生活保護法

# 昭和二十五年法律第百四十四号 #

第十二章 費用

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和四年六月二十二日 ( 2022年 6月22日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十七号による改正
最終編集日 : 2023年 02月10日 11時08分


1項

市町村は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。

一 号

その長が第十九条第一項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する次に掲げる費用

保護の実施に要する費用(以下「保護費」という。

第三十条第一項ただし書、第三十三条第二項 又は第三十六条第二項の規定により被保護者を保護施設に入所させ、若しくは入所を委託し、又は保護施設を利用させ、若しくは保護施設にこれを委託する場合に、これに伴い必要な保護施設の事務費(以下「保護施設事務費」という。

第三十条第一項ただし書の規定により被保護者を日常生活支援住居施設 若しくは その他の適当な施設に入所させ、若しくは その入所をこれらの施設に委託し、又は私人の家庭に養護を委託する場合に、これに伴い 必要な事務費(以下「委託事務費」という。

二 号

その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者に対して、都道府県知事 又は 他の市町村長が第十九条第二項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費

三 号

その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者に対して、他の町村長が第十九条第六項の規定により行う保護に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費

四 号

その設置する保護施設の設備に要する費用(以下「設備費」という。

五 号

その長が第五十五条の四第一項の規定により行う就労自立給付金の支給(同条第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)及び第五十五条の五第一項の規定により行う進学準備給付金の支給(同条第二項において準用する第五十五条の四第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)に要する費用

六 号

その長が第五十五条の七の規定により行う被保護者就労支援事業 及び第五十五条の八の規定により行う被保護者健康管理支援事業の実施に要する費用

七 号

この法律の施行に伴い必要な その人件費

八 号

この法律の施行に伴い必要な その事務費(以下「行政事務費」という。

1項

都道府県は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。

一 号

その長が第十九条第一項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費

二 号

その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者に対して、他の都道府県知事 又は市町村長が第十九条第二項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費

三 号

その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有する者(その所管区域外に居住地を有する者を除く)に対して、町村長が第十九条第六項の規定により行う保護に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費

四 号
その設置する保護施設の設備費
五 号

その長が第五十五条の四第一項の規定により行う就労自立給付金の支給(同条第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)及び第五十五条の五第一項の規定により行う進学準備給付金の支給(同条第二項において準用する第五十五条の四第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)に要する費用

六 号

その長が第五十五条の七の規定により行う被保護者就労支援事業 及び第五十五条の八の規定により行う被保護者健康管理支援事業の実施に要する費用

七 号

この法律の施行に伴い必要な その人件費

八 号

この法律の施行に伴い必要な その行政事務費

1項

都道府県、市 及び福祉事務所を設置する町村は、政令の定めるところにより、その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内の保護施設、指定医療機関 その他これらに準ずる施設で厚生労働大臣の指定するものにある被保護者につき 他の都道府県 又は市町村が支弁すべき保護費 及び保護施設事務費を一時繰替支弁しなければならない。

2項

都道府県、市 及び福祉事務所を設置する町村は、その長が第十九条第二項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費を一時繰替支弁しなければならない。

3項

町村は、その長が第十九条第六項の規定により行う保護に関する保護費、保護施設事務費 及び委託事務費を一時繰替支弁しなければならない。

1項

都道府県は、政令で定めるところにより、次に掲げる費用を負担しなければならない。

一 号

居住地がないか、又は明らかでない被保護者につき市町村が支弁した保護費、保護施設事務費 及び委託事務費の四分の一

二 号

宿所提供施設 又は児童福祉法昭和二十二年法律第百六十四号第三十八条に規定する母子生活支援施設(第四号において「母子生活支援施設」という。)にある被保護者(これらの施設を利用するに至る前から その施設の所在する市町村の区域内に居住地を有していた被保護者を除く同号において同じ。)につき これらの施設の所在する市町村が支弁した保護費、保護施設事務費 及び委託事務費の四分の一

