航空法

# 昭和二十七年法律第二百三十一号 #

第三章 航空機の安全性

分類 法律
カテゴリ   航空
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

国土交通大臣は、申請により、航空機(国土交通省令で定める滑空機を除く。以下において同じ。)について耐空証明を行う。

2項

前項の耐空証明は、日本の国籍を有する航空機でなければ、受けることができない。


ただし、政令で定める航空機については、この限りでない。

3項

耐空証明は、航空機の用途 及び国土交通省令で定める航空機の運用限界を指定して行う。

4項

国土交通大臣は、第一項の申請があつたときは、当該航空機が次に掲げる基準に適合するかどうかを設計、製造過程 及び現状について検査し、これらの基準に適合すると認めるときは、耐空証明をしなければならない。

一 号

国土交通省令で定める安全性を確保するための強度、構造 及び性能についての基準

二 号
航空機の種類、装備する発動機の種類、最大離陸重量の範囲 その他の事項が国土交通省令で定めるものである航空機にあつては、国土交通省令で定める騒音の基準
三 号

装備する発動機の種類 及び出力の範囲 その他の事項が国土交通省令で定めるものである航空機にあつては、国土交通省令で定める発動機の排出物の基準

5項

前項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、次に掲げる航空機については、設計 又は製造過程について検査の一部を行わないことができる。

一 号

の型式証明を受けた型式の航空機(初めて耐空証明を受けようとするものに限る

二 号

政令で定める輸入した航空機(初めて耐空証明を受けようとするものに限る

三 号

耐空証明を受けたことのある航空機

四 号

の能力について同項の認定を受けた者が、国土交通省令で定めるところにより、当該認定に係る設計 及び設計後の検査をした航空機

五 号

の能力についての認定を受けた者が、国土交通省令で定めるところにより、当該認定に係る設計 及び設計後の検査をした装備品等(航空機の装備品 及び部品をいう。以下同じ。)を装備した航空機(当該装備品等に係る部分に限る

6項

第四項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、前項の航空機のうち次に掲げるものについては、現状についても検査の一部を行わないことができる。

一 号

前項第一号に掲げる航空機のうち、の能力についての認定を受けた者が、当該認定に係る製造 及び完成後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第四項の基準に適合することを確認した航空機

二 号

前項第一号に掲げる航空機のうち、政令で定める輸入した航空機

三 号

前項第三号に掲げる航空機のうち、の能力についての認定を受けた者が、当該認定に係る整備 及び整備後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第四項の基準に適合することを確認した航空機

7項

耐空証明は、申請者に耐空証明書を交付することによつて行う。

1項

国土交通省令で定める資格 及び経験を有することについて国土交通大臣の認定を受けた者(以下「耐空検査員」という。)は、の航空機のうち国土交通省令で定める滑空機について耐空証明を行うことができる。

2項

の規定は、前項の耐空証明について準用する。

1項

航空機は、有効な耐空証明を受けているものでなければ、航空の用に供してはならない。


但し、試験飛行等を行うため国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

2項

航空機は、その受けている耐空証明において指定された航空機の用途 又は運用限界の範囲内でなければ、航空の用に供してはならない。

3項

第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。

1項

国土交通大臣は、申請により、航空機の型式の設計について型式証明を行う。

2項

国土交通大臣は、前項の申請があつたときは、その申請に係る型式の航空機がの基準に適合すると認めるときは、前項型式証明をしなければならない。

3項

型式証明は、申請者に型式証明書を交付することによつて行う。

4項

国土交通大臣は、第一項の型式証明をするときは、あらかじめ経済産業大臣の意見をきかなければならない。

1項

型式証明を受けた者は、当該型式の航空機の設計の変更をしようとするときは、国土交通大臣の承認を受けなければならない。


の基準の変更があつた場合において、型式証明を受けた型式の航空機がの基準に適合しなくなつたときも同様である。

2項

国土交通大臣は、前項の承認の申請があつたときは、当該申請に係る設計についての基準に適合するかどうかを検査し、これに適合すると認めるときは、承認しなければならない。

3項

の規定は、国土交通大臣が前項の承認をしようとする場合に準用する。

4項

型式証明を受けた者であつての能力についての認定を受けたものが、当該型式の航空機の設計の国土交通省令で定める変更について、当該認定に係る設計 及び設計後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認したときは、第一項の規定の適用については、同項の承認を受けたものとみなす。

5項

前項の規定による確認をした者は、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

1項

国土交通大臣は、申請により、型式証明を受けた型式の航空機の当該型式証明を受けた者以外の者による設計の一部の変更について、承認を行う。

2項

前項の承認を受けた設計(次項の承認があつたときは、その変更後のもの。以下この条から第十三条の五までにおいて同じ。)に係る航空機の型式の設計は、 及びの規定の適用については、型式証明を受けたものとみなす。

