簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律

# 平成十八年法律第四十七号 #
略称 : 行革推進法  行政改革推進法 

第三節 特別会計改革

分類 法律
カテゴリ   行政組織
@ 施行日 : 令和四年四月一日 ( 2022年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項

特別会計の改革は、特別会計の廃止 及び統合 並びにその経理の明確化を図るとともに、特別会計において経理されている事務 及び事業の合理化 及び効率化を図ることにより行われるものとし、平成十八年度から平成二十二年度までの間を目途に計画的に推進されるものとする。

2項

前項の改革に当たっては、平成十八年度から平成二十二年度までの間において、特別会計における資産 及び負債 並びに剰余金 及び積立金の縮減 その他の措置により、財政の健全化に総額二十兆円程度の寄与をすることを目標とするものとする。

1項

特別会計の新設は、事務 及び事業の合理化 若しくは効率化 又は財政の健全化に資する場合を除き、行わないものとする。

2項

政府は、平成二十三年四月一日において設置されている特別会計について、その存続の必要性を検討するものとし、その後においても、おおむね五年ごとに同様の検討を行うものとする。

1項

政府は、特別会計の廃止 及び統合、一般会計と異なる取扱いの整理 並びに企業会計の慣行を参考とした資産 及び負債の開示 その他の特別会計に係る情報の開示のため、この法律の施行後一年以内を目途として法制上の措置 その他の必要な措置を講ずるものとする。

2項

前項に規定するもののほか、政府は、国全体の財政状況の一覧性を確保するため、特別会計歳入歳出予算の総計 及び純計について所管 及び主要な経費の別に区分した書類を参考資料として予算に添付する措置 その他の必要な措置を講ずるものとする。

3項

政府は、特別会計において経理されている事務 及び事業の必要性の有無 及び実施主体の在り方について、事務 及び事業の内容 及び性質に応じた分類、整理等の仕分けを踏まえた検討を行うものとする。

1項

道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計 及び都市開発資金融通特別会計は、平成二十年度までに統合するものとする。


この場合において、これらの特別会計において経理されていた事務 及び事業については、その合理化 及び効率化を図るものとする。

2項

空港整備特別会計において経理されている事務 及び事業については、将来において、独立行政法人 その他の国以外の者に行わせることについて検討するものとする。

3項

特定の税の収入額(これに相当する額を含む。以下 この項において同じ。)の全部 又は一部を道路に関する費用の財源に充てる制度(以下 この項において「特定財源制度」という。)については、国の財政状況の悪化をもたらさないよう十分に配慮しつつ、特定財源制度に係る税の収入額の使途の在り方について、納税者の理解を得られるよう、次の基本方針により、見直しを行うものとする。

一 号

道路の整備は、これに対する需要を踏まえ、その必要性を見極めつつ、計画的に進めるものとする。


この場合において、道路の整備に係る歳出については、一層の重点化 及び効率化を図るものとする。

二 号

特定財源制度に係る税については、厳しい財政状況にかんがみ、及び環境への影響に配慮し、平成十七年十二月における税率の水準を維持するものとする。

三 号

特定財源制度に係る税の収入額については、一般財源化を図ることを前提とし、平成十九年度以降の歳出 及び歳入の在り方に関する検討と併せて、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成するものとする。

4項

空港整備特別会計法昭和四十五年法律第二十五号)附則第十一項の規定による措置については、第一項の統合の後においても、空港の整備に係る歳出 及び借入金を抑制するよう努めつつ、これを実施するものとし、将来において、空港の整備の進捗状況を踏まえ、その廃止について検討するものとする。

