温泉法

# 昭和二十三年法律第百二十五号 #

第四章 温泉の利用

分類 法律
カテゴリ   環境保全
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 08月13日 13時33分


1項

温泉を公共の浴用 又は飲用に供しようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請してその許可を受けなければならない。

2項

次の各号いずれかに該当する者は、前項許可を受けることができない

一 号

この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

二 号

第三十一条第一項第三号 及び第四号に係る部分に限る)の規定により前項の許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

法人であつて、その役員のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

3項

都道府県知事は、温泉の成分が衛生上有害であると認めるときは、第一項の許可をしないことができる。

4項

第四条第二項 及び第三項の規定は、第一項の許可について準用する。


この場合において、

同条第三項
温泉の保護、可燃性天然ガスによる災害の防止 その他公益上」とあるのは、
「公衆衛生上」と

読み替えるものとする。

1項

前条第一項の許可を受けた者である法人の合併の場合(同項の許可を受けた者である法人と同項の許可を受けた者でない法人が合併する場合において、同項の許可を受けた者である法人が存続する場合を除く)又は分割の場合(当該許可に係る温泉を公共の浴用 又は飲用に供する事業の全部を承継させる場合に限る)において当該合併 又は分割について都道府県知事の承認を受けたときは、合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 又は分割により当該事業の全部を承継した法人は、同項の許可を受けた者の地位を承継する。

2項

第四条第二項 及び前条第二項の規定は、前項の承認について準用する。


この場合において、

同条第二項
次の各号のいずれかに該当する者」とあるのは、
「合併後存続する法人 若しくは合併により設立される法人 又は分割により温泉を公共の浴用 又は飲用に供する事業の全部を承継する法人が次の各号いずれかに該当する場合」と

読み替えるものとする。

1項

第十五条第一項の許可を受けた者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該許可に係る温泉を公共の浴用 又は飲用に供する事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)が当該許可に係る温泉を公共の浴用 又は飲用に供する事業を引き続き行おうとするときは、その相続人は、被相続人の死亡後六十日以内に都道府県知事に申請して、その承認を受けなければならない。

2項

相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日 又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした第十五条第一項の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。

3項

第四条第二項 及び第十五条第二項第三号に係る部分を除く)の規定は、第一項の承認について準用する。

4項

第一項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る第十五条第一項の許可を受けた者の地位を承継する。

1項

温泉を公共の浴用 又は飲用に供する者は、施設内の見やすい場所に、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を掲示しなければならない。

一 号
温泉の成分
二 号
禁忌症
三 号
入浴 又は飲用上の注意
四 号

前三号に掲げるもののほか、入浴 又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるもの

2項

前項の規定による掲示は、次条第一項の登録を受けた者(以下「登録分析機関」という。)の行う温泉成分分析(当該掲示のために行う温泉の成分についての分析 及び検査をいう。以下同じ。)の結果に基づいてしなければならない。

3項

温泉を公共の浴用 又は飲用に供する者は、政令で定める期間ごとに前項の温泉成分分析を受け、その結果についての通知を受けた日から起算して三十日以内に、当該結果に基づき、第一項の規定による掲示の内容を変更しなければならない。

4項

温泉を公共の浴用 又は飲用に供する者は、第一項の規定による掲示をし、又はその内容を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより、あらかじめ、その内容を都道府県知事に届け出なければならない。

5項

都道府県知事は、第一項の施設において入浴する者 又は同項の温泉を飲料として摂取する者の健康を保護するために必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る掲示の内容を変更すべきことを命ずることができる。

1項

温泉成分分析を行おうとする者は、その温泉成分分析を行う施設(以下「分析施設」という。)について、当該分析施設の所在地の属する都道府県の知事の登録を受けなければならない。

2項

前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

一 号
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 号
分析施設の名称 及び所在地
三 号
温泉成分分析に使用する器具、機械 又は装置の名称 及び性能
四 号
その他環境省令で定める事項
3項

