内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、この章の定めるところにより信用情報提供等業務を行う者として、指定することができる。
貸金業法
第三章の二 指定信用情報機関
第一節 通則
法人(人格のない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定めのあるものを含み、外国の法令に準拠して設立された法人 その他の外国の団体を除く。以下この章において同じ。)であること。
第四十一条の三十三第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。
この法律 若しくは個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者でないこと。
役員(業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、代表者 若しくは管理人 又はこれらに準ずる者をいう。以下この章において同じ。)のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
第四十一条の三十三第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消された場合 又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ホにおいて同じ。)であつた者でその取消しの日から五年を経過しない者
第四十一条の三十三第一項の規定 又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた役員でその処分を受けた日から五年を経過しない者
この法律 若しくは個人情報の保護に関する法律 又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしたときは、指定信用情報機関の商号 又は名称 及び主たる営業所 又は事務所の所在地 並びに当該指定をした日を官報で公示しなければならない。
前条第一項の規定による指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
前項の指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
前条第一項第三号 及び第四号に掲げる要件に該当することを誓約する書面
定款 及び法人の登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類
前項の場合において、定款、財産目録、貸借対照表、損益計算書 若しくは収支計算書 又は事業報告書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて当該電磁的記録を添付することができる。
指定信用情報機関の代表者 及び常務に従事する役員は、内閣総理大臣の認可を受けた場合を除くほか、貸金業者 その他の内閣府令で定める法人の代表者となり、若しくは常務に従事し、又は貸金業 その他の内閣府令で定める事業を営んではならない。
第二節 業務
指定信用情報機関は、この章の規定 及び業務規程の定めるところにより、信用情報提供等業務を行うものとする。
指定信用情報機関は、信用情報提供等業務 及び信用情報提供等業務に付随する業務のほか、他の業務を行うことができない。
ただし、当該指定信用情報機関が信用情報提供等業務を適正かつ確実に行うにつき支障を生ずるおそれがないと認められるものについて、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
指定信用情報機関は、前項ただし書の承認を受けた業務を廃止したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第四十一条の十四第一項の指定申請書に申請者が信用情報提供等業務 及び信用情報提供等業務に付随する業務以外の業務を行う旨の記載がある場合において、当該申請者が第四十一条の十三第一項の指定を受けたときは、当該業務を行うことにつき第一項ただし書の承認を受けたものとみなす。
前項の規定による委託を受けた者は、当該委託を受けた信用情報提供等業務の一部を、当該委託をした指定信用情報機関の同意を得て、更に他の者に委託することができる。
前項の規定による委託を受けた者は、当該委託を受けた信用情報提供等業務の一部を、同項に規定する委託を受けた者 及び同項の指定信用情報機関の同意を得て、更に他の者に委託することができる。
指定信用情報機関は、信用情報提供等業務に係る次に掲げる事項に関する業務規程を定め、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
貸金業者との信用情報の提供を内容とする契約(以下「信用情報提供契約」という。)の締結に関する事項
他の指定信用情報機関があるときは、当該他の指定信用情報機関に対する個人信用情報の提供に関する事項 その他の当該他の指定信用情報機関との信用情報提供等業務の連携に関する事項(第四十一条の二十四第二項の規定により手数料を徴収する場合にあつては、当該手数料に関する事項を含む。)
信用情報提供契約を締結した相手方である貸金業者(以下この章において「加入貸金業者」という。)に対する監督に関する事項
信用情報提供等業務の一部を他の者に委託する場合におけるその委託した業務の適正かつ確実な遂行を確保するための措置に関する事項
前各号に掲げるもののほか、信用情報提供等業務の実施に必要な事項として内閣府令で定める事項
前項第二号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
加入貸金業者から資金需要者等に係る信用情報の提供を依頼された場合には、当該資金需要者等に係るすべての信用情報を提供すること。
