障害者の雇用の促進等に関する法律

# 昭和三十五年法律第百二十三号 #
略称 : 障害者雇用促進法 

第二章 職業リハビリテーションの推進

分類 法律
カテゴリ   労働
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号による改正
最終編集日 : 2024年 07月10日 14時03分


第一節 通則

1項

職業リハビリテーションの措置は、障害者各人の障害の種類 及び程度 並びに希望、適性、職業経験等の条件に応じ、総合的かつ効果的に実施されなければならない。

2項

職業リハビリテーションの措置は、必要に応じ、医学的リハビリテーション 及び社会的リハビリテーションの措置との適切な連携の下に実施されるものとする。

第二節 職業紹介等

1項

公共職業安定所は、障害者の雇用を促進するため、障害者の求職に関する情報を収集し、事業主に対して当該情報の提供、障害者の雇入れの勧奨等を行うとともに、その内容が障害者の能力に適合する求人の開拓に努めるものとする。

1項

公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的 又は精神的な条件 その他の求人の条件について指導するものとする。

2項

公共職業安定所は、障害者について職業紹介を行う場合において、求人者から求めがあるときは、その有する当該障害者の職業能力に関する資料を提供するものとする。

1項

公共職業安定所は、障害者がその能力に適合する職業に就くことができるようにするため、適性検査を実施し、雇用情報を提供し、障害者に適応した職業指導を行う等必要な措置を講ずるものとする。

1項

公共職業安定所は、前条の適性検査、職業指導等を特に専門的な知識 及び技術に基づいて行う必要があると認める障害者については、第十九条第一項に規定する障害者職業センターとの密接な連携の下に当該適性検査、職業指導等を行い、又は当該障害者職業センターにおいて当該適性検査、職業指導等を受けることについてあつせんを行うものとする。

1項

都道府県は、必要があると認めるときは、求職者である障害者(身体障害者、知的障害者 又は精神障害者に限る次条 及び第十五条第二項において同じ。)について、その能力に適合する作業の環境に適応することを容易にすることを目的として、適応訓練を行うものとする。

2項

適応訓練は、前項に規定する作業でその環境が標準的なものであると認められるものを行う事業主に委託して実施するものとする。

1項

公共職業安定所は、その雇用の促進のために必要があると認めるときは、障害者に対して、適応訓練を受けることについてあつせんするものとする。

1項
適応訓練は、無料とする。
2項

都道府県は、適応訓練を受ける障害者に対して、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律昭和四十一年法律第百三十二号)の規定に基づき、手当を支給することができる。

1項

前三条に規定するもののほか、訓練期間 その他適応訓練の基準については、厚生労働省令で定める。

1項

公共職業安定所は、障害者の職業の安定を図るために必要があると認めるときは、その紹介により就職した障害者 その他事業主に雇用されている障害者に対して、その作業の環境に適応させるために必要な助言 又は指導を行うことができる。

1項

公共職業安定所は、障害者の雇用の促進 及びその職業の安定を図るために必要があると認めるときは、障害者を雇用し、又は雇用しようとする者に対して、雇入れ、配置、作業補助具、作業の設備 又は環境 その他障害者の雇用に関する技術的事項(次節において「障害者の雇用管理に関する事項」という。)についての助言 又は指導を行うことができる。

第三節 障害者職業センター

1項

厚生労働大臣は、障害者の職業生活における自立を促進するため、次に掲げる施設(以下「障害者職業センター」という。)の設置 及び運営の業務を行う。

一 号
障害者職業総合センター
二 号
広域障害者職業センター
三 号
地域障害者職業センター
2項

厚生労働大臣は、前項に規定する業務の全部 又は一部を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする。

1項
障害者職業総合センターは、次に掲げる業務を行う。
一 号

職業リハビリテーション(職業訓練を除く第五号イ 及び第二十五条第三項除き、以下この節において同じ。)に関する調査 及び研究を行うこと。

二 号

障害者の雇用に関する情報の収集、分析 及び提供を行うこと。

三 号

第二十四条の障害者職業カウンセラー 及び職場適応援助者(身体障害者、知的障害者、精神障害者 その他厚生労働省令で定める障害者(以下「知的障害者等」という。)が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいう。以下同じ。)の養成 及び研修を行うこと。

四 号

広域障害者職業センター、地域障害者職業センター、第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センター、就労支援事業者(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律平成十七年法律第百二十三号第五条第十三項に規定する就労移行支援を行う事業者をいう。第二十二条第五号において同じ。)その他の関係機関 及びこれらの機関の職員に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言、指導、研修 その他の援助を行うこと。

五 号

前各号に掲げる業務に付随して、次に掲げる業務を行うこと。

障害者に対する職業評価(障害者の職業能力、適性等を評価し、及び必要な職業リハビリテーションの措置を判定することをいう。以下同じ。)、職業指導、基本的な労働の習慣を体得させるための訓練(第二十二条第一号 及び第二十八条第二号において「職業準備訓練」という。)並びに職業に必要な知識 及び技能を習得させるための講習(以下「職業講習」という。)を行うこと。

