農林水産大臣は、漁港施設等活用事業の推進に関する基本方針(以下「漁港施設等活用基本方針」という。)を定めなければならない。
漁港及び漁場の整備等に関する法律
第六章 漁港の活用の促進
第一節 漁港施設等活用基本方針
第六条の二第三項から第六項までの規定は、漁港施設等活用基本方針について準用する。
第二節 漁港施設等活用事業の実施等
漁港管理者は、その管理する漁港について、漁港施設等活用基本方針に即して、漁港施設等活用事業の推進に関する計画(以下「活用推進計画」という。)を定めることができる。
第三号に掲げる漁港施設の貸付け 又は同号に掲げる水域(第四十九条第一項第二号に掲げる漁港水面施設運営権の水域を除く。以下この節において同じ。)若しくは公共空地における水面 若しくは土地の占用に関する事項
漁港施設等活用事業の実施期間が満了した場合 その他の事由により第三号に掲げる漁港施設 又は漁港の区域内の水域 若しくは公共空地を用いないこととなつた場合における当該漁港施設 又は当該水域 若しくは当該公共空地を原状に回復するための措置に関する事項
前項第二号に掲げる実施期間は、三十年を超えないものとする。
漁港管理者は、活用推進計画に第二項第三号 及び第六号に掲げる事項(漁港施設の貸付けに係るものに限る。)を定めるときは、あらかじめ、当該事項に係る漁港施設の所有者(当該漁港管理者である地方公共団体を除く。)の同意を得なければならない。
漁港管理者は、活用推進計画を定めるときは、あらかじめ、関係地方公共団体、当該漁港を利用する水産業者 及び水産業に関する団体 その他の関係者の意見を聴かなければならない。
漁港管理者は、活用推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、農林水産大臣に送付しなければならない。
前三項の規定は、活用推進計画の変更(農林水産省令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
活用推進計画が定められた漁港において、漁港施設等活用事業を実施しようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、漁港施設等活用事業の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、当該漁港の漁港管理者の認定を申請することができる。
第二号に掲げる漁港施設 又は水域 若しくは公共空地において漁港施設等活用事業により施設の設置を行う場合にあつては、当該施設(以下「活用事業施設」という。)の種類 及び規模 その他の当該活用事業施設の設置に関する事項
第一号の漁港施設等活用事業に関する資金計画 及び収支計画
前項第一号に掲げる事項には、当該漁港施設等活用事業の実施に係る第三十八条第一項に規定する基本施設である漁港施設の利用方法 及び当該施設の使用料の料率を定めることができる。
第二項第四号に掲げる事項には、活用事業施設の設置に係る次に掲げる事項を定めることができる。
水域 又は公共空地における工作物の建設 若しくは改良(水面 又は土地の占用を伴うものを除く。)又は土地の掘削 若しくは盛土に関する事項
漁港管理者は、前条第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る実施計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
前号に掲げるもののほか、当該実施計画の内容が特定漁港漁場整備事業の施行 又は当該漁港の利用を著しく阻害し、その他当該漁港の保全に著しく支障を与えるおそれがないものであること。
漁港管理者は、前項の認定をするときは、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、当該認定を申請した者の氏名 又は名称 及び前条第二項第一号から第五号までに掲げる事項の概要の公告、縦覧 その他の漁港施設の貸付け 又は漁港の区域内の水域 若しくは公共空地における水面 若しくは土地の占用が公正な手続に従つてされることを確保するために必要な措置を講じなければならない。
漁港管理者は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定を受けた者の氏名 又は名称、前条第二項第一号から第五号までに掲げる事項の概要 その他農林水産省令で定める事項を公表するとともに、同項第二号に掲げる漁港施設の所有者(当該漁港管理者である地方公共団体を除く。)に通知しなければならない。
第一項の認定を受けた者(以下「認定計画実施者」という。)は、当該認定を受けた実施計画の変更(農林水産省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとする場合においては、漁港管理者の認定を受けなければならない。
第一項から第三項までの規定は、前項の規定による実施計画の変更の認定について準用する。
国 又は地方公共団体は、国有財産法第十八条第一項 又は地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、前条第一項の認定を受けた実施計画(同条第四項の変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に定められた行政財産である漁港施設を認定計画実施者に貸し付けることができる。
前項の規定による貸付けについては、借地借家法第三条、第四条、第十三条 及び第十四条の規定は、適用しない。
国有財産法第二十一条(第一項第二号に係る部分を除く。)及び第二十三条から第二十五条まで 並びに地方自治法第二百三十八条の五第四項から第六項までの規定は、第一項の規定による貸付けについて準用する。
漁港管理者は、認定計画が第四十三条第一項各号のいずれかに適合しないものとなつたと認めるときは、認定計画実施者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
漁港管理者は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従い必要な措置をとらなかつたときは、第四十三条第一項 又は第四項の認定(第五十条第一項を除き、以下単に「認定」という。)を取り消すことができる。