都道府県知事は、第一項の登録の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときは、前項第一号 及び第二号に掲げる事項 並びに登録の年月日 及び登録番号を登録分析機関登録簿に登録しなければならない。

一 号

前項第三号に掲げる事項が、温泉成分分析を適正に実施するに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。

二 号
当該申請をした者が、温泉成分分析を適正かつ確実に実施するのに十分な経理的基礎を有するものであること。
4項

次の各号いずれかに該当する者は、第一項登録を受けることができない

一 号

この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

二 号

第二十五条第三号に係る部分を除く)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

法人であつて、その役員のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

5項

都道府県知事は、第一項の登録をしたときはその旨を、当該登録を拒否したときはその旨 及び その理由を、遅滞なく、申請者に書面により通知しなければならない。

1項

登録分析機関は、前条第二項各号に掲げる事項に変更(環境省令で定める軽微なものを除く)があつたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

登録分析機関は、温泉成分分析の業務を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

2項

前項の規定による届出があつたときは、当該登録分析機関の登録は、その効力を失う。

1項

都道府県知事は、前条第二項の規定により登録がその効力を失つたとき、又は第二十五条の規定により登録を取り消したときは、当該登録分析機関の登録を抹消しなければならない。

1項

都道府県知事は、登録分析機関登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

1項

登録分析機関は、環境省令で定めるところにより、その事務所 及び分析施設ごとに、公衆の見やすい場所に、環境省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。

1項

都道府県知事は、登録分析機関が次の各号いずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。

一 号

第十九条第一項 及び第二項第二十条第二十一条第一項前条次条 並びに第二十七条の規定 並びにこれらの規定に基づく命令の規定に違反したとき。

二 号

第十九条第三項各号に掲げる要件に適合しなくなつたとき。

三 号

第十九条第四項第一号 又は第三号いずれかに該当するに至つたとき。

四 号

不正の手段により第十九条第一項の登録を受けたとき。

1項

第十九条から前条までに定めるもののほか、登録の手続、登録分析機関登録簿の様式 その他登録分析機関の登録に関し必要な事項は、環境省令で定める。

1項
登録分析機関は、温泉成分分析の求めがあつた場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
1項
都道府県知事は、温泉成分分析の適正な実施を確保するために必要な限度において、温泉成分分析を行う者に対し、その温泉成分分析に関し必要な報告を求め、又はその職員に、その者の事務所 若しくは分析施設に立ち入り、温泉成分分析に使用する器具、機械 若しくは装置、帳簿、書類 その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。
2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

環境大臣は、温泉の公共的利用増進のため、温泉利用施設(温泉を公共の浴用 又は飲用に供する施設、温泉を工業用に利用する施設 その他温泉を利用する施設をいう。以下同じ。)の整備 及び環境の改善に必要な地域を指定することができる。

1項

環境大臣 又は都道府県知事は、前条の規定により指定する地域内において、温泉の公共的利用増進のため特に必要があると認めるときは、環境省令で定めるところにより、温泉利用施設の管理者に対して、温泉利用施設 又はその管理方法の改善に関し必要な指示をすることができる。

1項

都道府県知事は、次に掲げる場合には、第十五条第一項の許可を取り消すことができる。

一 号
公衆衛生上必要があると認めるとき。
二 号

第十五条第一項の許可を受けた者が同条第二項第一号 又は第三号いずれかに該当するに至つたとき。

三 号

第十五条第一項の許可を受けた者がこの法律の規定 又はこの法律の規定に基づく命令 若しくは処分に違反したとき。

四 号

第十五条第一項の許可を受けた者が同条第四項において準用する第四条第三項の規定により付された許可の条件に違反したとき。

2項

都道府県知事は、前項第一号第三号 又は第四号に掲げる場合には、温泉源から温泉を採取する者 又は温泉利用施設の管理者に対して、温泉の利用の制限 又は危害予防の措置を講ずべきことを命ずることができる。