3項

第一項の承認を受けた者は、当該承認を受けた設計の変更をしようとするときは、国土交通大臣の承認を受けなければならない。


の基準の変更があつた場合において、当該承認を受けた設計がの基準に適合しなくなつたときも同様とする。

4項

第一項の承認を受けた者であつての能力についての認定を受けたものが、当該承認を受けた設計の国土交通省令で定める変更について、当該認定に係る設計 及び設計後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認したときは、前項の規定の適用については、同項の承認を受けたものとみなす。

5項

の規定は国土交通大臣がする第一項 及び第三項の承認について、の規定は前項の規定による確認をした者について、それぞれ準用する。

1項

型式証明 又はの承認を受けた者は、当該型式証明を受けた型式の航空機 又は当該承認を受けた設計に係る航空機であつて耐空証明のあるものの使用者がの規定による整備 及び改造をするに当たつて必要となる技術上の情報であつて国土交通省令で定めるものを当該航空機の使用者に提供するよう努めなければならない。

1項

型式証明 又はの承認を受けた者であつて本邦内に住所(法人にあつては、その主たる事務所)を有するものは、当該型式証明を受けた型式の航空機 又は当該承認を受けた設計に係る航空機について、国土交通省令で定めるところにより、運輸安全委員会設置法昭和四十八年法律第百十三号)第二条第二項に規定する航空事故等(航空機に係るものに限る)その他の航空機がの基準に適合せず、又はの基準に適合しなくなるおそれがあるものとして国土交通省令で定める事態に関する情報を収集し、国土交通大臣にこれを報告しなければならない。

1項

国土交通大臣は、型式証明を受けた型式の航空機 又は 若しくはの承認を受けた設計に係る航空機がの基準に適合せず、又はの基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該型式証明 又は承認(次項において「型式証明等」という。)を受けた者に対し、の基準に適合させるため、又はの基準に適合しなくなるおそれをなくするために必要な設計の変更を命ずることができる。

2項

国土交通大臣は、型式証明等を受けた者が前項の規定による命令に違反したときは、当該型式証明等を取り消すことができる。

1項

耐空証明の有効期間は、一年とする。


ただし、航空運送事業の用に供する航空機 又はの認定を受けた整備規程(の認定 又はの規定による届出があつたときは、その変更後のもの。 及びにおいて同じ。)により整備をする航空機については、国土交通大臣が定める期間とする。

1項

耐空証明のある航空機(航空運送事業の用に供する航空機を除く)の使用者は、国土交通省令で定める航空機の整備に関する事項について整備規程を定め、国土交通大臣の認定を受けることができる。

2項

国土交通大臣は、前項の申請があつたときは、その申請に係る整備規程が国土交通省令で定める技術上の基準に適合すると認めるときは、同項認定をしなければならない。

3項

第一項の認定を受けた者は、当該認定を受けた整備規程を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認定を受けなければならない。


ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

4項

第二項の規定は、前項の認定について準用する。

5項

第一項の認定を受けた者は、第三項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

6項

第一項 及び第三項の認定 並びに前項の規定による届出に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

7項

国土交通大臣は、第一項の認定を受けた者が第三項 若しくは第五項の規定 若しくは前項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は第一項の認定を受けた整備規程が第二項の技術上の基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該航空機の使用者に対し、これを変更すべきことを命じ、又は当該認定を取り消すことができる。

1項

国土交通大臣は、耐空証明のある航空機がの基準に適合せず、又はの期間を経過する前にの基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該航空機の使用者に対し、の基準に適合させるため、又はの基準に適合しなくなるおそれをなくするために必要な整備、改造 その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

2項

国土交通大臣は、 又はの検査の結果、当該航空機 又は当該型式の航空機がの基準に適合せず、又はの期間を経過する前にの基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機 又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又はにおいて準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。

1項

次の各号に掲げる航空機の耐空証明は、当該各号に定める場合には、その効力を失う。

一 号

登録航空機

当該航空機の抹消登録があつた場合

二 号

に規定する航空機

当該航空機が航空の用に供してはならない航空機として騒音の大きさ その他の事情を考慮して国土交通省令で定めるものに該当することとなつた場合

1項

耐空証明のある航空機の使用者は、航空機の整備をし、及び必要に応じ改造をすることにより、当該航空機をの基準に適合するように維持しなければならない。

2項

耐空証明のある航空機の使用者は、次の各号いずれかに該当する装備品等以外の装備品等を当該航空機に装備してはならない。

一 号

の能力について同項の認定を受けた者が、当該認定に係る製造 及び完成後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認した装備品等

二 号

の能力についての認定を受けた者が、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認した当該認定に係る航空機の装備品等

三 号

の能力についての認定を受けた者が、当該認定に係る修理 又は改造をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認した装備品等

