実用新案権は、設定の登録により発生する。
実用新案法
第四章 実用新案権
第一節 実用新案権
実用新案登録出願があつたときは、その実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録をする。
前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を実用新案公報に掲載しなければならない。
実用新案権者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所
実用新案登録出願の番号 及び年月日
考案者の氏名 及び住所 又は居所
願書に添付した明細書 及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項 並びに図面の内容
願書に添付した要約書に記載した事項
登録番号 及び設定の登録の年月日
前各号に掲げるもののほか、必要な事項
特許法第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を実用新案公報に掲載する場合に準用する。
実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正を一回に限りすることができる。
第十三条第三項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から二月を経過したとき。
実用新案登録無効審判について、第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。
前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
実用新案登録請求の範囲の減縮
他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
特許法第四条の規定は、第一項第一号に規定する期間に準用する。
第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。
実用新案権者は、第一項の訂正をする場合のほか、請求項の削除を目的とするものに限り、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正をすることができる。
ただし、実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第四十一条において準用する特許法第百五十六条第一項の規定による通知があつた後(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後 更に同条第一項の規定による通知があつた後)は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正をすることができない。
第一項 及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。
ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
第一項 又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。
第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面を添付しなければならない。
第一項 又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面により実用新案登録出願 及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。
第一項 又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書 及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項 並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。
特許法第百二十七条 及び第百三十二条第三項の規定は、第一項 及び第七項の場合に準用する。
特許庁長官は、訂正書(前条第一項の訂正に係るものに限る。)の提出があつた場合において、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の記載が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を指定して、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。
その訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が物品の形状、構造 又は組合せに係るものでないとき。
その訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が第四条の規定により実用新案登録をすることができないものであるとき。
その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の記載が第五条第六項第四号 又は第六条に規定する要件を満たしていないとき。
その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。
実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から十年をもつて終了する。
実用新案権者は、業として登録実用新案の実施をする権利を専有する。
ただし、その実用新案権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録実用新案の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
実用新案権者、専用実施権者 又は通常実施権者は、その登録実用新案がその実用新案登録出願の日前の出願に係る他人の登録実用新案、特許発明 若しくは登録意匠 若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき、又はその実用新案権がその実用新案登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権 若しくは商標権と抵触するときは、業としてその登録実用新案の実施をすることができない。
実用新案登録が第三十七条第一項第二号に規定する要件に該当するとき(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は第三十七条第一項第五号に規定する要件に該当するときは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その実用新案権者に対し、当該実用新案権の移転を請求することができる。
前項の規定による請求に基づく実用新案権の移転の登録があつたときは、その実用新案権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。
共有に係る実用新案権について第一項の規定による請求に基づきその持分を移転する場合においては、第二十六条において準用する特許法第七十三条第一項の規定は、適用しない。
実用新案権者は、その実用新案権について専用実施権を設定することができる。
専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を専有する。
特許法第七十七条第三項から第五項まで(移転等)、第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号 及び第二項(登録の効果)の規定は、専用実施権に準用する。
実用新案権者は、その実用新案権について他人に通常実施権を許諾することができる。
通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を有する。
特許法第七十三条第一項(共有)、第九十七条第三項(放棄)及び第九十九条(通常実施権の対抗力)の規定は、通常実施権に準用する。
次の各号のいずれかに該当する者であつて、特許法第百二十三条第一項の特許無効審判(以下この項において単に「特許無効審判」という。)の請求の登録前に、特許が同条第一項各号のいずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施 又は準備をしている発明 及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における実用新案権 又はその際 現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
実用新案登録に係る考案と特許に係る発明とが同一である場合において、特許を無効にした場合における原特許権者
特許を無効にしてその発明と同一の考案について正当権利者に実用新案登録をした場合における原特許権者
前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際 現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権 又はその特許権 若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者
当該実用新案権者 又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者 又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
ただし、その登録実用新案に係る実用新案登録出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。
前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
特許法第八十四条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、前項の裁定に準用する。
