義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律
この法律において「義務教育諸学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程 並びに特別支援学校の小学部 及び中学部をいう。
この法律において「建物」とは、校舎、屋内運動場 及び寄宿舎をいう。
この法律において「学級数」とは、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)に規定する学級編制の標準により算定した学級の数をいう。
ただし、第五条第一項の規定により、同項の政令で定める事情があるため、校舎 又は屋内運動場の不足を生ずるおそれがある場合における校舎 又は屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費の算定を行うとき、及び同条第二項の規定により、同項第一号に掲げる場合における校舎 又は屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費の算定を行うとき、並びに第五条の三第一項の規定により、特別支援学校の校舎 又は屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費の算定を行うときは、文部科学大臣が同法に規定する学級編制の標準に準じて定める方法により算定した学級の数をいう。
国は、政令で定める限度において、次の各号に掲げる経費について、その一部を負担する。
この場合において、その負担割合は、それぞれ当該各号に定める割合によるものとする。
公立の小学校、中学校(第二号の二に該当する中学校を除く。同号を除き、以下同じ。)及び義務教育学校における教室の不足を解消するための校舎の新築 又は増築(買収 その他これに準ずる方法による取得を含む。以下同じ。)に要する経費
二分の一
公立の小学校、中学校 及び義務教育学校の屋内運動場の新築 又は増築に要する経費
二分の一
公立の中学校で学校教育法第七十一条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの及び公立の中等教育学校の前期課程(以下「中等教育学校等」という。)の建物の新築 又は増築に要する経費
二分の一
公立の特別支援学校の小学部 及び中学部の建物の新築 又は増築に要する経費
二分の一
公立の小学校、中学校 及び義務教育学校を適正な規模にするため統合しようとすることに伴つて必要となり、又は統合したことに伴つて必要となつた校舎 又は屋内運動場の新築 又は増築に要する経費
二分の一
前項第一号の教室の不足の範囲 及び同項第四号の適正な規模の条件は、政令で定める。
前条第一項各号に掲げる経費の種目は、本工事費 及び附帯工事費(買収 その他これに準ずる方法による取得の場合にあつては、買収費とし、以下「工事費」と総称する。)並びに事務費とする。
第三条第一項第一号 及び第二号に規定する校舎 及び屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費は、校舎 又は屋内運動場のそれぞれについて、新築 又は増築を行う年度の五月一日(児童 又は生徒の数の増加をもたらす原因となる集団的な住宅の建設 その他の政令で定める事情があるため、その翌日以降新築 又は増築を行う年度の四月一日から起算して三年を経過した日までの間に新たに小学校、中学校 又は義務教育学校の校舎 又は屋内運動場の不足を生ずるおそれがある場合には、文部科学大臣の定めるその三年を経過した日以前の日)における当該学校の学級数に応ずる必要面積から新築 又は増築を行う年度の五月一日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
第三条第一項第四号に規定する校舎 及び屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費は、校舎 又は屋内運動場のそれぞれについて、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に掲げる日における当該学校の学級数に応ずる必要面積から、第一号に掲げる場合にあつては、新築 又は増築を行なう年度の五月一日に現に存する施設で同号に掲げる日において当該学校の保有する校舎 又は屋内運動場となる予定のもの(当該五月一日後に当該学校の設置者が買収するものを除く。)の面積を、第二号に掲げる場合にあつては、同号に掲げる日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
学校の統合前に新築 又は増築(政令で定めるものに限る。)を行なう場合
統合予定日の属する年度の五月一日(五月二日以降翌年の三月三十一日までの間に統合する予定の場合には、文部科学大臣の定める日)
学校の統合後に新築 又は増築を行なう場合
新築 又は増築を行なう年度の五月一日(統合が五月二日以降翌年の三月三十一日までの間に行なわれた場合には、その統合が行なわれた日の属する年度に限り文部科学大臣の定める日)
第三条第一項第二号の二に規定する建物のうち校舎 及び屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費は、校舎 又は屋内運動場のそれぞれについて、新築 又は増築を行う年度の五月一日(新たに設置する中等教育学校等 又は学級数を増加する中等教育学校等において設置年度 又は第一学年の学級数を増加する年度(以下この条において「設置等年度」という。)の前々年度から設置等年度の翌々年度までの間に新築 又は増築を行う場合には、文部科学大臣の定める日)における当該中等教育学校等の学級数に応ずる必要面積から新築 又は増築を行う年度の五月一日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
第三条第一項第二号の二に規定する建物のうち寄宿舎の新築 又は増築に係る工事費は、生徒一人当たりの基準面積に新築 又は増築を行う年度の五月一日(新たに設置する中等教育学校等 又は学級数を増加する中等教育学校等において設置等年度の前々年度から設置等年度の翌々年度までの間に新築 又は増築を行う場合には、文部科学大臣の定める日)において当該中等教育学校等の寄宿舎に収容する生徒の数を乗じて得た面積から新築 又は増築を行う年度の五月一日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
