属する各月ごとの初日における各事業所ごとの労働者の数 及び対象障害者である労働者の数 その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
機構は、事業主が第一項の申告書の提出期限までに同項の申告書を提出しないとき、又は同項の申告書の記載に誤りがあると認めたときは、納付金の額を決定し、事業主に納入の告知をする。
前項の規定による納入の告知を受けた事業主は、第一項の申告書を提出していないとき(納付すべき納付金の額がない旨の記載をした申告書を提出しているときを含む。)は前項の規定により機構が決定した額の納付金の全額を、第一項の申告に係る納付金の額が前項の規定により機構が決定した納付金の額に足りないときはその不足額を、その通知を受けた日から十五日以内に機構に納付しなければならない。
事業主が納付した納付金の額が、第四項の規定により機構が決定した納付金の額を超える場合には、機構は、その超える額について、未納の納付金 その他この款の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の納付金 その他この款の規定による徴収金がないときはこれを還付しなければならない。
第四十八条第八項の規定は、親事業主、関係親事業主 又は特定組合等に係る第一項、第三項 及び第四項の規定の適用について準用する。
この場合において、
同条第八項中
「とみなす」とあるのは、
「と、当該子会社 及び当該関係会社の事業所は当該親事業主の事業所と、当該関係子会社の事業所は当該関係親事業主の事業所と、当該特定事業主の事業所は当該特定組合等の事業所とみなす」と
読み替えるものとする。
機構は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、当該事業主の納付すべき納付金を延納させることができる。
機構は、事業主が第五十六条第五項の規定による納付金の全額 又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。
ただし、事業主が天災 その他やむを得ない理由により、同項の規定による納付金の全額 又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。
前項の規定にかかわらず、同項に規定する納付金の全額 又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金は、徴収しない。
機構は、第一項の規定により追徴金を徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき追徴金の額を通知しなければならない。
納付金 その他この款の規定による徴収金を納付しない者があるときは、機構は、期限を指定して督促しなければならない。
前項の規定により督促するときは、機構は、納付義務者に対して督促状を発する。
この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに納付金 その他この款の規定による徴収金を完納しないときは、機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、国税滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
前条第一項の規定により納付金の納付を督促したときは、機構は、その督促に係る納付金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその完納 又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。
ただし、督促に係る納付金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
前項の場合において、納付金の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる納付金の額は、その納付のあつた納付金の額を控除した額とする。
延滞金の計算において、前二項の納付金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。
ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
納付義務者の住所 又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
延滞金の額が百円未満であるとき。
納付金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
納付金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
納付金 その他この款の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
納付金 その他この款の規定による徴収金は、この款に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
納付金 その他この款の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
機構が行う納付金 その他この款の規定による徴収金の納入の告知 又は第五十九条第一項の規定による督促は、時効の更新の効力を生ずる。
機構が徴収した納付金 その他この款の規定による徴収金は、機構の収入とする。
納付金 その他この款の規定による徴収金の賦課 又は徴収の処分について不服がある者は、厚生労働大臣に対して審査請求をすることができる。
この場合において、厚生労働大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項 及び第三項、第四十六条第一項 並びに第四十七条の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
納付金 その他この款の規定による徴収金の賦課 又は徴収の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
この款に定めるもののほか、法人である事業主が合併した場合 又は個人である事業主について相続があつた場合における納付金の額の算定の特例 その他この款に定める納付金 その他の徴収金に関し必要な事項は、政令で定める。