三 号

居住地がないか、又は明らかでない被保護者につき市町村が支弁した就労自立給付金費(就労自立給付金の支給に要する費用をいう。以下同じ。)及び進学準備給付金費(進学準備給付金の支給に要する費用をいう。以下同じ。)の四分の一

四 号

宿所提供施設 又は母子生活支援施設にある被保護者につき これらの施設の所在する市町村が支弁した就労自立給付金費 及び進学準備給付金費の四分の一

1項

都道府県は、左に掲げる場合においては、第四十一条の規定により設置した保護施設の修理、改造、拡張 又は整備に要する費用の四分の三以内を補助することができる。

一 号

その保護施設を利用することが その地域における被保護者の保護のため極めて効果的であるとき。

二 号

その地域に都道府県 又は市町村の設置する同種の保護施設がないか、又はあつても これに収容 若しくは供用の余力がないとき。

2項

第四十三条から 第四十五条までに規定するものの外、前項の規定により補助を受けた保護施設に対する監督については、左の各号による。

一 号

厚生労働大臣は、その保護施設に対して、その業務 又は会計の状況について必要と認める事項の報告を命ずることができる。

二 号

厚生労働大臣 及び都道府県知事は、その保護施設の予算が、補助の効果を上げるために不適当と認めるときは、その予算について、必要な変更をすべき旨を指示することができる。

三 号

厚生労働大臣 及び都道府県知事は、その保護施設の職員が、この法律 若しくはこれに基く命令 又はこれらに基いてする処分に違反したときは、当該職員を解職すべき旨を指示することができる。

1項

社会福祉法第五十八条第二項から 第四項までの規定は、国有財産特別措置法昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定 又は同法第三条第一項第四号 及び同条第二項の規定により普通財産の譲渡 又は貸付を受けた保護施設に準用する。

1項

国は、政令で定めるところにより、次に掲げる費用を負担しなければならない。

一 号

市町村 及び都道府県が支弁した保護費、保護施設事務費 及び委託事務費の四分の三

二 号

市町村 及び都道府県が支弁した就労自立給付金費 及び進学準備給付金費の四分の三

三 号

市町村が支弁した被保護者就労支援事業 及び被保護者健康管理支援事業に係る費用のうち、当該市町村における人口、被保護者の数 その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額の四分の三

四 号

都道府県が支弁した被保護者就労支援事業 及び被保護者健康管理支援事業に係る費用のうち、当該都道府県の設置する福祉事務所の所管区域内の町村における人口、被保護者の数 その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額の四分の三

2項

国は、政令の定めるところにより、都道府県が第七十四条第一項の規定により保護施設の設置者に対して補助した金額の三分の二以内を補助することができる。

1項

第十八条第二項の規定により葬祭扶助を行う場合においては、保護の実施機関は、その死者の遺留の金銭 及び有価証券を保護費に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却して その代金をこれに充てることができる。

2項

都道府県 又は市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。

1項

都道府県 又は市町村は、被保護者の医療扶助 又は介護扶助を受けた事由が第三者の行為によつて生じたときは、その支弁した保護費の限度において、被保護者が当該第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

1項

就労自立給付金 又は進学準備給付金の支給を受ける権利は、これを行うことができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

1項

被保護者に対して民法の規定により扶養の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県 又は市町村の長は、その費用の全部 又は一部を、その者から徴収することができる。

2項

前項の場合において、扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施機関と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立により家庭裁判所が、これを定める。

1項

急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けた者があるとき(徴収することが適当でないときとして厚生労働省令で定めるときを除く)は、保護に要する費用を支弁した都道府県 又は市町村の長は、第六十三条の保護の実施機関の定める額の全部 又は一部を その者から徴収することができる。

2項

前項の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収することができる。

1項

不実の申請 その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県 又は市町村の長は、その費用の額の全部 又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。