第一項第五号に掲げる事項に関する業務規程は、信用情報提供等業務に関する料金が能率的な業務運営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであることを内容とするものでなければならない。
内閣総理大臣は、第一項の認可をした業務規程が信用情報提供等業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定信用情報機関に対し、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
指定信用情報機関は、内閣府令で定めるところにより、信用情報提供等業務に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
指定信用情報機関は、加入貸金業者が指定信用情報機関から提供を受けた信用情報をその顧客である資金需要者等の返済能力の調査(指定信用情報機関が第四十一条の十八第一項ただし書の承認を受けて加入貸金業者の顧客の金銭債務の弁済能力の調査(当該返済能力の調査を除く。)のために信用情報の提供を行つている場合には、当該弁済能力の調査を含む。)以外の目的で使用しないよう加入貸金業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
指定信用情報機関は、他の指定信用情報機関の加入貸金業者の依頼に基づき当該 他の指定信用情報機関から個人信用情報の提供の依頼を受けたときは、正当な理由がある場合を除き、当該依頼に応じ、個人信用情報を提供しなければならない。
指定信用情報機関は、前項の規定による個人信用情報の提供に関し、手数料を徴収することができる。
指定信用情報機関は、前項の規定により手数料を徴収する場合には、第一項の規定による個人信用情報の提供に関する能率的な業務運営の下における適正な原価に照らし公正妥当な手数料を定めなければならない。
第四十一条の十六 及び第四十一条の二十二の規定は、第一項の規定による個人信用情報の提供に係る業務について準用する。
指定信用情報機関は、加入貸金業者の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
指定信用情報機関でない者(割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)第三十五条の三の三十六第一項の規定による指定を受けた者を除く。)は、その名称 又は商号中に、指定信用情報機関と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第三節 監督
指定信用情報機関は、第四十一条の十四第一項第一号から第三号までのいずれかに掲げる事項に変更があつたときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、前項の規定により指定信用情報機関の商号 若しくは名称 又は主たる営業所 若しくは事務所の所在地の変更の届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
指定信用情報機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第四十一条の十五の規定による認可 又は第四十一条の十八第一項ただし書の規定による承認を受けた事項を実行したとき。
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定めるとき。
指定信用情報機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る業務 及び財産に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
前項の報告書に関する記載事項、提出期日 その他必要な事項は、内閣府令で定める。
内閣総理大臣は、信用情報提供等業務の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、指定信用情報機関に対し、その業務 若しくは財産に関して報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、指定信用情報機関の営業所 若しくは事務所 その他の施設に立ち入らせ、当該指定信用情報機関の業務 若しくは財産の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。
内閣総理大臣は、信用情報提供等業務の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、指定信用情報機関の利用者 若しくは第四十一条の十九各項の規定による委託を受けた者に対し、当該指定信用情報機関の業務 若しくは財産に関し参考となるべき報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、これらの者の営業所 若しくは事務所に立ち入らせ、当該指定信用情報機関の業務 若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくはこれらの者の帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。
前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第一項 及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
指定信用情報機関は、信用情報提供等業務の全部 又は一部の休止(次項に規定する理由によるものを除く。)をし、又は廃止をしようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
