国税は、納税者の総財産について、この章に別段の定がある場合を除き、すべての公課 その他の債権に先だつて徴収する。
国税徴収法
第二章 国税と他の債権との調整
第一節 一般的優先の原則
納税者の財産につき強制換価手続が行われた場合において、国税の交付要求をしたときは、その国税は、その手続により配当すべき金銭(以下この章において「換価代金」という。)につき、その手続に係る費用に次いで徴収する。
納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、次条、第十四条から第十七条まで(担保を徴した国税の優先等)、第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)及び第二十三条(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)の規定にかかわらず、その換価代金につき、他の国税、地方税 その他の債権に先立つて徴収する。
国税通則法第三十九条(強制換価の場合の消費税等の徴収の特例)又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第三号 若しくは第七号(公売 又は売却等の場合における内国消費税の徴収)の規定により徴収する消費税等(その滞納処分費を含む。)は、次条から第十七条まで(差押先着手による国税の優先等)及び第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)の規定にかかわらず、その徴収の基因となつた移出 又は公売 若しくは売却に係る物品の換価代金につき、他の国税、地方税 その他の債権に先だつて徴収する。
第二節 国税及び地方税の調整
納税者の財産につき国税 又は地方税の滞納処分による差押があつた場合において、国税の交付要求をしたときは、その交付要求に係る国税は、その換価代金につき、その差押に係る国税 又は地方税(第九条(強制換価手続の費用の優先)の規定の適用を受ける費用を除く。)に次いで徴収する。
納税者の財産につき強制換価手続(破産手続を除く。)が行われた場合において、国税 及び地方税の交付要求があつたときは、その換価代金につき、先にされた交付要求に係る国税は、後にされた交付要求に係る国税 又は地方税に先だつて徴収し、後にされた交付要求に係る国税は、先にされた交付要求に係る国税 又は地方税に次いで徴収する。
国税につき徴した担保財産があるときは、前二条の規定にかかわらず、その国税は、その換価代金につき他の国税 及び地方税に先だつて徴収する。
第三節 国税と被担保債権との調整
納税者がその財産上に質権を設定している場合において、その質権が国税の法定納期限(次の各号に掲げる国税については、当該各号に定める日とし、当該国税に係る附帯税 及び滞納処分費については、その徴収の基因となつた国税に係る当該各号に定める日とする。以下「法定納期限等」という。)以前に設定されているものであるときは、その国税は、その換価代金につき、その質権により担保される債権に次いで徴収する。
法定納期限後にその納付すべき額が確定した国税(過怠税を含む。)
その更正通知書 若しくは決定通知書 又は納税告知書を発した日(申告納税方式による国税で申告により確定したものについては、その申告があつた日)
法定納期限前に国税通則法第三十八条第一項(繰上請求)の規定による請求(以下「繰上請求」という。)がされた国税
当該請求に係る期限
第二期分の所得税(所得税法第百四条第一項(予定納税額の納付)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により同項に規定する第二期において納付すべき所得税をいい、同法第百十五条(出国をする場合の予定納税額の納期限の特例)(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税で同法第百四条第一項に規定する第一期において納付すべき所得税の納期限後に納付すべきものを含む。)
当該第一期において納付すべき所得税の納期限
相続税法第三十五条第二項(更正及び決定の特則)の規定による更正 又は決定により納付すべき税額が確定した相続税 又は贈与税
その更正通知書 又は決定通知書を発した日
地価税(国税通則法第二条第七号(定義)に規定する法定申告期限(以下この号において「法定申告期限」という。)までに納付するもの及び第一号に掲げるものを除く。)
その更正通知書 又は決定通知書を発した日(申告により確定したものについては、その申告があつた日(その日が当該地価税の法定申告期限前である場合には、当該法定申告期限))
再評価税で確定した税額を二以上の納期において納付するもののうち最初の納期後の納期において納付する再評価税
その再評価税の最初の納期限
国税通則法第十五条第三項第二号から第四号まで 及び第六号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)に掲げる国税(法定納期限以前に納付されたものを除く。)
その納税告知書を発した日(納税の告知を受けることなく法定納期限後に納付された国税については、その納付があつた日)
第二十四条第二項(譲渡担保権者の物的納税責任)又は第百五十九条第三項(保全差押え)(国税通則法第三十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により告知し、又は通知した金額の国税
これらの規定による告知書 又は通知書を発した日
