特定目的会社は、資産流動化計画に従って営む資産の流動化に係る業務 及びその附帯業務(対価を得て、当該資産流動化計画に記載され、又は記録された特定資産以外の資産の譲渡 若しくは貸付け 又は役務の提供を行うことを除く。)のほか、他の業務を営むことができない。
資産の流動化に関する法律
第三章 業務
特定目的会社は、合名会社 又は合資会社の無限責任社員となることができない。
特定目的会社は、第七十条第一項各号に掲げる者を使用人(政令で定める者に限る。)としてはならない。
特定目的会社は、特定資産(信託の受益権を除く。以下この条において同じ。)の管理 及び処分に係る業務を行わせるため、これを信託会社等に信託しなければならない。
特定目的会社は、前項の規定にかかわらず、特定資産のうち次に掲げる資産については、当該資産の譲渡人 又は当該資産の管理 及び処分を適正に遂行するに足りる財産的基礎 及び人的構成を有する者にその管理 及び処分に係る業務を委託することができる。
不動産(土地 若しくは建物 又はこれらに関する所有権以外の権利をいう。)
債権(民法第三編第一章第七節第一款に規定する指図証券、同節第二款に規定する記名式所持人払証券、同節第三款に規定するその他の記名証券 及び同節第四款に規定する無記名証券に係る債権を除く。第二百二条において同じ。)
従たる特定資産(前三号に掲げる資産に該当するものを除く。)
特定目的会社は、前項の規定による特定資産(従たる特定資産を除く。)の管理 及び処分に係る業務の委託に関する契約には、当該業務を委託する相手方(以下この項において「受託者」という。)が次に掲げる義務を有する旨の条件を付さなければならない。
受託者は、資産の管理 及び処分に係る業務を委託した特定目的会社(以下この項において「委託者」という。)の求めに応じ、受託した資産の管理 及び処分の状況について説明しなければならないこと。
特定目的会社は、第二百条第二項 及び第三項の規定に定めるところによるほか、資産流動化計画に従い譲り受けた債権(金銭の支払を目的とするものに限る。以下この条において「譲受債権」という。)について、その取立ての委託 又はその取立ての再委託に対する同項第四号の同意をしようとする場合において、その委託 又は再委託の相手方が譲受債権の取立てに当たり貸金業法第二十一条第一項の規定 若しくはこの法律の規定に違反し、若しくは刑法 若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すおそれが明らかである者であることを知り、又は知ることができるときは、当該相手方に当該委託をし、又は当該相手方に当該再委託をすることに当該同意をしてはならない。
特定目的会社は、資産流動化計画に従い譲り受けた不動産(建物 又は宅地建物取引業法第二条第一号に規定する宅地をいう。)の売買、交換 又は賃貸に係る業務については、第二百条第二項 及び第三項の規定に定めるところによるほか、不動産特定共同事業法第六条各号(第十二号を除く。)のいずれにも該当しない者に委託しなければならない。
宅地建物取引業法の規定は、業務開始届出を行った特定目的会社には、適用しない。
特定目的会社は、金融商品取引法第二条第一項第十五号に掲げる約束手形(第二号において「特定手形」という。)については、次に掲げる場合に限り、これを発行することができる。
この条の規定により発行した特定手形の支払のための資金を調達する場合
特定目的会社は、投資者の保護に反しない場合として内閣府令で定める場合に限り、一の資産流動化計画において、種類 又は発行の時期を異にする優先出資 又は特定社債を発行することができる。
特定目的会社の取締役 又は使用人は、当該特定目的会社の発行する資産対応証券の募集等(金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集 又は有価証券の私募をいう。以下この編において同じ。)の取扱いについて次条第二項の規定による届出が行われたときは、当該資産対応証券の募集等に係る事務を行ってはならない。
資産流動化計画に定められた特定資産(従たる特定資産を除く。)の譲渡人(当該譲渡人が法人である場合には、その役員 及び使用人を含む。以下「特定譲渡人」という。)が特定目的会社の発行する資産対応証券(特定短期社債 及び特定約束手形を除く。以下この条 及び次条において同じ。)の募集等に関する事務を受託した者である場合における金融商品取引法の適用については、当該特定譲渡人が行う当該特定目的会社が発行する資産対応証券の募集等の取扱いは、同法第二条第八項第九号に掲げる行為に該当しないものとみなす。
前項の場合において、特定譲渡人が資産対応証券の募集等の取扱いを行うときは、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に届け出なければならない。
金融商品取引法第三十六条第一項(顧客に対する誠実義務)、第三十七条第一項(第二号を除く。)及び第二項(広告等の規制)、第三十七条の三第一項(第二号 及び第六号を除く。)及び第二項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の四(契約締結時等の書面の交付)、第三十八条(第七号 及び第八号を除く。)(禁止行為)、第三十九条(第四項 及び第六項を除く。)(損失補塡等の禁止)、第四十条(適合性の原則等)、第四十四条の三第一項(第三号を除く。)(親法人等 又は子法人等が関与する行為の制限)、第四十五条(第三号 及び第四号を除く。)の規定は、資産対応証券の募集等を行う特定目的会社 及び資産対応証券の募集等の取扱いを行う特定譲渡人について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二百十七条から第二百十九条までの規定は、資産対応証券の募集等の取扱いを行う特定譲渡人について準用する。
この場合において、
第二百十七条第一項中
「この法律」とあるのは
「この法律 又は第二百九条第一項において準用する金融商品取引法の規定」と、
「その業務 若しくは財産」とあるのは
「その資産対応証券の募集等の取扱い」と
読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
特定目的会社は、次に掲げる全ての要件を満たす場合には、取締役の決定(取締役が数人あるときは、その過半数をもってする決定)により資金の借入れを行うことができる。
特定目的会社が行う資金の借入れであって、前条の規定により行う資金の借入れ以外のものについては、次の各号に掲げる資金の借入れの区分に応じ当該各号に定める場合に限り、行うことができるものとする。
特定社債、特定約束手形 又は特定借入れに係る債務の履行に充てるための資金の借入れ(当該資金の借入れに係る債務の履行に充てるために更に資金の借入れを行う場合を含む。)借入期間が一年以内である場合
前号に掲げる資金の借入れ以外の資金の借入れ資産対応証券の発行 又は特定借入れを行う場合における一時的な資金繰りのために資金の借入れを行う場合 その他投資者の保護に反しない場合として内閣府令で定める場合
組合契約(民法第六百六十七条の組合契約をいう。)の出資の持分(内閣府令で定めるものを除く。)
匿名組合契約(商法第五百三十五条の匿名組合契約をいう。)の出資の持分(内閣府令で定めるものを除く。)
金銭の信託受益権(内閣府令で定めるものを除く。)
特定目的会社は、同一法人の発行済株式 又は出資の持分(以下この項 及び次項において「株式等」という。)に係る議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項において同じ。)を、当該株式等に係る議決権の総数に内閣府令で定める率を乗じて得た数を超えて取得し、又は保有してはならない。
前項の場合において、特定目的会社が取得し、又は所有する株式等には、信託財産である株式等で当該特定目的会社が委託者 又は受益者として議決権を行使し、又は議決権の行使について指図を行うことができるものを含むものとする。
特定目的会社は、資産流動化計画に定められたところによる場合を除き、特定資産(従たる特定資産を除く。)を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供してはならない。