漁港管理者は、前項の規定による認定の取消しをしたときは、速やかに、その旨を公表するとともに、第四十二条第二項第二号に掲げる漁港施設の所有者(当該漁港管理者である地方公共団体を除く。)に通知しなければならない。
第四十条から前条までに定めるもののほか、認定計画に定められた漁港施設の貸付けに関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
第三節 漁港水面施設運営権
漁港管理者は、漁港水面施設運営権が設定されることとなる漁港施設等活用事業を実施しようとする者の申請に係る実施計画の認定をしようとする場合には、活用推進計画に、第四十一条第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
漁港水面施設運営権に係る漁港施設等活用事業の実施期間が満了した場合 その他の事由により前号に掲げる水域を用いないこととなつた場合における当該水域を原状に回復するための措置に関する事項
活用推進計画に前項各号に掲げる事項を定めようとする漁港管理者は、第四十一条第二項第一号から第五号までに掲げる事項(漁港水面施設運営権に係るものに限る。)及び前項各号に掲げる事項については、あらかじめ、同項第二号に掲げる水域における水面を管轄する都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。
都道府県知事は、前項の規定による協議があつた場合において、同項に規定する事項について、次に掲げる要件に該当するものであるときは、同項の同意をするものとする。
海区漁場計画(漁業法第六十二条第一項に規定する海区漁場計画をいう。)又は内水面漁場計画(同法第六十七条第一項に規定する内水面漁場計画をいう。)の内容と抵触するものでないこと。
前号に掲げるもののほか、当該都道府県知事の管轄に属する水面における漁業生産力を発展させるための水面の総合的な利用の推進 並びに水産動植物の生育環境の保全 及び改善に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること。
都道府県知事は、第二項の同意をするときは、あらかじめ、同項に規定する事項について、関係海区漁業調整委員会 又は関係内水面漁場管理委員会の意見を聴かなければならない。
漁港管理者が、第一項各号に掲げる事項を定めた活用推進計画について第四十一条第七項に規定する変更をしようとする場合における同項の規定の適用については、
同項中
「前三項」とあるのは、
「前三項 及び第四十九条第二項から第四項まで」と
する。
前条第一項各号に掲げる事項を定めた活用推進計画が定められた漁港において、その実施しようとする漁港施設等活用事業のために漁港水面施設運営権の設定を受けようとする者は、第四十二条第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めた実施計画を作成し、第四十三条第一項の認定を申請するものとする。
第二号に掲げる水域において活用事業施設を設置しようとする場合にあつては、当該活用事業施設の種類 及び規模 その他の当該活用事業施設の設置に関する事項
第三号に掲げる存続期間が満了した場合 その他の事由により水域において漁港水面施設運営権の設定を受けないこととなつた場合における活用事業施設の撤去の方法 その他の当該水域を原状に回復するための措置の内容
第一号の漁港水面施設運営権に係る漁港施設等活用事業に関する資金計画 及び収支計画
前項各号に掲げる事項が定められた実施計画の認定についての第四十三条第二項 及び第三項の規定の適用については、
同条第二項中
「及び」とあるのは
「並びに」と、
「事項」とあるのは
「事項 及び第五十条第一項第一号から第五号までに掲げる事項」と、
「又は漁港」とあるのは
「、漁港」と、
「占用」とあるのは
「占用 又は漁港水面施設運営権の設定」と、
同条第三項中
「掲げる事項」とあるのは
「掲げる事項 及び第五十条第一項第一号から第五号までに掲げる事項」と、
「同項第二号」とあるのは
「前条第二項第二号」と
する。
次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項各号に掲げる事項を定めた実施計画の認定の申請をすることができない。
この法律に規定する罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
第五十九条第二項(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定により漁港水面施設運営権を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
漁港水面施設運営権を有する者(以下「漁港水面施設運営権者」という。)で法人であるものが第五十九条第二項の規定により漁港水面施設運営権を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該漁港水面施設運営権者の役員であつた者で、その取消しの日から五年を経過しないもの
漁港水面施設運営権者で法人であるものが第五十九条第二項の規定により漁港水面施設運営権を取り消された場合において、その取消しの原因となつた事実が発生した当時現に当該漁港水面施設運営権者の親会社等(その法人の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある法人として政令で定めるものをいう。第八号において同じ。)であつた法人で、その取消しの日から五年を経過しないもの
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(第七号において「暴力団員等」という。)
法人であつて、その業務を行う役員のうちに第一号から第三号まで 又は前号のいずれかに該当する者があるもの
法人であつて、その者の親会社等が前各号(第三号 及び第五号を除く。)のいずれかに該当するもの
漁港管理者は、第四十九条第一項の規定により活用推進計画に同項各号に掲げる事項を定めた場合において、実施計画(第五十条第一項各号に掲げる事項が定められたものに限る。)の認定をしたときは、当該活用推進計画に従い、認定計画実施者に漁港水面施設運営権を設定するものとする。