第三条第一項第三号に規定する建物のうち校舎 及び屋内運動場の新築 又は増築に係る工事費は、校舎 又は屋内運動場のそれぞれについて、新築 又は増築を行う年度の五月一日(その翌日から起算して二年以内に特別支援学校を設置した場合、又は当該学校に就学させる児童 若しくは生徒の数が増加することが明らかな場合には、文部科学大臣の定めるその二年以内の日)における当該学校の学級数に応ずる必要面積からその日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
第三条第一項第三号に規定する建物のうち寄宿舎の新築 又は増築に係る工事費は、児童 及び生徒一人当たりの基準面積に新築 又は増築を行う年度の五月一日(その翌日から起算して二年以内に特別支援学校に寄宿舎を設けた場合、又は当該学校の寄宿舎に収容する児童 若しくは生徒の数が増加することが明らかな場合には、文部科学大臣の定めるその二年以内の日)において当該学校の寄宿舎に収容する児童 及び生徒の数を乗じて得た面積からその日における保有面積を控除して得た面積を、一平方メートル当たりの建築の単価に乗じて算定するものとする。
第五条第一項 若しくは第二項、第五条の二第一項 又は前条第一項の規定により工事費を算定する場合の学級数に応ずる必要面積は、当該学校(中等教育学校の前期課程を含む。以下 この項において同じ。)の学級数に応じ、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校等 又は特別支援学校ごとに、校舎 又は屋内運動場のそれぞれについて、教育を行うのに必要な最低限度の面積として政令で定める。
この場合において、積雪寒冷地域にある学校の学級数に応ずる必要面積については、政令で定めるところにより、当該学校の所在地の積雪寒冷度に応じ、必要な補正を加えるものとする。
第五条の二第二項 又は前条第二項の規定により工事費を算定する場合の児童 又は生徒一人当たりの基準面積は、中等教育学校等 又は特別支援学校ごとに、教育を行うのに必要な最低限度の面積として政令で定める児童 又は生徒一人当たりの面積に、政令で定めるところにより、中等教育学校等にあつては これらの学校(中等教育学校の前期課程を含む。)の寄宿舎に収容する生徒の数、特別支援学校にあつては これらの学校の寄宿舎に収容する児童 及び生徒の数 又は当該学校(中等教育学校の前期課程を含む。)の所在地の積雪寒冷度に応じ、必要な補正を加えた面積とする。
第五条、第五条の二 又は第五条の三の規定により工事費を算定する場合の一平方メートル当たりの建築の単価は、建物の構造の種類別に、当該新築 又は増築を行おうとする時における建築費を参酌して、文部科学大臣が財務大臣と協議して定める。
第五条第一項 若しくは第二項、第五条の二第一項 又は第五条の三第一項の規定により工事費を算定する場合において、校舎の保有面積のうち教室に使用することができる部分が極めて少ないこと その他政令で定める特別の理由があるため、学級数に応ずる必要面積に基づく新築 又は増築後の校舎 又は屋内運動場が児童 又は生徒の教育を行うのに著しく不適当であると認められるときは、当該学校(中等教育学校の前期課程を含む。)の学級数に応ずる必要面積に政令で定める面積を加えた面積を学級数に応ずる必要面積とみなして、工事費を算定するものとする。
第五条の三第二項の規定により知的障害者、肢体不自由者 又は病弱者(身体虚弱者を含む。)である児童 又は生徒に対する教育を主として行う特別支援学校(附則第三項において「養護特別支援学校」という。)の寄宿舎に係る工事費を算定する場合において、政令で定める特別の理由があるため、児童 及び生徒一人当たりの基準面積に基づく新築 又は増築後の寄宿舎が児童 及び生徒の教育を行うのに著しく不適当であると認められるときは、当該基準面積に当該学校の寄宿舎に収容する児童 及び生徒の数を乗じて得た面積に政令で定める面積を加えた面積を児童 及び生徒一人当たりの基準面積に当該学校の寄宿舎に収容する児童 及び生徒の数を乗じて得た面積とみなして、工事費を算定するものとする。
鉄筋コンクリート造以外の構造の建物に関しては、第五条、第五条の二 又は第五条の三の規定により工事費を算定する場合の保有面積 又は一平方メートル当たりの建築の単価に乗ずべき面積について、政令で定めるところにより、補正を行うものとする。
第三条第一項各号に規定する建物の新築 又は増築に係る事務費は、第五条から前条までの規定により算定した工事費に政令で定める割合を乗じて算定するものとする。
国は、政令で定めるところにより、都道府県の教育委員会が第三条第一項の負担の実施に関する事務を行うために必要な経費を都道府県に交付するものとする。
文部科学大臣は、公立の義務教育諸学校等施設(義務教育諸学校、高等学校等(学校教育法に規定する高等学校、中等教育学校の後期課程 及び特別支援学校の高等部をいう。)及び幼稚園等(同法に規定する幼稚園 及び特別支援学校の幼稚部をいう。)の施設、共同調理場(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第六条に規定する施設をいう。)、教員 及び職員のための住宅、スポーツ施設 その他学校の教育活動に資する施設で文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。)の整備の目標に関する事項 その他公立の義務教育諸学校等施設の整備に関する重要事項を定めた施設整備基本方針を作成するとともに、当該施設整備基本方針に基づき公立の義務教育諸学校等施設に係る安全性の向上等を図るために必要な改築、改造 その他文部科学省令で定める事業(次条において「改築等事業」という。)について定めた施設整備基本計画を作成しなければならない。
文部科学大臣は、施設整備基本方針 及び施設整備基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
地方公共団体は、前項の交付金の交付を受けようとするときは、施設整備基本計画に即して、当該地方公共団体が設置する義務教育諸学校等施設の整備に関する施設整備計画を作成しなければならない。
施設整備計画においては、次に掲げる事項を記載しなければならない。
前号の目標を達成するために必要な改築等事業に関する事項
地方公共団体は、施設整備計画を作成し、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、文部科学大臣(市町村(特別区を含む。以下 この項において同じ。)にあつては、当該市町村の属する都道府県の教育委員会を経由して文部科学大臣)に提出しなければならない。
前各項に定めるもののほか、交付金の交付に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
この法律の適用については、本校 及び分校は、それぞれ一の学校とみなす。