相続税は、この節 及び第三節に定めるところにより、相続 又は遺贈により財産を取得した者の被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の総額(以下 この節 及び第三節において「相続税の総額」という。)を計算し、当該相続税の総額を基礎としてそれぞれ これらの事由により財産を取得した者に係る相続税額として計算した金額により、課する。
相続税法
第二章 課税価格、税率及び控除
第一節 相続税
相続 又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第一号 又は第二号の規定に該当する者である場合においては、その者については、当該相続 又は遺贈により取得した財産の価額の合計額をもつて、相続税の課税価格とする。
相続 又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三号 又は第四号の規定に該当する者である場合においては、その者については、当該相続 又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものの価額の合計額をもつて、相続税の課税価格とする。
次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第七条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物
墓所、霊びよう 及び祭具 並びにこれらに準ずるもの
宗教、慈善、学術 その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが相続 又は遺贈により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの
条例の規定により地方公共団体が精神 又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利
相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号に掲げるものを除く。以下 この号において同じ。)については、イ 又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ 又はロに定める金額に相当する部分
第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合
当該相続人の取得した保険金の金額
イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合
当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額
相続人の取得した第三条第一項第二号に掲げる給与(以下 この号において「退職手当金等」という。)については、イ 又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ 又はロに定める金額に相当する部分
第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合
当該相続人の取得した退職手当金等の金額
イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を超える場合
当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める割合を乗じて算出した金額
前項第三号に掲げる財産を取得した者がその財産を取得した日から二年を経過した日において、なお当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合においては、当該財産の価額は、課税価格に算入する。
相続 又は遺贈(包括遺贈 及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が第一条の三第一項第一号 又は第二号の規定に該当する者である場合においては、当該相続 又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
被相続人の債務で相続開始の際 現に存するもの(公租公課を含む。)
被相続人に係る葬式費用
相続 又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三号 又は第四号の規定に該当する者である場合においては、当該相続 又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものについては、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人の債務で次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
その財産に係る公租公課
その財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権 又は抵当権で担保される債務
前二号に掲げる債務を除くほか、その財産の取得、維持 又は管理のために生じた債務
その財産に関する贈与の義務
前各号に掲げる債務を除くほか、被相続人が死亡の際 この法律の施行地に営業所 又は事業所を有していた場合においては、当該営業所 又は事業所に係る営業上 又は事業上の債務
前条第一項第二号 又は第三号に掲げる財産の取得、維持 又は管理のために生じた債務の金額は、前二項の規定による控除金額に算入しない。
ただし、同条第二項の規定により同号に掲げる財産の価額を課税価格に算入した場合においては、この限りでない。
特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が当該特別寄与者に係る課税価格に算入される場合においては、当該特別寄与料を支払うべき相続人が相続 又は遺贈により取得した財産については、当該相続人に係る課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から当該特別寄与料の額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る。
前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際 債務の確定しているものの金額のほか、被相続人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税 及び印紙税 その他の公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。
前項の債務の確定している公租公課の金額には、被相続人が、所得税法第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(同条第二項の規定により適用する場合を含む。第三十二条第一項第九号イにおいて同じ。)の規定の適用を受けていた場合における同法第百三十七条の二第一項に規定する納税猶予分の所得税額 並びに同法第百三十七条の三第一項 及び第二項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(これらの規定を同条第三項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けていた場合における同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額を含まない。
