社会教育法

# 昭和二十四年法律第二百七号 #

第五章 公民館

分類 法律
カテゴリ   教育
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

公民館は、市町村 その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術 及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

1項
公民館は、市町村が設置する。
2項

前項の場合を除くほか、公民館は、公民館の設置を目的とする一般社団法人 又は一般財団法人(以下この章において「法人」という。)でなければ設置することができない

3項
公民館の事業の運営上必要があるときは、公民館に分館を設けることができる。
1項

公民館は、第二十条の目的達成のために、おおむね、左の事業を行う。


但し、この法律 及び他の法令によつて禁じられたものは、この限りでない。

一 号
定期講座を開設すること。
二 号
討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。
三 号
図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。
四 号
体育、レクリエーシヨン等に関する集会を開催すること。
五 号
各種の団体、機関等の連絡を図ること。
六 号
その施設を住民の集会 その他の公共的利用に供すること。
1項

公民館は、次の行為を行つてはならない

一 号

もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させ その他営利事業を援助すること。

二 号
特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。
2項

市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派 若しくは教団を支援してはならない。

1項

文部科学大臣は、公民館の健全な発達を図るために、公民館の設置 及び運営上必要な基準を定めるものとする。

2項

文部科学大臣 及び都道府県の教育委員会は、市町村の設置する公民館が前項の基準に従つて設置され 及び運営されるように、当該市町村に対し、指導、助言 その他の援助に努めるものとする。

1項

市町村が公民館を設置しようとするときは、条例で、公民館の設置 及び管理に関する事項を定めなければならない。

1項
公民館に館長を置き、主事 その他必要な職員を置くことができる。
2項
館長は、公民館の行う各種の事業の企画実施 その他必要な事務を行い、所属職員を監督する。
3項
主事は、館長の命を受け、公民館の事業の実施にあたる。
1項

市町村の設置する公民館の館長、主事 その他必要な職員は、当該市町村の教育委員会(特定地方公共団体である市町村の長がその設置、管理 及び廃止に関する事務を管理し、及び執行することとされた公民館(第三十条第一項 及び第四十条第一項において「特定公民館」という。)の館長、主事 その他必要な職員にあつては、当該市町村の長)が任命する。

1項

第九条の六の規定は、公民館の職員の研修について準用する。

1項
公民館に公民館運営審議会を置くことができる。
2項

公民館運営審議会は、館長の諮問に応じ、公民館における各種の事業の企画実施につき調査審議するものとする。

1項

市町村の設置する公民館にあつては、公民館運営審議会の委員は、当該市町村の教育委員会(特定公民館に置く公民館運営審議会の委員にあつては、当該市町村の長)が委嘱する。

2項

前項の公民館運営審議会の委員の委嘱の基準、定数 及び任期 その他当該公民館運営審議会に関し必要な事項は、当該市町村の条例で定める。


この場合において、委員の委嘱の基準については、文部科学省令で定める基準を参酌するものとする。

1項

法人の設置する公民館に公民館運営審議会を置く場合にあつては、その委員は、当該法人の役員をもつて充てるものとする。

1項

公民館は、当該公民館の運営の状況について評価を行うとともに、その結果に基づき公民館の運営の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

1項

公民館は、当該公民館の事業に関する地域住民 その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携 及び協力の推進に資するため、当該公民館の運営の状況に関する情報を積極的に提供するよう努めなければならない。

1項

公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百四十一条の基金を設けることができる。

1項

公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、特別会計を設けることができる。

1項

国は、公民館を設置する市町村に対し、予算の範囲内において、公民館の施設、設備に要する経費 その他必要な経費の一部を補助することができる。

2項

前項の補助金の交付に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

都道府県が地方自治法第二百三十二条の二の規定により、公民館の運営に要する経費を補助する場合において、文部科学大臣は、政令の定めるところにより、その補助金の額、補助の比率、補助の方法 その他必要な事項につき報告を求めることができる。

1項

国庫の補助を受けた市町村は、左に掲げる場合においては、その受けた補助金を国庫に返還しなければならない。

一 号

公民館がこの法律 若しくはこの法律に基く命令 又はこれらに基いてした処分に違反したとき

二 号

公民館がその事業の全部 若しくは一部を廃止し、又は第二十条に掲げる目的以外の用途に利用されるようになつたとき。

三 号
補助金交付の条件に違反したとき。
四 号

虚偽の方法で補助金の交付を受けたとき。

1項

文部科学大臣 及び都道府県の教育委員会は、法人の設置する公民館の運営 その他に関し、その求めに応じて、必要な指導 及び助言を与えることができる。

1項

公民館が第二十三条の規定に違反する行為を行つたときは、市町村の設置する公民館にあつては当該市町村の教育委員会(特定公民館にあつては、当該市町村の長)、法人の設置する公民館にあつては都道府県の教育委員会は、その事業 又は行為の停止を命ずることができる。

2項

前項の規定による法人の設置する公民館の事業 又は行為の停止命令に関し必要な事項は、都道府県の条例で定めることができる。

1項

前条第一項の規定による公民館の事業 又は行為の停止命令に違反する行為をした者は、一年以下の懲役 若しくは禁錮 又は三万円以下の罰金に処する。

1項
公民館に類似する施設は、何人もこれを設置することができる。
2項

前項の施設の運営 その他に関しては、第三十九条の規定を準用する。