文部科学大臣は、有形の民俗文化財のうち特に重要なものを重要有形民俗文化財に、無形の民俗文化財のうち特に重要なものを重要無形民俗文化財に指定することができる。
文化財保護法
第五章 民俗文化財
前項の規定による重要有形民俗文化財の指定には、第二十八条第一項から第四項までの規定を準用する。
第一項の規定による重要無形民俗文化財の指定は、その旨を官報に告示してする。
重要有形民俗文化財 又は重要無形民俗文化財が重要有形民俗文化財 又は重要無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、文部科学大臣は、重要有形民俗文化財 又は重要無形民俗文化財の指定を解除することができる。
前項の規定による重要有形民俗文化財の指定の解除には、第二十九条第二項から第四項までの規定を準用する。
第一項の規定による重要無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を官報に告示してする。
重要有形民俗文化財の管理には、第三十条から第三十四条までの規定を準用する。
重要有形民俗文化財に関し その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、現状を変更し、又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の二十日前までに、文部科学省令の定めるところにより、文化庁長官にその旨を届け出なければならない。
ただし、文部科学省令の定める場合は、この限りでない。
重要有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、文化庁長官は、前項の届出に係る重要有形民俗文化財の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な事項を指示することができる。
重要有形民俗文化財を輸出しようとする者は、文化庁長官の許可を受けなければならない。
重要有形民俗文化財の保護には、第三十四条の二から第三十六条まで、第三十七条第二項から第四項まで、第四十二条、第四十六条 及び第四十七条の規定を準用する。
重要有形民俗文化財の所有者 及び管理団体(第八十条において準用する第三十二条の二第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人をいう。以下この章(第九十条の二第一項を除く。)及び第百八十七条第一項第二号において同じ。)以外の者がその主催する展覧会 その他の催しにおいて重要有形民俗文化財を公衆の観覧に供しようとするときは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、観覧に供しようとする最初の日の三十日前までに、文化庁長官に届け出なければならない。
ただし、文化庁長官以外の国の機関 若しくは地方公共団体があらかじめ文化庁長官から事前の届出の免除を受けた博物館 その他の施設(以下この項において「公開事前届出免除施設」という。)において展覧会 その他の催しを主催する場合 又は公開事前届出免除施設の設置者が当該公開事前届出免除施設においてこれらを主催する場合には、重要有形民俗文化財を公衆の観覧に供した期間の最終日の翌日から起算して二十日以内に、文化庁長官に届け出ることをもつて足りる。
前項本文の届出に係る公開には、第五十一条第四項 及び第五項の規定を準用する。
重要有形民俗文化財の公開には、第四十七条の二から第五十二条までの規定を準用する。
重要有形民俗文化財の所有者(管理団体がある場合は、その者)は、文部科学省令で定めるところにより、重要有形民俗文化財の保存 及び活用に関する計画(以下「重要有形民俗文化財保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
重要有形民俗文化財保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該重要有形民俗文化財の名称 及び所在の場所
当該重要有形民俗文化財の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
その他文部科学省令で定める事項
前項第二号に掲げる事項には、当該重要有形民俗文化財の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為に関する事項を記載することができる。
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その重要有形民俗文化財保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該重要有形民俗文化財保存活用計画の実施が当該重要有形民俗文化財の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱 又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
当該重要有形民俗文化財保存活用計画に前項に規定する事項が記載されている場合には、その内容が重要有形民俗文化財の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為を適切に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
前条第三項に規定する事項が記載された重要有形民俗文化財保存活用計画が同条第四項の認定(次条において準用する第五十三条の三第一項の変更の認定を含む。第百五十三条第二項第十三号において同じ。)を受けた場合において、当該重要有形民俗文化財の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第八十一条第一項の規定による届出を行わなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為が終了した後 遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文化庁長官に届け出ることをもつて足りる。