指定信用情報機関が、天災 その他のやむを得ない理由により信用情報提供等業務の全部 又は一部を休止した場合には、直ちにその旨を、理由を付して内閣総理大臣に届け出るとともに、加入貸金業者 及び他の指定信用情報機関に通知しなければならない。
指定信用情報機関がその休止した当該信用情報提供等業務の全部 又は一部を再開するときも、同様とする。
前二項の規定により指定信用情報機関による信用情報提供等業務が休止している場合において、貸金業者が指定信用情報機関の保有する信用情報の全部 又は一部を使用することができないときは、第十三条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)又は第十三条の三第一項 若しくは第二項の規定は、適用しない。
内閣総理大臣は、指定信用情報機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十一条の十三第一項の規定による指定 若しくは第四十一条の十八第一項ただし書の承認を取り消し、六月以内の期間を定めて、その業務の全部 若しくは一部の停止を命じ、又はその役員の解任を命ずることができる。
第四十一条の十三第一項第三号から第七号までに掲げる要件に該当しないこととなつたとき、又は指定を受けた時点において同項各号のいずれかに該当していなかつたことが判明したとき。
不正の手段により第四十一条の十三第一項の規定による指定を受けたとき。
法令 又は法令に基づく処分に違反したとき。
内閣総理大臣は、前項の規定により第四十一条の十三第一項の規定による指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
内閣総理大臣は、指定信用情報機関が次の各号のいずれかに該当するときは、当該指定信用情報機関に対し、信用情報提供等業務の全部 又は一部を他の指定信用情報機関に行わせることを命ずることができる。
前条第一項の規定により第四十一条の十三第一項の規定による指定を取り消し、又はその業務(信用情報提供等業務に限る。)の全部 若しくは一部の停止を命ずるとき。
第四十一条の三十二第一項の認可をするとき。
内閣総理大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第四節 加入貸金業者
加入貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したときは、当該信用情報提供契約の締結前に締結した資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約(極度方式基本契約 その他の内閣府令で定めるものを除く。次項において同じ。)で当該信用情報提供契約を締結した時点において貸付けの残高があるものに係る次に掲げる事項を、当該指定信用情報機関に提供しなければならない。
前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
加入貸金業者は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、当該貸付けに係る契約に係る個人信用情報を信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関(以下「加入指定信用情報機関」という。)に提供しなければならない。
前二項の規定による個人信用情報の提供をした加入貸金業者は、当該提供をした個人信用情報に変更があつたときは、遅滞なく、その変更内容を加入指定信用情報機関に提供しなければならない。
加入貸金業者は、加入指定信用情報機関に資金需要者等に係る信用情報の提供の依頼(当該資金需要者等に係る他の指定信用情報機関が保有する個人信用情報の提供の依頼を含む。)をする場合には、内閣府令で定める場合を除き、あらかじめ、当該資金需要者等から書面 又は電磁的方法による同意を得なければならない。
加入貸金業者は、資金需要者である個人の顧客を相手方として貸付けに係る契約(内閣府令で定めるものを除く。)を締結しようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる同意を当該顧客から書面 又は電磁的方法により得なければならない。
ただし、当該契約が当該顧客を相手方とする加入前極度方式貸付契約(当該加入指定信用情報機関との信用情報提供契約の締結前に締結した極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けに係る契約をいう。)である場合は、この限りでない。
前号の個人信用情報を加入指定信用情報機関が当該加入指定信用情報機関の他の加入貸金業者に提供する旨の同意
第一号の個人信用情報を第四十一条の二十四第一項の規定による依頼に応じ、他の指定信用情報機関の加入貸金業者に提供する旨の同意
加入貸金業者は、前二項の同意を得た場合には、内閣府令で定めるところにより、当該同意に関する記録を作成し、保存しなければならない。
加入貸金業者は、加入指定信用情報機関の商号 又は名称を公表しなければならない。
加入貸金業者 又はその役員 若しくは職員は、次に掲げる調査(以下「返済能力等調査」という。)以外の目的のために加入指定信用情報機関に信用情報の提供の依頼(第一号の資金需要者等 及び第二号の主たる債務者に係る他の指定信用情報機関が保有する個人信用情報の提供の依頼を含む。)をし、又は加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報を返済能力等調査以外の目的に使用し、若しくは第三者に提供してはならない。
前号に掲げるもののほか、当該加入貸金業者が締結する保証契約に係る主たる債務者の借入金の返済能力 その他の金銭債務の弁済能力の調査
加入貸金業者 又はその役員 若しくは職員は、加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報について、これらの者に該当しなくなつた後において、当該信用情報を使用し、又は第三者に提供してはならない。