2項

偽り その他不正の行為によつて医療、介護 又は助産 若しくは施術の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関、指定介護機関 又は指定助産機関 若しくは指定施術機関があるときは、当該費用を支弁した都道府県 又は市町村の長は、その支弁した額のうち返還させるべき額を その指定医療機関、指定介護機関 又は指定助産機関 若しくは指定施術機関から 徴収するほか、その返還させるべき額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。

3項

偽り その他不正な手段により就労自立給付金 若しくは進学準備給付金の支給を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、就労自立給付金費 又は進学準備給付金費を支弁した都道府県 又は市町村の長は、その費用の額の全部 又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。

4項

前条第二項の規定は、前三項の規定による徴収金について準用する。

1項

保護の実施機関は、被保護者が、保護金品(金銭給付によつて行うものに限る)の交付を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護金品の一部を、第七十七条の二第一項 又は前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県 又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出た場合において、保護の実施機関が当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して保護金品を交付する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。

2項

第五十五条の四第一項の規定により就労自立給付金を支給する者は、被保護者が、就労自立給付金の支給を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該就労自立給付金の額の全部 又は一部を、第七十七条の二第一項 又は前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県 又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して就労自立給付金を支給する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。

3項

前二項の規定により第七十七条の二第一項 又は前条第一項の規定による徴収金が徴収されたときは、当該被保護者に対して当該保護金品(第一項の申出に係る部分に限る)の交付 又は当該就労自立給付金(前項の申出に係る部分に限る)の支給があつたものとみなす。

1項

第六十三条の規定により返還しなければならないものとして保護の実施機関の定める額(以下 この項において「返還額」という。)又は第七十七条第一項 若しくは第七十八条第一項から 第三項までの規定により都道府県 又は市町村の長が徴収することとした額(第七十七条第一項にあつては、同条第二項の規定により家庭裁判所が定める額を含む。以下 この項において「徴収額」という。)の収納の事務については、保護費を支弁した都道府県 又は市町村は、収入の確保 及び返還額を返還すべき者 又は徴収額の徴収を受ける者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令で定めるところにより、私人に委託することができる。

2項

保護費を支弁した都道府県 又は市町村の長が、保護の変更、廃止 又は停止に伴い、その費用の額の全部 又は一部を返還させることとしたときは、その返還させる額(以下 この項において「返還額」という。)の収納の事務については、当該保護費を支弁した都道府県 又は市町村は、収入の確保 及び返還額を返還すべき者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令で定めるところにより、私人に委託することができる。

3項

就労自立給付金費 又は進学準備給付金費を支弁した都道府県 又は市町村の長が、就労自立給付金 又は進学準備給付金の支給の決定後に判明した事実 又は生じた事情に基づき、その費用の額の全部 又は一部を返還させることとしたときは、その返還させる額(以下 この項において「返還額」という。)の収納の事務については、当該就労自立給付金費 又は進学準備給付金費を支弁した都道府県 又は市町村は、収入の確保 及び返還額を返還すべき者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令で定めるところにより、私人に委託することができる。

1項

国 又は都道府県は、左に掲げる場合においては、補助金 又は負担金の交付を受けた保護施設の設置者に対して、既に交付した補助金 又は負担金の全部 又は一部の返還を命ずることができる。

一 号

補助金 又は負担金の交付条件に違反したとき。

二 号

詐偽 その他不正な手段をもつて、補助金 又は負担金の交付を受けたとき。

三 号

保護施設の経営について、営利を図る行為があつたとき。

四 号

保護施設が、この法律 若しくはこれに基く命令 又はこれらに基いてする処分に違反したとき。

1項

保護の実施機関は、保護の変更、廃止 又は停止に伴い、前渡した保護金品の全部 又は一部を返還させるべき場合において、これを消費し、又は喪失した被保護者に、やむを得ない事由があると認めるときは、これを返還させないことができる。