この法律に規定する事務に従事させるため、厚生労働省に検疫官を置く。
検疫法
第四章 雑則
検疫所長 及び検疫官は、この法律の規定による職務を行うため必要があるときは、船舶、航空機 又は第二十七条第一項 及び第二項に規定する施設、建築物 その他の場所に立ち入ることができる。
この法律の規定による検疫所長 及び検疫官の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
検疫所長 及び検疫官は、この法律の規定による職務を行うときは、制服を着用し、且つ、その身分を示す証票を携帯し、関係者の要求があるときは、これを呈示しなければならない。
検疫所長 及び検疫官の服制は、厚生労働大臣が定める。
検疫所長は、次に掲げる場合においては、船舶等の所有者 又は長から、政令の定めるところにより、その実費を徴収しなければならない。
第十四条第一項第五号、第六号 又は第八号に規定する措置をとつたとき。
船舶等の乗組員に対して第十四条第一項第一号 又は第二号に規定する措置をとつたとき。
検疫所長は、前項の規定により実費を負担しなければならない者が、経済的事情により、その実費の全部 又は一部を負担することが困難であると認められる場合においては、同項の規定にかかわらず、その全部 又は一部を徴収しないことができる。
前二項の規定は、第二十二条第三項 又は第二十三条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定により、検疫所長 又は保健所長が必要な措置をとつた場合に準用する。
第二十二条第三項 又は第二十三条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定により保健所長がとる措置に要する費用は、当該保健所を設置する都道府県、市 又は特別区が支弁し、国庫は、政令の定めるところにより、これを負担しなければならない。
外国に検疫感染症以外の感染症(次条第一項に規定する新感染症を除く。)が発生し、これについて検疫を行わなければ、その病原体が国内に侵入し、国民の生命 及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるときは、政令で、感染症の種類を指定し、一年以内の期間を限り、当該感染症について、第二条の二、第二章 及びこの章(次条から第四十条までを除く。)の規定の全部 又は一部を準用することができる。
この場合において、停留の期間については、当該感染症の潜伏期間を考慮して、当該政令で特別の規定を設けることができる。
前項の政令で定められた期間は、当該政令で指定された感染症の種類について、当該感染症の外国 及び国内における発生 及びまん延の状況 その他の事情に鑑み、当該政令により準用することとされた規定を当該期間の経過後 なお準用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。
厚生労働大臣は、外国に新感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する新感染症であつて同法第五十三条の規定により政令で定められる新感染症以外のものをいう。以下この条において同じ。)が発生した場合において、当該新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、検疫所長に、当該新感染症にかかつていると疑われる者に対する診察を行わせることができる。
この場合において、検疫所長は、検疫官をして当該診察を行わせることができる。
検疫所長は、第十三条第一項、第二十四条、第二十六条第一項、第二十六条の二 又は前項に規定する診察において、新感染症の所見がある者を診断したときは、直ちに、厚生労働大臣に当該所見がある者の氏名、年齢、性別 その他厚生労働省令で定める事項を報告しなければならない。
検疫所長は、前項の報告をした場合には、厚生労働大臣の指示に従い、当該新感染症を第二条第一号(第十八条第四項 及び第五項に規定する事務にあつては、第二条第二号)に掲げる感染症とみなして、第十三条から第十三条の三まで、第十四条第一項第一号、第二号 及び第五号から第八号まで、第十七条、第十八条、第十九条第二項 及び第三項 並びに第二十条に規定する事務の全部 又は一部を実施することができる。
前項の規定により仮検疫済証を交付した船舶等については、当該新感染症について第十九条第一項の規定を準用する。
厚生労働大臣は、第三項の規定により検疫所長に指示を行おうとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
前条第三項の規定により検疫所長が実施する第十四条第一項第一号に規定する隔離は、特定感染症指定医療機関 又は第一種協定指定医療機関に入院を委託して行う。
ただし、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関 及び第一種協定指定医療機関以外の病院 又は診療所であつて当該検疫所長が適当と認めるものにその入院を委託して行うことができる。
検疫所長は、前項の措置に係る者を当該措置に係る病院 若しくは診療所に移送し、又は検疫官をしてこれを行わせることができる。
検疫所長は、第一項の措置をとつた場合において、厚生労働大臣の指示に従い、当該隔離に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないことが確認されたときは、直ちに、当該隔離されている者の隔離を解かなければならない。
第一項の委託を受けた病院の管理者は、前条第三項の規定により隔離されている者について、検疫所長に当該隔離に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがない旨の意見を述べることができる。
前条第三項の規定により隔離されている者 又はその保護者は、検疫所長に対し、当該隔離されている者の隔離を解くことを求めることができる。
検疫所長は、前項の規定による求めがあつたときは、当該隔離されている者について、厚生労働大臣の指示に従い、当該隔離に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないかどうかの確認をしなければならない。
厚生労働大臣は、第三項 又は前項の規定により検疫所長に指示を行おうとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
第三十四条の二第三項の規定により検疫所長が実施する第十四条第一項第二号に規定する停留は、特定感染症指定医療機関 又は第一種協定指定医療機関に入院を委託して行う。
ただし、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関 及び第一種協定指定医療機関以外の病院 又は診療所であつて当該検疫所長が適当と認めるものにその入院を委託して行うことができる。
検疫所長は、前項の措置に係る者を当該措置に係る病院 若しくは診療所に移送し、又は検疫官をしてこれを行わせることができる。