実用新案権者 又は専用実施権者は、その登録実用新案が第十七条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録実用新案の実施をするための通常実施権 又は特許権 若しくは意匠権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
前項の協議を求められた第十七条の他人は、その協議を求めた実用新案権者 又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権 又は特許権 若しくは意匠権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする登録実用新案の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案権者 又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第十七条の他人は、第七項において準用する特許法第八十四条の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。
特許庁長官は、第三項 又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第十七条の他人 又は実用新案権者 若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
特許法第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項 及び第八十六条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、第三項 又は第四項の裁定に準用する。
登録実用新案の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者 又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。
特許法第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項 及び第八十六条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、前項の裁定に準用する。
通常実施権は、第二十一条第二項、第二十二条第三項 若しくは第四項 若しくは前条第二項、特許法第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者 及び専用実施権者)の承諾を得た場合 及び相続 その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
通常実施権者は、第二十一条第二項、第二十二条第三項 若しくは第四項 若しくは前条第二項、特許法*第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者 及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。
第二十一条第二項 又は前条第二項の裁定による通常実施権は、実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。
第二十二条第三項、特許法第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権 又は意匠権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その実用新案権、特許権 又は意匠権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。
第二十二条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権 又は意匠権に従つて移転し、その実用新案権、特許権 又は意匠権が消滅したときは消滅する。
実用新案権、専用実施権 又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録実用新案の実施をすることができない。
特許法第九十六条(物上代位)の規定は、実用新案権、専用実施権 又は通常実施権を目的とする質権に準用する。
特許法第九十八条第一項第三号 及び第二項(登録の効果)の規定は、実用新案権 又は専用実施権を目的とする質権に準用する。
特許法第六十九条第一項 及び第二項、第七十条から第七十一条の二まで(特許権の効力が及ばない範囲 及び特許発明の技術的範囲)、第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)、第七十九条(先使用による通常実施権)、第七十九条の二(特許権の移転の登録前の実施による通常実施権)、第八十一条、第八十二条(意匠権の存続期間満了後の通常実施権)、第九十七条第一項(放棄)並びに第九十八条第一項第一号 及び第二項(登録の効果)の規定は、実用新案権に準用する。
第二節 権利侵害
実用新案権者 又は専用実施権者は、自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害する者 又は侵害するおそれがある者(以下「侵害者等」という。)に対し、その侵害の停止 又は予防を請求することができる。
実用新案権者 又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(プログラム等(特許法第二条第四項に規定するプログラム等をいう。次条において同じ。)を含む。以下同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却 その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
次に掲げる行為は、当該実用新案権 又は専用実施権を侵害するものとみなす。
業として、登録実用新案に係る物品の製造にのみ用いる物の生産、譲渡等(譲渡 及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)若しくは輸入 又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
登録実用新案に係る物品の製造に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその考案による課題の解決に不可欠なものにつき、その考案が登録実用新案であること 及びその物がその考案の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等 若しくは輸入 又は譲渡等の申出をする行為
登録実用新案に係る物品を業としての譲渡、貸渡し又は輸出のために所持する行為
実用新案権者 又は専用実施権者が故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、次の各号に掲げる額の合計額を、実用新案権者 又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。
実用新案権者 又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額に、自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該実用新案権者 又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部 又は一部に相当する数量を当該実用新案権者 又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額
譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量 又は特定数量がある場合(実用新案権者 又は専用実施権者が、当該実用新案権者の実用新案権についての専用実施権の設定 若しくは通常実施権の許諾 又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該実用新案権 又は専用実施権に係る登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額
実用新案権者 又は専用実施権者が故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、実用新案権者 又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。
実用新案権者 又は専用実施権者は、故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対し、その登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
裁判所は、第一項第二号 及び前項に規定する録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、実用新案権者 又は専用実施権者が、自己の実用新案権 又は専用実施権に係る登録実用新案の実施の対価について、当該実用新案権 又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該実用新案権 又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該実用新案権者 又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。
第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。
この場合において、実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に故意 又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
実用新案権者 又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権 又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。