1項

厚生保険特別会計 及び国民年金特別会計は、平成十九年度において統合するものとする。


この場合において、これらの特別会計において経理されていた事務 及び事業については、その合理化 及び効率化を図るものとする。

1項

船員保険特別会計については、同特別会計において経理されている事務 及び事業 並びにこれらに係る制度の在り方を平成十八年度末までを目途に検討するものとし、その結果に基づき、当該事務 及び事業のうち労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。次条第一項において「労災保険法」という。)による労働者災害補償保険事業 又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険事業に相当する部分以外の部分の健康保険法大正十一年法律第七十号)第七条の二第一項に規定する全国健康保険協会 その他の公法人への移管 その他の必要な措置を講じた上で、平成二十二年度までを目途に、労働保険特別会計に統合するものとする。

1項

労働保険特別会計において経理される事業は、労災保険法の規定による保険給付に係る事業 及び雇用保険法の規定による失業等給付に係る事業に限ることを基本とし、労災保険法の規定による労働福祉事業 並びに雇用保険法の規定による雇用安定事業、能力開発事業 及び雇用福祉事業については、廃止を含めた見直しを行うものとする。

2項

雇用保険法第六十六条の規定による国庫負担(失業等給付に係るものに限る)の在り方については、廃止を含めて検討するものとする。

1項

地震再保険特別会計において経理されている再保険の機能に係る事務 及び事業については、その在り方を平成二十年度末までに検討するものとする。

1項

貿易再保険特別会計については、経済協力開発機構の加盟国への輸出に係る短期の貿易保険 その他の貿易保険への民間事業者の参入の一層の促進を図り、民間にゆだねることが可能なものはできる限りこれにゆだねることを通じて、同特別会計において経理される事務 及び事業の見直しを行うものとし、関連する制度の改正について平成二十年度末までを目途に検討するものとする。

1項

農業共済再保険特別会計 及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計において経理されている再保険の機能に係る事務 及び事業については、積立金の管理の透明性の向上を図った上でこれらの特別会計を統合した特別会計において経理することを含め、その在り方を平成二十年度末までに検討するものとする。

1項

森林保険特別会計については、同特別会計において経理されている事務 及び事業を独立行政法人に移管し、同特別会計を廃止することについて、平成二十年度末までに検討するものとする。

1項

国有林野事業特別会計については、同特別会計の設置の目的 及び国有林野事業の改革のための特別措置法(平成十年法律第百三十四号)に基づく改革の実施状況を踏まえ、同特別会計の負担に属する借入金に係る債務の着実な処理 その他国有林野の適切な管理運営のため必要な措置を講じつつ、同特別会計において経理されている事務 及び事業の性質に応じ、その一部を独立行政法人に移管した上で、同特別会計を一般会計に統合することについて、平成二十二年度末までに検討するものとする。

1項
国営土地改良事業特別会計は、平成二十年度までに一般会計に統合するものとする。
2項

土地改良法昭和二十四年法律第百九十五号)による国営土地改良事業 及び都道府県営土地改良事業については、食料・農業・農村基本法平成十一年法律第百六号)第十五条第二項第三号の施策の推進の状況を踏まえ、国と地方公共団体との適切な役割分担について、平成十八年度末までに検討するものとする。

1項

食糧管理特別会計 及び農業経営基盤強化措置特別会計は、平成十九年度において統合するものとする。


この場合において、これらの特別会計において経理されていた事務 及び事業については、その合理化 及び効率化を図るものとする。

2項

前項前段の統合の後の特別会計において経理される事務 及び事業については、当該統合の後において、その性質に応じ、一般会計において経理される事務 及び事業への移行 又は独立行政法人への移管について検討するものとする。

1項

自動車損害賠償保障事業特別会計 及び自動車検査登録特別会計は、平成二十年度において統合するものとする。


この場合において、これらの特別会計において経理されていた事務 及び事業については、その合理化 及び効率化を図るものとする。

2項

前項前段の統合の後の特別会計において経理される事務 及び事業については、当該統合の後において、その性質に応じ、一般会計において経理される事務 及び事業への移行 又は独立行政法人への移管について検討するものとする。

1項

特許特別会計において経理される特許出願の審査(以下この条において単に「審査」という。)に係る事務 及び事業については、一層迅速かつ的確な審査を実現することの必要性にかんがみ、審査の件数、審査に要する経費 及び先行技術の調査の民間への委託の件数について中期的かつ定量的な目標を定め、業務の効率の向上 及び委託の拡大を図るものとする。