重要有形民俗文化財保存活用計画については、第五十三条の三 及び第五十三条の六から第五十三条の八までの規定を準用する。
この場合において、
第五十三条の三第一項中
「前条第四項」とあるのは
「第八十五条の二第四項」と、
同条第二項中
「前条第四項 及び第五項」とあるのは
「第八十五条の二第四項 及び第五項」と、
第五十三条の六中
「第五十三条の二第四項」とあるのは
「第八十五条の二第四項」と、
第五十三条の七第一項中
「第五十三条の二第四項各号」とあるのは
「第八十五条の二第四項各号」と
読み替えるものとする。
重要有形民俗文化財の保存のための調査には、第五十四条の規定を、重要有形民俗文化財の所有者が変更し、又は重要有形民俗文化財の管理団体が指定され、若しくはその指定が解除された場合には、第五十六条の規定を準用する。
文化庁長官は、重要無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、重要無形民俗文化財について自ら記録の作成 その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、国は、地方公共団体 その他その保存に当たることが適当と認められる者(第八十九条 及び第八十九条の二第一項において「保存地方公共団体等」という。)に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。
前項の規定により補助金を交付する場合には、第三十五条第二項 及び第三項の規定を準用する。
文化庁長官は、重要無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
重要無形民俗文化財の記録の所有者がその記録を公開する場合には、第七十五条第三項の規定を準用する。
文化庁長官は、保存地方公共団体等に対し、その保存のため必要な助言 又は勧告をすることができる。
保存地方公共団体等は、文部科学省令で定めるところにより、重要無形民俗文化財の保存 及び活用に関する計画(以下この章 及び第百五十三条第二項第十四号において「重要無形民俗文化財保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
重要無形民俗文化財保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該重要無形民俗文化財の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
その他文部科学省令で定める事項
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その重要無形民俗文化財保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該重要無形民俗文化財保存活用計画の実施が当該重要無形民俗文化財の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると 見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱 又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
重要無形民俗文化財保存活用計画については、第七十六条の三から第七十六条の六までの規定を準用する。
この場合において、
第七十六条の三第一項中
「前条第三項」とあるのは
「第八十九条の二第三項」と、
同条第二項中
「前条第三項 及び第四項」とあるのは
「第八十九条の二第三項 及び第四項」と、
第七十六条の四中
「第七十六条の二第三項」とあるのは
「第八十九条の二第三項」と、
「次条 及び第百五十三条第二項第八号」とあるのは
「次条」と、
第七十六条の五第一項中
「第七十六条の二第三項各号」とあるのは
「第八十九条の二第三項各号」と
読み替えるものとする。
文部科学大臣は、重要有形民俗文化財以外の有形の民俗文化財(第百八十二条第二項に規定する指定を地方公共団体が行つているものを除く。)のうち、その文化財としての価値にかんがみ保存 及び活用のための措置が特に必要とされるものを文化財登録原簿に登録することができる。
前項の規定による登録には、第五十七条第二項 及び第三項の規定を準用する。
前二項の規定により登録された有形の民俗文化財(以下「登録有形民俗文化財」という。)については、第三章第二節(第五十七条 及び第六十七条の二から第六十七条の七までの規定を除く。)の規定を準用する。
この場合において、
第六十四条第一項 及び第六十五条第一項中
「三十日前」とあるのは
「二十日前」と、
第六十四条第一項ただし書中
「維持の措置 若しくは非常災害のために必要な応急措置 又は他の法令の規定による現状変更を内容とする命令に基づく措置を執る場合」とあるのは
「文部科学省令で定める場合」と
読み替えるものとする。
登録有形民俗文化財の所有者(管理団体(前条第三項において準用する第六十条第三項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人をいう。)がある場合は、その者)は、文部科学省令で定めるところにより、登録有形民俗文化財の保存 及び活用に関する計画(以下「登録有形民俗文化財保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
登録有形民俗文化財保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該登録有形民俗文化財の名称 及び所在の場所
当該登録有形民俗文化財の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
その他文部科学省令で定める事項
前項第二号に掲げる事項には、当該登録有形民俗文化財の現状変更に関する事項を記載することができる。