相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)の固有の財産から徴収する被相続人(包括遺贈者を含む。以下同じ。)の国税 及び相続財産から徴収する相続人の固有の国税(相続(包括遺贈を含む。以下同じ。)があつた日前にその納付すべき税額が確定したもの(国税通則法第十五条第三項第二号から第四号まで 及び第六号に掲げる国税については、その日前に納税告知書を発したもの。以下この項において同じ。)に限る。)
その相続があつた日
合併により消滅した法人(以下「被合併法人」という。)に属していた財産から徴収する合併後存続する法人 又は当該合併に係る他の被合併法人の固有の国税 及び合併後存続する法人の固有の財産から徴収する被合併法人の国税(合併のあつた日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)
その合併のあつた日
分割を無効とする判決の確定により当該分割をした法人(以下この号において「分割法人」という。)に属することとなつた財産から徴収する分割法人の固有の国税 及び分割法人の固有の財産から徴収する分割法人の国税通則法第九条の二(法人の合併等の無効判決に係る連帯納付義務)に規定する連帯して納付する義務に係る国税(当該判決が確定した日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)
当該判決が確定した日
分割により事業を承継した法人(以下この号において「分割承継法人」という。)の当該分割をした法人から承継した財産(以下この号において「承継財産」という。)から徴収する分割承継法人の固有の国税、分割承継法人の固有の財産から徴収する分割承継法人の国税通則法第九条の三(法人の分割に係る連帯納付の責任)に規定する連帯納付の責任(以下この号において「連帯納付責任」という。)に係る国税 及び分割承継法人の承継財産から徴収する分割承継法人の連帯納付責任に係る当該分割に係る他の分割をした法人の国税(分割のあつた日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)
その分割のあつた日
第二次納税義務者 又は保証人として納付すべき国税
第三十二条第一項(第二次納税義務の通則)又は国税通則法第五十二条第二項(担保の処分)の納付通知書を発した日
前項の規定は、登記(登録 及び電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項(定義)に規定する電子記録を含む。以下同じ。)をすることができる質権以外の質権については、その質権者が、強制換価手続において、その執行機関に対し、その設定の事実を証明した場合に限り適用する。
この場合において、有価証券を目的とする質権以外の質権については、その証明は、次に掲げる書類によつてしなければならない。
郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第四十八条第一項(内容証明)の規定により内容証明を受けた証書
民法施行法(明治三十一年法律第十一号)第七条第一項(公証人法の規定の準用)において準用する公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第六十二条ノ七第四項(書面の交付による情報の提供)の規定により交付を受けた書面
前項各号の規定により証明された質権は、第一項の規定の適用については、民法施行法第五条(確定日付がある証書)の規定により確定日付があるものとされた日に設定されたものとみなす。
第一項の質権を有する者は、第二項の証明をしなかつたため国税におくれる金額の範囲内においては、第一項の規定により国税に優先する後順位の質権者に対して優先権を行うことができない。
納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。
前項の規定は、登記をすることができる質権以外の質権については、その質権者が、強制換価手続において、その執行機関に対し、同項の譲受前にその質権が設定されている事実を証明した場合に限り適用する。
この場合においては、第十五条第二項後段 及び第三項(優先質権の証明)の規定を準用する。
前三条の規定に基き国税に先だつ質権 又は抵当権により担保される債権の元本の金額は、その質権者 又は抵当権者がその国税に係る差押 又は交付要求の通知を受けた時における債権額を限度とする。
ただし、その国税に優先する他の債権を有する者の権利を害することとなるときは、この限りでない。
質権 又は抵当権により担保される債権額 又は極度額を増加する登記がされた場合には、その登記がされた時において、その増加した債権額 又は極度額につき新たに質権 又は抵当権が設定されたものとみなして、前三条の規定を適用する。
立木の先取特権に関する法律(明治四十三年法律第五十六号)第一項(立木の先取特権)の先取特権
商法(明治三十二年法律第四十八号)第八百二条(積荷等についての先取特権)若しくは第八百四十二条(船舶先取特権)、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第九十五条第一項(船舶先取特権)又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五十五条第一項(船舶先取特権)の先取特権
国税に優先する債権のため 又は国税のために動産を保存した者の先取特権
前項第三号から第五号まで(同項第三号に掲げる先取特権で登記をしたものを除く。)の規定は、その先取特権者が、強制換価手続において、その執行機関に対しその先取特権がある事実を証明した場合に限り適用する。