検疫所長は、第一項の措置をとつた場合において、厚生労働大臣の指示に従い、当該停留に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないことが確認されたときは、直ちに、当該停留されている者の停留を解かなければならない。
第一項の委託を受けた病院の管理者は、第三十四条の二第三項の規定により停留されている者について、検疫所長に当該停留に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがない旨の意見を述べることができる。
第三十四条の二第三項の規定により停留されている者 又はその保護者は、検疫所長に対し、当該停留されている者の停留を解くことを求めることができる。
検疫所長は、前項の規定による求めがあつたときは、当該停留されている者について、厚生労働大臣の指示に従い、当該停留に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないかどうかの確認をしなければならない。
厚生労働大臣は、第三項 又は前項の規定により検疫所長に指示を行おうとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
第二十二条第二項から第五項まで、第二十三条第二項から第五項まで(同条第六項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)及び第七項 並びに第二十六条の三の規定により都道府県、保健所を設置する市 又は特別区が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第二十三条第七項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
第五条の規定に違反したとき。
隔離 又は停留の処分を受け、その処分の継続中に逃げたとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
第十一条第一項の規定に違反して明告書を提出せず、又は虚偽の事実を記載した明告書を提出したとき。
第十一条第二項の規定により、書類の提出 又は提示 若しくは写しの提出を求められて、これを提出せず、若しくは提示 若しくは写しの提出をせず、又は虚偽の事実を記載したこれらの書類を提出し、若しくは提示 若しくは写しの提出をしたとき。
第十二条の規定による質問に対し、答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同条の規定による情報の提出の求めに対し、虚偽の情報を提出したとき。
第十三条の規定により検疫所長 又は検疫官が行う診察(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。) 又は検査(同項の規定により実施される場合を含む。)を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第十三条の三の規定による指示(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)に違反したとき。
第十四条第一項第一号、第二号、第五号、第八号 又は第九号の規定により検疫所長 又は検疫官が行う措置(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第十四条第一項第七号の処分(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)に違反したとき。
第十六条の三第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第十八条第二項の規定による旅券の提示(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)をせず、又は報告(同項の規定により実施される場合を含む。)をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは質問(同項の規定により実施される場合を含む。)に対し、答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第十八条第四項の規定による旅券の提示(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)をせず、又は報告(同項の規定により実施される場合を含む。)をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき。
第二十四条の規定により検疫所長 又は検疫官が行う措置を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第二十九条の規定による検疫所長 又は検疫官の立入りを拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第三十四条の二第一項の規定により検疫所長 又は検疫官が行う診察を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第四条の規定に違反したとき。
第十九条第一項(第三十四条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
第十九条第三項の規定に基づく命令(第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)に違反したとき。
第二十一条第一項ただし書の許可を申請するに際し、同項各号に掲げる事項に関し虚偽の通報をしてその許可を受けたとき。
第二十一条第七項の規定に違反したとき。
第二十二条第二項の規定に違反したとき。
第二十三条第一項 若しくは第二項(同条第六項において準用する場合を含む。) 又は同条第七項の規定に違反したとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
第九条(第二十一条第五項 及び第二十二条第六項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
第二十五条の規定に基づく命令に違反したとき。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して、第三十五条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第三十四条第一項の場合(同条第二項の政令により、同条第一項の政令で定められた期間が延長される場合を含む。)においては、当該政令で準用する規定に係る前五条の罰則の規定もまた、準用されるものとする。
この法律で政令に委任するものを除く外、この法律の実施のための手続 その他その執行について必要な事項は、厚生労働省令で定める。