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その登録有形民俗文化財保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該登録有形民俗文化財保存活用計画の実施が当該登録有形民俗文化財の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱 又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
当該登録有形民俗文化財保存活用計画に前項に規定する事項が記載されている場合には、登録有形民俗文化財の現状変更を適切に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
前条第三項に規定する事項が記載された登録有形民俗文化財保存活用計画が同条第四項の認定(次条において準用する第六十七条の三第一項の変更の認定を含む。第百五十三条第二項第十五号において同じ。)を受けた場合において、当該登録有形民俗文化財の現状変更をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第九十条第三項において準用する第六十四条第一項の規定による届出を行わなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該現状変更が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文化庁長官に届け出ることをもつて足りる。
登録有形民俗文化財保存活用計画については、第六十七条の三 及び第六十七条の五から第六十七条の七までの規定を準用する。
この場合において、
第六十七条の三第一項中
「前条第四項」とあるのは
「第九十条の二第四項」と、
同条第二項中
「前条第四項 及び第五項」とあるのは
「第九十条の二第四項 及び第五項」と、
第六十七条の五中
「第六十七条の二第四項」とあるのは
「第九十条の二第四項」と、
第六十七条の六第一項中
「第六十七条の二第四項各号」とあるのは
「第九十条の二第四項各号」と
読み替えるものとする。
文部科学大臣は、重要無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財(第百八十二条第二項に規定する指定を地方公共団体が行つているものを除く。)のうち、その文化財としての価値に鑑み保存 及び活用のための措置が特に必要とされるものを文化財登録原簿に登録することができる。
前項の規定による登録には、第五十七条第二項 及び第三項 並びに第七十八条第三項の規定を準用する。
文部科学大臣は、前条第一項の規定により登録された無形の民俗文化財(以下「登録無形民俗文化財」という。)について、第七十八条第一項の規定により重要無形民俗文化財に指定したときは、その登録を抹消するものとする。
文部科学大臣は、登録無形民俗文化財について、第百八十二条第二項に規定する指定を地方公共団体が行つたときは、その登録を抹消するものとする。
ただし、当該登録無形民俗文化財について、その保存 及び活用のための措置を講ずる必要がある場合は、この限りでない。
文部科学大臣は、登録無形民俗文化財についてその保存 及び活用のための措置を講ずる必要がなくなつた場合 その他特殊の事由があるときは、その登録を抹消することができる。
前三項の規定による登録の抹消は、その旨を官報に告示してする。
文化庁長官は、登録無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、登録無形民俗文化財について自ら記録の作成 その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、国は、地方公共団体 その他その保存に当たることが適当と認められる者(第九十条の九 及び第九十条の十第一項において「保存地方公共団体等」という。)に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。
前項の規定により補助金を交付する場合には、第三十五条第二項 及び第三項の規定を準用する。
文化庁長官は、登録無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開に関して必要な指導 又は助言をすることができる。
登録無形民俗文化財の記録の所有者がその記録を公開する場合には、第七十五条第三項の規定を準用する。
文化庁長官は、保存地方公共団体等に対し、その保存のため必要な指導 又は助言をすることができる。
保存地方公共団体等は、文部科学省令で定めるところにより、登録無形民俗文化財の保存 及び活用に関する計画(以下この章 及び第百五十三条第二項第十六号において「登録無形民俗文化財保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
登録無形民俗文化財保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該登録無形民俗文化財の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その登録無形民俗文化財保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該登録無形民俗文化財保存活用計画の実施が当該登録無形民俗文化財の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
登録無形民俗文化財保存活用計画については、第七十六条の十四から第七十六条の十七までの規定を準用する。
この場合において、
第七十六条の十四第一項中
「前条第三項」とあるのは
「第九十条の十第三項」と、
同条第二項中
「前条第三項 及び第四項」とあるのは
「第九十条の十第三項 及び第四項」と、
第七十六条の十五中
「第七十六条の十三第三項」とあるのは
「第九十条の十第三項」と、
「次条 及び第百五十三条第二項第九号」とあるのは
「次条」と、
第七十六条の十六第一項中
「第七十六条の十三第三項各号」とあるのは
「第九十条の十第三項各号」と
読み替えるものとする。
重要無形民俗文化財 及び登録無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財には、第七十七条の規定を準用する。