安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律

# 昭和三十一年法律第百六十号 #
略称 : 血液法 

第三章 採血

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 08月29日 07時45分


1項

次に掲げる物を製造する者がその原料とし、又は採血事業者 若しくは病院 若しくは診療所の開設者が次に掲げる物の原料とする目的で採血する場合を除いては、何人も、業として、人体から採血してはならない


ただし、治療行為として、又は輸血、医学的検査 若しくは学術研究のための血液を得る目的で採血する場合は、この限りでない。

一 号

血液製剤

二 号

医薬品(血液製剤を除く)、医療機器(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医療機器をいう。次号において同じ。)又は再生医療等製品

三 号

医薬品、- 医療機器 又は再生医療等製品の研究開発において試験に用いる物 その他の医療の質 又は保健衛生の向上に資する物として厚生労働省令で定める物

2項

何人も、業として、人体から採取された血液 又はこれから得られた物を原料として、前項各号に掲げる物以外の物を製造してはならない。


ただし、血液製剤の製造に伴つて副次的に得られた物 又は厚生労働省令で定めるところによりその本来の用途に適しないか 若しくは適しなくなつたとされる血液製剤を原料とする場合は、この限りでない。

1項

血液製剤の原料とする目的で、業として、人体から採血しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。


ただし、病院 又は診療所の開設者が、当該病院 又は診療所における診療のために用いられる血液製剤のみの原料とする目的で採血しようとするときは、この限りでない。

2項

厚生労働大臣は、前項の許可を受けようとする者が次の各号いずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可を与えてはならない。

一 号

第二十二条第一項に規定する採血の業務の管理 及び構造設備に関する基準に従つて採血を適正に行うに足りる能力を有するものであること。

二 号

献血者等につき、第二十五条第一項に規定する健康診断を行うために必要な措置を講じていること。

三 号

第二十五条第二項に規定する採血が健康上有害であると認められる者からの採血を防止するために必要な措置を講じていること。

四 号

他の採血事業者が現に用いている商号 若しくは名称と同一の商号 若しくは名称 又は他の採血事業者と誤認されるおそれのある商号 若しくは名称を用いようとするものでないこと

3項

厚生労働大臣は、第一項の許可を受けようとする者が前項各号いずれにも適合していると認める場合であつても、次の各号いずれかに該当するときは、第一項の許可を与えないことができる。

一 号

血液製剤 又は原料血漿の供給が既に需要を満たしていると認めるとき。

二 号

申請者が採取しようとする血液の供給源となる地域において、その者が必要とする量の血液の供給を受けることが著しく困難であると認めるとき。

三 号

申請者が営利を目的として採血しようとする者であるとき。

四 号

申請者が第二十三条の規定による許可の取消しの処分 又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第七十五条第一項の規定による医薬品の製造業の許可の取消しの処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過していないとき。

五 号

申請者が法人である場合において、その業務を行う役員のうちに前号の規定に該当する者があるとき。

4項

厚生労働大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。

5項

採血事業者は、厚生労働省令で定める事項に変更があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。

6項

厚生労働大臣は、第一項の許可をし、又は前項の届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。

1項

採血事業者は、その許可に係る事業の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

2項

厚生労働大臣は、前項の許可をしようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。


ただし、当該事業の休止 又は廃止によつて著しく公益を害するおそれがないと認められるときは、この限りでない。

3項

前条第六項の規定は、第一項の規定による許可について準用する。

1項

厚生労働大臣は、献血者等の保護 及び血液の利用の適正を期するため必要があると認めるときは、採血事業者に対して、採取する血液の量 その他の事項に関し必要な指示をすることができる。

1項

何人も、有料で、人体から採血し、又は人の血液の提供のあつせんをしてはならない。

1項

採血事業者は、採血 及びこれに附帯する業務(以下「採血関係業務」という。)に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の業務規程に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。

3項

採血事業者は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、その業務規程を公表しなければならない。

1項

採血事業者は、採血関係業務に関し、毎事業年度の開始前に、厚生労働省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画 及び収支予算を作成し、厚生労働大臣に提出するとともに、公表しなければならない。


これを変更したときも、同様とする。

1項

採血事業者は、採血関係業務に関し、毎事業年度の経過後三月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、その事業年度の事業報告書、貸借対照表 及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出するとともに、公表しなければならない。

1項

厚生労働大臣は、採血関係業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、採血事業者に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

採血事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、採血所(採血を行う場所をいい、採血の用に供する車両を含む。以下同じ。)ごとに、採血の業務を管理する採血責任者を置かなければならない。

2項

採血事業者は、二以上の採血所を開設したときは、採血責任者の設置、採血責任者に対する採血の指図 その他採血の業務を統括管理させるために、採血統括者を置かなければならない。

3項

採血責任者 及び採血統括者が遵守すべき事項については、厚生労働省令で定める。

1項

採血事業者は、厚生労働省令で定める採血の業務の管理 及び構造設備に関する基準に適合した採血所において、採血しなければならない。

2項

厚生労働大臣は、採血所が前項に掲げる基準に適合しないと認めるときは、採血事業者に対し、その採血の業務の管理 若しくは構造設備の改善を命じ、又はそれらの改善を行うまでの間 その業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

1項

厚生労働大臣は、採血事業者が、この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分又は第十五条の規定による指示に違反したときは、その許可を取り消し、又は期間を定めてその業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

1項

厚生労働大臣 又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、採血事業者から必要な報告を徴し、又は当該職員をして採血事業者の事務所、採血所 その他の場所に立ち入り、帳簿 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項

当該職員は、前項の規定による立入り、検査 又は質問をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

血液製剤の原料たる血液 又は輸血のための血液を得る目的で、人体から採血しようとする者は、あらかじめ献血者等につき、厚生労働省令で定める方法による健康診断を行わなければならない。

2項

前項の採血者は、厚生労働省令で定めるところにより貧血者年少者妊娠中の者 その他の採血が健康上有害であると認められる者から採血してはならない。

3項

第十二条第一項第二号 及び第三号に掲げる物の原料たる血液を得る目的で、人体から採血しようとする者は、献血者等に対し採取した血液の使途 その他採血に関し必要な事項について適切な説明を行い、その同意を得ること その他の厚生労働省令で定める措置の実施を確保しなければならない。