ただし、同法第百三十七条の二第十三項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人(包括受遺者を含む。以下 この項 及び同号において同じ。)が納付することとなつた同条第一項に規定する納税猶予分の所得税額 及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)並びに同法第百三十七条の三第十五項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人が納付することとなつた同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額 及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第二編第五章第二節第三款(納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)については、この限りでない。
相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続 又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格(第十九条の規定の適用がある場合には、同条の規定により相続税の課税価格とみなされた金額。次条から第十八条まで 及び第十九条の二において同じ。)の合計額から、三千万円と六百万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。
前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする。)とする。
当該被相続人に実子がある場合 又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が一人である場合
一人
当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合
二人
前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。
民法第八百十七条の二第一項(特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となつた者 その他これらに準ずる者として政令で定める者
実子 若しくは養子 又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため民法第五編第二章の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となつたその者の直系卑属
相続税の総額は、同一の被相続人から相続 又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格に相当する金額の合計額からその遺産に係る基礎控除額を控除した残額を当該被相続人の前条第二項に規定する相続人の数に応じた相続人が民法第九百条(法定相続分)及び第九百一条(代襲相続人の相続分)の規定による相続分に応じて取得したものとした場合におけるその各取得金額(当該相続人が、一人である場合 又はない場合には、当該控除した残額)につきそれぞれその金額を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。
千万円以下の金額 | 百分の十 |
千万円を超え三千万円以下の金額 | 百分の十五 |
三千万円を超え五千万円以下の金額 | 百分の二十 |
五千万円を超え一億円以下の金額 | 百分の三十 |
一億円を超え二億円以下の金額 | 百分の四十 |
二億円を超え三億円以下の金額 | 百分の四十五 |
三億円を超え六億円以下の金額 | 百分の五十 |
六億円を超える金額 | 百分の五十五 |
相続 又は遺贈により財産を取得した者に係る相続税額は、その被相続人から相続 又は遺贈により財産を取得したすべての者に係る相続税の総額に、それぞれ これらの事由により財産を取得した者に係る相続税の課税価格が当該財産を取得したすべての者に係る課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額とする。
相続 又は遺贈により財産を取得した者が当該相続 又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。
前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。
ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。
相続 又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前七年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、当該贈与により取得した財産(第二十一条の二第一項から第三項まで、第二十一条の三 及び第二十一条の四の規定により当該取得の日の属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるもの(特定贈与財産を除く。)に限る。以下 この条 及び第五十一条第二項において同じ。)(以下 この項において「加算対象贈与財産」という。)の価額(加算対象贈与財産のうち当該相続の開始前三年以内に取得した財産以外の財産にあつては、当該財産の価額の合計額から百万円を控除した残額)を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、第十五条から前条までの規定を適用して算出した金額(加算対象贈与財産の取得につき課せられた贈与税があるときは、当該金額から当該財産に係る贈与税の税額(第二十一条の八の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税 及び重加算税に相当する税額を除く。)として政令の定めるところにより計算した金額を控除した金額)をもつて、その納付すべき相続税額とする。
前項に規定する特定贈与財産とは、第二十一条の六第一項に規定する婚姻期間が二十年以上である配偶者に該当する被相続人からの贈与により当該被相続人の配偶者が取得した同項に規定する居住用不動産 又は金銭で次の各号に掲げる場合に該当するもののうち、当該各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める部分をいう。
当該贈与が当該相続の開始の年の前年以前にされた場合で、当該被相続人の配偶者が当該贈与による取得の日の属する年分の贈与税につき第二十一条の六第一項の規定の適用を受けているとき
同項の規定により控除された金額に相当する部分
当該贈与が当該相続の開始の年においてされた場合で、当該被相続人の配偶者が当該被相続人からの贈与について既に第二十一条の六第一項の規定の適用を受けた者でないとき(政令で定める場合に限る。)
