建設業法
第三章の二 建設工事の請負契約に関する紛争の処理
建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)は、この法律の規定により、建設工事の請負契約に関する紛争(以下「紛争」という。)につきあつせん、調停 及び仲裁(以下「紛争処理」という。)を行う権限を有する。
審査会は、中央建設工事紛争審査会(以下「中央審査会」という。)及び都道府県建設工事紛争審査会(以下「都道府県審査会」という。)とし、中央審査会は、国土交通省に、都道府県審査会は、都道府県に置く。
審査会は、委員をもつて組織し、中央審査会の委員の定数は、十五人以内とする。
会長に事故があるときは、委員のうちからあらかじめ互選された者がその職務を代理する。
委員の任期は、二年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
国土交通大臣 又は都道府県知事は、それぞれ その任命に係る委員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その委員を解任しなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、それぞれ その任命に係る委員が次の各号の一に該当するときは、その委員を解任することができる。
審査会は、会長 又は第二十五条の二第五項の規定により会長を代理する者のほか、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
特別委員の任期は、二年とする。
第二十五条の二第二項、第二十五条の三第二項 及び第四項、第二十五条の四 並びに第二十五条の五の規定は、特別委員について準用する。
都道府県審査会の委員 及び特別委員は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十四条、第六十条第二号 及び第六十二条の規定の適用については、同法第三条第二項に規定する一般職に属する地方公務員とみなす。
中央審査会は、次の各号に掲げる場合における紛争処理について管轄する。
都道府県審査会は、次の各号に掲げる場合における紛争処理について管轄する。
前項第三号に掲げる場合 及び第二号に掲げる場合のほか、当事者の一方のみが許可を受けないで建設業を営む者である場合であつて、その紛争に係る建設工事の現場が当該都道府県の区域内にあるとき。
前二項の規定にかかわらず、当事者は、双方の合意によつて管轄審査会を定めることができる。
審査会に対する紛争処理の申請は、政令の定めるところにより、書面をもつて、中央審査会に対するものにあつては国土交通大臣を、都道府県審査会に対するものにあつては当該都道府県知事を経由してこれをしなければならない。
審査会は、紛争が生じた場合において、次の各号の一に該当するときは、あつせん 又は調停を行う。
当事者の双方 又は一方から、審査会に対しあつせん 又は調停の申請がなされたとき。
公共性のある施設 又は工作物で政令で定めるものに関する紛争につき、審査会が職権に基き、あつせん 又は調停を行う必要があると決議したとき。
審査会によるあつせんは、あつせん委員がこれを行う。
あつせん委員は、当事者間をあつせんし、双方の主張の要点を確かめ、事件が解決されるように努めなければならない。
審査会による調停は、三人の調停委員がこれを行う。
審査会は、調停案を作成し、当事者に対しその受諾を勧告することができる。
前項の調停案は、調停委員の過半数の意見で作成しなければならない。
審査会は、紛争が その性質上あつせん 若しくは調停をするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせん 若しくは調停の申請をしたと認めるときは、あつせん 又は調停をしないものとする。
審査会は、あつせん 又は調停に係る紛争についてあつせん 又は調停による解決の見込みがないと認めるときは、あつせん 又は調停を打ち切ることができる。
審査会は、前項の規定によりあつせん 又は調停を打ち切つたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
前条第一項の規定によりあつせん 又は調停が打ち切られた場合において、当該あつせん 又は調停の申請をした者が同条第二項の通知を受けた日から一月以内にあつせん 又は調停の目的となつた請求について訴えを提起したときは、時効の完成猶予に関しては、あつせん 又は調停の申請の時に、訴えの提起があつたものとみなす。
紛争について当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。
当該紛争について、当事者間において審査会によるあつせん 又は調停が実施されていること。
前号に規定する場合のほか、当事者間に審査会によるあつせん 又は調停によつて当該紛争の解決を図る旨の合意があること。
受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
第一項の申立てを却下する決定 及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。
審査会は、紛争が生じた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、仲裁を行う。
審査会による仲裁は、三人の仲裁委員がこれを行う。
仲裁委員は、委員 又は特別委員のうちから当事者が合意によつて選定した者につき、審査会の会長が指名する。
ただし、当事者の合意による選定がなされなかつたときは、委員 又は特別委員のうちから審査会の会長が指名する。
仲裁委員のうち少なくとも一人は、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第二章の規定により、弁護士となる資格を有する者でなければならない。
審査会の行う仲裁については、この法律に別段の定めがある場合を除いて、仲裁委員を仲裁人とみなして、仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)の規定を適用する。
審査会は、相手方が正当な理由なく前項に規定する文書 又は物件を提出しないときは、当該文書 又は物件に関する申立人の主張を真実と認めることができる。
審査会は、前項の規定により検査をする場合においては、当該仲裁委員の一人をして当該検査を行わせることができる。
審査会は、相手方が正当な理由なく第一項に規定する検査を拒んだときは、当該事実関係に関する申立人の主張を真実と認めることができる。
審査会の行う調停 又は仲裁の手続は、公開しない。
ただし、審査会は、相当と認める者に傍聴を許すことができる。
審査会が前項の規定により費用を予納させようとする場合において、当事者が当該費用の予納をしないときは、審査会は、同項の行為をしないことができる。
中央審査会に対して紛争処理の申請をする者は、政令の定めるところにより、申請手数料を納めなければならない。
中央審査会は、国土交通大臣に対し、都道府県審査会は、当該都道府県知事に対し、国土交通省令の定めるところにより、紛争処理の状況について報告しなければならない。
この章に規定するもののほか、紛争処理の手続 及びこれに要する費用に関し必要な事項は、政令で定める。