四 号

その他国土交通省令で定める装備品等

1項

耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について国土交通省令で定める範囲の修理 又は改造をする場合には、その計画(の承認を受けた設計(の承認があつたときは、その変更後のもの。において同じ。)又は国土交通省令で定める輸入した航空機の修理 若しくは改造のための設計に係るものを除く)及び実施について国土交通大臣の検査を受け、これに合格しなければ、これを航空の用に供してはならない。

2項

の滑空機であつて、耐空証明のあるものの使用者は、当該滑空機について前項の修理 又は改造をする場合において、耐空検査員の検査を受け、これに合格したときは、の規定にかかわらず、これを航空の用に供することができる。

3項

ただし書の規定は、第一項の場合に準用する。

4項

国土交通大臣 又は耐空検査員は、第一項 又は第二項の検査の結果、当該航空機が、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。

1項

国土交通大臣は、申請により、耐空証明のある航空機の修理 又は改造のための設計の一部の変更について、承認を行う。

2項

前項の設計の一部の変更であつて、の能力についての認定を受けた者が当該認定に係る設計 及び設計後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認したものは、の規定の適用については、前項の承認を受けたものとみなす。

3項

第一項の承認を受けた者は、当該承認を受けた設計の変更をしようとするときは、国土交通大臣の承認を受けなければならない。


の基準の変更があつた場合において、当該承認を受けた設計がの基準に適合しなくなつたときも、同様とする。

4項

第一項の承認を受けた者であつての能力について同項の認定を受けたものが、当該承認を受けた設計の国土交通省令で定める変更について、当該認定に係る設計 及び設計後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、の基準に適合することを確認したときは、前項の規定の適用については、の承認を受けたものとみなす。

5項

の規定は国土交通大臣がする第一項 及び第三項の承認について、の規定は第二項 及び前項の規定による確認をした者について、 及びの規定は第一項の承認を受けた者について、の規定は当該承認を受けた設計に係る航空機について、それぞれ準用する。

1項

航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機であつて、耐空証明のあるものの使用者は、当該航空機について整備(国土交通省令で定める軽微な保守を除く次項 及びにおいて同じ。)又は改造をする場合(の修理 又は改造をする場合を除く)には、の能力についての認定を受けた者が、当該認定に係る整備 又は改造をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、当該航空機についての基準に適合することを確認するのでなければ、これを航空の用に供してはならない。

2項

前項の航空機以外の航空機であつて、耐空証明のあるものの使用者は、当該航空機について整備 又は改造をした場合(の修理 又は改造をした場合を除く)には、当該航空機がの基準に適合することについて確認をし 又は確認を受けなければ、これを航空の用に供してはならない。

3項

ただし書の規定は、前二項の場合に準用する。

1項

耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機についての能力についての認定を受けた者が当該認定に係る整備 又は改造をした場合(の規定によりの能力についての認定を受けた者が当該認定に係る整備 又は改造をしなければならない場合を除く)であつて、国土交通省令で定めるところにより、その認定を受けた者が当該航空機についての基準に適合することを確認したときは、 又はの規定にかかわらず、これを航空の用に供することができる。

1項

国土交通大臣は、申請により、次に掲げる 又は二以上の業務の能力が国土交通省令で定める技術上の基準に適合することについて、事業場ごとに認定を行う。

一 号

航空機の設計 及び設計後の検査の能力

二 号
航空機の製造 及び完成後の検査の能力
三 号
航空機の整備 及び整備後の検査の能力
四 号
航空機の整備 又は改造の能力
五 号
装備品等の設計 及び設計後の検査の能力
六 号

装備品等の製造 及び完成後の検査の能力

七 号
装備品等の修理 又は改造の能力
2項

前項の認定を受けた者は、その認定を受けた事業場(以下「認定事業場」という。)ごとに、国土交通省令で定める業務の実施に関する事項について業務規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。


その変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときも、同様とする。

3項

国土交通大臣は、前項の業務規程が国土交通省令で定める技術上の基準に適合していると認めるときは、同項認可をしなければならない。

4項

第一項の認定を受けた者は、第二項の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

5項

第一項の認定、第二項の認可 及び前項の規定による届出に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

6項

国土交通大臣は、第一項の認定を受けた者が認定事業場において第二項 若しくは第四項の規定 若しくは前項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は認定事業場における能力が第一項の技術上の基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該認定を受けた者に対し、当該認定事業場における第二項の業務規程の変更 その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命じ、六月以内において期間を定めて当該認定事業場における業務の全部 若しくは一部の停止を命じ、又は当該認定を取り消すことができる。

1項

耐空証明書 及び型式証明書の様式、交付、再交付、返納 及び提示に関する事項、耐空検査員に関する事項 その他耐空証明、型式証明、の検査 並びに 及びの承認の実施細目は、国土交通省令で定める。