事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言 又は指導を行うこと。

事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言 その他の援助を行うこと。

六 号

前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

1項

広域障害者職業センターは、広範囲の地域にわたり、系統的に職業リハビリテーションの措置を受けることを必要とする障害者に関して、障害者職業能力開発校 又は独立行政法人労働者健康安全機構法平成十四年法律第百七十一号)第十二条第一項第一号に掲げる療養施設 その他の厚生労働省令で定める施設との密接な連携の下に、次に掲げる業務を行う。

一 号

厚生労働省令で定める障害者に対する職業評価、職業指導 及び職業講習を系統的に行うこと。

二 号

前号の措置を受けた障害者を雇用し、又は雇用しようとする事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。

三 号

前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

1項

地域障害者職業センターは、都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行う。

一 号

障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練 及び職業講習を行うこと。

二 号

事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言 又は指導を行うこと。

三 号

事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言 その他の援助を行うこと。

四 号
職場適応援助者の養成 及び研修を行うこと。
五 号

第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センター、就労支援事業者 その他の関係機関 及びこれらの機関の職員に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言、研修 その他の援助を行うこと。

六 号

前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

1項

障害者職業センターでないものは、その名称中に障害者職業総合センター 又は障害者職業センターという文字を用いてはならない。

1項

機構は、障害者職業センターに、障害者職業カウンセラーを置かなければならない。

2項

障害者職業カウンセラーは、厚生労働大臣が指定する試験に合格し、かつ、厚生労働大臣が指定する講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければならない。

1項

障害者職業センターは、相互に密接に連絡し、及び協力して、障害者の職業生活における自立の促進に努めなければならない。

2項

障害者職業センターは、精神障害者について、第二十条第五号第二十一条第一号 若しくは第二号 又は第二十二条第一号から第三号までに掲げる業務を行うに当たつては、医師 その他の医療関係者との連携に努めるものとする。

3項

障害者職業センターは、公共職業安定所の行う職業紹介等の措置、第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターの行う業務 並びに職業能力開発促進法昭和四十四年法律第六十四号第十五条の七第三項の公共職業能力開発施設 及び同法第二十七条の職業能力開発総合大学校(第八十三条において「公共職業能力開発施設等」という。)の行う職業訓練と相まつて、効果的に職業リハビリテーションが推進されるように努めるものとする。

1項

障害者職業センターにおける職業リハビリテーションの措置は、無料とするものとする。

第四節 障害者就業・生活支援センター

1項

都道府県知事は、職業生活における自立を図るために就業 及びこれに伴う日常生活 又は社会生活上の支援を必要とする障害者(以下この節において「支援対象障害者」という。)の職業の安定を図ることを目的とする一般社団法人 若しくは一般財団法人、社会福祉法昭和二十六年法律第四十五号第二十二条に規定する社会福祉法人 又は特定非営利活動促進法平成十年法律第七号第二条第二項に規定する特定非営利活動法人 その他厚生労働省令で定める法人であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。

一 号

職員、業務の方法 その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的 及び技術的な基礎を有すると認められること。

二 号

前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、支援対象障害者の雇用の促進 その他福祉の増進に資すると認められること。

2項

都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「障害者就業・生活支援センター」という。)の名称 及び住所 並びに事務所の所在地を公示しなければならない。

3項

障害者就業・生活支援センターは、その名称 及び住所 並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

4項

都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

1項

障害者就業・生活支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

一 号

支援対象障害者からの相談に応じ、必要な指導 及び助言を行うとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター、社会福祉施設、医療施設、特別支援学校 その他の関係機関との連絡調整 その他厚生労働省令で定める援助を総合的に行うこと。

二 号

支援対象障害者が障害者職業総合センター、地域障害者職業センター その他厚生労働省令で定める事業主により行われる職業準備訓練を受けることについてあつせんすること。

三 号

前二号に掲げるもののほか、支援対象障害者がその職業生活における自立を図るために必要な業務を行うこと。

1項

障害者就業・生活支援センターは、地域障害者職業センターの行う支援対象障害者に対する職業評価に基づき、前条第二号に掲げる業務を行うものとする。

1項

障害者就業・生活支援センターは、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、事業計画書 及び収支予算書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

障害者就業・生活支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書 及び収支決算書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。

1項

都道府県知事は、この節の規定を施行するために必要な限度において、障害者就業・生活支援センターに対し、第二十八条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

1項

都道府県知事は、障害者就業・生活支援センターが次の各号いずれかに該当するときは、第二十七条第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。

一 号

第二十八条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

二 号
指定に関し不正の行為があつたとき。
三 号

この節の規定 又は当該規定に基づく命令 若しくは処分に違反したとき。

2項

都道府県知事は、前項の規定により、指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

1項

障害者就業・生活支援センターの役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、第二十八条第一号に掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。