気象業務法
第六章 雑則
前項の証明 又は鑑定を受けようとする者は、国土交通省令の定めるところにより、手数料を納めなければならない。
気象庁は、第十一条に規定するものの外、一般の利用に供するため、気象、地象、地動、地球磁気、地球電気 及び水象に関する観測、調査 及び研究の成果 並びに統計を刊行物の発行 その他の方法により発表するものとする。
何人も、正当な理由がないのに、気象庁 若しくは第六条第一項 若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器 又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪 若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器 又は標識の効用を害する行為をしてはならない。
前項の規定により宅地 又はかき、さく等で囲まれた土地 若しくは水面に立ち入らせる場合においては、あらかじめその旨をその所有者、占有者 又は占用者に通知しなければならない。
但し、これらの者に対し、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
気象庁長官は、離島、湖沼、山林、原野 又はこれらに類する場所で、気象、地象、地動、地球磁気、地球電気 又は水象を観測する場合において、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得ることが困難であり、且つ、当該物件の現状を著しく損傷しないときは、前項の規定にかかわらず、所有者 又は占有者の承諾を得ないで、当該業務に従事する職員に、障害となる植物 又はかき、さく等を伐除させることができる。
この場合においては、すみやかにその旨を所有者 又は占有者に通知しなければならない。
前二条の規定による立入 又は伐除により損失を生じた場合においては、国は、その損失をうけた者に対し、通常生ずべき損失を補償する。
前項の補償の額は、気象庁長官が決定する。
前項の決定に不服がある者は、その決定を知つた日から六箇月以内に、訴えをもつて補償の額の増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、国を被告とする。
前項の条件は、公共の利益を確保するため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可 又は認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
気象庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、第十七条第一項 若しくは第二十六条第一項の規定により許可を受けた者 又は第七条第一項の船舶に対し、それらの行う気象業務に関し、報告させることができる。
気象庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、第十七条第一項 若しくは第二十六条第一項の規定により許可を受けた者 若しくは第六条第一項 若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者の事業所 若しくは観測を行う場所 又は第七条第一項の船舶に立ち入り、気象記録、気象測器 その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
前三項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第三十八条、第三十九条 又は前条第四項から第六項までの規定により当該業務に従事する職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
気象庁は、その業務の遂行に支障のない限り、一般の委託により、気象、地象、地動、地球磁気、地球電気 及び水象 並びにこれらに密接な関連のある事項についての特殊な観測、予報、情報の収集 及び作成、調査 並びに研究 並びにこれらの指導を行い、気象測器 並びに地動、地球磁気 及び地球電気の観測に用いる器具、器械 及び装置の設計、製作、検定、修理 及び調整を行うことができる。
前項の委託をする者は、国土交通省令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。
交通政策審議会は、気象庁長官の諮問に応じ、第三条各号に掲げる事項 その他気象業務に関する重要事項を調査審議する。
交通政策審議会は、前項に規定する事項に関し、関係行政機関に対し、意見を述べることができる。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
前項の規定により管区気象台長 又は沖縄気象台長に委任された権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方気象台長に委任することができる。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続 その他の事項は、国土交通省令で定める。