外務省設置法

平成十一年法律第九十四号
分類 法律
カテゴリ   行政組織
@ 施行日 : 平成二十八年四月一日
@ 最終更新 : 平成二十七年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分

T
  • 第一章 総則

  • 第二章 外務省の設置並びに任務及び所掌事務

    • 第一節 外務省の設置
    • 第二節 外務省の任務及び所掌事務
  • 第三章 外務省に置かれる職及び機関

    • 第一節 特別な職
    • 第二節 特別の機関
  • 第四章 名誉総領事及び名誉領事

第一章 総則

1項

この法律は、外務省の設置 並びに任務 及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めることを目的とする。

第二章 外務省の設置並びに任務及び所掌事務

第一節 外務省の設置

1項

国家行政組織法昭和二十三年法律第百二十号第三条第二項の規定に基づいて、外務省を設置する。

2項

外務省の長は、外務大臣とする。

第二節 外務省の任務及び所掌事務

1項

外務省は、平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること 並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国 及び日本国民の利益の増進を図ることを任務とする。

2項

前項に定めるもののほか、外務省は、同項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。

3項

外務省は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

1項

外務省は、前条第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

次のイからニまでに掲げる事項 その他の事項に係る外交政策に関すること。

日本国の安全保障

対外経済関係

経済協力

文化 その他の分野における国際交流

二 号

日本国政府を代表して行う外国政府との交渉 及び協力 その他外国(本邦の域外にある国 又は地域をいう。以下同じ。)に関する政務の処理に関すること。

三 号

日本国政府を代表して行う国際連合 その他の国際機関 及び国際会議 その他国際協調の枠組み(以下「国際機関等」という。)への参加 並びに国際機関等との協力に関すること。

四 号

条約 その他の国際約束の締結に関すること。

五 号

条約 その他の国際約束 及び確立された国際法規の解釈 及び実施に関すること。

六 号

日本国政府として処理する必要のある渉外法律事項に関すること。

七 号

国際情勢に関する情報の収集 及び分析 並びに外国 及び国際機関等に関する調査に関すること。

八 号

日本国民の海外における法律上 又は経済上の利益 その他の利益の保護 及び増進に関すること。

九 号

海外における邦人の生命 及び身体の保護 その他の安全に関すること。

十 号

海外における邦人の身分関係事項に関すること。

十一 号

身分関係事項 その他の事実について内外の公の機関が発給した文書の内外にわたる証明に関すること。

十二 号

旅券の発給 並びに海外渡航 及び海外移住に関すること。

十三 号
査証に関すること。
十四 号

本邦に在留する外国人の待遇に関する関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。

十五 号

海外事情についての国内広報 その他啓発のための措置 及び日本事情についての海外広報 その他啓発のための措置に関すること。

十六 号

外国における日本文化の紹介に関すること。

十七 号

外交文書の発受 その他の外交上の通信に関すること。

十八 号

外交官 及び領事官の派遣に関すること。

十九 号

外交官 及び領事官の接受 並びに国際機関の要員の受入れに関すること。

二十 号

外国の勲章 又は記章の日本国民による受領に関しあっせんを行うこと 並びに外国人 及び外国に居住する邦人に対する栄典の授与に関し推薦 及びあっせんを行うこと。

二十一 号

前三号に掲げるもののほか、儀典 その他の外交上の儀礼に関すること。

二十二 号

外交史料の編さんに関すること。

二十三 号

外地整理事務に関すること。

二十四 号

政府開発援助全体に共通する方針に関する関係行政機関の行う企画の調整に関すること。

二十五 号

政府開発援助のうち有償の資金供与による協力に関する関係行政機関の行う企画 及び立案の調整に関すること。

二十六 号

政府開発援助のうち技術協力に関する関係行政機関の行う企画 及び立案の調整に関すること。

二十七 号

前各号に掲げるもののほか、対外関係事務の処理 及び総括を行うこと。

二十八 号

政令で定める文教研修施設において所掌事務に関する研修を行うこと。

二十九 号

前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき外務省に属させられた事務

2項

前項に定めるもののほか、外務省は、前条第二項の任務を達成するため、同条第一項の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画 及び立案 並びに総合調整に関する事務をつかさどる。

第三章 外務省に置かれる職及び機関

第一節 特別な職

1項

外務省に、外務審議官二人を置く。

2項

外務審議官は、命を受けて、外務省の所掌事務に係る重要な政策に関する事務を総括整理する。

第二節 特別の機関

1項

外務省に、在外公館を置く。

2項

在外公館の種類は、大使館、公使館、総領事館、領事館 及び政府代表部とする。

3項

前項に定めるもののほか、別に法律で定めるところにより外務省に置かれる在外公館は、日本政府在外事務所とする。

1項

次項に定める場合を除くほか、在外公館は、外国において外務省の所掌事務を行う。

2項

日本政府在外事務所の所掌事務については、日本政府在外事務所設置法昭和二十五年法律第百五号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。

1項

在外公館(第六条第二項に定めるものに限る。以下同じ。)の名称 及び位置は、別に法律で定める。

2項

特別の必要がある場合においては、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、前項の法律で定めるもののほか、在外公館を増置することができる。

3項

既に設置されている在外公館の種類を変更する必要がある場合において、特別の事情があるときは、政令で定めるところにより、当該在外公館の種類を変更することができる。

4項

特別の必要がある場合においては、大使館の一部としてその分館を置くことができる。

5項

前項に定める分館の名称 及び位置は、第一項の法律で定める。

1項

在外公館に、長(以下「在外公館長」という。)を置く。

2項

大使館、公使館、総領事館、領事館 及び政府代表部の長は、それぞれ特命全権大使、特命全権公使、総領事、領事 及び特命全権大使とする。

3項

在外公館長は、外務大臣の命を受けて、在外公館の事務を統括する。

4項

在外公館長に事故があり、又は在外公館長が欠けた場合においては、あらかじめ外務大臣が指定する職員が、その事務を代理する。

1項

この法律(これに基づく命令を含む。以下同じ。)及び他の法令中 領事官の職務に関する規定において、「領事館」とは、法律 又は政令に別段の定めがある場合を除くほか、総領事館 及び領事館をいうものとする。

2項

この法律 及び 他の法令中 領事官の職務に関する規定において、「領事」又は「領事官」とは、法律 又は政令に別段の定めがある場合を除くほか、領事館の長 又はその事務を代理する者をいうものとする。

3項

大使館 若しくは第八条第四項に定めるその分館 又は公使館の所在地に領事館が設置されていない場合 その他特に必要がある場合には、外務大臣は、領事官の職務を、当該大使館 若しくは公使館の長 又はその事務を代理する者に行わせることができる。

1項

領事官(前条第三項の規定により領事官の職務を行う大使館 若しくは公使館の長 又はその事務を代理する者を含む。次条において同じ。)は、別に法律で定める場合を除くほか、その行う事務の処理のうち政令で定めるものに関し、当該事務に要する実費 及び為替相場を勘案して政令で定める額の手数料を徴収することができる。

1項

領事官は、当該在外公館 若しくは第八条第四項に定める分館の所在地における特別の状況により、又は手数料を納付すべき者に特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、外務大臣の承認を経て、前条に定める手数料を減額し、又は免除することができる。

第四章 名誉総領事及び名誉領事

1項

外務大臣は、外国において外務省の所掌事務の一部を遂行するため必要と認めるときは、名誉総領事 又は名誉領事を任命し、これを所要の地に置くことができる。

2項

名誉総領事 及び名誉領事の職務 その他に関し必要な事項は、外務大臣の定めるところによる。