次に掲げる先取特権が納税者の財産上に国税の法定納期限等以前からあるとき、又は納税者がその先取特権のある財産を譲り受けたときは、その国税は、その換価代金につき、その先取特権により担保される債権に次いで徴収する。
不動産賃貸の先取特権 その他質権と同一の順位 又はこれらに優先する順位の動産に関する特別の先取特権(前条第一項第三号から第五号までに掲げる先取特権を除く。)
借地借家法(平成三年法律第九十号)第十二条(借地権設定者の先取特権)又は接収不動産に関する借地借家臨時処理法(昭和三十一年法律第百三十八号)第七条(賃貸人等の先取特権)に規定する先取特権
前条第二項の規定は、前項第一号に掲げる先取特権について準用する。
留置権が納税者の財産上にある場合において、その財産を滞納処分により換価したときは、その国税は、その換価代金につき、その留置権により担保されていた債権に次いで徴収する。
この場合において、その債権は、質権、抵当権、先取特権 又は第二十三条第一項(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先)に規定する担保のための仮登記により担保される債権に先立つて配当するものとする。
前項の規定は、その留置権者が、滞納処分の手続において、その行政機関等に対し、その留置権がある事実を証明した場合に限り適用する。
納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に登記した質権 又は抵当権を設定した財産を譲渡したときは、納税者の財産につき滞納処分を執行してもなおその国税に不足すると認められるときに限り、その国税は、その質権者 又は抵当権者から、これらの者がその譲渡に係る財産の強制換価手続において、その質権 又は抵当権によつて担保される債権につき配当を受けるべき金額のうちから徴収することができる。
前項の規定により徴収することができる金額は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した額をこえることができない。
前項の譲渡に係る財産の換価代金から同項に規定する債権が配当を受けるべき金額
前号の財産を納税者の財産とみなし、その財産の換価代金につき前項の国税の交付要求があつたものとした場合に同項の債権が配当を受けるべき金額
税務署長は、第一項の規定により国税を徴収するため、同項の質権者 又は抵当権者に代位してその質権 又は抵当権を実行することができる。
税務署長は、第一項の規定により国税を徴収しようとするときは、その旨を質権者 又は抵当権者に通知しなければならない。
税務署長は、第一項の譲渡に係る財産につき強制換価手続が行われた場合には、同項の規定により徴収することができる金額の国税につき、執行機関に対し、交付要求をすることができる。
第四節 国税と仮登記又は譲渡担保に係る債権との調整
国税の法定納期限等以前に納税者の財産につき、その者を登記義務者(登録義務者を含む。)として、仮登記担保契約に関する法律(昭和五十三年法律第七十八号)第一条(趣旨)に規定する仮登記担保契約に基づく仮登記 又は仮登録(以下「担保のための仮登記」という。)がされているときは、その国税は、その換価代金につき、その担保のための仮登記により担保される債権に次いで徴収する。
担保のための仮登記がされている納税者の財産上に、第十九条第一項各号(不動産保存の先取特権等の優先)に掲げる先取特権があるとき、国税の法定納期限等以前から第二十条第一項各号(法定納期限等以前にある不動産賃貸の先取特権等の優先)に掲げる先取特権があるとき、又は国税の法定納期限等以前に質権 若しくは抵当権が設定され、若しくは担保のための仮登記がされているときは、その国税は、仮登記担保契約に関する法律第三条第一項(清算金)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)に規定する清算金に係る換価代金につき、同法第四条第一項(物上代位)(同法第二十条において準用する場合を含む。)の規定により権利が行使されたこれらの先取特権、質権 及び抵当権 並びに同法第四条第二項(同法第二十条において準用する場合を含む。)において準用する同法第四条第一項の規定により権利が行使された同条第二項に規定する後順位の担保仮登記により担保される債権に次いで徴収する。
第十七条第一項(譲受前に設定された質権 又は抵当権の優先)の規定は、納税者が担保のための仮登記がされている財産を譲り受けたときについて、前条(第三項を除く。)の規定は、納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に担保のための仮登記をした財産を譲渡したときについて、それぞれ準用する。
仮登記担保契約に関する法律第一条に規定する仮登記担保契約で、消滅すべき金銭債務がその契約の時に特定されていないものに基づく仮登記 及び仮登録は、国税の滞納処分においては、その効力を有しない。
納税者が国税を滞納した場合において、その者が譲渡した財産でその譲渡により担保の目的となつているもの(以下「譲渡担保財産」という。)があるときは、その者の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときに限り、譲渡担保財産から納税者の国税を徴収することができる。
税務署長は、前項の規定により徴収しようとするときは、譲渡担保財産の権利者(以下「譲渡担保権者」という。)に対し、徴収しようとする金額 その他必要な事項を記載した書面により告知しなければならない。
この場合においては、その者の住所 又は居所(事務所 及び事業所を含む。以下同じ。)の所在地を所轄する税務署長 及び納税者に対しその旨を通知しなければならない。