漁港水面施設運営権は、法人の合併 その他の一般承継、譲渡、滞納処分、強制執行、仮差押え 及び仮処分 並びに抵当権の目的となるほか、権利の目的となることができない。
漁港水面施設運営権は、分割し、又は併合することができない。
前項の規定による申請をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、移転を受けようとする漁港水面施設運営権に係る漁港水面施設運営権者の氏名 又は名称 及び第五十二条第二項各号に掲げる事項 並びに当該漁港水面施設運営権に係る漁港施設等活用事業に関する資金計画 及び収支計画を記載した申請書を、漁港管理者に提出しなければならない。
漁港管理者は、第二項の許可を行おうとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
当該許可を申請した者が第五十一条各号のいずれにも該当しないこと。
当該許可を申請した者が、当該漁港水面施設運営権に係る漁港施設等活用事業を移転前の漁港水面施設運営権者が認定を受けた実施計画(第五十条第一項第一号から第五号までに掲げる事項に係る部分に限る。以下「移転前認定計画」という。)並びに前項に規定する資金計画 及び収支計画に従つて適正かつ確実に実施できると認められること。
漁港管理者は、第二項の許可をするときは、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、当該許可を申請した者の氏名 又は名称 及び移転前認定計画の概要の公告、縦覧 その他の漁港水面施設運営権の移転が公正な手続に従つてされることを確保するために必要な措置を講じなければならない。
漁港管理者は、第二項の許可をしたときは、遅滞なく、当該許可を受けた者の氏名 又は名称、移転前認定計画の概要 その他農林水産省令で定める事項を公表しなければならない。
抵当権の設定が登録されている漁港水面施設運営権については、その抵当権者の同意がなければ、これを放棄することができない。
第二項の許可を受けないで、又は前項の同意を得ないでした漁港水面施設運営権の移転 又は放棄は、その効力を生じない。
前条第二項の許可を受けて漁港水面施設運営権の移転があつたときは、移転前認定計画 並びに同条第三項に規定する資金計画 及び収支計画を、その漁港水面施設運営権の移転を受けた者が認定を受けた実施計画とみなす。
漁港水面施設運営権の存続期間は、十年以内とする。
前項の存続期間は、その満了の際、農林水産省令で定めるところにより、申請により更新することができる。
ただし、その期間は、更新の時から十年を超えることができない。
漁港管理者は、前項の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも適合するときは、漁港水面施設運営権の存続期間の更新をするものとする。
その申請を行つた者が第五十一条各号のいずれにも該当しないこと。
当該更新後の存続期間の末日が第五十条第一項第一号に規定する漁港水面施設運営権に係る漁港施設等活用事業の実施期間の末日以前であること その他漁港水面施設運営権の存続期間の更新が認定計画の内容に照らして適切なものであること。
漁港水面施設運営権 及び漁港水面施設運営権を目的とする抵当権の設定、移転、変更、消滅 及び処分の制限 並びに次条第二項の規定による漁港水面施設運営権の行使の停止 及びその停止の解除は、漁港水面施設運営権登録簿に登録する。
前項の規定による登録は、登記に代わるものとする。
第一項の規定による登録に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
漁港水面施設運営権登録簿については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
漁港水面施設運営権登録簿に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
前各項に規定するもののほか、登録に関し必要な事項は、政令で定める。
漁港管理者は、第四十五条第二項の規定により漁港水面施設運営権の設定を受けて行われる漁港施設等活用事業に係る実施計画の認定を取り消したときは、当該漁港水面施設運営権を取り消さなければならない。
漁港管理者は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、漁港水面施設運営権を取り消し、又はその行使の停止を命ずることができる。
漁港水面施設運営権者が次のいずれかに該当するとき。
偽り その他不正の方法により漁港水面施設運営権者となつたとき。
第五十一条各号のいずれかに該当することとなつたとき。
漁港管理者は、前二項の規定により、抵当権の設定が登録されている漁港水面施設運営権を取り消すときは、あらかじめ、その旨を当該抵当権に係る抵当権者に通知しなければならない。
漁港管理者は、前条第二項(第二号に係る部分に限る。第六項において同じ。)の規定による漁港水面施設運営権の取消し 又はその行使の停止によつて損失を受けた漁港水面施設運営権者 又は漁港水面施設運営権者であつた者(以下この条において単に「漁港水面施設運営権者」という。)に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
前項の規定による損失の補償については、漁港管理者と漁港水面施設運営権者とが協議しなければならない。
前項の規定による協議が成立しない場合においては、漁港管理者は、自己の見積もつた金額を漁港水面施設運営権者に支払わなければならない。
前項の補償金額に不服がある漁港水面施設運営権者は、その決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつて、その増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、当該漁港管理者を被告とする。
前条第二項の規定により取り消された漁港水面施設運営権の上に抵当権があるときは、当該抵当権に係る抵当権者から供託をしなくてもよい旨の申出がある場合を除き、漁港管理者は、その補償金を供託しなければならない。
前項の抵当権者は、同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。
漁港管理者は、第一項の規定による補償金額の全部 又は一部をその理由を生じさせた者に負担させることができる。