災害弔慰金の支給等に関する法律

昭和四十八年法律第八十二号
略称 : 災害弔慰金法  災害弔慰金支給法 
分類 法律
カテゴリ   災害対策
@ 施行日 : 令和三年五月二十日 ( 2021年 5月20日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第三十号による改正
最終編集日 : 2023年 07月11日 09時24分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 災害弔慰金の支給

  • 第三章 災害障害見舞金の支給

  • 第四章 災害援護資金の貸付け

  • 第五章 雑則

第一章 総則

1項

この法律は、災害により死亡した者の遺族に対して支給する災害弔慰金、災害により精神 又は身体に著しい障害を受けた者に対して支給する災害障害見舞金 及び災害により被害を受けた世帯の世帯主に対して貸し付ける災害援護資金について規定するものとする。

1項

この法律において「災害」とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波 その他の異常な自然現象により被害が生ずることをいう。

第二章 災害弔慰金の支給

1項

市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、条例の定めるところにより、政令で定める災害(以下 この章 及び次章において単に「災害」という。)により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行うことができる。

2項

前項に規定する遺族は、死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く)、子、父母、孫 及び祖父母 並びに兄弟姉妹(死亡した者の死亡当時 その者と同居し、又は生計を同じくしていた者に限る。以下 この項において同じ。)の範囲とする。


ただし、兄弟姉妹にあつては、当該配偶者、子、父母、孫 又は祖父母のいずれもが存しない場合に限る

3項

災害弔慰金の額は、死亡者一人当たり五百万円を超えない範囲内で死亡者のその世帯における生計維持の状況等を勘案して政令で定める額以内とする。

1項

災害の際現にその場にいあわせた者につき、当該災害のやんだ後三月間 その生死がわからない場合には、災害弔慰金に関する規定の適用については、その者は、当該災害によつて死亡したものと推定する。

1項

災害弔慰金は、その災害による死亡がその死亡した者の故意 又は重大な過失によるものである場合 その他これを支給することが不適当と認められる政令で定める場合には、支給しない。

1項

災害弔慰金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない

2項

災害弔慰金として支給を受けた金銭は、差し押さえることができない

1項

租税 その他の公課は、災害弔慰金として支給を受ける金銭を標準として、課することができない

1項

都道府県は、災害弔慰金に要する費用につき、その四分の三を負担するものとする。

2項

国は、前項の規定により都道府県が負担する費用につき、その三分の二を負担するものとする。

第三章 災害障害見舞金の支給

1項

市町村は、条例の定めるところにより、災害により負傷し、又は疾病にかかり、治つたとき(その症状が固定したときを含む。)に精神 又は身体に別表に掲げる程度の障害がある住民(次項において「障害者」という。)に対し、災害障害見舞金の支給を行うことができる。

2項

災害障害見舞金の額は、障害者一人当たり二百五十万円を超えない範囲内で障害者のその世帯における生計維持の状況を勘案して政令で定める額以内とする。

1項

第五条から第七条までの規定は、災害障害見舞金について準用する。

第四章 災害援護資金の貸付け

1項

市町村は、条例の定めるところにより、その区域内において災害救助法昭和二十二年法律第百十八号第二条第一項の規定による救助の行われる災害 その他の政令で定める災害により次に掲げる被害を受けた世帯で政令の定めるところにより算定したこれに属する者の所得の合計額が政令で定める額に満たないものの世帯主に対し、生活の立て直しに資するため、災害援護資金の貸付けを行うことができる。

一 号

療養に要する期間がおおむね一月以上である世帯主の負傷

二 号

政令で定める相当程度の住居 又は家財の損害

2項

災害援護資金の一災害における一世帯当たりの限度額は、政令で定める。

3項

災害援護資金の償還期間(据置期間を含む。)は、十年を超えない範囲内で政令で定める。

4項

災害援護資金は、据置期間中は無利子とし、据置期間経過後は、延滞の場合を除き、その利率を年三パーセント以内で条例で定める率とする。

1項

都道府県は、市町村(地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を除く第十三条第一項第十四条第一項第十六条第十八条 及び附則第二条第一項除き、以下同じ。)が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、市町村に貸し付けるものとする。

2項

前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十一年を超えない範囲内で政令で定める。

1項

国は、指定都市が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額 又は都道府県が前条第一項の規定により市町村に貸し付ける貸付金の額の三分の二に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、指定都市 又は都道府県に貸し付けるものとする。

2項

前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十二年指定都市に対するものにあつては十一年)を超えない範囲内で政令で定める。

1項

市町村は、災害 その他政令で定めるやむを得ない理由により、災害援護資金の貸付けを受けた者が支払期日に償還金を支払うことが著しく困難になつたと認められるときは、償還金の支払を猶予することができる。


ただし、災害援護資金の貸付けを受けた者が、第十六条の規定により報告を求められて、正当な理由がなく報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、この限りでない。

2項

前項の規定により償還金の支払が猶予されたときは、災害援護資金の利子の計算については、当該償還金の支払によつて償還されるべきであつた災害援護資金は、猶予前の支払期日に償還されたものとみなす。

1項

市町村は、災害援護資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、精神 若しくは身体に著しい障害を受けたため災害援護資金を償還することができなくなつたと認められるとき又は破産手続開始の決定 若しくは再生手続開始の決定を受けたときは、当該災害援護資金の償還未済額の全部 又は一部の償還を免除することができる。


ただし次の各号いずれかに該当するときは、この限りでない。

一 号

災害援護資金の貸付けを受けた者が、第十六条の規定により報告を求められて、正当な理由がなく報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

二 号

災害援護資金の貸付けを受けた者の保証人が、当該災害援護資金の償還未済額を償還することができると認められるとき。

2項

都道府県は、市町村が前項の規定により災害援護資金の償還を免除したときは、当該市町村に対し、その免除した金額に相当する額の貸付金の償還を免除するものとする。

3項

国は、指定都市 又は都道府県が第一項 又は前項の規定により災害援護資金 又は貸付金の償還を免除したときは、当該指定都市 又は都道府県に対し、その免除した金額の三分の二に相当する額の貸付金の償還を免除するものとする。

1項

市町村は、都道府県からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額(利子 及び延滞利子に係る金額を除く第三項において同じ。)に相当する金額を都道府県に償還するものとする。

2項

都道府県は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、前項の規定により貸付金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。

3項

指定都市は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。

1項

市町村は、この法律の規定により、償還金の支払を猶予し、又は災害援護資金の償還未済額の全部 若しくは一部の償還を免除するか否かを判断するために必要があると認めるときは、災害援護資金の貸付けを受けた者 又はその保証人の収入 又は資産の状況について、災害援護資金の貸付けを受けた者 若しくはその保証人に報告を求め、又は官公署に対し必要な文書の閲覧 若しくは資料の提供を求めることができる。

1項

第十条から前条までに規定するもののほか、災害援護資金の貸付方法、貸付条件 その他災害援護資金の貸付け(これに係る都道府県 及び国の貸付金の貸付けを含む。)に関し必要な事項は、政令で定める。

第五章 雑則

1項

市町村は、災害弔慰金 及び災害障害見舞金の支給に関する事項を調査審議するため、条例の定めるところにより、審議会 その他の合議制の機関を置くよう努めるものとする。

1項

国は、災害弔慰金 及び災害障害見舞金の支給 並びに災害援護資金の貸付けの申請の機会が確保されるよう、災害弔慰金 及び災害障害見舞金の支給 並びに災害援護資金の貸付けに関する制度の周知徹底を図るものとする。