前項の告知書を発した日から十日を経過した日までにその徴収しようとする金額が完納されていないときは、徴収職員は、譲渡担保権者を第二次納税義務者とみなして、その譲渡担保財産につき滞納処分を執行することができる。
この場合においては、第三十二条第三項から第五項まで(第二次納税義務の通則)及び第九十条第三項(換価の制限)の規定を準用する。
譲渡担保財産を第一項の納税者の財産としてした差押えは、同項の要件に該当する場合に限り、前項の規定による差押えとして滞納処分を続行することができる。
この場合において、税務署長は、遅滞なく、第二項の告知 及び通知をしなければならない。
税務署長は、前項の規定により滞納処分を続行する場合において、譲渡担保財産が次の各号に掲げる財産であるときは、当該各号に定める者に対し、納税者の財産としてした差押えを第三項の規定による差押えとして滞納処分を続行する旨を通知しなければならない。
第三者が占有する動産(第七十条(船舶 又は航空機の差押え)又は第七十一条(自動車、建設機械 又は小型船舶の差押え)の規定の適用を受ける財産を除く。以下同じ。)又は有価証券 動産 又は有価証券を占有する第三者
第六十二条(差押えの手続 及び効力発生時期)又は第七十三条(電話加入権等の差押えの手続 及び効力発生時期)の規定の適用を受ける財産(これらの財産の権利の移転につき登記を要するものを除く。)第三債務者 又はこれに準ずる者(以下「第三債務者等」という。)
税務署長は、第四項の規定により滞納処分を続行する場合において、第五十五条第一号 又は第三号(質権者等に対する差押えの通知)に掲げる者のうち知れている者があるときは、これらの者に対し、納税者の財産としてした差押えを第三項の規定による差押えとして滞納処分を続行する旨を通知しなければならない。
第二項の規定による告知 又は第四項の規定の適用を受ける差押えをした後、納税者の財産の譲渡により担保される債権が債務不履行 その他弁済以外の理由により消滅した場合(譲渡担保財産につき買戻し、再売買の予約 その他これらに類する契約を締結している場合において、期限の経過 その他その契約の履行以外の理由によりその契約が効力を失つたときを含む。)においても、なお譲渡担保財産として存続するものとみなして、第三項の規定を適用する。
第一項の規定は、国税の法定納期限等以前に、担保の目的でされた譲渡に係る権利の移転の登記がある場合 又は譲渡担保権者が国税の法定納期限等以前に譲渡担保財産となつている事実を、その財産の売却決定の前日までに、証明した場合には、適用しない。
この場合においては、第十五条第二項後段 及び第三項(優先質権の証明)の規定を準用する。
第一項の規定の適用を受ける譲渡担保権者は、第十章(罰則)の規定の適用については、納税者とみなす。
買戻しの特約のある売買の登記、再売買の予約の請求権の保全のための仮登記(仮登録を含む。以下同じ。)その他これに類する登記(以下この条において「買戻権の登記等」という。)がされている譲渡担保財産でその買戻権の登記等の権利者が滞納者であるときは、その差し押さえた買戻権の登記等に係る権利 及び前条第三項の規定により差し押さえたその買戻権の登記等のある譲渡担保財産を一括して換価することができる。
前条 及び前項に規定するもののほか、譲渡担保財産からする納税者の国税の徴収に関し必要な事項は、政令で定める。
第五節 国税及び地方税等と私債権との競合の調整
強制換価手続において国税が他の国税、地方税 又は公課(以下この条において「地方税等」という。)及びその他の債権(以下この条において「私債権」という。)と競合する場合において、この章 又は地方税法 その他の法律の規定により、国税が地方税等に先だち、私債権がその地方税等におくれ、かつ、当該国税に先だつとき、又は国税が地方税等におくれ、私債権がその地方税等に先だち、かつ、当該国税におくれるときは、換価代金の配当については、次に定めるところによる。
第九条(強制換価手続の費用の優先)若しくは第十条(直接の滞納処分費の優先)に規定する費用 若しくは滞納処分費、第十一条(強制換価の場合の消費税等の優先)に規定する国税(地方税法の規定によりこれに相当する優先権を有する地方税を含む。)、第二十一条(留置権の優先)の規定の適用を受ける債権、第五十九条第三項 若しくは第四項(前払賃料の優先)(第七十一条第四項(自動車等についての準用規定)において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける債権 又は第十九条(不動産保存の先取特権等の優先)の規定の適用を受ける債権があるときは、これらの順序に従い、それぞれこれらに充てる。
国税 及び地方税等 並びに私債権(前号の規定の適用を受けるものを除く。)につき、法定納期限等(地方税 又は公課のこれに相当する納期限等を含む。)又は設定、登記、譲渡 若しくは成立の時期の古いものからそれぞれ順次にこの章 又は地方税法 その他の法律の規定を適用して国税 及び地方税等 並びに私債権に充てるべき金額の総額をそれぞれ定める。
前号の規定により定めた国税 及び地方税等に充てるべき金額の総額を第八条(国税優先の原則)若しくは第十二条から第十四条まで(差押先着手による国税の優先等)の規定 又は地方税法 その他の法律のこれらに相当する規定により、順次国税 及び地方税等に充てる。
第二号の規定により定めた私債権に充てるべき金額の総額を民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律の規定により順次私債権に充てる。