同項の規定の適用があるものとした場合に、同項の規定により控除されることとなる金額に相当する部分
被相続人の配偶者が当該被相続人からの相続 又は遺贈により財産を取得した場合には、当該配偶者については、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した残額があるときは、当該残額をもつてその納付すべき相続税額とし、第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額以下であるときは、その納付すべき相続税額は、ないものとする。
当該配偶者につき第十五条から第十七条まで 及び前条の規定により算出した金額
当該相続 又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の総額に、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額が当該相続 又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額
当該相続 又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額に民法第九百条(法定相続分)の規定による当該配偶者の相続分(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続分)を乗じて算出した金額(当該被相続人の相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)が当該配偶者のみである場合には、当該合計額)に相当する金額(当該金額が一億六千万円に満たない場合には、一億六千万円)
当該相続 又は遺贈により財産を取得した配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額
前項の相続 又は遺贈に係る第二十七条の規定による申告書の提出期限(以下 この項において「申告期限」という。)までに、当該相続 又は遺贈により取得した財産の全部 又は一部が共同相続人 又は包括受遺者によつてまだ分割されていない場合における前項の規定の適用については、その分割されていない財産は、同項第二号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産に含まれないものとする。
ただし、その分割されていない財産が申告期限から三年以内(当該期間が経過するまでの間に当該財産が分割されなかつたことにつき、当該相続 又は遺贈に関し訴えの提起がされたこと その他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合において、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、当該財産の分割ができることとなつた日として政令で定める日の翌日から四月以内)に分割された場合には、その分割された財産については、この限りでない。
第一項の規定は、第二十七条の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書 及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。第五項において同じ。)又は国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書に、第一項の規定の適用を受ける旨 及び同項各号に掲げる金額の計算に関する明細の記載をした書類 その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の財務省令で定める書類の添付がない同項の申告書 又は更正請求書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
第一項の相続 又は遺贈により財産を取得した者が、隠蔽仮装行為に基づき、第二十七条の規定による申告書を提出しており、又はこれを提出していなかつた場合において、当該相続 又は遺贈に係る相続税についての調査があつたことにより当該相続税について更正 又は決定があるべきことを予知して期限後申告書 又は修正申告書を提出するときは、当該期限後申告書 又は修正申告書に係る相続税額に係る同項の規定の適用については、
同項第二号中
「相続税の総額」とあるのは
「相続税の総額で当該相続に係る被相続人の配偶者が行つた第六項に規定する隠蔽仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額を当該財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格に含まないものとして計算したもの」と、
「課税価格の合計額のうち」とあるのは
「課税価格の合計額から当該相当する金額を控除した残額のうち」と、
同号イ中
「課税価格の合計額」とあるのは
「課税価格の合計額から第六項に規定する隠蔽仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額(当該配偶者に係る相続税の課税価格に算入すべきものに限る。)を控除した残額」と、
同号ロ中
「課税価格」とあるのは
「課税価格から第六項に規定する隠蔽仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額(当該配偶者に係る相続税の課税価格に算入すべきものに限る。)を控除した残額」と
する。
前項の「隠蔽仮装行為」とは、相続 又は遺贈により財産を取得した者が行う行為で当該財産を取得した者に係る相続税の課税価格の計算の基礎となるべき事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装することをいう。
相続 又は遺贈により財産を取得した者(第一条の三第一項第三号 又は第四号の規定に該当する者を除く。)が当該相続 又は遺贈に係る被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)に該当し、かつ、十八歳未満の者である場合においては、その者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から十万円にその者が十八歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき、又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
前項の規定により控除を受けることができる金額がその控除を受ける者について第十五条から前条までの規定により算出した金額を超える場合においては、その超える部分の金額は、政令で定めるところにより、その控除を受ける者の扶養義務者が同項の被相続人から相続 又は遺贈により取得した財産の価額について第十五条から前条までの規定により算出した金額から控除し、その控除後の金額をもつて、当該扶養義務者の納付すべき相続税額とする。