1項
国立高度専門医療センター特別会計は、平成二十二年度において廃止するものとする。
2項

国立がんセンター、国立循環器病センター、国立精神・神経センター、国立国際医療センター、国立成育医療センター 及び国立長寿医療センターは、国立高度専門医療センター特別会計の負担に属する借入金に係る債務の処理 その他 これらの機関の事務 及び事業の適切かつ安定的な運営を維持するために必要な措置を講じた上で、独立行政法人に移行させるものとする。

1項

登記特別会計は、同特別会計において経理されている事務 及び事業の合理化 及び効率化を図るとともに、不動産登記法平成十六年法律第百二十三号第十四条第一項の地図を整備するために必要な措置を講じつつ、平成二十二年度末において一般会計に統合するものとする。

1項

特定国有財産整備特別会計は、同特別会計において経理される事務 及び事業を必要な範囲に限定するものとし、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法昭和三十二年法律第百十五号。以下「庁舎法」という。第五条に基づく特定国有財産整備計画の策定の見通しを踏まえ、平成二十二年度を目途に、一般会計に統合するものとする。

1項

電源開発促進対策特別会計 及び石油 及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計は、平成十九年度において統合するものとする。


この場合において、これらの特別会計において経理されていた事務 及び事業については、合理化 及び効率化を図るとともに、勘定を区分して経理することによりその運営の透明性を確保するものとする。

2項

前項前段の統合に当たっては、電源開発促進税の収入は、一般会計の歳入に組み入れた上で、電源開発促進税法昭和四十九年法律第七十九号)第一条に規定する措置(以下 この項において「電源開発促進対策」という。)に要する費用の財源に充てるため、毎会計年度、必要な金額を統合された特別会計に繰り入れるものとし、当該収入の一部について、電源開発促進税の課税の目的を踏まえ、電源開発促進対策に係る財政需要に照らして一般会計から当該特別会計に繰り入れることが必要となるまでの間、効果的な活用を図ることを可能とするものとする。

1項

産業投資特別会計の産業投資勘定は、同勘定において経理される投資の対象を必要な範囲に限定した上で、平成二十年度までに、財政融資資金特別会計に移管するものとする。

2項

前項の移管の後の勘定の在り方については、将来において、民間投資 その他の状況を勘案し、その廃止を含めて検討するものとする。

3項

産業投資特別会計の社会資本整備勘定は、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法昭和六十二年法律第八十六号)第二条第一項、第二条の二第一項、第三条第一項 若しくは第二項 又は附則第三条第一項の規定による貸付けに係る業務の終了に伴い、廃止するものとする。

1項

財政融資資金特別会計においてその運用に関する歳入歳出を経理される財政融資資金については、その規模を将来において適切に縮減されたものとするため、同特別会計の負担において発行される公債の発行額を着実に縮減するとともに、その償還の計画を作成するものとする。

2項

財政融資資金の地方公共団体に対する貸付けについては、第七条第一項の移行の状況を見極めつつ、段階的に縮減するものとする。

1項

外国為替資金特別会計において経理される事務については、その執行に要する費用の節減 その他の合理化 及び効率化を図るものとする。

2項

外国為替資金特別会計法昭和二十六年法律第五十六号)第十三条の規定による一般会計の歳入への繰入れについては、同条に規定する残余のうち相当と認められる金額を繰り入れる措置を講ずるものとする。

1項

国債整理基金特別会計において経理される事務については、その執行に要する費用の節減 その他の合理化 及び効率化を図るほか、日本銀行に取り扱わせる国債に関する事務の範囲について、平成十九年度末までに検討するものとする。

1項

交付税 及び譲与税配付金特別会計については、交付税及び譲与税配付金特別会計法昭和二十九年法律第百三号)附則第五条第一項に基づく借入金に係る中期的な返済計画を公表するものとする。