実用新案権者 又は専用実施権者が侵害者等に対しその権利を行使し、又はその警告をした場合において、実用新案登録を無効にすべき旨の審決(第三十七条第一項第六号に掲げる理由によるものを除く。)が確定したときは、その者は、その権利の行使 又はその警告により相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる。
ただし、実用新案技術評価書の実用新案技術評価(当該実用新案登録出願に係る考案 又は登録実用新案が第三条第一項第三号 及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二 並びに第七条第一項から第三項まで 及び第六項の規定により実用新案登録をすることができない旨の評価を受けたものを除く。)に基づきその権利を行使し、又はその警告をしたとき、その他相当の注意をもつてその権利を行使し、又はその警告をしたときは、この限りでない。
前項の規定は、実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面についてした第十四条の二第一項 又は第七項の訂正により実用新案権の設定の登録の際における実用新案登録請求の範囲に記載された考案の範囲に含まれないこととなつた考案についてその権利を行使し、又はその警告をした場合に準用する。
特許法第百四条の二から第百五条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限 及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで(第三者の意見、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し、訴訟記録の閲覧等の請求の通知等、当事者尋問等の公開停止 及び信用回復の措置)の規定は、実用新案権 又は専用実施権の侵害に準用する。
この場合において、
同法第百四条の四中
「次に掲げる決定 又は審決が確定した」とあるのは
「第一号に掲げる審決が確定した又は第三号に掲げる訂正があつた」と、
「当該決定 又は審決が確定した」とあるのは
「当該審決が確定した又は訂正があつた」と、
同条第三号中
「訂正をすべき旨の決定 又は審決」とあるのは
「実用新案法第十四条の二第一項 又は第七項の訂正」と
読み替えるものとする。
第三節 登録料
実用新案権の設定の登録を受ける者 又は実用新案権者は、登録料として、実用新案権の設定の登録の日から第十五条に規定する存続期間の満了の日までの各年について、一件ごとに、一万八千百円を超えない範囲内で政令で定める額に一請求項につき九百円を超えない範囲内で政令で定める額を加えた額を納付しなければならない。
前項の規定は、国に属する実用新案権には、適用しない。
第一項の登録料は、実用新案権が国 又は第三十二条の二の規定 若しくは他の法令の規定による登録料の軽減 若しくは免除(以下この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、第一項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する登録料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。
前項の規定により算定した登録料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
第一項の登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。
ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
前条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料は、実用新案登録出願と同時に(第十条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更 又は第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による出願の分割があつた場合にあつては、その出願の変更 又は出願の分割と同時に)一時に納付しなければならない。
前条第一項の規定による第四年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。
特許庁長官は、登録料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、第一項に規定する期間を延長することができる。
登録料を納付する者がその責めに帰することができない理由により前項の規定により延長された期間内にその登録料を納付することができないときは、第一項 及び前項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその登録料を納付することができる。
特許庁長官は、第三十一条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料を納付すべき者がその実用新案登録出願に係る考案の考案者 又はその相続人である場合において貧困により登録料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、登録料を軽減し若しくは免除し、又はその納付を猶予することができる。
実用新案権者は、第三十二条第二項に規定する期間 又は前条の規定による納付の猶予後の期間内に登録料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。
前項の規定により登録料を追納する実用新案権者は、第三十一条第一項の規定により納付すべき登録料のほか、その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。
ただし、当該実用新案権者がその責めに帰することができない理由により第三十二条第二項に規定する期間 又は前条の規定による納付の猶予後の期間内にその登録料を納付することができないときは、その割増登録料を納付することを要しない。
前項の割増登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。
ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
実用新案権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に第三十一条第一項の規定による第四年以後の各年分の登録料 及び第二項の規定により納付すべき割増登録料を納付しないときは、その実用新案権は、第三十二条第二項に規定する期間の経過の時に遡つて消滅したものとみなす。
実用新案権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に前条の規定により納付が猶予された登録料 及び第二項の規定により納付すべき割増登録料を納付しないときは、その実用新案権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
前条第四項の規定により消滅したものとみなされた実用新案権 又は同条第五項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた実用新案権の原実用新案権者は、同条第四項 又は第五項に規定する登録料 及び割増登録料を納付することができるようになつた日から二月以内で同条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後一年以内に限り、経済産業省令で定めるところにより、その登録料 及び割増登録料を追納することができる。
ただし、故意に、同項の規定により登録料を追納することができる期間内にその登録料 及び割増登録料を納付しなかつたと認められる場合は、この限りでない。
前項の規定による登録料 及び割増登録料の追納があつたときは、その実用新案権は、第三十二条第二項に規定する期間の経過の時にさかのぼつて存続していたもの又は初めから存在していたものとみなす。
前条第二項の規定により実用新案権が回復したときは、その実用新案権の効力は、第三十三条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後実用新案権の回復の登録前に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。
前条第二項の規定により回復した実用新案権の効力は、第三十三条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後実用新案権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
当該登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等 若しくは輸入 又は譲渡等の申出をした行為
当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し 又は輸出のために所持した行為
既納の登録料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。
実用新案登録出願を却下すべき旨の処分が確定した場合の登録料
実用新案登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の登録料
実用新案権の存続期間の満了の日の属する年の翌年以後の各年分の登録料
前項の規定による登録料の返還は、同項第一号の登録料については納付した日から一年、同項第二号 又は第三号の登録料についてはそれぞれ処分 又は審決が確定した日から六月、同項第四号の登録料については実用新案権の設定の登録があつた日から一年を経過した後は、請求することができない。
第一項の規定による登録料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
特許法第百十条(特許料を納付すべき者以外の者による特許料の納付)の規定は、登録料について準用する。