第一項の規定に該当する者がその者 又はその扶養義務者について既に前二項の規定による控除を受けたことがある者である場合においては、その者 又はその扶養義務者がこれらの規定による控除を受けることができる金額は、既に控除を受けた金額の合計額が第一項の規定による控除を受けることができる金額(二回以上 これらの規定による控除を受けた場合には、最初に相続 又は遺贈により財産を取得した際に同項の規定による控除を受けることができる金額)に満たなかつた場合におけるその満たなかつた部分の金額の範囲内に限る。
相続 又は遺贈により財産を取得した者(第一条の三第一項第二号から第四号までの規定に該当する者を除く。)が当該相続 又は遺贈に係る被相続人の前条第一項に規定する相続人に該当し、かつ、障害者である場合には、その者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から十万円(その者が特別障害者である場合には、二十万円)にその者が八十五歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき、又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
前項に規定する障害者とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、失明者 その他の精神 又は身体に障害がある者で政令で定めるものをいい、
同項に規定する特別障害者とは、同項の障害者のうち精神 又は身体に重度の障害がある者で政令で定めるものをいう。
前条第二項 及び第三項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「前条」とあるのは、
「第十九条の三」と
読み替えるものとする。
相続(被相続人からの相続人に対する遺贈を含む。以下この条において同じ。)により財産を取得した場合において、当該相続(以下この条において「第二次相続」という。)に係る被相続人が第二次相続の開始前 十年以内に開始した相続(以下この条において「第一次相続」という。)により財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した第二十一条の九第三項の規定の適用を受けた財産を含む。)を取得したことがあるときは、当該被相続人から相続により財産を取得した者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から、当該被相続人が第一次相続により取得した財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した第二十一条の九第三項の規定の適用を受けた財産を含む。)につき課せられた相続税額(延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税 及び重加算税に相当する相続税額を除く。第一号において同じ。)に相当する金額に次の各号に掲げる割合を順次乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
第二次相続に係る被相続人から相続 又は遺贈(被相続人からの相続人に対する遺贈を除く。次号において同じ。)により財産を取得したすべての者がこれらの事由により取得した財/産の価額(相続税の課税価格に算入される部分に限る。)の合計額の当該被相続人が第一次相続により取得した財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した第二十一条の九第三項の規定の適用を受けた財産を含む。)の価額(相続税の課税価格計算の基礎に算入された部分に限る。)から当該財産に係る相続税額を控除した金額に対する割合(当該割合が百分の百を超える場合には、百分の百の割合)
第二次相続に係る被相続人から相続により取得した財産の価額(相続税の課税価格に算入される部分に限る。)の第二次相続に係る被相続人から相続 又は遺贈により財産を取得したすべての者がこれらの事由により取得した財産の価額(相続税の課税価格に算入される部分に限る。)の合計額に対する割合
第一次相続開始の時から第二次相続開始の時までの期間に相当する年数を十年から控除した年数(当該年数が一年未満であるとき 又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)の十年に対する割合
相続 又は遺贈(第二十一条の二第四項に規定する贈与を含む。以下この条において同じ。)によりこの法律の施行地外にある財産を取得した場合において、当該財産についてその地の法令により相続税に相当する税が課せられたときは、当該財産を取得した者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額からその課せられた税額に相当する金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
ただし、その控除すべき金額が、その者についてこれらの規定により算出した金額に当該財産の価額が当該相続 又は遺贈により取得した財産の価額のうち課税価格計算の基礎に算入された部分のうちに占める割合を乗じて算出した金額を超える場合においては、その超える部分の金額については、当該控除をしない。
第二節 贈与税
贈与税は、この節 及び次節に定めるところにより、贈与により財産を取得した者に係る贈与税額として計算した金額により、課する。
贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第一号 又は第二号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第三号 又は第四号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その年中において贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものの価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第一号の規定に該当し、かつ、同項第三号 若しくは第四号の規定に該当する者 又は同項第二号の規定に該当し、かつ、同項第三号 若しくは第四号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その者がこの法律の施行地に住所を有していた期間内に贈与により取得した財産で政令で定めるものの価額 及びこの法律の施行地に住所を有していなかつた期間内に贈与により取得した財産で政令で定めるものの価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
相続 又は遺贈により財産を取得した者が相続開始の年において当該相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額で第十九条の規定により相続税の課税価格に加算されるものは、前三項の規定にかかわらず、贈与税の課税価格に算入しない。
次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
法人からの贈与により取得した財産
扶養義務者相互間において生活費 又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの
宗教、慈善、学術 その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが贈与により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの
所得税法第七十八条第三項(寄附金控除)に規定する特定公益信託(以下 この号において「特定公益信託」という。)で学術に関する顕著な貢献を表彰するものとして、若しくは顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして財務大臣の指定するものから交付される金品で財務大臣の指定するもの又は学生 若しくは生徒に対する学資の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品
条例の規定により地方公共団体が精神 又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利
公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し贈与により取得した金銭、物品 その他の財産上の利益で同法第百八十九条(選挙運動に関する収入 及び支出の報告書の提出)の規定による報告がなされたもの
第十二条第二項の規定は、前項第三号に掲げる財産について準用する。
特定障害者(第十九条の四第二項に規定する特別障害者(第一条の四第一項第二号から第四号までの規定に該当する者を除く。以下 この項において「特別障害者」という。)及び第十九条の四第二項に規定する障害者(特別障害者を除く。)のうち精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者 その他の精神に障害がある者として政令で定めるもの(第一条の四第一項第二号から第四号までの規定に該当する者を除く。)をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)が、信託会社 その他の者で政令で定めるもの(以下この条において「受託者」という。)の営業所、事務所 その他これらに準ずるものでこの法律の施行地にあるもの(第三項において「受託者の営業所等」という。)において当該特定障害者を受益者とする特定障害者扶養信託契約に基づいて当該特定障害者扶養信託契約に係る財産の信託がされることによりその信託の利益を受ける権利(以下この条において「信託受益権」という。)を有することとなる場合において、政令で定めるところにより、その信託の際、当該信託受益権につきこの項の規定の適用を受けようとする旨 その他必要な事項を記載した申告書(以下この条において「障害者非課税信託申告書」という。)を納税地の所轄税務署長に提出したときは、当該信託受益権でその価額のうち六千万円(特定障害者のうち特別障害者以外の者にあつては、三千万円)までの金額(既に他の信託受益権について障害者非課税信託申告書を提出している場合には、当該 他の信託受益権でその価額のうちこの項の規定の適用を受けた部分の価額を控除した残額)に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入しない。
前項に規定する特定障害者扶養信託契約とは、個人が受託者と締結した金銭、有価証券 その他の財産で政令で定めるものの信託に関する契約で、当該個人以外の一人の特定障害者を信託の利益の全部についての受益者とするもののうち、当該契約に基づく信託が当該特定障害者の死亡の日に終了することとされていること その他の政令で定める要件を備えたものをいう。
障害者非課税信託申告書には、受託者の営業所等のうちいずれか一のものに限り記載することができるものとし、
一の障害者非課税信託申告書を提出した場合には、当該障害者非課税信託申告書に記載された受託者の営業所等において新たに特定障害者扶養信託契約に基づき信託される財産に係る信託受益権につき第一項の規定の適用を受けようとする場合 その他の場合で政令で定める場合を除き、他の障害者非課税信託申告書は、提出することができないものとする。
前二項に定めるもののほか、障害者非課税信託申告書の提出 及び当該障害者非課税信託申告書に記載した事項を変更した場合における申告に関する事項その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
贈与税については、課税価格から六十万円を控除する。
その年において贈与によりその者との婚姻期間が二十年以上である配偶者から専ら居住の用に供する土地 若しくは土地の上に存する権利 若しくは家屋でこの法律の施行地にあるもの(以下この条において「居住用不動産」という。)又は金銭を取得した者(その年の前年以前のいずれかの年において贈与により当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につきこの条の規定の適用を受けた者を除く。)が、当該取得の日の属する年の翌年三月十五日までに当該居住用不動産をその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合 又は同日までに当該金銭をもつて居住用不動産を取得して、これをその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合においては、その年分の贈与税については、課税価格から二千万円(当該贈与により取得した居住用不動産の価額に相当する金額と当該贈与により取得した金銭のうち居住用不動産の取得に充てられた部分の金額との合計額が二千万円に満たない場合には、当該合計額)を控除する。
前項の規定は、第二十八条第一項に規定する申告書(当該申告書に係る期限後申告書 及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。)又は国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書に、前項の規定により控除を受ける金額 その他その控除に関する事項 及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき同項の規定の適用を受けていない旨を記載した書類 その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の財務省令で定める書類の添付がない同項の申告書 又は更正請求書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
前二項に定めるもののほか、贈与をした者が第一項に規定する婚姻期間が二十年以上である配偶者に該当するか否かの判定 その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
贈与税の額は、前二条の規定による控除後の課税価格を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。
二百万円以下の金額 | 百分の十 |
二百万円を超え三百万円以下の金額 | 百分の十五 |
三百万円を超え四百万円以下の金額 | 百分の二十 |
四百万円を超え六百万円以下の金額 | 百分の三十 |
六百万円を超え千万円以下の金額 | 百分の四十 |
千万円を超え千五百万円以下の金額 | 百分の四十五 |
千五百万円を超え三千万円以下の金額 | 百分の五十 |
三千万円を超える金額 | 百分の五十五 |
贈与によりこの法律の施行地外にある財産を取得した場合において、当該財産についてその地の法令により贈与税に相当する税が課せられたときは、当該財産を取得した者については、前条 又は第二十一条の十三の規定により計算した金額からその課せられた税額に相当する金額を控除した残額をもつて、その納付すべき贈与税額とする。
ただし、その控除すべき金額が、その者についてこれらの規定により計算した金額に当該財産の価額が当該財産を取得した日の属する年分の贈与税の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて計算した金額を超える場合においては、その超える部分の金額については、当該控除をしない。
第三節 相続時精算課税
贈与により財産を取得した者がその贈与をした者の推定相続人(その贈与をした者の直系卑属である者のうちその年一月一日において十八歳以上であるものに限る。)であり、かつ、その贈与をした者が同日において六十歳以上の者である場合には、その贈与により財産を取得した者は、その贈与に係る財産について、この節の規定の適用を受けることができる。
前項の規定の適用を受けようとする者は、政令で定めるところにより、第二十八条第一項の期間内に前項に規定する贈与をした者からのその年中における贈与により取得した財産について同項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の届出書に係る贈与をした者からの贈与により取得する財産については、当該届出書に係る年分以後、前節 及びこの節の規定により、贈与税額を計算する。
その年一月一日において十八歳以上の者が同日において六十歳以上の者からの贈与により財産を取得した場合にその年の中途においてその者の養子となつたこと その他の事由によりその者の推定相続人となつたとき(配偶者となつたときを除く。)には、推定相続人となつた時前にその者からの贈与により取得した財産については、第一項の規定の適用はないものとする。
第二項の届出書を提出した者(以下「相続時精算課税適用者」という。)が、その届出書に係る第一項の贈与をした者(以下「特定贈与者」という。)の推定相続人でなくなつた場合においても、当該特定贈与者からの贈与により取得した財産については、第三項の規定の適用があるものとする。
相続時精算課税適用者は、第二項の届出書を撤回することができない。
相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、特定贈与者ごとにその年中において贈与により取得した財産の価額を合計し、それぞれの合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、第二十一条の五から第二十一条の七までの規定は、適用しない。
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、贈与税の課税価格から六十万円を控除する。
前項の相続時精算課税適用者に係る特定贈与者が二人以上ある場合における各特定贈与者から贈与により取得した財産に係る課税価格から控除する金額の計算については、政令で定める。
二千五百万円(既にこの条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合には、その金額の合計額を控除した残額)
前項の規定は、期限内申告書に同項の規定により控除を受ける金額、既に同項の規定の適用を受けて控除した金額がある場合の控除した金額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、第一項の財産について前項の記載がない期限内申告書の提出があつた場合において、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載をした書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税の額は、特定贈与者ごとに、第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後の贈与税の課税価格(前条第一項の規定の適用がある場合には、同項の規定による控除後の金額)にそれぞれ百分の二十の税率を乗じて計算した金額とする。
特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得した者 及び当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者の相続税の計算についての第十五条の規定の適用については、
同条第一項中
「(第十九条」とあるのは
「(第十九条、第二十一条の十五 又は第二十一条の十六」と、
「同条」とあるのは
「これら」と
する。
特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者については、当該特定贈与者からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるもの(第二十一条の二第一項から第三項まで、第二十一条の三、第二十一条の四 及び第二十一条の十の規定により当該取得の日の属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるものに限る。)の価額から第二十一条の十一の二第一項の規定による控除をした残額を相続税の課税価格に加算した価額をもつて、相続税の課税価格とする。
特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者 及び他の者に係る相続税の計算についての第十三条、第十八条、第十九条、第十九条の三 及び第二十条の規定の適用については、
第十三条第一項中
「取得した財産」とあるのは
「取得した財産 及び被相続人が第二十一条の九第五項に規定する特定贈与者である場合の当該被相続人からの贈与により取得した同条第三項の規定の適用を受ける財産」と、
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後のこれらの財産」と、
同条第二項中
「あるもの」とあるのは
「あるもの 及び被相続人が第二十一条の九第五項に規定する特定贈与者である場合の当該被相続人からの贈与により取得した同条第三項の規定の適用を受ける財産」と、
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後のこれらの財産」と、
同条第四項中
「取得した財産」とあるのは
「取得した財産 及び被相続人が第二十一条の九第五項に規定する特定贈与者である場合の当該被相続人からの贈与により取得した同条第三項の規定の適用を受ける財産」と、
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後のこれらの財産」と、
第十八条第一項中
「とする」とあるのは
「とする。ただし、贈与により財産を取得した時において当該被相続人の当該一親等の血族であつた場合には、当該被相続人から取得した当該財産に対応する相続税額として政令で定めるものについては、この限りでない」と、
第十九条第一項中
「特定贈与財産」とあるのは
「特定贈与財産 及び第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産」と、
第十九条の三第三項中
「財産」とあるのは
「財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを含む。)」と、
第二十条第一号中
「事由により取得した財産」とあるのは
「事由により取得した財産(当該被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを含む。)」と、
同条第二号中
「財産の価額」とあるのは
「財産(当該被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを含む。)の価額」と
する。
第一項の場合において、第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産につき課せられた贈与税があるときは、相続税額から当該贈与税の税額(第二十一条の八の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税 及び重加算税に相当する税額を除く。)に相当する金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得しなかつた相続時精算課税適用者については、当該特定贈与者からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを当該特定贈与者から相続(当該相続時精算課税適用者が当該特定贈与者の相続人以外の者である場合には、遺贈)により取得したものとみなして第一節の規定を適用する。
前項の場合において、特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得しなかつた相続時精算課税適用者 及び当該特定贈与者から相続 又は遺贈により財産を取得した者に係る相続税の計算についての第十三条、第十八条、第十九条、第十九条の三 及び第十九条の四の規定の適用については、
第十三条第一項中
「取得した財産」とあるのは
「取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを含む。第四項において同じ。)」と、
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後の当該財産」と、
同条第二項中
「あるもの」とあるのは
「あるもの 及び被相続人が第二十一条の九第五項に規定する特定贈与者である場合の当該被相続人からの贈与により取得した同条第三項の規定の適用を受ける財産」と、
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後のこれらの財産」と、
同条第四項中
「当該財産」とあるのは
「第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後の当該財産」と、
第十八条第一項中
「とする」とあるのは
「とする。ただし、贈与により財産を取得した時において当該被相続人の当該一親等の血族であつた場合には、当該被相続人から取得した当該財産に対応する相続税額として政令で定めるものについては、この限りでない」と、
第十九条第一項中
「特定贈与財産」とあるのは
「特定贈与財産 及び第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産」と、
第十九条の三第三項中
「財産」とあるのは
「財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものを含む。)」と、
第十九条の四第一項中
「該当する者」とあるのは
「該当する者 及び同項第五号の規定に該当する者(当該相続に係る被相続人の相続開始の時においてこの法律の施行地に住所を有しない者に限る。)」と
する。
第一項の規定により特定贈与者から相続 又は遺贈により取得したものとみなされた財産に係る第一節の規定の適用については、次に定めるところによる。
当該財産の価額は、第一項の贈与の時における価額とする。
当該財産の価額から第二十一条の十一の二第一項の規定による控除をした残額を第十一条の二の相続税の課税価格に算入する。
第一項の場合において、第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産につき課せられた贈与税があるときは、相続税額から当該贈与税の税額(第二十一条の八の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税 及び重加算税に相当する税額を除く。)に相当する金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
特定贈与者の死亡以前に当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者が死亡した場合には、当該相続時精算課税適用者の相続人(包括受遺者を含む。以下 この条 及び次条において同じ。)は、当該相続時精算課税適用者が有していたこの節の規定の適用を受けていたことに伴う納税に係る権利 又は義務を承継する。
ただし、当該相続人のうちに当該特定贈与者がある場合には、当該特定贈与者は、当該納税に係る権利 又は義務については、これを承継しない。
前項本文の場合において、相続時精算課税適用者の相続人が限定承認をしたときは、当該相続人は、相続により取得した財産(当該相続時精算課税適用者からの遺贈 又は贈与により取得した財産を含む。)の限度においてのみ同項の納税に係る権利 又は義務を承継する。
国税通則法第五条第二項 及び第三項(相続による国税の納付義務の承継)の規定は、この条の規定により相続時精算課税適用者の相続人が有することとなる第一項の納税に係る権利 又は義務について、準用する。
前三項の規定は、第一項の権利 又は義務を承継した者が死亡した場合について、準用する。
贈与により財産を取得した者(以下この条において「被相続人」という。)が第二十一条の九第一項の規定の適用を受けることができる場合に、当該被相続人が同条第二項の規定による同項の届出書の提出期限前に当該届出書を提出しないで死亡したときは、当該被相続人の相続人(当該贈与をした者を除く。以下この条において同じ。)は、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内(相続人が国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないで当該期間内にこの法律の施行地に住所 及び居所を有しないこととなるときは、当該住所 及び居所を有しないこととなる日まで)に、政令で定めるところにより、当該届出書を当該被相続人の納税地の所轄税務署長に共同して提出することができる。
前項の規定により第二十一条の九第二項の届出書を提出した相続人は、被相続人が有することとなる同条第一項の規定の適用を受けることに伴う納税に係る権利 又は義務を承継する。
この場合において、前条第二項 及び第三項の規定を準用する。
第一項の規定により第二十一条の九第二項の届出書を提出することができる被相続人の相続人が当該届出書を提出しないで死亡した場合には、前二項の規定を準用する。